タグ:ミッキークイーン

(C)はねひろ

6月25日、阪神競馬場で春競馬の“総決算”宝塚記念(GI/芝内回り2200m)が行われ、サトノクラウン(牡5)が優勝した。圧倒的一番人気に支持されたキタサンブラックは、まさかの9着に敗れた。

勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月25日(日) 3回阪神8日 天候 : 曇  馬場状態 : 稍重
【11R】 第58回宝塚記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・内 2200m 11頭立

馬名S性齢
11サトノクラウン牡53
2ゴールドアクター牡65
8ミッキークイーン牝54
6シャケトラ牡42
7レインボーライン牡47
1ミッキーロケット牡48
3スピリッツミノル牡59
5シュヴァルグラン牡56
10キタサンブラック牡51
104クラリティシチー牡611
119ヒットザターゲット牡910

LAP 12.5-11.1-11.6-13.1-12.3-11.7-11.6-11.8-11.7-11.8-12.2
通過 35.2-48.3-60.6-72.3  上り 70.8-59.1-47.5-35.7  平均 1F:11.95 / 3F:35.84

払い戻し

単勝  11 \900
複勝  11 \480 / 2 \550 / 8 \450
枠連  2-8 \710 (5)
馬連  02-11 \5250 (17)
ワイド 02-11 \1500 (18)/ 08-11 \1170 (13)/ 02-08 \1060 (12)
馬単  11-02 \10330 (30)
3連複 02-08-11 \10670 (29/165)
3連単 11-02-08 \70420 (160/990)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.5-11.1-11.6-13.1-12.3-11.7-11.6-11.8-11.7-11.8-12.2

ポイントは2つ。

・4、5ハロン目に極端に緩んだこと
・以降はずっと11秒台を刻んだこと

予想に反してシュヴァルグランが逃げることになったが、スタートから2、3ハロン目はそこそこ流れた。しかし、4、5ハロン目で極端に緩んだことで、ここでかかるか、脚を溜められるかが一つの分岐点となった。

例えばキタサンブラックはこの区間でリラックスして走ることができなかった結果、直線では後退する一方になってしまった。

しかも6ハロン目からは11秒台と、休む期間がなくなってしまった。「息を入れられるときに入れられた馬」、要するに後ろで待機していて自分のペースで走ることができた馬が好走するようなレースになったわけだ。

先行勢が全滅したように、前に行った馬にとっては極めて厳しい展開となった。

サトノクラウン、ゴールドアクター、そしてミッキークイーンはいずれも最後の直線まで後方に待機していた。一方、キタサンブラック、シュヴァルグラン、そしてシャケトラの先行勢は馬券圏外に落ちてしまった。

このラップに対応できたかどうかが、一つの大きな“分岐点”となったわけだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 サトノクラウン

気難しい馬で、走らないときは掲示板にも載れないわけだが、ハマったときの爆発力がGI級であることをここで証明することになった。

勝因を挙げるとするなら

・馬場
・展開
・ミルコ・デムーロ騎手の手腕

だろうか。まず重馬場はサトノクラウン、そしてデムーロ騎手が最も得意とする条件だ。この条件で彼ら以上のコンビを見つけることは難しい。

さらに展開の後押しもあった。通常の宝塚記念は逃げ、先行馬の粘り込みが好走のパターンだが、今回は馬場が特殊だったこともあり、例年のような形にならなかった。後ろで待機しても勝負になるような展開になったことが優勝を後押ししたわけだ。

そして目を見張るのはデムーロ騎手の手腕だろう。向こう正面でデムーロ騎手は一度サトノクラウンを前へ促し、先行勢にプレッシャーをかけにいった。これでキタサンブラックら、先行勢は息を入れられなくなってしまった。

しかし、当の本人はペースが速くなると、再び後方に下がって機会をうかがった。結果、十分に脚をためることができ、直線の爆発につながったわけだ。

2着 ゴールドアクター

“終わっていないこと”を証明する2着となった。

展開、そして馬場が向いたのはサトノクラウンと同様。馬場の悪い内側を突いた点は、ゴールドアクターの重馬場適性やパワーに相当の自信を持っていたことの証明だろう。

そして有馬記念や宝塚記念のようなトリッキーな条件が得意なことも証明する形となった。今後は特殊な条件で評価を挙げ、東京や京都のようなコースでは評価を下げる必要がありそうだ。

3着 ミッキークイーン

宝塚記念といえば牝馬の台頭――。

期待に違わぬ走りを見せた。マイナスファクターに合致せず、競馬TIMES編集部でも「オススメの1頭」に挙げたように、好走する条件が揃っていたのだから。

3着止まりだったのは上位2頭が強かったこと、そして血統的な面が大きかっただろうか。

ミッキークイーンは“ズブいディープインパクト産駒”ではあるものの、血統的なタフさでは上位2頭に劣っていた。さすがにマルジューやスクリーンヒーロー(ロベルト系)に、ディープ産駒はタフさでかなわない。

今後もディープインパクト産駒が苦手なようなタフな条件で台頭してくる可能性はありそうだ。一見、瞬発力があるように見えるが、実はそれほどでもない。

よって、瞬発力が求められるジャパンカップより、持続力が求められるエリザベス女王杯のほうが向いている、と言えそうだ。

4着 シャケトラ

マンハッタンカフェ産駒は抜群のコース成績を誇っていただけに、台頭があるかと思われた。

しかし、先行勢に厳しいペースとGI級の底力が求められるレースとなり、最後の最後で失速してしまった。

もっとも、キタサンブラックやシュヴァルグランが沈んだ展開で先行しながら4着に粘ったのは立派だった。まだまだキャリアが浅く、成長が期待できる。

5着 レインボーライン

ステイゴールド産駒が得意な舞台でペースが向いたが、5着まで。コーナーで外を回した影響が多少なりともあったと考えられる。

ただし、マイナス要素よりプラスファクターのほうが多かっただけに、現状力負けと言えるかもしれない。

6着 ミッキーロケット

直線、ジリジリ伸びてきたものの、弾けるまではいかず。直線、窮屈になる場面があったとはいえ、この展開だったことを考慮すると、上位とは力の差があったと考えてしかるべきだろう。

7着 スピリッツミノル

ゴールドアクターの前にポジションを取り、内を突く選択をしたが直線では伸びなかった。力負け。

8着 シュヴァルグラン

意表を突く逃げを打ったが、3コーナーで手応えが怪しくなり、4コーナーでは馬群に飲み込まれた。初の逃げで戸惑ったこと、一気に距離短縮となったことでペースに戸惑ったことなど、敗因は複数考えられる。

もっとも、天皇書春上位組のキタサンブラックが同じように沈んだことを考慮すると、レコード決着だったレースの“見えない反動”があったとも考えられる。

よりスタミナのいる条件で見直しだろう。最低でも2400mはほしいところ。

9着 キタサンブラック

もともと合う条件ではなかったことに加え、チグハグな競馬になってしまった。詳細は個別の検証記事にて。

10着 クラリティシチー

展開向かず、馬場の悪いところを通った。現状、力負けだろう。

11着 ヒットザターゲット

残念ながら全盛期の力はもうない。


ミッキークイーンとルージュバックの敗因とは?ヴィクトリアマイルで惨敗した3つの理由

(C)Ko-Mei

直線で爆発的な末脚を披露することはできなかった。

5月14日に東京競馬場で行われたヴィクトリアマイル(GI/芝1600m)で、6番人気のステイゴールド産駒アドマイヤリード(牝4)が、11番人気のデンコウアンジュ(牝4)を押さえて勝利した。一方、ミッキークイーン(牝5)やルージュバック(牝5)といった人気馬は馬群に沈んだ。

なぜ圧倒的一番人気に支持されたミッキークイーンは敗れたのか? 敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

レース映像・動画

映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 5月14日(日) 2回東京8日 天候 : 曇  馬場状態 : 稍重
【11R】 第12回ヴィクトリアマイル
4歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝 1600m 17頭立

馬名S性齢
5アドマイヤリード牝46
10デンコウアンジュ牝411
3ジュールポレール牝47
2スマートレイアー牝74
4ソルヴェイグ牝49
8クイーンズリング牝55
11ミッキークイーン牝51
15フロンテアクイーン牝412
12ウキヨノカゼ牝78
107ルージュバック牝52
1114レッツゴードンキ牝53
121アットザシーサイド牝413
136アスカビレン牝510
1413ヒルノマテーラ牝617
1516クリノラホール牝416
1617リーサルウェポン牝615
179オートクレール牝614

LAP 12.6-11.2-11.8-12.3-12.2-11.1-10.8-11.9
通過 35.6-47.9-60.1-71.2
上り 70.1-58.3-46.0-33.8
平均 1F:11.74 / 3F:35.21

敗因分析

まずはレース回顧をご覧でない方は、こちらを見てから先に進んでいただきたい。

アドマイヤリードの勝因、レッツゴードンキの敗因は?ヴィクトリアマイル2017結果・動画

まとめると、今回のヴィクトリアマイルの本質は……

・残り3ハロンまでの位置取り
・やや重の中で上がりを使える能力

この2点だった。そういう意味で、ミッキークイーンはこの2つの要素に全く当てはまっていなかったのだ。

敗因1 消極的すぎたレースプラン

浜中俊騎手はレース後、こう振り返っている。

「ゲートは上手に出てくれて、出たなりで競馬はできた。いつも反応は鈍い方だけど、今日は手前を3回くらい替えて走っていた。最後もデンコウアンジュが横から来たところで抵抗できなかった」

まずこの「出たなりの競馬」という点が消極的すぎたように思える。ヴィクトリアマイルは牝馬限定戦で、毎年のようにスローペースになっている。しかも今年のメンバーを見渡しても、スローペースになることは濃厚だった。少なくともハイペースになるようなことはなかっただろう。

そうならば、少なくともポジション取りをもう少し気にしたほうがよかったはずだ。3コーナーでは悪い位置取りではなかったが、4コーナーではズルズル下がってポジションを悪くしてしまった。

先行するような競馬を経験したことはないとはいえ、今回の位置取りが失敗だったことは間違いないだろう。

敗因2 瞬発力レースはもう向かない?

次に、瞬発力勝負になったこともミッキークイーンに味方しなかった。

ミッキークイーンは圧倒的な瞬発力を持っている……とイメージしがちだ。しかし、実際にはそこまで瞬発力に優れた馬ではない。

戦績を見れば明らかだろう。能力で押し切ることができた2、3歳のときは上がり1位を使っているが、古馬になってからは2回しか1位を使っていない。他にすべて3位以下である。
馬グループ戦歴(1頭)

レース名馬場状態上り3F上り3F順
ヴィクトG133.87
阪神牝馬G234.01
有馬記念G135.87
エリザベG133.64
ヴィクトG133.64
阪神牝馬G233.31
JCG134.26
秋華賞G134.64
ローズSG233.81
優駿牝馬G134.01
忘れな草34.03
クイーンG333.81
未勝利*36.11
新馬・牝33.71

集計期間:2014.12. 7 ~ 2017. 5.14

ちなみにこの戦績はジェンティルドンナと非常によく似ている。

レース名馬場状態上り3F上り3F順
有馬記念G134.18
JCG135.58
天皇賞秋G134.48
宝塚記念G136.28
京都記念G234.68
JCG133.96
天皇賞秋G135.83
宝塚記念G135.94
JCG132.82
秋華賞G133.13
ローズSG233.23
優駿牝馬G134.21
桜花賞G134.31
チューリG334.73
シンザンG334.74
未勝利*34.11
新馬36.72

集計期間:2011.11.19 ~ 2014.12.28

ご覧のように、ジェンティルドンナも同世代の馬たちと戦っていたときは常に1〜3位だったが、古馬になってからはほとんど上がり上位を使っていない。しかし、絶対的なセンスと能力で勝ちを重ねていた。

ミッキークイーンも同じで、今は瞬発力だけの競馬を求められると辛い。だが、おそらくジェンティルドンナのように、もう少し先行するなど、能力を活かそうとする競馬をした方が力を発揮できる可能性が高いといえる。

今回のヴィクトリアマイルではミッキークイーンが持つ能力を発揮しきれなかったのだ。

敗因3 ディープ産駒の差し馬は…

これは敗因とは少しズレるが、そもそもディープインパクト産駒の差し馬というのは取りこぼしが多い。(差し馬に取りこぼしが多いのはディープインパクト産駒に限らないが)

ディープインパクト産駒完全攻略!スター種牡馬の仔が走る5つの法則とは?

ここで述べられているが、基本的に先行馬の方が期待値が高い。差し馬は色々なリスクがあるため、凡走する可能性が高いといえるのだ。

先に出したジェンティルドンナはもともと差し馬だったが、徐々に先行馬にシフトしていった。一方のミッキークイーンは差す競馬を続け、取りこぼしも多い。

今回の凡走は、差し馬にならいつでも起こり得るものだった。そういう意味で、今回のレースを教訓にもっと積極的なレースを展開してくれることを望む。なにも先行する競馬ができないわけではないはずなのだから。

ルージュバックの敗因は?

なお、人気で敗れたルージュバックにも同じことが言える。位置取りが悪すぎたし、爆発的な末脚を望むことはもう難しいだろう。

戸崎圭太騎手はレース後「追走は楽だったけど、後方からになってしまった。外に出せずに中を突く形になって、伸びがひと息だった」と振り返っているが、あのような位置取りになるくらいなら、無理にでも追走しなければ厳しかったわけだ。

まとめ

今回のように、人気の差し馬が負けて伏兵が台頭する、というのは競馬ではよくあることだ。

ミッキークイーンもルージュバックも、差し馬とはいえ、圧倒的な爆発力を持っているわけではない。というより、現代の競馬で差して安定した成績を残せる馬など、本当に一握りである。

だからこそ、2頭と陣営、騎手にはもっと積極的な競馬をしていくことが求められるのではないか。今は競馬ファンの目がシビヤになっている。先行して力勝負で負けたのなら納得がいくが、差して展開が向かずに届かない……というのはどうしてももどかしさが残る。

2頭とも能力は高いのだから、今の殻を打ち破るようなレースをしてくれることを期待したいところだ。


(C)はねひろ

圧倒的一番人気のミッキークイーンは沈み、新たな女王が誕生した。

5月14日に東京競馬場で行われたヴィクトリアマイル(GI/芝1600m)で、6番人気のステイゴールド産駒アドマイヤリード(牝4)が、11番人気のデンコウアンジュ(牝4)を押さえて勝利した。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

レース映像・動画

映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 5月14日(日) 2回東京8日 天候 : 曇  馬場状態 : 稍重
【11R】 第12回ヴィクトリアマイル
4歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝 1600m 17頭立

馬名S性齢
5アドマイヤリード牝46
10デンコウアンジュ牝411
3ジュールポレール牝47
2スマートレイアー牝74
4ソルヴェイグ牝49
8クイーンズリング牝55
11ミッキークイーン牝51
15フロンテアクイーン牝412
12ウキヨノカゼ牝78
107ルージュバック牝52
1114レッツゴードンキ牝53
121アットザシーサイド牝413
136アスカビレン牝510
1413ヒルノマテーラ牝617
1516クリノラホール牝416
1617リーサルウェポン牝615
179オートクレール牝614

LAP 12.6-11.2-11.8-12.3-12.2-11.1-10.8-11.9
通過 35.6-47.9-60.1-71.2
上り 70.1-58.3-46.0-33.8
平均 1F:11.74 / 3F:35.21

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.6-11.2-11.8-12.3-12.2-11.1-10.8-11.9

逃げ馬不在でスロー濃厚と見られたレースでハナを切ったのはソルヴェイグだった。スマートレイアーらがそれに続き、ミッキークイーンは中団から、ルージュバックはほとんど最後方からレースを進めた。

結果、前半の1000mは60.1。直線の入り口では横に広がり、まさしく「ヨーイドン!」という展開となった。上がり3ハロンは33.8だから、完全な位置取り勝負+その中で上がりの切れ味に優れた馬たちが上位に来た、と言える。

なお、やや重という馬場状態だったことも多少は影響があったと考えられる。良馬場におけるスローの上がり勝負ならディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒といった瞬発力血統が上位に来るはず。

しかし、今回上がり1位を使ったのは、なんとメイショウサムソンのデンコウアンジュとフロンテアクイーンだった。決して瞬発力があるわけではないメイショウサムソン産駒が2頭とも上がり1位の脚を使ったというのだから、偶然とはいえないだろう。

・残り3ハロンまでの位置取り
・やや重の中で上がりを使える能力

このあたりが求められるレースだったと考えられる。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 アドマイヤリード

・残り3ハロンまでの位置取り
・やや重の中で上がりを使える能力

まさにこの2つを兼ね揃えたのがアドマイヤリードだった。堀川特別で調子を取り戻していこう、すべてのレースで上がり1位の脚を使っている。しかも直近の2走は重馬場の中で上がり1位を使っていた。今回のコンディション、そして展開がモロにハマったと判断できる。

もともとステイゴールド産駒はタフな競馬が得意だし、内枠から狭いところを抜け出して……という競馬が十八番だ。そういう意味で、クリストフ・ルメール騎手の手綱さばきも光った。

2着 デンコウアンジュ

コーナーで外を回すロスがあったが、ミッキークイーンの外からかぶせるようにして鋭い末脚を使った。ある意味、この馬が上がり33秒2を使って2着に来たことが、このレースの本質を示しているように感じられる。

思えば過去にアルテミスステークスを勝ったときも同じようなシチュエーションだった。

デンコウアンジュの血統や将来性は?アルテミスS1着馬を徹底分析

欧州血統に有利なタフな馬場で、直線で上がり1位を使って1着。今回は2着だったが、こういう状況がこの馬には合っていたのだろう。

3着 ジュールポレール

ディープインパクト産駒の上がり馬らしい飛躍だった。この馬もある程度のポジションで競馬ができ、ある程度の上がりを使える才能があった。

ディープインパクト産駒ではあるが、母父エリシオは欧州血統だ。血の後押しがあったと考えていいだろう。

なお、半兄サダムパテックがマイルチャンピオンシップを制したときも、馬場はやや重だった。渋った馬場のマイルGIで好走できる才能を持った一族なのかもしれない。

4着 スマートレイアー

武豊騎手は最高の競馬をしたが、最後の最後に切れ味の差が出てしまった。1400mや1600mで勝った実績が豊富であるものの、中距離をこなせるスタミナとタフさを持つ馬でもある。今回は瞬発力勝負になった分だけ、分が悪かった。

5着 ソルヴェイグ

距離に不安のある馬だけに、ペースを落として楽な展開を作れたのが幸いした。しかし、上がりを使える馬ではないため、瞬発力勝負になるとどうしても切れ負けしてしまう。

かといってこれ以上ペースを上げてしまうとスタミナが持たないわけで、この条件ではどうやってもこれ以上上の順位に行くことは難しかったのではないか。最高の競馬をして5着だった、と判断していいだろう。

6着 クイーンズリング

ミルコ・デムーロ騎手の好判断でポジションを上げて直線では勝負圏内にいた。しかし、通ったコースがイマイチ伸びない場所だったこともあって、6着まで。

7着 ミッキークイーン

別の記事で詳細を書くが、端的に言えば何もかもはまらなかった、ということ。

8着 フロンテアクイーン

馬場があっていたのは上がり1位の末脚を使ったことでも明白だが、さすがに位置取りが後ろ過ぎた。

9着 ウキヨノカゼ

位置取りが後ろ過ぎた。

10着 ルージュバック

位置取りが後ろ過ぎた。

11着 レッツゴードンキ

外枠が影響してコーナーで距離をロスしすぎた。いくらスローペースだったからとはいえ、距離不安のある馬がコーナーであれだけ外を回れば直線で力尽きるのは仕方がない。

12着 アットザシーサイド

力負け。

13着 アスカビレン

力負け。

14着 ヒルノマテーラ

力負け。

15着 クリノラホール

力負け。

16着 リーサルウェポン

力負け。

17着 オートクレール

力負け。


ミッキークイーンの血統や将来性は?オークスの覇者を徹底分析

(C) Yusuke Tsutaya

東京競馬場で5月24日に行われた優駿牝馬オークス(GI/芝2400m)は、3番人気のミッキークイーンがルージュバック、クルミナルとの追い比べを制して優勝した。

浜中騎手の手綱に導かれ、桜花賞への出走が叶わなかった無念を晴らし、馬名の如く女王の座に輝いた。

ミッキークイーンの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。

血統評価は?

ミッキークイーンは父ディープインパクト、母ミュージカルウェイ、その父ゴールドアウェイという血統。ディープインパクト産駒によるオークス制覇は、12年のジェンティルドンナ以来2頭目だ。

母ミュージカルウェイは仏国重賞を3勝し、香港カップで3着した実力馬だが、その父ゴールドアウェイはマイル前後の仏国重賞を4勝したものの、GⅠでは2着4回とここ一番で勝ちきれなかった。ゴールドアウェイは祖父がヌレイエフで、母系にヌレイエフの血を持つ馬はオークスに相性がいい。

14年1着ヌーヴォレコルト(母父スピニングワールド)
13年3着デニムアンドルビー(母母父ヌレイエフ)
12年2着ヴィルシーナ(母母父ヌレイエフ)
11年2着ピュアブリーゼ(母父パントレセレブル)

今回のミッキークイーン1着で、5年続けて母系にヌレイエフの血を持つ馬がオークスで馬券になったということになる。

母系にヌレイエフを持つ主なディープインパクト産駒は、先に挙げたデニムアンドルビーやヴィルシーナの他に、昨年の3歳マイル王者ミッキーアイル、2歳女王ショウナンアデラ、GIII2勝のマーティンボロなど活躍馬が多数いる。

樫の女王の課題

秋はもちろん、古馬になってからの活躍も期待したいところだが、今後は馬体の成長を望みたいところだ。ディープインパクト産駒は小柄な産駒の多い。しかし、GⅠ戦線で活躍したジェンティルドンナやヴィルシーナ、ハープスターは450~480キロと、立派な馬体を誇っていた。一方、ミッキークイーンは430キロと小柄なのだ。

GⅠの舞台で堂々と牡馬と渡り合う牝馬が増えた現代競馬は、それだけ消耗も大きい。銘品の仲間入りをするためには、馬体面の成長が求められる。

もっとも、ミッキークイーンは未勝利を勝った時、444キロだった。クイーンカップで輸送に失敗してマイナス20キロとなったが、本来はもう少し馬格のある馬なのだ。444キロだったのが2歳の12月。そこから成長していることを考えると、馬体が増えていく可能性は十分にあるはずだ。

今後、夏場は休養に当てて王道の秋華賞路線を歩むことになる。しっかりと休養して馬体重を増やし、450キロ前後で秋を迎えられたなら、“名牝への道”は確実に開けてくる。

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ミッキークイーンが樫の女王に輝けた4つの要因とは?

(C) Yusuke Tsutaya

最後の直線で巻き起こった見応えある叩き合いを制したのはミッキークイーン(牝3)だった。

5月24日に東京競馬場で行われた優駿牝馬オークス(GI/芝2400m)で1番人気のルージュバックらを破り初制覇を飾った。

なぜ、ミッキークイーンはクラシックを勝つことができたのか? 今回は4つの視点から、彼女が樫の女王に上り詰めた要因を探っていく。

要因① 示していたGI級の素質

まず、ミッキークイーンはキャリアの中でGI級の素質を持っていることを示していた。詳しくは以下の記事を参照してほしい。

GI級の大器!ミッキークイーンがオークスで人気になるワケとは?

前残りの展開の中、ただ1頭、秀逸な末脚を見えた新馬戦、輸送に失敗しながら2着に激走したクイーンカップなど、見どころのあるレースが多かった。彼女のキャリアを振り返れば、オークスで好走したのがフロックではないことは明らかなのだ。

要因② 春の牝馬クラシックにめっぽう強い血

血統面も彼女を後押しした。

父のディープインパクトは春の牝馬クラシックにめっぽう強い。桜花賞は昨年まで5連覇を達成し、今年はクルミナルが2着に入った。

オークスでもジェンティルドンナを筆頭に、3年連続で好走馬を出していた。(今年で4年連続。)偉大な父の血が、ミッキークイーンを後押ししたわけだ。

さらに母系も良かった。母のミュージカルウェイは欧州の重賞を3勝している。また兄弟のトーセンマタコイヤらはJRAで活躍中。GIで好走できるポテンシャルを秘めた血統だったわけだ。

オークス(2015年)ミッキークイーン良血度診断!全兄トーセンマタコイヤ

要因③ 克服した輸送という課題

「GI級の素質」、「オークスに合った血統」という2つのポテンシャルを持つことに加え、課題を克服したことも栄冠をつかむ要因の一つとなった。

彼女の一番の課題は輸送だった。初めて輸送を経験したクイーンカップではマイナス20キロと、大幅に馬体を減らしていた。

ところが今回は輸送があったにもかかわらず、プラス体重となる430キロで出走できた。輸送という課題をクリアし、万全の状態でレースに臨んだことで最高のパフォーマンスを示すことができたわけだ。

要因④ 巧みだった浜中騎手の手綱さばき

鞍上の的確な手綱さばきにも注目したい。

ミッキークイーンの枠順は5枠10番、二桁馬番だった。一歩間違えれば外外を回り、距離をロスして直線で余力を残せない、といった競馬になりかねない。彼女の場合、スタートが速くないため、位置取りが後ろになりすぎる懸念もあった。

そんな中、浜中騎手はスタートからある程度押してポジションを取りに行った。加えて、なるべく外を回さずに内に入れていった結果、内ラチから2頭目のポジションを取ることができた。理想的な位置取りとポジションで競馬を進められたことが直線における爆発的な末脚を呼び込んだ。

また、先行したルージュバックを目標にしたことも、勝利を手繰り寄せる要因になったと考えられる。

まとめ

以上のように……

・GI級のポテンシャルの高さ
・大物になれる可能性を秘めた血統
・課題の克服
・鞍上の好騎乗

こういった要因が重なり、ミッキークイーンはGI初制覇を達成できたのだ。

爆発的な末脚を持ち、マイルから2400mまで幅広い距離をこなせる。血統を見ても「ただの早熟馬」で終わる可能性はほとんどない。

そう考えると、秋以降も活躍してくれることは間違いなさそうだ。樫の女王に輝いたクイーンはどんなキャリアを重ねていくのか。注目して見守りたい。

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