7月18日に福島競馬場で行われた2歳未勝利(芝1800m)で圧倒的1番人気のタニセンビクトリー(牡2)が圧勝した。

中団から競馬を進めたタニセンビクトリーは抜群の手応えのまま、向こう正面で先頭に。そのまま3、4コーナーを楽な手応えで回ると、直線では後続を一気に引き離してゴール。最後の100mは馬なりという圧巻の内容で初勝利を挙げた。

このパフォーマンスは過去の新馬、未勝利戦を振り返ってもとてもレベルが高いものだった。むしろ、過去に例を見ない素晴らしい走りだったといえる。

いかに素晴らしい走りだったのか。過去の例を挙げて考察していこう。


秀逸なタイム

何より時計の面でとても強調できる。

タニセンビクトリーの走破タイムは1分48秒5だった。この時期の2歳戦、しかも馬場がタフなこの時期に1分48秒台を叩きだすのは簡単ではない。

7Rの3歳未勝利はハイペースになったため0.3秒ほど速い時計が出た。ただし、タニセンビクトリーはラストを流していたため、しっかりと追っていれば同じようなタイムが出たと考えられる。

また、最終12Rの3歳500万条件は1着のタイムが1分48秒8。タニセンビクトリーのタイムのほうが速かった。

さらに今年の2歳戦を振り返ってみると、芝1800mの最速タイムは7月4日にネコダンサーが記録した1分49秒4。このタイムを1秒近く上回っている。

当日や今年の2歳戦と比較すると、1分48秒5が秀逸なタイムだったことが伺える。

福島夏史上最速タイム

さらに歴史を振り返ってみよう。

夏に行われる福島芝1800mの2歳戦という括りで見ると、1分48秒台を記録したのはなんと今回が初めて。

それどころか、この条件では1分49秒台を記録したことも過去に2回しかない。

1回は前述のとおり、ネコダンサーの未勝利戦。そしてもう1回は昨年、コメートが記録した1分49秒2だ。コメートが後にホープフルステークスで2着となり、日本ダービーで掲示板に載ったのは記憶に新しい。

同世代との横の比較、さらに歴史という縦の比較で考えてもパフォーマンスはなかなかのもの。今回の走りを見る限り、「重賞級」と判断してよさそうだ。

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