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6月11日に東京競馬場で行われたエプソムカップ(GIII/芝1800m)で、5番人気のKitten’s Joy産駒ダッシングブレイズ(牡5)が、1番人気のアストラエンブレムを押さえて勝利した。2番人気のタイセイサミットは6着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年 6月11日(日) 3回東京4日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第34回エプソムカップ
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1800m 18頭立

馬名S性齢
12ダッシングブレイズ牡55
10アストラエンブレム牡41
7マイネルハニー牡46
13クラリティシチー牡612
3バーディーイーグル牡717
14タイセイサミット牡42
1マイネルミラノ牡78
6デンコウアンジュ牝43
2フルーキー牡79
1018ナスノセイカン牡511
1111ベルーフ牡510
124ヒストリカル牡87
135カムフィー牡818
1416メドウラーク牡615
159クラリティスカイ牡54
1617レッドレイヴン牡713
178トーセンレーヴ牡916
1815パドルウィール牡614

LAP 12.8-11.4-11.9-12.1-11.5-11.7-10.8-11.6-12.1
通過 36.1-48.2-59.7-71.4  上り 69.8-57.7-46.2-34.5  平均 1F:11.77 / 3F:35.30

払い戻し

単勝  12 \1140
複勝  12 \300 / 10 \130 / 7 \320
枠連  5-6 \1070 (3)
馬連  10-12 \1640 (5)
ワイド 10-12 \710 (6)/ 07-12 \2420 (30)/ 07-10 \630 (4)
馬単  12-10 \4450 (12)
3連複 07-10-12 \6890 (17/816)
3連単 12-10-07 \47120 (121/4896)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.8-11.4-11.9-12.1-11.5-11.7-10.8-11.6-12.1

ハナを切ったのはマイネルハニーだったが、ペースはそこまで上がらず、800mの通過は48秒2に。残り800mが46秒2と、約2秒の後傾ラップとなった。

上位5頭のコーナーにおける位置取りを見てみると……


馬名通過順位
ダッシングブレイズ  05-02-03
アストラエンブレム  02-02-03
マイネルハニー  01-01-01
クラリティシチー 02-05-05
バーディーイーグル 14-12-12

上位4頭までが4角5番手以内という結果となった。実力のある馬たちが前につけていた、という解釈もできるが、展開的にも恵まれた部分があったと判断していいだろう。

もっとも、単なる前残りの競馬だったわけでもない。というのも、ロングスパート合戦になり、最後はタフさが求められる結果になったからだ。1ハロンごとの最速タイムは残り3ハロン目、最後の1ハロン大きく失速している。

ロングスパート合戦になった分、各馬のバテる地点が早くなり、最後は我慢比べになったというわけだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ダッシングブレイズ

好スタートから好位置をキープ。展開のあやも後押しし、最後はアストラエンブレムを押さえて重賞初制覇を果たした。

もともと父ノーザンダンサー系は東京の重賞で期待値が高い。

今年の春のGIだけ見ても、安田記念ではロゴタイプが、オークスではモズカッチャンが、そしてヴィクトリアマイルではデンコウアンジュが激走した。いずれも6番人気より下の穴馬、デンコウアンジュに至っては11番人気だった。

実力があったこと、展開がハマったこと(浜中俊騎手の好騎乗)、そして血統があっていたことが好走を後押ししたと考えられる。

2着 アストラエンブレム

こちらはダッシングブレイズと違い、血統面に恵まれなかった。

ダイワメジャー産駒の東京芝重賞における距離別の成績を見てみると……

距離着別度数
1400m2- 2- 2-10/16
1500m0- 0- 0- 0/ 0
1600m4- 2- 6-36/48
1700m0- 0- 0- 0/ 0
1800m1- 0- 0- 8/ 9
1900m0- 0- 0- 0/ 0
2000m0- 0- 1- 4/ 5
2100m0- 0- 0- 0/ 0
2200m0- 0- 0- 0/ 0
2300m0- 0- 0- 0/ 0
2400m0- 0- 0-12/12
2500m0- 1- 0- 3/ 4
2600m0- 0- 0- 0/ 0
2800m0- 0- 0- 0/ 0
3000m0- 0- 0- 0/ 0
3200m0- 0- 0- 0/ 0
3400m0- 0- 1- 2/ 3

マイル以下で好成績を残しているのに対し、1800m以上ではわずか1勝という成績になっている。勝ったのはカレンブラックヒル(毎日王冠)のみ。古馬になってから勝った馬は1頭もいないことになる。


自力でなんとか2着に来られたものの、最後の最後で勝ちきれなかったのは、ダイワメジャー産駒の性だった、と言えるかもしれない。ロングスパート合戦になり、最後タフさが求められた点も、スタミナ勝負では勝てない血統の馬にとってマイナスに働いた。

3着 マイネルハニー

マイペースの逃げをうち、絶好の展開に持ち込んだように見えたが、最後は捉えられてしまった。

敗因は、セーフティリードを作ることができなかったことが挙げられる。スローペースに落とせば前にいる馬は有利になる。しかし、ペースを落としすぎると「よーい、どん!」の末脚比べになる。

マイネルハニーは4コーナーを先頭でまわり、位置取り的なアドバンテージを持っていた。しかし、末脚に関しては他馬を凌駕するほどのものを持っていなかったわけだ。キャリアで上がり上位を記録したのは3歳の春まで。ここ8走は好走したレースを含めて7走で上がり二桁順位を記録している。

末脚で違いを作れない分、最後にかわされてしまったというわけだ。

4着 クラリティシチー

先行策を取ったことが幸いした。勝負どころで置かれていってしまったが、最後の一ハロンでジリジリ伸びて挽回。もともと力のある馬だけに、ようやく復調してきたか。

5着 バーディーイーグル

数字上の位置取りはかなり後ろだが、ラチ沿いを走ったことで400m地点では外の馬より前に来ていた。そこからはロングスパート合戦の我慢比べになったため、ブライアンズタイムの血が騒いだのだろう。

6着 タイセイサミット

この馬もダイワメジャー産駒。位置取りに加え、血統的な面でも厳しいシチュエーションだった。今回は向かなかったため、次走がより良い条件であれば、巻き返しに期待してもいいのではないか。

7着 マイネルミラノ

位置取りは最高だったが、末脚比べでは分が悪い。キャリアで上がり33秒台を記録したのは一度のみ(しかもその1回でも上がり順位は5位)。よりタフな条件で真価を発揮するタイプだ。


8着 デンコウアンジュ

ヴィクトリアマイルでは2着に激走して周囲を驚かせたが、今回は馬群に沈んだ。

ヴィクトリアマイルとの最大の違いは、展開だろう。ヴィクトリアマイルは上がり3ハロンの切れ味が要求されたのに対し、今回は4ハロン、5ハロンに渡って末脚を持続する能力が求められた。

よって、ヴィクトリアマイルで上がり最速となる33秒2を叩き出しながら、エプソムカップでは34秒3止まりだったわけだ。

9着 フルーキー

ピークを超えてしまったことに加え、背負った斤量は58キロ。条件的に厳しすぎた。

10着 ナスノセイカン

重賞では頭打ち状態が続いている。今回は位置取りも厳しかった。ただし、上がり1位を記録しているようにロングスパート合戦は合う可能性がある。条件が揃うレースで見直し。

11着 ベルーフ

条件は悪くなかったものの、位置取りが悪すぎた。

12着 ヒストリカル

バーディーイーグルと同じような位置取りで競馬をしたが、伸び切らず。バーディーイーグルのほうがタフな血統をしているため、その差が出たか。

13着 カムフィー

重賞では頭打ち。

14着 メドウラーク

重賞では頭打ち。

15着 クラリティスカイ

タフさが求められる中距離重賞では、クロフネ産駒に出番はなし。

16着 レッドレイヴン

力負け。

17着 トーセンレーヴ

力負け。

18着 パドルウィール

タフさが求められる中距離重賞では、クロフネ産駒に出番はなし。


クラリティスカイの血統・将来性は?NHKマイルカップの覇者を徹底分析

(C)slime

5月10日(日)に東京競馬場で行われたNHKマイルカップは、道中先団の内で脚を溜めた3番人気のクラリティスカイが、逃げるアルビアーノを交わして勝利。未勝利、いちょうSで2戦連続レコード勝ちを収め、稍重の朝日杯FSでも3着、皐月賞でも逃げて5着と好走した実力馬が、念願のGⅠタイトルを手にした。

クラリティスカイの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。


マイル重賞血統

クラリティスカイは父クロフネ、母タイキクライティ、その父スペシャルウィークという血統。クロフネ産駒の平地GⅠ勝利は、12年ヴィクトリアマイルのホエールキャプチャ以来5頭目で、牡馬に限ると05年朝日杯FSのフサイチリシャール以来2頭目となった。

クラリティスカイは母タイキクラリティの3番仔で、半兄クラリティシチー(父キングカメハメハ)が昨年のラジオNIKKEI賞を制している。祖母タイキダイヤは1200mのGⅢクリスタルカップを制し、京都牝馬ステークスや当時1600mの阪神牝馬ステークスで2着した快速牝馬。その半兄は第1回NHKマイルカップを制したタイキフォーチュンであり、奇しくも第20回の節目を迎えた今年、その近親馬であるクラリティスカイが勝利を飾ることとなった。02年ニュージーランドトロフィー勝ち馬タイキリアンもその弟で、マイル重賞に対して高水準の適性を持つ母系であると言える。

クロフネ産駒の牡馬はこれまで芝の重賞を6勝しているが、全て1000mから1800m。父、母系、兄の戦績からこの馬自身も今後はマイル路線を歩む可能性が高い。戦歴で示しているように、高速決着に強いタイプながら、タフな馬場にも対応できることは大きな強みだ。

課題は成長力

不安要素は、ここからの成長曲線に疑問符がつく血統であることで、先に挙げた近親タイキフォーチュン、タイキリアンはともに3歳時に重賞を勝ちながらその後重賞タイトルに手が届かなかった。前者はNHKマイルカップ勝利後一度も馬券に絡めず、後者は入障した後地方に転出している。サイヤーラインをつなぐことが出来るかが怪しくなってきていたクロフネの産駒だけに、今後の無事と更なる活躍に期待したい。

【文】=競馬TIMES編集部血統分析班

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クラリティスカイ、NHKマイルカップ制覇の背景にある3つの勝因とは?

(C)slime

クラリティスカイが5月10日に行われた3歳マイル王決定戦のNHKマイルカップ(GI/芝1600m)を制した。鞍上の横山典弘騎手とともに栄冠を勝ち取ることができた理由とは何だったのだろうか?

“3歳マイル王の理由”に迫っていく。


勝因① 現世代1800mのレコードホルダー

単純な話でクラリティスカイの戦績を振り返るとマイル王にふさわしい力を示していた。

特に注目したいのは未勝利戦だ。阪神芝外回り1800mという本格派のコースを1分46秒8という破格の時計で走破していた。2歳の未勝利で46秒台というのは尋常ではない。ちなみにこの時計は現3歳世代が2歳時に記録した1800mの最速タイムだ。

その後、ごまかしの効かない阪神芝外回り1600mの朝日杯フューチュリティステークスで3着と馬券に絡んだ。明け3歳となってからは距離適性の問題がありながら、皐月賞で5着になっている。適正距離のマイルに戻って力を発揮したのは“必然”といえるかもしれない。

勝因② コース適性の高さ

未勝利とともに注目したいのが、キャリア4戦目となったいちょうステークスだ。NHKマイルカップと同じコースで行われた新設重賞で、クラリティスカイはレコードを記録していた。

今回と同じように先行して好位につけると、直線で抜けだして2馬身差の圧勝劇を演じた。ここで“試走”を終えていたわけだ。

次のページヘ→3つ目の勝因は血統背景?

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