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(C)Ko-Mei

桜花賞で苦杯をなめた怪物牝馬が、復活を果たした。

5月21日に東京競馬場で行われた優駿牝馬オークス(GI/芝2400m)で、1番人気のフランケル産駒ソウルスターリング(牝3)が、6番人気のモズカッチャンを押さえて勝利した。2番人気のアドマイヤミヤビは3着、3番人気のリスグラシューは5着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 5月21日(日) 2回東京10日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第78回優駿牝馬
3歳・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝 2400m 18頭立

馬名S 性齢
2 ソウルスターリング 牝3 1
1 モズカッチャン 牝3 6
16 アドマイヤミヤビ 牝3 2
7 ディアドラ 牝3 9
14 リスグラシュー 牝3 3
3 フローレスマジック 牝3 5
12 ブラックオニキス 牝3 17
18 マナローラ 牝3 16
10 ブラックスビーチ 牝3 8
10 4 ミスパンテール 牝3 11
11 17 カリビアンゴールド 牝3 14
12 5 モーヴサファイア 牝3 13
13 13 レーヌミノル 牝3 4
14 6 ハローユニコーン 牝3 12
15 11 レッドコルディス 牝3 15
16 8 ホウオウパフューム 牝3 7
17 9 ディーパワンサ 牝3 18
18 15 ヤマカツグレース 牝3 10

LAP 12.7-11.6-12.8-12.6-12.0-12.3-12.3-12.1-11.6-11.3-11.2-11.6
通過 37.1-49.7-61.7-74.0
上り 70.1-57.8-45.7-34.1
平均 1F:12.01 / 3F:36.02

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.7-11.6-12.8-12.6-12.0-12.3-12.3-12.1-11.6-11.3-11.2-11.6

大方の予想を覆してハナを切ったのはフローレスマジックだった。ソウルスターリングやモズカッチャンといった1、2枠の馬たちがそれに続く。アドマイヤミヤビとリスグラシューは後方からの競馬となった。

逃げ馬ではないフローレスマジックがハナを切ったのだから、ペースが遅くなるのは必然だった。1000mの通過は61.7秒。実に残り800mまでほとんどが12秒台のラップを刻む超スローペースとなった。

・直線までに、ある程度前のポジションにいること
・32秒台の末脚を使うこと

このどちらかができなければ、上位に来るのは難しいレースとなったわけだ。

(C)Ko-Mei

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ソウルスターリング

まさに盤石の競馬だった。スローペースを内枠から先行して押し切るという、これ以上ない理想的なレースだった。

・スローペースを先行=差し遅れる心配がない
・内枠から内々を回る=距離ロスほぼなし
・有力馬が後ろから競馬をしていた

もともと実力があって、これだけ要素が揃えば、勝ち切るのは納得だろう。

2着 モズカッチャン

フローラステークスの勝ち馬は低評価を覆して2着に入った。好走できた理由はソウルスターリングと同じだ。

あとは位置取りや実力など、少しの違いで差ができたということ。理想的な競馬だった。

3着 アドマイヤミヤビ

この展開になれば後ろからでは届かない。

・外枠だったこと
・やや出負けしてしまったこと

とにかくスタートが良くなかったため、いいポジションを取ることができなかった。上がり1位の末脚を使っているだけに、敗因はスタートだったといってもいいだろう。もちろん、ペースが落ち着いてしまったなど、外部的な要因もあったが。

4着 ディアドラ

内々を回って距離ロスを防ぎ、直線でもインをついて4着まで上ってきた。岩田康誠騎手らしいイン付きで、いい騎乗だったと振り返ることができる。

ただし、インにこだわったことでポジションが後ろになり、なかなかポジションを上げていくことができなかった点が痛かった。この視点から見れば騎手の判断が間違っていたと解釈することもできないこともないが、「9番人気の馬で上位を狙う」という観点から考えればこの選択は妥当だったように感じられる。

5着 リスグラシュー

先行馬ではないためポジションが後ろになることは仕方がないが、体内に時計を持っている武豊騎手であるならばもう少し前々のポジションを取りたかったところだっただろう。

直線の入り口でもややスムーズさを欠き、ポジションを落としてしまった。最後は伸びてきているが、上位を飲み込むまでには至らず。この展開では厳しかった。

6着 フローレスマジック

驚きの逃げを打った。このペースなら粘り込みたいところだったし、数字上は可能だっだように感じられる。

だが、オークスという2400mの長丁場で初めて逃げを打ったというシチュエーションは厳しいものだった。戸崎圭太騎手はとしては他の馬をいかせてソウルスターリングのような競馬をしたかったのだろうが、自分が逃げる展開になっては厳しかった。

同じ東京競馬場の2400mのGIという意味では、キングヘイローのダービーが思い出されるようなレースだった。

7着 ブラックオニキス

この馬が7着に粘れたという点が、このレースの本質を示している。実力が劣る馬でも、このペースである程度のポジションにいれば残れてしまうわけだ。

8着 マナローラ

9着 ブラックスビーチ

10着 ミスパンテール

11着 カリビアンゴールド

12着 モーヴサファイア

13着 レーヌミノル

やはりダイワメジャー産駒に2400mは長かった、というような結果だ。

位置取りは悪くなかったものの、コーナーで終始外を回す競馬になってしまった。そういう意味では外枠が響いたと判断していいだろう。

・中長距離が苦手なダイワメジャーの血
・距離ロスをしやすい外枠
・実際にコーナーで距離を大幅にロス

これらの要素が重なり、直線で弾けることはできなかった。コーナー4回の秋華賞であれば今回より適性がありそうだが、ダイワメジャー産駒という点を考慮すると、マイル路線を歩んでいったほうが無難だと考えられる。

14着 ハローユニコーン

15着 レッドコルディス

16着 ホウオウパフューム

17着 ディーパワンサ

18着 ヤマカツグレース


モズカッチャンの血統や次走、将来性は?フローラS馬になれた理由


4月23日に東京競馬場で行われたフローラステークス(GII/芝2000m)は、12番人気のハービンジャー産駒モズカッチャン(牝3)が粘るヤマカツグレース(牝3)をおさえて重賞初制覇を果たした。

モズカッチャンの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者

ハービンジャー
サイトディーラー
母の父 キングカメハメハ
母の母 ベストブート
性別
馬齢 3 歳
生年月日 2014年2月27日
毛色 黒鹿毛
馬主 (株)キャピタル・システム
調教師 鮫島一歩(栗東)
生産牧場 目黒牧場
産地 日高町
馬名意味 冠名+人名愛称

血統評価は?

モズカッチャンは快挙を成し遂げた。

基本的にハービンジャー産駒というのは重賞で期待値が高くない。ディープインパクトやキングカメハメハ産駒に比べると、能力に加えて一瞬の切れ味が足りないため、どうしても決め手不足で負けてしまうのだ。

事実、今までハービンジャー産駒の牝馬が重賞を勝ったことは一度もなかった。

レース名 馬名 人気 着順
桜花賞G1 ディアドラ 14
フラワーG3 エバープリンセス 12
フラワーG3 サンティール 5
フィリーG2 ヤマカツグレース 11
京成杯G3 サンティール 12
愛知杯HG3 カゼルタ 12
フェアリG3 キュイキュイ 6 13
阪神ジュG1 サトノアリシア 7
ファンタG3 ディアドラ 3
ファンタG3 ヤマカツグレース 2
アルテミG3 サトノアリシア 4
紫苑SG3 ギモーヴ 8 13
新潟2歳G3 モーヴサファイア 1
クイーンG3 テルメディカラカラ 5
優駿牝馬G1 ジェラシー 10
フラワーG3 ウインクルサルーテ 14
フラワーG3 ギモーヴ 4
京都2歳G3 ウインクルサルーテ 10
アルテミG3 ウインクルサルーテ 11
ローズSG2 サンクボヌール 9
ローズSG2 テルメディカラカラ 13 10
フローラG2 サダムブルーハワイ 14 12
フラワーG3 カゼルタ 8 10
チューリG3 ロカ 3
クイーンG3 ロカ 1
クイーンG3 カービングパス 7 10
フェアリG3 カービングパス 1
阪神ジュG1 ロカ 1
京都2歳G3 フローレスダンサー 4
アルテミG3 フローレスダンサー 5

集計期間:2014.11. 1 ~ 2017. 4. 9

しかし、この負の連鎖がようやく終わった。

ただし、今回の場合は血統云々よりも位置取りの関係が大きかった。

フローラS2017結果・動画│モズカッチャンの勝因、ホウオウパフュームの敗因は?

上記に詳細が記されているが、かなりのスローペースだったため、枠順や位置取りの要素が大きかったのだ。

血統的には近親にステファノスやゴールドティアラ、ゴールデンハインドなどがいて、スケール的に全く劣るわけではないが、この重賞制覇はある意味で足かせになるかもしれない。

試金石は次やその次のレースになるだろう。

次走は?

オークスへの優先出走権を獲得したため、今後は当然ながらオークスへ進むことになるはずだ。

ただし、前述の通り、ハービンジャー産駒、特に牝馬は重賞における実績がほとんどない。しかも今回はかなり恵まれた上での勝利だったわけで、オークスで厳しい戦いを強いられることは間違いないだろう。

なお、ハービンジャー牝馬の重賞成績は……

種牡馬 勝率 複勝率 単回値 複回値
ハービンジャー 0.0% 10.0% 0 51

集計期間:2014. 9. 6 ~ 2017. 4.16

ご覧の通り。馬券的な期待値も、決して高いわけだ。


フローラS2017結果・動画│モズカッチャンの勝因、ホウオウパフュームの敗因は?

(C)arima0208

4月23日に東京競馬場で行われたフローラステークス(GII/芝2000m)は、12番人気のハービンジャー産駒モズカッチャン(牝3)が粘るヤマカツグレース(牝3)をおさえて重賞初制覇を果たした。

1番人気のホウオウパフュームは馬群に沈み、8着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

レース映像・動画

フローラステークス映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果→重賞レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 4月23日(日) 2回東京2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第52回サンケイスポーツ賞フローラS
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝 2000m 18頭立

馬名S 性齢
1 モズカッチャン 牝3 12
7 ヤマカツグレース 牝3 10
14 フローレスマジック 牝3 2
6 タガノアスワド 牝3 3
16 レッドコルディス 牝3 11
13 アロンザモナ 牝3 15
9 アドマイヤローザ 牝3 4
5 ホウオウパフューム 牝3 1
11 ビルズトレジャー 牝3 9
10 15 ニシノアモーレ 牝3 13
11 2 ザクイーン 牝3 5
12 3 キャナルストリート 牝3 8
13 8 ドリームマジック 牝3 14
14 12 ディーパワンサ 牝3 6
15 4 レッドミラベル 牝3 7
16 18 ピスカデーラ 牝3 17
17 17 ラユロット 牝3 16
18 10 メイショウササユリ 牝3 18

LAP 13.0-12.1-12.0-11.8-12.6-12.8-12.3-11.5-11.2-12.0
通過 37.1-48.9-61.5-74.3
上り 72.4-59.8-47.0-34.7
平均 1F:12.13 / 3F:36.39

レース分析

端的に言えば「スローペースの位置取り、枠順決着」となった。

13.0-12.1-12.0-11.8-12.6-12.8-12.3-11.5-11.2-12.0

前半1000mの通過は61.5秒。後半は59.8秒だから、2秒近い差がある展開になった。これでは、後続は届かない。上位の馬たちの通過順と枠順を見てみると……

馬名S 通過順位
1 モズカッチャン  07-07-08
7 ヤマカツグレース  02-02-02
14 フローレスマジック  03-03-03
6 タガノアスワド  01-01-01
16 レッドコルディス  11-11-09
13 アロンザモナ  04-06-06

といった具合だ。内枠に入る、もしくは外枠ながら先行したり、内に潜り込んだ馬たちが上位に入った。

ホウオウパフュームなど、位置取りを悪くして直線に懸けた馬たちは軒並み伸びず。単純に、そういうレースだったということで割り切っていい。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 モズカッチャン

1枠1番の人気薄が1着になるというのが、このレースの本質を示していたように思う。確かにややなめられすぎの感はあったが、それにしてもペースと枠順に恵まれた結果。例えば枠が少しでも外であったなら、違った結果になっていただろう。

ハービンジャー×キングカメハメハという配合なので距離が伸びる分には問題ないだろう。ただし、単純な実力という意味でオークスでは苦戦を強いられることは必須と思われる。

2着 ヤマカツグレース

同じく枠順と展開がかなり見方した。同じハービンジャー産駒のモズカッチャンとのワンツーということで何らかのバイアスがきいたかもしれない、ということは考えられる。逆にいうと、それくらい恵まれないと今後好走するのは厳しいということ。

3着 フローレスマジック

外枠というハンデがありながら、先行策を取ったことが結果として吉と出た。

サトノアラジンやラキシスの全兄弟ということで、血統的な期待がかかる馬だ。ただし、兄弟を見てみると、どうしても晩成型という感は否めない。ラキシス、サトノアラジン、サトノケンシロウともに春のクラシックには間に合わず、秋や古馬になってから本格化した馬だ。

この馬もまだまだ未完成。本格化は先で、オークスでも簡単ではないと考えたほうがいいだろう。優先出走権を獲得した3頭の中では、一番可能性がありそうだが……。

4着 タガノアスワド

同じく先行策をとったことでかなり恵まれた。ネオユニヴァース産駒は東京や重賞における期待値の高くない馬だけに、頑張ったとは言えるが、逆にこれだけの展開で粘れななかったことがこの馬の実力を示しているとも考えられる。次、過剰な人気になるなら、考えたほうがいいだろう。

5着 レッドコルディス

大外枠でコーナーも外外を回ったということを考えれば、この順位は立派といえるかもしれない。前走もスローペースの位置取り決着に悩まされただけに、ある程度ペースが流れるレースになれば十分にチャンスがありそう。

ハーツクライ産駒ということもあり、まだまだ成長を期待できる馬だろう。

6着 アロンザモナ

この展開でこの着順だと厳しい。

7着 アドマイヤローザ

位置取りの差。見直し可。

8着 ホウオウパフューム

率直に言えば、展開としては仕方なかった。ただし、やや不満の残る内容だった感は否めない。スタートは非常によかったし、多少押していってポジションを取ろうと思えば取れたはずだ。しかし、田辺裕信騎手は馬に任せてポジションを下げ、結果として展開に恵まれなかった。直線でもかなり窮屈な競馬を強いられた。

もちろん展開や馬場は言い訳にできる要素だが、圧倒的一番人気で内枠に入ったのであればもっと積極的な競馬をしてもよかったのではないか? 今までの競馬を見ても33秒台の脚を使ったことがないし、血統的に見てもハーツクライ×キングマンボは明らかに重く、瞬発力勝負には向いていない。

例えば半兄のジューヴルエールも、父ディープインパクトながら全く切れるタイプの馬ではなかった。この馬もそうだろうし、だとしたら、この競馬では厳しい。

本質的にはスタミナを生かして台頭できるタイプなので、もっと積極的な競馬をしたいし、タフな条件での巻き返しが期待される。

9着 ビルズトレジャー

位置取りの差。見直し可。

10着 ニシノアモーレ

位置取りの差。見直し可。

11着 ザクイーン
12着 キャナルストリート
13着 ドリームマジック
14着 ディーパワンサ
15着 レッドミラベル
16着 ピスカデーラ
17着 ラユロット
18着 メイショウササユリ


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