初タイトルへ――。
2018年3月3日、阪神競馬場でチューリップ賞(GⅢ/芝1600m)が行われる。桜花賞と同条件のレースであり、ここでの着順に関わらず毎年のように本番で結果を出す事から、桜花賞の最重要トライアルレースである。阪神JFからの参戦や新馬、未勝利、500万下などローテーションも様々であり本番を占う意味でも重要なレースだ。
今回注目するのはフェアリーS2着のスカーレットカラーだ。アルテミスSはラッキーライラックとコンマ4秒差、白菊賞ではリリーノーブルとコンマ2秒差と阪神JFの1、2着馬と差のないレースをしておりその実力は確かだ。
果たしてスカーレットカラーは今度こそライバルたちに勝ち重賞のタイトルを掴むことが出来るのか? 過去のデータからその可能性に迫っていこう。
目次
データ① 所属
過去10年のデータを見ると関西馬が8勝と断然の成績をあげているが意外な事実も見えてくる。
過去10年の所属別成績を見ていこう。
所属 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
美浦 | 2- 4- 1- 13/20 | 10.0% | 30.0% | 35.0% |
栗東 | 8- 6- 9- 101/124 | 6.5% | 11.3% | 18.5% |
集計期間:2008年~2017年
勝率、連対率、複勝率の全てにおいて関東馬のほうが上回っている。関東馬には注意が必要だろう。とはいえ10年で8勝をあげているように勝ち馬を狙うなら関西馬ではないだろうか? しかし、スカーレットカラー、ラッキーライラック、リリーノーブルともに関西馬であり強調材料とはいえない。
データ② 脚質
馬場改修の影響もあり、近年では差しが決まっているが前残りも目立つ。
脚質別の成績を見ていこう。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 2- 2- 2- 4/10 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
先行 | 0- 3- 3- 31/37 | 0.0% | 8.1% | 16.2% |
差し | 5- 3- 4- 39/51 | 9.8% | 15.6% | 23.5% |
追込 | 3- 2- 1- 44/50 | 6.0% | 10.0% | 12.0% |
集計期間:2008年~2017年
逃げ残りが非常に目立っており、逃げ馬には警戒下必要だ。そして意外なことに先行馬の成績があまりよくなく勝ち馬はいない。フェアリーSのように脚を溜めれば好走は望めそうだが、上位2頭と同じようなタイプであり、なんともいえない。
データ③ 前走
同条件ということもあり、阪神JF組が断然の成績である。
前走別の成績を見ていこう。
前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
阪神JF | 5- 4- 4- 8/21 | 23.8% | 42.8% | 61.9% |
シンザン記念 | 0- 2- 0- 1/3 | 0.0% | 66.6% | 66.6% |
クイーンC | 0- 1- 0- 3/4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
フェアリーS | 0- 0- 1- 4/5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
OP特別 | 2- 1- 2- 30/35 | 5.7% | 8.5% | 14.2% |
500万下 | 2- 2- 1- 39/44 | 4.5% | 9.0% | 11.3% |
集計期間:2008年~2017年
阪神JF組が断然の成績であり、その他のローテーションはあまり大差ないという結果である。ただし前走新馬、阪神JF以外の重賞では勝ち馬がいない。スカーレットカラーの前走はフェアリーSであり、阪神JFに出走していないことからもデータ的に推奨はできない。
まとめ
いかがだっただろうか? あまり実力差はないようにも思えるが以上のことから推奨は出来ないし、スカーレットカラーが勝つのは難しいといわざるを得ないだろう。一方素質馬が本番にむけてどんな走りを見せてくれるのかという期待はある。スカーレットカラーの女王への挑戦の第一戦を見届けよう。