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血統馬プロディガルサンは全兄リアルスティールと同じ道を辿るのか?

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11月23日に東京競馬場で行われた東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII/芝1800m)に出走した良血馬プロディガルサン(牡2)はスマートオーディンとの競り合いに敗れ、2着となった。

初重賞で2着となり、クラシックへ向けて賞金を加算できたという意味では大きな意味を持つレースだった。

もっとも、良血馬ならではの不安も脳裏をよぎるレースだったようにも見えた。

全兄リアルスティールと同じ道を辿るのではないか? という不安である。

クラシックのど真ん中を走ったリアルスティールだが……

ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー。プロディガルサンとリアルスティールは全く同じ血統をしている。ちなみにもう一つ上の兄ラングレーも全く同じ配合だ。

この血統はよく走る。お母さんが繁殖牝馬として優秀なこと、ストームキャット系牝馬とディープインパクトの組み合わせが“黄金配合”であることなどが成功の要因といえる。

プロディガルサンにしても、東スポ杯で賞金を加算したことにより、クラシックへの出走をほぼ確実なものとした。これからさらに活躍していく可能性は十分にある。

ただし、今までのキャリアを見る限り、兄と同じような“懸念”が脳裏をよぎってしまう。その懸念とは、ここ一番での“ズブさ”だ。

兄のリアルスティールは共同通信杯こそ勝ったものの、以降は2着4回、4着1回と明らかに勝ちきれていない。皐月賞やダービーは結果的にドゥラメンテという絶対的な存在がいたにせよ、どのレースも2番人気以内に支持されていたことを考えると、一つも勝ち星がないのは物足りない。要因を騎手に求める声もあるし、その意見はもっともであるが、勝負どころで伸び切れないことは馬自身の問題でもある。

リアルスティールより一回りスケールを小さくしたラングレーも同じような特徴を持っている。15年11月の時点でラングレーは15レースで走っているが、上がり1位を記録したのは2回のみ。上がり3位以内に対象を広げても、6回しかない。ディープインパクト産駒としてはキレ味に欠けるタイプなのだ。

そしてプロディガルサンである。東スポ杯では上がり33秒4という優秀な末脚を披露した。しかし、勝ちきれなかった。上には上がいたからだ。勝ち馬のスマートオーディンは上がり32秒9の豪脚を使っていたのである。

この上がりが秀逸すぎたというのはさておき、事実として32秒台が出るような馬場でスマートオーディンと0.5秒も差をつけられている。兄たちと同じイメージを持ってしまうのも、致し方ないといったところではないだろうか。

東スポ杯だけで決めつけるのは時期尚早だ。とはいえ、血統は侮れない。血の影響力の大きさは、競馬の歴史で証明されている。

もし仮にここ一番でのキレ味を欠くようなタイプなのであれば、戦略の変更(差し馬から先行馬へ、など)を行わないと、今後も勝ち切れないレースが続くかもしれない。もし同じようなレースを続けるのであれば、リアルスティールやラングレーと同じように勝ち切れない馬になってしまうのではないか。

そんな懸念が頭をよぎる東スポ杯の走りだった。

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超良血馬プロディガルサンが新馬戦を快勝!全兄リアルスティールのリベンジへ上々のデビュー

(C)Yusuke Tsutaya

2015年のクラシックで苦汁をなめた兄の無念を果たすために――。

弟が上々のデビューを飾った。6月20日、東京競馬場5Rで新馬戦(2歳・芝1600m・16頭)が行われ、1番人気のディープインパクト産駒プロディガルサン(牡2)が勝利した。直線で外から各馬を差し切り、好位追走から脚を伸ばした9番人気フジマサスペシャル(牡2)に1/2馬身差をつけ優勝した。勝ちタイムは1分36秒9だった。

勝ったプロディガルサンは父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー、その父Storm Catという血統。全兄リアルスティールは今年のクラシック戦線を賑わせ、皐月賞で2着、日本ダービーで4着だった。

上々の内容

レースを振り返ると、上々の内容だった。7枠14番からスタートしたプロディガルサンは中団から競馬を進めた。終始外外を回す展開となり、距離をロスしていたが、最後はしっかりと脚を伸ばしてきた。

2、3着に入ったのが前々から内で競馬を進めていた2頭だったことを考慮すると、外を回して差し切った内容は着差以上の強さを感じさせた。レースラップを振り返ってみてもそう。

12.7-11.7-12.2-12.6-12.4-11.8-11.6-11.9

芝の新馬戦にありがちな13秒台連発の超スローペースではなかった。中盤はある程度緩んだものの、それでも12秒台半ばで流れていた。よって「上々のデビュー戦」といっていいのではないだろうか。

【次のページヘ】母系は世界的名牝系!血統評価は…?

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リアルスティールがダービー馬の栄光に届かなかった理由とは?敗因を探る

(C)kenji

ドゥラメンテの二冠達成で幕を閉じた、第82回日本ダービー。

“怪物”と双璧をなす人気に支持されたリアルスティールは4着に敗れ、栄光をつかむことはできませんでした。

なぜ、リアルスティールは頂点に届かなかったのでしょうか? その原因を探っていきましょう。

血統的にはこれからが本番

リアルスティールは父ディープインパクト×母父ストームキャットという配合をしています。この組み合わせはキズナやラキシスといったGⅠ馬を輩出している、近年のトレンドです。

ただ、キズナこそダービーで優勝しましたが、母父ストームキャットという広いくくりで見ると、ラキシスやロードカナロアのように古馬になってから輝き出す馬も少なくありません。

血筋からすると、まだまだ成長の余地を残しています。一方でドゥラメンテはクラシック一族です。

(●詳細→ドゥラメンテの血統表=日本競馬の歴史!名牝エアグルーヴやダイナカールの血

現時点での完成度で差が、勝者と敗者を分けた要因の一つだと考えられるわけですね。

末脚勝負に活路を求めるも展開に恵まれず

皐月賞ではドゥラメンテより前にポジションを取っていたリアルスティールですが、ダービーでは位置取りが逆になりました。

リアルスティールはこれまでに2回、上がり3ハロン33秒台を計測しています。

そして、そのうちの1回は12頭立ての7、8番手を追走したスプリングステークスで33秒6。18頭立ての13番手を追走した、まさにダービーと同じような位置取りです。

今回はこのタメるとキレる脚を直線の長い東京コースで活す算段でしたが、展開が向いてくれませんでした。

最初の1000mこそ58秒8というハイペースだったものの、その後の4ハロンは12秒台。ペースが落ち着いたことで、中団勢に有利な流れになってしまったのです。

その上でドゥラメンテに33秒9という脚を使われてしまっては、もはや為す術がありません。

ダービーの屈辱は秋への光明

ただし不向きの展開を乗り越えて4着に滑り込んだのですから、やはり高いポテンシャルを持っていることは明らかです。

そして気になる秋の路線。

同じ配合の先輩キズナは凱旋門賞4着、ラキシスはエリザベス女王杯2着(翌年同レースで優勝)など古馬相手に大健闘していますから、ひと夏越えた秋にどんな姿をみせてくれるのか、本当に楽しみでなりません。

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矢作厩舎の流儀と狙い目は?開成調教師・リーディングトレーナーを切る

(C)minafl

5月31日に東京競馬場で行われる第82回東京優勝・日本ダービー(GI/芝2400m)に、皐月賞2着のリベンジを期してリアルスティールを送り込む矢作芳人調教師。

12年ディープブリランテ以来のダービー制覇に向け、厩舎全体の意気も上がっている。

今回はそんな矢作厩舎にスポットを当て、データ面からその特徴を探っていく。

圧倒的な出走数の多さ

まず矢作厩舎の特徴といえば、圧倒的な出走回数の多さだ。過去1年(14年5月31日~15年5月24日)の矢作厩舎の出走数は513回。2位の山内厩舎が390で、10位の牧厩舎が350回であることからも、矢作厩舎の出走数が他厩舎よりもずば抜けて多いことがわかる。

より多くの賞金を稼ぎ、効率よく馬房を回転させようという中ででも、リーディングを獲得するほどの成績を残せるのは、調教師、厩舎スタッフが一体となった努力の賜物だろう。

ただ、ファンからすると出走回数が非常に多いため、勝負気配を読み取りにくいことは確か。そこで今回は、これからの夏競馬シーズンを中心に、ファンの参考にできそうなデータをご紹介したい。

ある騎手とのコンビで儲けろ!?

矢作厩舎の騎手起用で注目したいのは、先日美浦から栗東所属に変更となった中谷雄太騎手。実質的には昨年も栗東中心に騎乗しており、特に調教を手伝っている矢作厩舎の馬に騎乗する機会は多い。

しかし原則的には能力の低い馬を依頼することが多く、中でも中央場所には有力騎手がいるため、馬券に絡む機会はほとんどないと言っていい。

その代わりに狙い目となるのがローカル開催だ。ローカル開催は騎手が手薄になる。中谷騎手に有力馬の依頼が来ることも少なくない。ローカル開催において中谷騎手が騎乗した1~6人気の馬の成績は【7-3-2-7】(12年以降)。過去の中谷騎手の成績を鑑みると、この勝率は驚異的であり、夏の北海道シリーズで注目しておきたい。

盤石仕上げのデビュー戦

もう1つ、これからの季節に注目したいデータがある。ダービーが終われば、翌週から始まるのが新馬戦だ。

矢作厩舎は新馬戦の成績が非常に良く、12年以降(13-17-10-59)で勝率13.1%、複勝率40.4%。単勝・複勝回収率ともに100%を超えている。昨年の6月以降で見ても勝率18.8%、複勝率は40%で同じく好成績だ。

効率よく馬房を回転させる、ということは無駄な出走はさせないということ。勝ち上がりが早ければそれだけローテーションにも幅が広がるため、新馬戦からしっかりと仕上げ勝利を狙う。もちろん上位厩舎であれば、素質馬を新馬戦からきっちりと勝利に導くのだが、矢作厩舎は中穴人気の好走も多いため、こうした回収率をはじき出している。

最多勝から、更なる高みへ

昨年、リーディングトレーナーとなった矢作調教師だが、意外にも重賞勝利はゼロ。本人にも悔しい思いはあるだろう。ただ、管理馬を見ると層が薄かったことは否めない。代わりにここまで現3歳世代の勝ち上がり数(地方交流戦除く)は、全調教師中トップの23頭だ。

2月には素質馬リアルスティールが共同通信杯を勝ち、さっそく重賞タイトルを手にした。昨年の最多勝を受けて、今年の2歳馬の馬質がさらに向上することも大いに考えられる。

さらにダービーで好走馬を出せば……評価は揺るぎないものとなるはずだ。

皐月賞のリベンジを果たす意味でも必勝体制で臨むはず。いざ、ダービーへ。矢作厩舎から目が離せない。

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福永祐一騎手はダービージョッキーになれるのか?苦戦の歴史を紐解く

(C)Minafl

福永祐一騎手がダービージョッキーへの挑戦権を得た。

5月31日に東京競馬場で行われる第82回東京優駿・日本ダービー(GI/芝2400m)にリアルスティールとともに臨むのだ。リアルスティールは共同通信杯を制し、皐月賞で2着になった世代屈指の有力馬だ。当日は皐月賞馬ドゥラメンテに次ぐ2番人気に支持されることが確実視されている。

果たして福永騎手は“悲願”を達成できるのか。彼の挑戦の歴史と、可能性について探っていこう。

ほろ苦すぎるダービーデビュー

福永騎手は今日、トップジョッキーのひとりとして評価されている。有力馬を任されることも少なくない。ただし、いまだにダービーを勝てていない。

福永騎手の苦悩の歴史は、1998年に幕を開けた。そしてこの騎乗が後の苦悩を予見するものだった。デビュー以来、コンビを組み続けたキングヘイローに騎乗すると、皐月賞で2着になったこともあって2番人気に支持された。

しかし、福永騎手は愛馬を抑えることができず、デビューから一度もやったことがなかった逃げの手を打つことに。結果、2番人気ながら14着と大敗してしまった。彼自身、後に「失敗だった」と認めるほど、想定外の騎乗をしてしまったのだ。

以降、ダービーでは1番人気1頭を含め、5番人気以内の有力馬6頭に騎乗したが、最高成績は2着(2回)。トップジョッキーでありながら、皐月賞を含めて春の牡馬クラシックは無冠となっている。

●詳細→福永祐一騎手、春の牡馬クラシックで2着6回…届きそうで届かない“あと一歩の歴史”

苦戦の理由

福永騎手が牡馬のクラシックで勝てないのは、騎乗スタイルがオーソドックスすぎる点にある。上記したリンク先から引用しよう。

実績のとおり、平場では最も買える騎手の1人だ。ソツのない騎乗をするため、才能のある馬を普通に勝たせることはできる。だから、多くの陣営が福永騎手に騎乗を依頼する。

ただし、「ソツのない」というのは必ずしも褒め言葉ではない。例えば「無難」と言い換えることができる。この「無難な騎乗」は平場ではいいかもしれないが、重賞レベルになると足元をすくわれるケースが多い。

特にGIはすべての騎手が勝ちたいと思っている。そういった環境で80点の騎乗をしても、100点の騎乗をしたジョッキーに勝利をかっさらわれてしまうのだ。

なお、皐月賞では100点に近い騎乗をしたが、ドゥラメンテの反則級の末脚に屈した。いい騎乗をしても、それを上回る何かに邪魔されて栄冠を取り逃してきたわけだ。

再び苦戦を強いられる?

今回はワールドエースやエピファネイアの時と同じくらい、チャンスがあると捉えていい。騎乗馬の質としては期待が持てる。

ただし、福永騎手自身がダービーを苦手にしている点は気になる。例えば皐月賞と比較してみよう。

皐月賞は勝っていないものの(0−4−2−8)と比較的いい成績を残している。2着が4回、3着が2回の他にも5着が3回あり、掲示板率は64%だ。

一方、ダービーは大敗することが多く、掲示板率は33%程度。アサクサキングスに騎乗して2着になった年は完全な“展開利”だったことを考えると、「福永騎手だから好走できた」というのはエピファネイアくらいしかいない。

今年も簡単な挑戦でないことは確かなのだ。

呪縛を打ち破れるか

もっとも、連敗記録というのはいつか止まるもの。今の福永騎手の技術と騎乗馬の質であれば、ダービーを勝っても不思議ではない。

幸い、今年はダービーを狙えるパートナーとともに参戦する。

キングヘイローに騎乗してから17年、福永騎手がどんな騎乗をするのか、注目したい。

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