明日はいよいよ、東京競馬場で春のマイル王決定戦・安田記念(GI/芝1600m)が行われる。
開催に際し、競馬TIMES編集部では“オススメの1頭”をピックアップ。今回は、その馬がなぜ強調できるのか、という点を解説していく。
どのようなレースになるのだろうか? その馬が激走する可能性が高い理由とは? 検証を開始していこう。
目次
オススメの1頭とは?
その馬の名は……
ブラックスピネル
である。
プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜
父 | タニノギムレット |
---|---|
母 | モルガナイト |
母の父 | アグネスデジタル |
母の母 | タンザナイト |
性別 | 牡 |
馬齢 | 4 歳 |
生年月日 | 2013年2月14日 |
毛色 | 黒鹿毛 |
馬主 | (有)サンデーレーシング |
調教師 | 音無秀孝(栗東) |
生産牧場 | ノーザンファーム |
産地 | 安平町 |
馬名意味 | 黒い尖晶石 |
では、なぜブラックスピネルが強調できるのか? その理由を挙げていく。
オススメの理由1 フィルターに合致
競馬TIMESでは、安田記念の開催に際し、いくつかの検証を行ってきた。その内の一つの考察で、「5つの消し」というものがあった。ブラックスピネルはこの条件に一つも当てはまっていない。
ポイント1 高齢馬は消し!
ポイント2 キャリア過多な馬は消し!
ポイント3 馬体重が軽い馬は消し!
ポイント4 距離延長馬は消し!
ポイント5 父サンデーサイレンス系は消し!
※詳細は記事にて。
明確なマイナス要素がない、という点は一つの強調材料だろう。
オススメの理由2 タニノギムレット産駒×安田記念
安田記念の歴代好走馬を見ていくと、タニノギムレット産駒が多く含まれていることが分かる。
日付 | 馬名 | 着順 | 人気 |
---|---|---|---|
2013.6.2 | スマイルジャック | 15 | 18 |
2012.6.3 | スマイルジャック | 8 | 18 |
2011.6.5 | スマイルジャック | 3 | 3 |
2010.6.6 | スマイルジャック | 3 | 5 |
2010.6.6 | アブソリュート | 12 | 13 |
2009.6.7 | ウオッカ | 1 | 1 |
2009.6.7 | スマイルジャック | 9 | 5 |
2009.6.7 | アブソリュート | 13 | 8 |
2008.6.8 | ウオッカ | 1 | 2 |
ウオッカが圧倒的な力で連覇を達成し、スマイルジャックも2年連続で好走を果たしている。
一桁人気に支持された場合の好走率は実に66.7%。単勝回収値98、複勝回収値166と、非常に優秀な成績となっている。
安田記念はタフさとスピードの両方が求められるレースだ。タフさのないサンデーサイレンス系が成績を極端に落としていることが、その証拠である。
タニノギムレット産駒はタフさとスピードをバランスよく兼ね揃えている。普段はサンデーサイレンス系の後塵を拝しているが、こと安田記念となれば立場は逆転するわけだ。
オススメの理由3 非サンデー系×前走上がり1位
ブラックスピネルは前走、マイラーズカップで4着に敗れた。しかし、上がり32秒8という凄まじい上がりを使った。この点に着目したい。
安田記念はタフさが求められる。だから非サンデー系の成績がいい。だが、だからといって直線の長い東京コースを惰性で粘り込むようなことはできない。
つまり……
瞬発力のある非サンデー系
この特徴を持った馬は非常に強調できるのだ。
実際に数字を見てみることにしよう。父非サンデー系の前走上がり別の成績を見てみると……
前走脚質 | 着別度数 |
---|---|
3F 1位 | 4- 1- 1- 5/11 |
3F 2位 | 2- 1- 2- 7/12 |
3F 3位 | 0- 0- 0- 3/ 3 |
3F ~5位 | 0- 0- 1- 6/ 7 |
3F 6位~ | 1- 3- 1-30/35 |
前走脚質 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
3F 1位 | 36.4% | 54.5% | 123 | 133 |
3F 2位 | 16.7% | 41.7% | 171 | 232 |
3F 3位 | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
3F ~5位 | 0.0% | 14.3% | 0 | 51 |
3F 6位~ | 2.9% | 14.3% | 105 | 125 |
凄まじい成績を残していることが分かる。上がり2位以内だった馬の成績はなんと複勝率48%、単復回収値は150%を超えている。
ブラックスピネルの臨戦過程は非常に強調できるわけだ。
まとめ
いかがだっただろうか? ブラックスピネルには強調材料がいくつもあることが分かった。
唯一、懸念点があるとすれば58キロ実績がないことだが、この点も血統的な観点から楽観視できる。
タニノギムレット産駒重賞で58キロ以上(牝馬は56キロ)を背負った場合の成績を見てみると……
着別度数 |
---|
3- 2- 5- 8/18 |
勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|
16.7% | 55.6% | 47 | 104 |
※一桁人気が対象
ご覧の通り、非常に高い成績を残していることが分かる。ウオッカ、スマイルジャック、そしてオールザットジャズが複数回好走しているのだ。
もともとロベルト系は斤量を苦にしない傾向にあるだけに、58キロ実績がないことを大きく割り引かなくても良さそうだ。
馬券の軸にするもよし、相手に加えるもよし。どんな扱いにするにせよ、気にかけてみるのがいいのではないだろうか。