なぜ2000万馬券は生まれたのか?大万馬券誕生の5つの真実/ヴィクトリアマイル

目次

大万馬券の理由③ 前、内有利の展開

いくら前残りが発生しやすいレースでもその年によって出走馬は違う。ハイペースになることもあるだろう。ただし、今年は完全に内、先行馬が有利な流れとなった。上位に入線した馬たちの枠順と4角順位を見てみると……

順位/馬名/枠順/4角順位
1着 ストレイトガール 3枠5番/4角5番手
2着 ケイアイエレガント 4枠7番/4角2番手
3着 ミナレット 8枠18番/4角1番手
4着 レッドリヴェール 2枠4番/4角4番手
5着 カフェブリリアント 1枠2番/4角6番手

ミナレット以外、すべて内枠かつ先行した馬が上位を占めていた。そしてミナレットはスタートから先頭に立ったため、枠順の影響を受けなかった。

脚質とレース質がマッチしたことで人気薄の逃亡劇がかなったのだ。

大万馬券の理由④ スピード決着

さらに上位入線馬には面白い共通点がある。それは、「1400m以下で好走歴がある」、もしくは「前走で1400m以下の流れを経験していた」ことだ。

ストレイトガールは高松宮記念、スプリンターズ、香港スプリントで馬券になり、ケイアイエレガントは1000万条件時にスプリント戦で好走。さらにミナレットは1400〜1600mを主戦場とし、キャリア5勝のうち3勝を1400mで挙げている。

また4、5着は前走1400mの阪神牝馬ステークスを使っていた。

一方で人気を裏切ったヌーヴォレコルト(6着)やディアデラマドレ(7着)は中距離のGIで好走歴があった。

スタミナよりスピードが求められる高速決着になったからこそ、ミナレットやケイアイエレガントの素軽さが活きたのだ。

大万馬券の理由⑤ 江田照男

最後にこのジョッキーの名前を挙げずにはいられない。大万馬券を演出する男、江田照男。テレビ番組『マツコ&有吉の怒り新党』で“新三大江田照男騎手の大穴レース”として特集されるほど、印象的な“穴男”として知られている。

最近では2012年の日経賞で14頭立て中12番人気のネコパンチに騎乗し、ルーラーシップやウインバリアシオンをおさえて逃げ切ったシーンが思い出される。

稀代の穴男の手綱さばきも、ミナレットの激走の助けとなったことは想像に難くない。

万馬券は競馬の魅力の一つ

以上のように、様々な要因が重なって2000万馬券というJRA史上2番目の高額配当が生まれたわけだ。これだけの大万馬券はなかなかお目にかかれない。

万馬券は競馬をする人なら一度は手にしてみたいと思う夢の一つだ。そんな夢が、注目度の高いGIで誕生したことは競馬を広める上でもいいことだったかもしれない。

ギャンブル的な側面ばかりが注目されるのは好ましくないが、魅力の一つであることは間違いない。そんな一面が見られたヴィクトリアマイルだった。

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