2017年11月12日、京都競馬場でエリザベス女王杯(GI/芝2200m)が行われる。
過去10年の傾向から3歳馬が優勢(1着4回2着4回3着3回)となっているが、今年は秋華賞の1着馬ディアドラ、2着馬リスグラシュー、3着馬モズカッチャンの上位3頭が揃って出走を予定している。
その中でここではリスグラシューに注目する。陣営も待ち望んだGⅠタイトルを手中にできるだろうか。
目次
好材料① 3歳馬の好走条件に合致
まずは3歳馬の好走条件に合致している点が心強い。
エリザベス女王杯で好走する3歳馬の共通点を挙げると……
・3歳クラシックで人気になってきた素質馬
・古馬混合となっても人気に支持される実力を示してきた馬
この2点になる。リスグラシューは3歳クラシック路線で常に人気になってきた素質馬だ。土曜日の朝の時点では一番人気になっていたほどだ。
勝ち味に遅いが、今まで一度も掲示板を外したことがないこと、一度しか馬券圏内から外れたことがないことは実力の証でもある。古馬と混じっても、見劣りすることはないはずだ。
好材料② 恵まれた枠順
リスグラシューは3枠6番の枠順に決まったが、エリザベス女王杯では過去10年で6頭が8番枠より内枠スタートの馬が勝利を飾っている。
極端に内枠有利というわけではなく、かつ、今年は悪天候での開催が続き、例年より悪い芝のコンディションでのレースとはなるが、好材料としてみておきたい。
好材料③ 亡き恩人へ捧ぐ騎乗?
今回、主戦ジョッキーの武豊がスマートレイアーに騎乗することになったため、福永騎手に乗り替わることになったリスグラシュー。(実際は、調教中の怪我によりスマートレイアーの鞍上は武豊から川田に乗り替わり)
福永騎手はここまで99勝でリーディング4位につけているが、重賞は3月の弥生賞以来勝てていない。
継続騎乗している馬が好成績を残している傾向があるエリザベス女王杯ということもあり、通常なら不安要素が多いが今回は違う。
一昨日、11月9日にオグリキャップやネオユニヴァース、メイショウサムソンなど数々の名馬を育てた瀬戸口勉元調教師が亡くなったのである。
瀬戸口元調教師といえば、福永騎手の師匠である北橋元調教師の盟友であったこともあり、現役中はたいへん世話になった大恩人ともいえる。
正式な追悼コメントを発表するほどの間柄である福永騎手にとって、大恩人への感謝の念を抱き、恩返しの意味もこめて普段以上に全力で騎乗することは想像に難くないのである。
好材料④ 心強い調教師の存在
リスグラシューを管理する栗東の矢作芳人調教師は、2014年と2016年にリーディングトレーナーに輝く名調教師である。
先月もリアルスティールでGⅡ・毎日王冠を勝ったばかりだか、リスグラシューにも並々ならぬ期待を寄せている。
鞍上を福永に指名したのも期待の表れであり、矢作調教師の管理馬に福永が騎乗した際の成績は2012年以降これまでに74回あり14勝2着17回3着4回の勝率18.9%、複勝率47.3%となっている。
リスグラシューは昨年10月のGⅢアルテミスステークス以降、1年以上勝利から遠ざかっており、厩舎コメントでも何とかタイトルを手中に収めたい内容のコメントが多い。
秋華賞後、1週間短期放牧に出したり、これまでは1週前追い切りを強めに最終追いきりは控える形で行っていたのを、1週前よりも最終追いきりを強めにするというように徐々に上げていく感じに調整方法を変えてみたり工夫も感じられるのも好材料と取れる。
まとめ
阪神ジュベナイルフィリーズ2着、桜花賞2着、オークス5着、秋華賞2着とこのままではシルバーコレクターと言われかねないリスグラシュー。
秋華賞のように武豊が上手く騎乗しても更に1枚上の騎乗をされたディアドラの2着となってしまうなどここまでは運に見放されている感もあるが、古馬との初対戦でもある今回、運も味方につけてしまうような快走が期待される。