前走の勝利をきっかけに完全復活となるか――。
2018年2月4日、東京競馬場で東京新聞杯(GⅢ/芝1600m)が行われる。かつての2歳王者ダノンプラチナが完全復活をかけて本レースに臨む。ここは久しぶりの重賞制覇をして3年ぶりのGⅠ制覇に向けて弾みをつけたいところだ。
3歳のクラシック戦線を除いてマイル路線を徹底して使われてきた本馬、府中マイルの実績も当然にあるのだが順調さに欠けることが多く古馬になってからも成績が安定していない。今回、久々の重賞勝利に期待がかかるが、果たして実績通りに好走が期待できるか取捨に悩む一頭である。
今回はダノンプラチナの本レース勝利に向けて注目すべき3つのポイントに注目していく。
目次
ポイント①田辺騎手への乗り替わり
デビュー以来コンビを組んできた蛯名騎手が先約のため今回はデンコウアンジュへの騎乗となった。そのため、初の乗り替わりとなり騎手との息が合うかが気になるところだ。当レースの傾向としては過去10年で継続騎乗馬の成績が(6-3-6-46)と勝率9.8%・複勝率24.6%であるのに対して、乗り替わり馬の成績は(4-7-4-66)の勝率4.9%・複勝率18.5%と下回る。複勝圏内の頭数で言えばそれほど差はないが、安定度で考えるとマイナス要因として挙げられるだろう。
次に騎手の成績に注目してみる。今回手綱をとる田辺騎手といえば、テン乗りで2014年のフェブラリーSをコパノリッキーを初GⅠ勝利に導いたレースが印象深いが、昨年もシャケトラやグランシルクをテン乗りで重賞制覇に導いた実績がある。
過去5年の田辺騎手の重賞成績をみてみると……
継続騎乗時 (4-7-2-43) 勝率 7.1%、複勝率 23.2%
乗り替わり時 (8-3-10-55)勝率 10.5%、複勝率 27.6% (テン乗り以外の成績も含む)
コンビを継続してきた馬だけでなく、乗り替わり時にも安定した結果を残していることが分かる。
今回、初の乗り替わりとなったダノンプラチナだがテン乗り実績のある田辺騎手で新たな一面が引き出されるか、また完全復調となるか注目したい。
ポイント②府中マイル実績の評価
ダノンプラチナはこれまでも府中マイルのレースを何度も経験してきている。その成績は(3-0-1-2)とまずまずの好成績ではあるが、そのうちの3勝は2・3歳時にあげたものである。近3走は2016年富士Sの3着が最高であり、一昨年の同レース4着と2走前のキャピタルS8着の成績は海外帰りや出走取り消し後の影響などを考慮しても物足りない内容と言える。
ディープインパクト産駒の府中マイル成績は過去5年で勝率 18.3%・複勝率 43.1%と他種牡馬と比較して圧倒的な数字を残しているのは心強いが、本馬の近年の成績は順調度に左右されているだけあり必ずしも安心材料にはなりえないだろう。もちろん、今回順当に使われての3戦目ということもありこれまでとは違った成績になる可能性も十分にある。
ポイント③年齢とキャリア
ダノンプラチナは3歳以降はコンスタントに出走できなかった時期が多く、6歳ながらキャリアは浅く今回が15戦目となる。
過去10年の本レースにおける年齢毎の成績に注目してみると……
4歳馬 (4-3-3-23) 勝率 12.1% 複勝率 30.3%
5歳馬 (2-3-6-32) 勝率 4.7% 複勝率 25.6%
6歳馬 (4-2-0-26) 勝率 18.8% 複勝率 18.8%
となり、 6歳馬の勝率は高いものの年齢を重ねる毎に複勝率は落ちていることがわかり若い馬のほうが全体的な傾向としては有利な傾向と捉えられる。
しかし、キャリアが浅いこの馬に関してはこの傾向に当てはめずに考えてみたい。キャリア15戦以下と16戦以上の馬の成績で比較をしてみると、
15戦以下 (3-4-3-12) 勝率 13.6% 複勝率 45.5%
16戦以上 (2-1-2-42) 勝率 4.3% 複勝率 10.6%
となり、キャリアの少ない馬がより好成績をあげていることがわかる。
明け4歳馬とも使われてきたレース数ではそれほど変わらず、馬自体は若い。ダノンプラチナもこのレースからさらなる飛躍が期待できるだろう。
まとめ
いかがであっただろうか。今回、3つのポイントをあげてみたがいずれも期待要素にも不安要素にもなりうると考えられる。
これまで順調さを欠いてレースを使われてきた同馬であるだけに当日の気配・仕上がり具合も含めて検討する必要があるだろう。