タグ:サトノクラウン

(C)Yushi Machida

10万人を超える大観衆に魅せた圧倒的な力、絶対的王者の引退——。

2017年12月24日、中山競馬場で有馬記念(GI/芝 2500m)が行われた。再度その能力の高さを顕示したキタサンブラックは、2着以下を寄せ付けず見事引退レースVを成し遂げた。

2番人気に推されたスワーヴリチャードは4着での入線となったが、勝者と敗者を決める分岐点はどこにあったのか振り返っていこう。


結果・着順

2017年12月24日(日) 5回中山8日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第62回有馬記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 2500m 16頭立

馬名性齢
キタサンブラック牡51
クイーンズリング牝58
シュヴァルグラン牡53
スワーヴリチャード牡32
ルージュバック牝510
シャケトラ牡47
サウンズオブアース牡614
レインボーライン牡49
サトノクロニクル牡311
10ヤマカツエース牡56
11ミッキークイーン牝55
12ブレスジャーニー牡312
13サトノクラウン牡54
14トーセンビクトリー牝515
15カレンミロティックセ916
16サクラアンプルール牡613

LAP  6.8-11.6-11.9-12.2-12.3-13.3-13.2-12.8-12.2-12.1-11.7-11.2-12.3
通過 30.3-42.5-54.8-68.1  上り 72.3-59.5-47.3-35.2  平均 1F:12.29 / 3F:36.86

払い戻し

単勝  2 \190
複勝  2 \120 / 3 \550 / 10 \180
枠連  1-2 \1600 (6)
馬連  02-03 \3170 (9)
ワイド 02-03 \1180 (13)/ 02-10 \280 (2)/ 03-10 \2760 (30)
馬単  02-03 \3810 (12)
3連複 02-03-10 \5420 (16/560)
3連単 02-03-10 \25040 (68/3360)

レース分析

レースラップは以下の通りである。

6.8-11.6-11.9-12.2-12.3-13.3-13.2-12.8-12.2-12.1-11.7-11.2-12.3

キタサンブラックがスタートを決めて楽にハナを取る形で隊列が形成され始めた。序盤は少々流れたが、1周目の直線あたりから徐々にキタサンペースに落ち着いていった。

1角、2角では13.3-13.2-12.8と、大胆と言っていいほどにペースが落とされた。向正面から徐々にペースが上がり、最後の1000mは12.2-12.1-11.7-11.2-12.3とロングスパートではあるものの、直線入り口で一気に突き放した。

直線で追い出されたキタサンブラックは後続の追随を許さず見事優勝を果たした。ラスト1Fは12.3と少々甘くなったが、差せる位置に馬を寄せ付けなかった。

直線であわや大事故ともなりかねない騎乗があったのは残念である。不利を受けたのはシュヴァルグランとサクラアンプルールだが、あれがなければ2、3着は変わっていたかもしれないと思うと少し残念でもある。

しかし、落馬などあればキタサンブラックの祝福ムードではなくなってしまう。彼の強さは十分に伝わった。人馬ともに怪我なく完走できたことが最良の出来事だったといえるだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 キタサンブラック

スタートを綺麗に決めて先頭に立った。序盤こそペースが流れたが、1周目ホームストレッチあたりから少しずつペースを落とした。1、2角では13.3-13.2-12.8と大胆に息を入れた。

向正面で少しずつペースが上がり、ラスト1000mは12.2-12.1-11.7-11.2-12.3とロングスパートの形で勝負に出た。かなりペースを落としていたにも関わらず、早い段階で動く馬がいなかったため、キタサンブラックにとっては楽な流れとなった。

直線で追い出されると後続の追随を許さず、一度も先頭を譲ることなく見事引退Vで有馬記念を優勝した。最後の坂で甘くなることが多く、今回も11.2-12.3と甘くなった印象を受けるが、そこに付け入ることのできる位置に他馬を寄せ付けなかった。

2着 クイーンズリング

内枠を活かした完璧な騎乗でこちらも引退レースで結果を残した。直線での斜行はあったものの、それを除けばさすがC. ルメール騎手といった騎乗だった。

内5番手にポジションを取ったC. ルメール騎手、道中ロスなく進めることで脚を溜めることができた。この馬にとっては完全なロングスパートになりきらなかったこと、内枠を活かしたルメール騎手の完璧な騎乗が噛み合って生まれたものだろう。

外国人騎手の大舞台での勝負根性を見せ付けられた。やはり外国人は巧いと表現したくなるエスコートだった。


3着 シュヴァルグラン

中団後ろで道中運んでいたが、3、4角で先に後ろから外を回って動いてきたスワーヴリチャードとともに進出を開始した。内から斜行したクイーンズリングと外から斜行したスワーヴリチャードに挟まれて不利を受ける場面があった。

この不利さえなければ2着まで食い込めていたことも予想でき、非常に残念な結果に終わった。やはり左回りで力を存分に発揮する1頭ではないか。キタサンブラック不在となるこれからのレース、この馬が今後どのような競馬を見せるのか期待したい。

4着 スワーヴリチャード

懸念された右回り、直線で他馬に大きな迷惑をかける形となった。

直線で右鞭を受けても内に大きくヨレてしまい、シュヴァルグランやサクラアンプルールなどに不利を与えてしまったのは良くなかった。

それでも出負けして後方からの競馬になりながら4着は立派で、ここからさらに完成度が上がれば来年の期待は計り知れない。

5着 ルージュバック

最後方で直線を迎えるも上がり最速で懸命に追い込んでの5着。枠がもう少し内になればさらに着順をあげることができた可能性もある。ルージュバックもここで引退か。

キタサンブラックの引退レースだったが、ルージュバックに騎乗した北村宏司騎手は菊花賞まで主戦としてキタサンブラックに跨っていた。彼にとっても思い入れのあるレースだったのではないか、今回騎乗のルージュバックとともに掲示板まで駆け上がってきた。

16着 サクラアンプルール

直線で不利を受けて着順を大きく落とした。穴として注目していたファンは多く、落胆の色を隠せなかった。サクラアンプルール、蛯名騎手ともに怪我なく完走できたのは不幸中の幸い。

ここでこの着順になったのは不利があったことによるもの。中山巧者の実力はまだまだ発揮されていない。今後注目してみたい1頭である。

まとめ

キタサンブラックの引退Vで幕を閉じた今年の有馬記念。キタサンブラックはやはり強かった。今後王者の引退でGIレースのペースに乱れが生じることが予想される。


これからはまた違った意味で面白い競馬が観られるだろう。

ありがとう、キタサンブラック。


シュヴァルグランの勝因、キタサンブラックやレイデオロの敗因は?ジャパンカップ2017回顧

(C) 2017 Ricky All Rights Reserved.

11月26日、東京競馬場でジャパンカップ (GI/芝2500m)が行われ、シュヴァルグラン(牡5/栗東 友道厩舎)が優勝した。逃げた1番人気キタサンブラックを直線で捉え、念願の初GIタイトルを手にした。

強豪がひしめく今年のジャパンカップ、人気馬を退けて優勝したシュヴァルグランの勝因は何だったのか、3着に沈んだキタサンブラックの敗因はどこにあるのか。

勝者、敗者をわけた“分岐点”を、振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年11月26日(日) 5回東京8日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第37回ジャパンカップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 2400m 17頭立

馬名性齢
1シュヴァルグラン牡55
2レイデオロ牡32
4キタサンブラック牡51
11マカヒキ牡46
14アイダホ牡410
9レインボーライン牡48
8ソウルスターリング牝34
16ヤマカツエース牡512
3ギニョール牡59
1012サトノクラウン牡53
1113シャケトラ牡47
125サウンズオブアース牡611
1210ブームタイム牡616
1417ラストインパクト牡714
156イキートス牡513
1615ワンアンドオンリー牡615
177ディサイファ牡817

LAP 13.0-11.2-12.1-12.1-11.8-12.1-12.3-12.2-11.8-11.3-11.8-12.0
通過 36.3-48.4-60.2-72.3  上り 71.4-59.1-46.9-35.1  平均 1F:11.97 / 3F:35.92

払い戻し

単勝  1 \1330
複勝  1 \190 / 2 \140 / 4 \120
枠連  1-1 \1780 (6)
馬連  01-02 \1770 (7)
ワイド 01-02 \460 (5)/ 01-04 \350 (3)/ 02-04 \230 (1)
馬単  01-02 \5250 (19)
3連複 01-02-04 \1300 (2/680)
3連単 01-02-04 \13340 (36/4080)

レース分析

まずはレースラップをチェックしていきたい

13.0-11.2-12.1-12.1-11.8-12.1-12.3-12.2-11.8-11.3-11.8-12.0(36.3-35.1)

ポイントは2つ

・ラスト3Fが最速ラップだったこと
・前半のペースがややスローではあるものの、昨年より早いペースだったこと

全馬ほぼ揃ったスタートでジャパンカップの幕が開けられた。前走とは変わってスタートを綺麗に決めたキタサンブラックがハナに立って1角へと進んで行った。キタサンブラックがそのまま自分のペースに持ち込んだものの、前半のペースがやや早く、昨年のようなキタサンブラックの楽逃げとはならなかった。

その流れの中でのラスト3Fが最速ラップとなり、キタサンブラックには少々苦しい形となった。ギニョールの後ろ、3列目内にポジションを取り、3、4角をロスなく回ったシュヴァルグラン、スタートで挟まれてポジションを下げることになったレイデオロが直線で抜け出して脚を伸ばして行った。

この2頭が直線でキタサンブラックを捉え、そのまま後続を寄せ付けず残り100m付近でシュヴァルグランがキタサンブラックを捉えた。レイデオロはゴール前でキタサンブラックを交わし、3着で入線した。

不良馬場での開催となった天皇賞(秋)に出走せず、万全の状態でジャパンカップに臨んだ2頭での決着となった。期待された天皇賞(秋)組が馬群に沈む中、かかってこいと言わんばかりに堂々と逃げての3着、キタサンブラックは負けて強し、立派な競馬だったのではないか。

(C) 2017 Ricky All Rights Reserved.

出走馬勝因、敗因

1着 シュヴァルグラン

綺麗にゲートから出て、若干出負けしたレイデオロの進路を締める好スタートとなった。内からギニョールの後ろにポジションを取り、3列目内を回って3角、4角とスムースにレースを進めた。

直線を向くと少し外へ追い出して進出し、あとは苦しい展開となったキタサンブラックを直線で捉えるだけとなった。残り100mでキタサンブラックを抜いて先頭に立ち、悲願の初GI制覇となった。

京都大賞典を叩き台に使い、天皇賞(秋)を回避して万全の状態でこのジャパンカップに臨んだこととボウマン騎手のスムースな騎乗が噛み合ったことが大きな勝因だった。

2着 レイデオロ

スタートが良かった両脇に馬に対し、若干出負けしてしまったレイデオロは、ポジションを下げることを余儀なくされる苦しいスタートとなった。中団の内めで3角まで乗り進めるも、4角から直線に向くところで外へ出し、キタサンブラックを目掛けて進出した。


ジリジリと先頭との距離を縮め、ゴール前でキタサンブラックを交わしての2着入線となった。優勝はならなかったものの、初めての古馬との戦いとなった本レースで堂々の2着は評価に値するものだった。

3着 キタサンブラック

前走とは異なり、綺麗にスタートを決めてスムースに先頭に立った。そのまま自分の競馬に持ち込むも、昨年ほどのスローペースに持ち込むことはできなかった。

前半のペースが昨年より早かった中で、ラスト3Fが最速ラップとなる早仕掛けとなったキタサンブラックは、3列目で脚を溜めていたシュヴァルグラン、中団外めから脚を伸ばしてきたレイデオロに交わされて3着に沈んだ。

天皇賞(秋)の疲労や鞍上武豊の怪我など不安要素がいくつかある中、1番人気を背負ってスタートを迎えた。天皇賞(秋)組で馬券に絡むことができたのがキタサンブラックだけであったことから、やはり前走の疲れは計り知れないほど大きく、その状態で3着に残った力はやはり怪物級だった。

7着 ソウルスターリング

毎日王冠、天皇賞(秋)と惨敗しても4番人気に推されたのは、これまでにソウルスターリングに魅せられたファンの想いだろうか。C. デムーロ騎手を鞍上に、勝ったオークスと同じ舞台でスタートを迎えた。

スタートを決めるも折り合いの不安からか中団にポジションを取った。道中少し掛かり気味で3-4角へ。直線を向いてシュヴァルグランの直後に進路を取って進出するも直線で手応えなく、前と離されて7着となった。

好位に付けたかったが折り合いに問題があり、前に壁を作るためにポジションを下げた。それでも力んでしまい、直線では脚が残っていなかった。

10着 サトノクラウン

M. デムーロ騎手の成績を考慮してか、道悪ではないものの3番人気に推された。外めの枠からスタートし、後方外めにポジションを取った。

3-4角で外からジリジリ押し上げて行き、外から直線伸びて行くと思われたが手応えがなく前と離される。M. デムーロ騎手も無理することはなく10着入線となった。実力を十二分に発揮できる条件が狭い印象が強まる結果となった。


(C)はねひろ

6月25日、阪神競馬場で春競馬の“総決算”宝塚記念(GI/芝内回り2200m)が行われ、サトノクラウン(牡5)が優勝した。圧倒的一番人気に支持されたキタサンブラックは、まさかの9着に敗れた。

勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年 6月25日(日) 3回阪神8日 天候 : 曇  馬場状態 : 稍重
【11R】 第58回宝塚記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・内 2200m 11頭立

馬名S性齢
11サトノクラウン牡53
2ゴールドアクター牡65
8ミッキークイーン牝54
6シャケトラ牡42
7レインボーライン牡47
1ミッキーロケット牡48
3スピリッツミノル牡59
5シュヴァルグラン牡56
10キタサンブラック牡51
104クラリティシチー牡611
119ヒットザターゲット牡910

LAP 12.5-11.1-11.6-13.1-12.3-11.7-11.6-11.8-11.7-11.8-12.2
通過 35.2-48.3-60.6-72.3  上り 70.8-59.1-47.5-35.7  平均 1F:11.95 / 3F:35.84

払い戻し

単勝  11 \900
複勝  11 \480 / 2 \550 / 8 \450
枠連  2-8 \710 (5)
馬連  02-11 \5250 (17)
ワイド 02-11 \1500 (18)/ 08-11 \1170 (13)/ 02-08 \1060 (12)
馬単  11-02 \10330 (30)
3連複 02-08-11 \10670 (29/165)
3連単 11-02-08 \70420 (160/990)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.5-11.1-11.6-13.1-12.3-11.7-11.6-11.8-11.7-11.8-12.2

ポイントは2つ。

・4、5ハロン目に極端に緩んだこと
・以降はずっと11秒台を刻んだこと

予想に反してシュヴァルグランが逃げることになったが、スタートから2、3ハロン目はそこそこ流れた。しかし、4、5ハロン目で極端に緩んだことで、ここでかかるか、脚を溜められるかが一つの分岐点となった。

例えばキタサンブラックはこの区間でリラックスして走ることができなかった結果、直線では後退する一方になってしまった。

しかも6ハロン目からは11秒台と、休む期間がなくなってしまった。「息を入れられるときに入れられた馬」、要するに後ろで待機していて自分のペースで走ることができた馬が好走するようなレースになったわけだ。

先行勢が全滅したように、前に行った馬にとっては極めて厳しい展開となった。

サトノクラウン、ゴールドアクター、そしてミッキークイーンはいずれも最後の直線まで後方に待機していた。一方、キタサンブラック、シュヴァルグラン、そしてシャケトラの先行勢は馬券圏外に落ちてしまった。

このラップに対応できたかどうかが、一つの大きな“分岐点”となったわけだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 サトノクラウン

気難しい馬で、走らないときは掲示板にも載れないわけだが、ハマったときの爆発力がGI級であることをここで証明することになった。

勝因を挙げるとするなら

・馬場
・展開
・ミルコ・デムーロ騎手の手腕

だろうか。まず重馬場はサトノクラウン、そしてデムーロ騎手が最も得意とする条件だ。この条件で彼ら以上のコンビを見つけることは難しい。


さらに展開の後押しもあった。通常の宝塚記念は逃げ、先行馬の粘り込みが好走のパターンだが、今回は馬場が特殊だったこともあり、例年のような形にならなかった。後ろで待機しても勝負になるような展開になったことが優勝を後押ししたわけだ。

そして目を見張るのはデムーロ騎手の手腕だろう。向こう正面でデムーロ騎手は一度サトノクラウンを前へ促し、先行勢にプレッシャーをかけにいった。これでキタサンブラックら、先行勢は息を入れられなくなってしまった。

しかし、当の本人はペースが速くなると、再び後方に下がって機会をうかがった。結果、十分に脚をためることができ、直線の爆発につながったわけだ。

2着 ゴールドアクター

“終わっていないこと”を証明する2着となった。

展開、そして馬場が向いたのはサトノクラウンと同様。馬場の悪い内側を突いた点は、ゴールドアクターの重馬場適性やパワーに相当の自信を持っていたことの証明だろう。

そして有馬記念や宝塚記念のようなトリッキーな条件が得意なことも証明する形となった。今後は特殊な条件で評価を挙げ、東京や京都のようなコースでは評価を下げる必要がありそうだ。

3着 ミッキークイーン

宝塚記念といえば牝馬の台頭――。

期待に違わぬ走りを見せた。マイナスファクターに合致せず、競馬TIMES編集部でも「オススメの1頭」に挙げたように、好走する条件が揃っていたのだから。

3着止まりだったのは上位2頭が強かったこと、そして血統的な面が大きかっただろうか。

ミッキークイーンは“ズブいディープインパクト産駒”ではあるものの、血統的なタフさでは上位2頭に劣っていた。さすがにマルジューやスクリーンヒーロー(ロベルト系)に、ディープ産駒はタフさでかなわない。


今後もディープインパクト産駒が苦手なようなタフな条件で台頭してくる可能性はありそうだ。一見、瞬発力があるように見えるが、実はそれほどでもない。

よって、瞬発力が求められるジャパンカップより、持続力が求められるエリザベス女王杯のほうが向いている、と言えそうだ。

4着 シャケトラ

マンハッタンカフェ産駒は抜群のコース成績を誇っていただけに、台頭があるかと思われた。

しかし、先行勢に厳しいペースとGI級の底力が求められるレースとなり、最後の最後で失速してしまった。

もっとも、キタサンブラックやシュヴァルグランが沈んだ展開で先行しながら4着に粘ったのは立派だった。まだまだキャリアが浅く、成長が期待できる。

5着 レインボーライン

ステイゴールド産駒が得意な舞台でペースが向いたが、5着まで。コーナーで外を回した影響が多少なりともあったと考えられる。

ただし、マイナス要素よりプラスファクターのほうが多かっただけに、現状力負けと言えるかもしれない。

6着 ミッキーロケット

直線、ジリジリ伸びてきたものの、弾けるまではいかず。直線、窮屈になる場面があったとはいえ、この展開だったことを考慮すると、上位とは力の差があったと考えてしかるべきだろう。

7着 スピリッツミノル

ゴールドアクターの前にポジションを取り、内を突く選択をしたが直線では伸びなかった。力負け。

8着 シュヴァルグラン

意表を突く逃げを打ったが、3コーナーで手応えが怪しくなり、4コーナーでは馬群に飲み込まれた。初の逃げで戸惑ったこと、一気に距離短縮となったことでペースに戸惑ったことなど、敗因は複数考えられる。

もっとも、天皇書春上位組のキタサンブラックが同じように沈んだことを考慮すると、レコード決着だったレースの“見えない反動”があったとも考えられる。

よりスタミナのいる条件で見直しだろう。最低でも2400mはほしいところ。

9着 キタサンブラック

もともと合う条件ではなかったことに加え、チグハグな競馬になってしまった。詳細は個別の検証記事にて。

10着 クラリティシチー

展開向かず、馬場の悪いところを通った。現状、力負けだろう。

11着 ヒットザターゲット

残念ながら全盛期の力はもうない。


もしサトノクラウンが種牡馬になったら?血統から導く3つの成功の可能性

(C)馬空-競馬写真館-

ドゥラメンテがレースレコードで完勝した第82回日本ダービー。オルフェーヴル以来の2冠馬の誕生となり、秋は菊花賞で3冠を目指すのか、それとも凱旋門賞に参戦するのか動向も注目されます。

しかし、今回スポットを当てるのはドゥラメンテではありません。2冠馬に遅れること0.3秒の3着になったサトノクラウンです。

というのも、サトノクラウンは外国産馬です。日本で蔓延しているサンデーサイレンスの血を持たない彼がもし種牡馬となった場合、かなりの活躍が期待できると考えています。その根拠をまとめてみました。


理由① サンデーの血を持たず、ノーザンDの血も濃くない

日本は大種牡馬サンデーサイレンスの血が蔓延しています。よって、サンデーサイレンスの血を持たない優秀な種牡馬が求められています。その筆頭であるキングカメハメハは現在サンデーサイレンスの仔であるディープインパクトと激しいリーディングサイアー争いをしています。サトノクラウンはサンデーサイレンスの血を持たず、これだけでも種牡馬としての価値はあるといえます。

また、ディープインパクト産駒の活躍馬は母方がノーザンダンサー系のパワー血統であることが多く、サトノクラウンがノーザンダンサー4×5×7と、それほどノーザンダンサーの血が強調されてない点もプラスといえます。

理由② ディープインパクト牝馬との配合の場合

ディープインパクト産駒は優れた瞬発力を伝える、ということはあまりにも有名な話です。その瞬発力の源はどこにあるのかというと、父父ヘイローと母父母父のサーアイヴァーだと考えています。特にサーアイヴァーは鋭い瞬発力を武器にイギリス2冠馬となった馬です。この2頭は似たような血を多く持っていて、ニアリークロスとなります。

サトノクラウンも母ジョコンダⅡがサーアイヴァー4×4というクロスの持ち主で、それが瞬発力の源であると考えられます。

ディープインパクト産駒の牝馬にサトノクラウンを種付けした場合、ヘイロー≒サーアイヴァー6×6×4×6となり、更なる切れ味の増幅を期待できます。

【次のページヘ】キングカメハメハ牝馬との配合の場合は?

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競馬で勝つための方法って?サトノクラウンに学ぶ前走不利を受けた馬を狙う重要性

(C)masakin0712

サトノクラウンは皐月賞でドゥラメンテやリアルスティールを抑えて1人気の支持された。しかし、6着と惨敗し、日本ダービーでは3番人気に評価を落とした。

もっとも、ダービーでは3番人気3着としっかりと人気に応え、馬券圏内を確保している。なぜ、皐月賞で惨敗した馬がダービーで好走できたのか。

今回は巻き返しに成功したきっかけとその要因を分析し、競馬で勝つための方法を導き出していこう。


皐月賞凡走という“布石”

皆さんは前走、着外に負けている馬をどう思うだろうか。いろいろな考え方があるだろうが、普通は「弱い馬」と考えてしまうのではないだろうか。だからこそ、人気は落ちる。事実、サトノクラウンは皐月賞の1番人気から3番人気まで評価を落とした。

もちろん、「弱い馬」という判断が間違いとはいえない。大抵の場合、その判断は正しい。

ただし、サトノクラウンの場合は違った。

なぜなら、皐月賞では「凡走するべくして凡走していた」からだ。

4コーナーの不利

皐月賞では4コーナーを周り終えるタイミングでドゥラメンテが大きく外に斜行し、サトノクラウンを初めとして多くの馬が不利を被った。

馬に合図を送って加速を始めるタイミングだっただけに、立て直すことは非常に難しい状況だった。実際、被害を受けた馬はほとんど下位に沈んだ。しかし、サトノクラウンだけは上がり34秒5の末脚を使い、6着まで迫った。

向かなかった展開

さらに展開も向かなかった。

ドゥラメンテが衝撃的な末脚を披露したことで忘れられがちだが、皐月賞は「事実上前残りの競馬」だった。2着以下の4コーナーでの順位を見てみると……

2着 リアルスティール 4角3番手
3着 キタサンブラック 4角2番手
4着 ブライトエンブレム 4角5番手
5着 クラリティスカイ 4角1番手
7着 ミュゼエイリアン 4角5番手

ご覧のとおり、ドゥラメンテとサトノクラウン以外の上位馬は4角5番手以内で競馬をしていた。サトノクラウンは4角9番手。明らかに展開が向いていなかった。その中で、6着に入った。

・4コーナーでの明確な不利
・前残りの展開
(・おまけに出負け)

以上のように明確な不利が重なっていた。つまり、「弱いから6着に負けた」のではなく、「負けて強しの6着」だったのだ。

これだけ多くの不利があった負けたのだから、ダービーで巻き返す可能性は高かったといえる。少なくとも何の不利もなく2着に入ってダービーで2番人気に支持されたリアルスティールより、期待値は高かった。

不利を見つけることで馬券が当たる

サトノクラウンに限らず、「不利によって凡走→次走巻き返し」というパターンは多々見られる。

例えば今年の桜花賞を思い出してほしい。

前走のチューリップ賞で惨敗していたクルミナルは7番人気の低評価だった。しかし、前走は不良馬場という明確な敗因があった。良馬場の桜花賞で2着に巻き返したのは“必然”だったといえる。


さらに同じく高松宮記念で馬場に泣いたストレイトガールは良馬場開催となったヴィクトリアマイルで巻き返している。

その馬が前走や前前走でどんな競馬をしているのか。目に見える不利がなかったか。そういったことを知ることで、その馬に対する評価は大きく変わってくる。前走着順が悪い馬は人気になりにくい。「馬券に勝つ」という意味でも、前走不利を受けた馬を探すことは大切なのだ。

的中に向けた確定的な手法がない競馬というツールの中で、少しでも最良の結果に近づようと思うのであれば、「不利を受けた馬」を探すことが“勝つための最短ルート”なのである。

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