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(C)はねひろ

6月25日、阪神競馬場で春競馬の“総決算”宝塚記念(GI/芝内回り2200m)が行われ、サトノクラウン(牡5)が優勝した。圧倒的一番人気に支持されたキタサンブラックは、まさかの9着に敗れた。

勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月25日(日) 3回阪神8日 天候 : 曇  馬場状態 : 稍重
【11R】 第58回宝塚記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・内 2200m 11頭立

馬名S 性齢
11 サトノクラウン 牡5 3
2 ゴールドアクター 牡6 5
8 ミッキークイーン 牝5 4
6 シャケトラ 牡4 2
7 レインボーライン 牡4 7
1 ミッキーロケット 牡4 8
3 スピリッツミノル 牡5 9
5 シュヴァルグラン 牡5 6
10 キタサンブラック 牡5 1
10 4 クラリティシチー 牡6 11
11 9 ヒットザターゲット 牡9 10

LAP 12.5-11.1-11.6-13.1-12.3-11.7-11.6-11.8-11.7-11.8-12.2
通過 35.2-48.3-60.6-72.3  上り 70.8-59.1-47.5-35.7  平均 1F:11.95 / 3F:35.84

払い戻し

単勝  11 \900
複勝  11 \480 / 2 \550 / 8 \450
枠連  2-8 \710 (5)
馬連  02-11 \5250 (17)
ワイド 02-11 \1500 (18)/ 08-11 \1170 (13)/ 02-08 \1060 (12)
馬単  11-02 \10330 (30)
3連複 02-08-11 \10670 (29/165)
3連単 11-02-08 \70420 (160/990)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.5-11.1-11.6-13.1-12.3-11.7-11.6-11.8-11.7-11.8-12.2

ポイントは2つ。

・4、5ハロン目に極端に緩んだこと
・以降はずっと11秒台を刻んだこと

予想に反してシュヴァルグランが逃げることになったが、スタートから2、3ハロン目はそこそこ流れた。しかし、4、5ハロン目で極端に緩んだことで、ここでかかるか、脚を溜められるかが一つの分岐点となった。

例えばキタサンブラックはこの区間でリラックスして走ることができなかった結果、直線では後退する一方になってしまった。

しかも6ハロン目からは11秒台と、休む期間がなくなってしまった。「息を入れられるときに入れられた馬」、要するに後ろで待機していて自分のペースで走ることができた馬が好走するようなレースになったわけだ。

先行勢が全滅したように、前に行った馬にとっては極めて厳しい展開となった。

サトノクラウン、ゴールドアクター、そしてミッキークイーンはいずれも最後の直線まで後方に待機していた。一方、キタサンブラック、シュヴァルグラン、そしてシャケトラの先行勢は馬券圏外に落ちてしまった。

このラップに対応できたかどうかが、一つの大きな“分岐点”となったわけだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 サトノクラウン

気難しい馬で、走らないときは掲示板にも載れないわけだが、ハマったときの爆発力がGI級であることをここで証明することになった。

勝因を挙げるとするなら

・馬場
・展開
・ミルコ・デムーロ騎手の手腕

だろうか。まず重馬場はサトノクラウン、そしてデムーロ騎手が最も得意とする条件だ。この条件で彼ら以上のコンビを見つけることは難しい。

さらに展開の後押しもあった。通常の宝塚記念は逃げ、先行馬の粘り込みが好走のパターンだが、今回は馬場が特殊だったこともあり、例年のような形にならなかった。後ろで待機しても勝負になるような展開になったことが優勝を後押ししたわけだ。

そして目を見張るのはデムーロ騎手の手腕だろう。向こう正面でデムーロ騎手は一度サトノクラウンを前へ促し、先行勢にプレッシャーをかけにいった。これでキタサンブラックら、先行勢は息を入れられなくなってしまった。

しかし、当の本人はペースが速くなると、再び後方に下がって機会をうかがった。結果、十分に脚をためることができ、直線の爆発につながったわけだ。

2着 ゴールドアクター

“終わっていないこと”を証明する2着となった。

展開、そして馬場が向いたのはサトノクラウンと同様。馬場の悪い内側を突いた点は、ゴールドアクターの重馬場適性やパワーに相当の自信を持っていたことの証明だろう。

そして有馬記念や宝塚記念のようなトリッキーな条件が得意なことも証明する形となった。今後は特殊な条件で評価を挙げ、東京や京都のようなコースでは評価を下げる必要がありそうだ。

3着 ミッキークイーン

宝塚記念といえば牝馬の台頭――。

期待に違わぬ走りを見せた。マイナスファクターに合致せず、競馬TIMES編集部でも「オススメの1頭」に挙げたように、好走する条件が揃っていたのだから。

3着止まりだったのは上位2頭が強かったこと、そして血統的な面が大きかっただろうか。

ミッキークイーンは“ズブいディープインパクト産駒”ではあるものの、血統的なタフさでは上位2頭に劣っていた。さすがにマルジューやスクリーンヒーロー(ロベルト系)に、ディープ産駒はタフさでかなわない。

今後もディープインパクト産駒が苦手なようなタフな条件で台頭してくる可能性はありそうだ。一見、瞬発力があるように見えるが、実はそれほどでもない。

よって、瞬発力が求められるジャパンカップより、持続力が求められるエリザベス女王杯のほうが向いている、と言えそうだ。

4着 シャケトラ

マンハッタンカフェ産駒は抜群のコース成績を誇っていただけに、台頭があるかと思われた。

しかし、先行勢に厳しいペースとGI級の底力が求められるレースとなり、最後の最後で失速してしまった。

もっとも、キタサンブラックやシュヴァルグランが沈んだ展開で先行しながら4着に粘ったのは立派だった。まだまだキャリアが浅く、成長が期待できる。

5着 レインボーライン

ステイゴールド産駒が得意な舞台でペースが向いたが、5着まで。コーナーで外を回した影響が多少なりともあったと考えられる。

ただし、マイナス要素よりプラスファクターのほうが多かっただけに、現状力負けと言えるかもしれない。

6着 ミッキーロケット

直線、ジリジリ伸びてきたものの、弾けるまではいかず。直線、窮屈になる場面があったとはいえ、この展開だったことを考慮すると、上位とは力の差があったと考えてしかるべきだろう。

7着 スピリッツミノル

ゴールドアクターの前にポジションを取り、内を突く選択をしたが直線では伸びなかった。力負け。

8着 シュヴァルグラン

意表を突く逃げを打ったが、3コーナーで手応えが怪しくなり、4コーナーでは馬群に飲み込まれた。初の逃げで戸惑ったこと、一気に距離短縮となったことでペースに戸惑ったことなど、敗因は複数考えられる。

もっとも、天皇書春上位組のキタサンブラックが同じように沈んだことを考慮すると、レコード決着だったレースの“見えない反動”があったとも考えられる。

よりスタミナのいる条件で見直しだろう。最低でも2400mはほしいところ。

9着 キタサンブラック

もともと合う条件ではなかったことに加え、チグハグな競馬になってしまった。詳細は個別の検証記事にて。

10着 クラリティシチー

展開向かず、馬場の悪いところを通った。現状、力負けだろう。

11着 ヒットザターゲット

残念ながら全盛期の力はもうない。


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