競馬場などに未成年者が入場できないようにする施策の実施などを求める法案の原案を民進党がまとめていることが分かった。NHKの報道によれば、競馬やパチンコなどの事業がギャンブル依存症の防止に配慮されて行われるよう、国や自治体に対して必要な施策を講じることを求めていくという。
特に求めているのは……
・競馬場などに未成年者が入場できないようにすること
・一定の期間、馬券の購入やパチンコなどに費やす金額を制限できるシステムの整備
5月中にも法案をまとめたい考えだ。
目次
競馬場はカジノではなく遊園地
JRAが子どもに馬券の購入を推奨しているという事実は、当然のことながらない。
しかしながら、家族で一緒に楽しめる施設として認知してもらえるよう、様々な試みを行っている。例えば以下は、東京競馬場における子供向けのイベントやサービスだ。(JRAより引用)
イベント名 | 東京競馬開催日 | |
土曜 | 日曜 | |
馬とのふれあいイベント | ||
誘導馬のお出迎え | ○ | ○ |
馬の放牧(乗馬センター) | ○ | ○ |
馬車馬の放牧(ローズガーデン) | ○ | ○ |
馬車の運行 | ○ | ○ |
アトラクションホースショー | ○ | ○ |
体験乗馬 | ○ | ○ |
馬とのふれあい | ○ | ○ |
お子様向け遊具・サービス | ||
空飛ぶ「ディープインパクト馬像」に乗って写真を撮ろう! | ○ | |
ターフィーグリーティング | ○ | ○ |
ミニ新幹線運行 | ○ | ○ |
フアフアターフィー | ○ | ○ |
JRA-DOME | ○ | ○ |
フアフアレインボーランド | ○ | ○ |
馬シャ馬シャパーク | ○ | ○ |
海賊船ダービー号 | ○ | ○ |
アンパンマンの石像 | ○ | ○ |
ベビー・チャイルドルーム | ○ | ○ |
このように、いまでは家族として利用しやすいエンターテインメント施設、という側面もある。決してギャンブラーだけの施設ではないのだ。
競馬ファンの不満噴出「さすが民進党」
突如浮上した子どもの競馬場への入場制限法案に波紋が広がっている。SNS上では競馬ファンの不満が噴出。現在、子どもは競馬場に入場できるものの、馬券の購入など、ギャンブルに関わることを行うことはできない。直接的に競馬場への入場とギャンブルが結びつくわけではないことから、「さすが民進党」「これはひどい」と、法案を皮肉る投稿が続出している。
識者も首を傾げる“トンデモ法案“
競馬ファンのみならず、競馬関係者からも困惑や呆れの声が上がっている。
競馬評論家の須田鷹雄さんは「競馬場への未成年者入場規制は香港やシンガポールがやっているが、かといってそこで競馬由来の依存症が少ないというデータはない。そもそも子供が競馬場に入場しなければ依存症が減るという理論構成が分からない。なんとなく時流に乗ろうと思った民進党がなんとなく思いついた程度の案なんだろうが」と疑問を呈す。
さらに「これに対する怒りの声が私のタイムラインにも流れてくるが、所詮は民進案。民進党が競馬ファンの票を失えばそれでいい。ただ、競馬の敵は眠っていないという点については油断なく備えなければならない」「ちなみにグリーンチャンネルの契約世帯が30万世帯強。GCH契約するってそこそこのコアファンで、それだけでもこの数。民進党が石を投げた相手は彼らが思っているよりデカい」と、多くの競馬ファンを敵にしたと指摘。
競馬場への未成年者入場規制は香港やシンガポールがやっているが、かといってそこで競馬由来の依存症が少ないというデータはない。
そもそも子供が競馬場に入場しなければ依存症が減るという理論構成が分からない。なんとなく時流に乗ろうと思った民進党がなんとなく思いついた程度の案なんだろうが。— 須田鷹雄(商店) (@sudatakaoshoten) 2017年5月23日
また、グリーンチャンネルでキャスターを務める小堺翔太さんは「私は小さい時に祖父に競馬場に連れていってもらった事が今の仕事にも繋がっています。子供の頃に競馬場でレースを見て、騎手になろうと夢を抱き実現させた方が沢山います。日曜日の競馬場にはレジャーシートを広げる家族連れの姿だってあります。そういう場所である事も見つめていただきたいですね」と、見解を示す。
私は小さい時に祖父に競馬場に連れていってもらった事が今の仕事にも繋がっています。子供の頃に競馬場でレースを見て、騎手になろうと夢を抱き実現させた方が沢山います。日曜日の競馬場にはレジャーシートを広げる家族連れの姿だってあります。そういう場所である事も見つめていただきたいですね。 https://t.co/N34i8v4cZX
— 小堺 翔太 (@kosa_umakun) 2017年5月23日
ファン、識者の多くが疑問を呈す法案の作成は、今後も波紋を広げていきそうだ。