(C) Yusuke Tsutaya

理由③ キズナは衰えていない

春に結果が出なかったことで「キズナは終わった」という論調を目にする。しかし、これは間違いである可能性が高い。なぜなら、春の3戦はいずれも明確な敗因があったからだ。

京都記念は長期休み明けで仕上げが甘かったことに加え、ペースが向かなかった。完全に前残りの展開の中で3着に食い込んだ姿はまさに「負けて強し」だった。

2戦目の産経大阪杯は馬場や相手関係を考えれば上々の結果だったといえる。(詳細は下記リンク先へ)

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そして天皇賞春はマイナス要素のオンパレードだった。

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キズナは期待値が高すぎるため、「1着以外」になると「不振」と受け止められてしまう。しかし、冷静に見ると(悪条件の中で)よく走っている。少なくとも「衰えた」というのはナンセンスだ。

衰えていないキズナが得意条件の東京芝中距離を使うのだから、凱旋門賞よりはるかに期待値が高い。下手に凱旋門賞を使って負けたら「衰えた馬」という印象を残して引退することになる。“競走馬後”の馬生を考えると、それは避けなければならない。

理由④ 日本の秋競馬が盛り上がる

何も凱旋門賞だけが競馬ではない。日本にも格式高い立派なGIレースがある。

キズナが天皇賞秋、ジャパンカップ、そして有馬記念へ出走してくれば、日本の競馬は確実に盛り上がるはずだ。ファンの中には凱旋門賞より間近で見られる方が嬉しい、という方もいるはず。

日本の競馬を盛り上げる意味でも、キズナが秋のGIシリーズに参戦する意味は大いにある。

理由⑤ 種牡馬価値の向上

さらに種牡馬としての将来を考えた時、国内専念という選択が吉に出る可能性は高い。

フランスに遠征した場合、出走できるGIは凱旋門賞だけになる。有馬記念を使えたとしても、万全の状態で出られるかは流動的だ。一方で国内に専念すれば、余程のことがない限り3つGIを使える。しかもうち2つは適正が高い東京の芝中距離だ。

凱旋門賞を勝てなければキズナは単なる“GI1勝馬”になってしまう。一方、国内だろうと格式高い天皇賞秋やジャパンカップを勝てば種牡馬として箔が付く。次世代に夢を託すという意味でも、GIを複数回勝っておいて損はないのである。

「断念してよかった」と思える結果を!

以上のように、陣営の“英断”はポジティブに受け止められる。少なくとも凱旋門賞より何倍も勝つチャンスがあるだろう。凱旋門賞でもがき苦しむ姿より、秋GIで走ってくれたほうが面白みが増す。

陣営としては挑戦を断念した直後だけに、まだ後ろめたさや後悔があるかもしれない。ただ、キズナにとって良い決断だったと信じて歩んでいってほしい。

巻き返せるだけの条件は揃っている。あとはキズナや関係者の気持ちの問題だろう。「あの時、断念してよかった」と思えるくらいの活躍を期待したいところだ。彼には、それができるポテンシャルがある。

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