国内GI初制覇を果たすために――。
2017年10月29日、東京競馬場で天皇賞秋(GI/芝2000m)が行われる。人気を集めそうなのが、リアルスティールだ。前哨戦の毎日王冠を制した素質馬は、5歳となり充実の秋を迎えている。
すでにドバイターフを制したGI馬だが、国内GIでは2着が最高と、栄冠には手が届いていない。
果たして、天皇賞秋で念願のタイトルを獲得することができるのだろうか? 期待と不安を探っていこう。
目次
期待① 競走馬としての充実期
リアルスティールは5歳。競走馬として、今まさに充実期を迎えている。
一方、天皇賞秋は競走馬としての総合力が問われるレースだ。
・ごまかしがきかない府中の2000mという舞台設定
・“秋古馬3冠の一つ”という権威=有力馬が多数出走
こういったシチュエーションで行われるからこそ、強い馬しか勝つことができない。充実期を迎えている馬しか、競争を勝ち抜けない。
実際、天皇賞秋は年齢がカギを握るレースだ。過去10年の年齢別の成績を振り返ってみると……
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年齢 着別度数
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3歳 0- 2- 2- 9/ 13
4歳 4- 6- 2- 30/ 42
5歳 5- 2- 4- 35/ 46
6歳 0- 0- 2- 29/ 31
7歳 0- 0- 0- 30/ 30
8歳 1- 0- 0- 8/ 9
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競走馬としての充実期にある4、5歳馬が圧倒的な成績を残している。
リアルスティールにとって、今がまさに最大のチャンスなのだ。
期待② 申し分のない実績
実績も申し分ない。
・海外GI制覇=GIを制すことができるポテンシャル
・昨年の天皇賞秋2着(レースが合わないことはない)
残してきたものにケチはつけられないだろう。
不安① 1800m専用機の可能性も?
一方で、不安がないわけではない。
というのも、リアルスティールの戦績を見ていくと、1800mの成績が特化して良いことが分かる。
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距離 着別度数
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1600m 0- 0- 0- 1/ 1
1800m 3- 1- 1- 1/ 6
2000m 0- 2- 0- 0/ 2
2400m 0- 1- 0- 2/ 3
3000m 0- 1- 0- 0/ 1
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3勝すべてが1800m。ドバイターフに関しても、1800mだ。2000m以上となると、GI2着の実績はあるものの、勝ち切るには至っていない。
競馬では1400mや1800m、2200mといったいわゆる非根幹距離に特化して強い馬がいるだけに、もしリアルスティールがこのタイプに該当するとすれば、今回も勝ちきれない可能性があるわけだ。
不安② 最高のパートナーを失う
もう一つ不安材料なのが乗り替わりだ。前走、鞍上を務めたミルコ・デムーロ騎手は今回、サトノクラウンに騎乗する。
デムーロ騎手は前走も素晴らしい騎乗を見せていたことに加え、GIでは相変わらず絶好調だ。
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日付 レース名 着 人 馬名
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2017.10.22 菊花賞G1 1 1 キセキ
2017.10.15 秋華賞G1 3 5 モズカッチャン
2017.10.1 スプリンG1 1 1 レッドファルクス
2017.6.25 宝塚記念G1 1 3 サトノクラウン
2017.6.4 安田記念G1 3 3 レッドファルクス
2017.5.28 東京優駿G1 3 1 アドミラブル
2017.5.21 優駿牝馬G1 3 2 アドマイヤミヤビ
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今年はオークス以降のGIですべて馬券に絡んでいる。うち、3回でウィナーとなっている。
最高のパートナーを失ってしまった影響が少なからず出るかもしれないわけだ。
国内初の栄冠か、シルバーコレクターか?
果たして、リアルスティールは国内GI初制覇を成し遂げられるのか。あるいは不安要素が的中して、またしても栄冠に手が届かないのか。天皇賞秋は10月29日、15時40分頃にゲートが開く。