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ドゥラメンテの血統や菊花賞適正は?日本ダービーの覇者を徹底分析

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5月31日に東京競馬場で行われた日本ダービー(GI/芝2400m)は、1番人気のドゥラメンテが期待に応える圧勝で皐月賞に続く2冠を手にした。

今後は3冠を目指して菊花賞へ駒を進めるのか、得意の府中で古馬に挑戦するのか、あるいは凱旋門賞という夢をつかみにいくのか、注目される。

ドゥラメンテの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。

血統評価は?

ドゥラメンテは父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴ、その父サンデーサイレンスという血統。祖母エアグルーヴ、曾祖母ダイナカールで、言わずと知れた超良血牝系である。

キングカメハメハ産駒によるダービー制覇は今回が初で、これまで12頭が出走して最高着順は10年のローズキングダムの2着だった。ダイナカールの一族にとってはエアグルーヴ以来となるクラシック制覇となった。

エアグルーヴの仔ルーラーシップをはじめとして、仕上がりの遅い血統として知られ、管理する堀調教師も「完成するのはまだ先」と語っている。視点を変えると、未完成にもかかわらず春のクラシック2戦でこのパフォーマンスを披露したことになる。実に末恐ろしい馬だ。

菊花賞はキンカメの鬼門?

気になるのは今後のローテーションだ。

キングカメハメハを考慮すると3000mの菊花賞は距離が長い可能性が高い。過去に菊花賞や天皇賞春といった3000m超のGIに出走したキングカメハメハ産駒の成績は(0-1-0-12)。断然人気ながら、菊花賞後、平地で1度も馬券に絡めなかったビッグウィークに敗れた10年菊花賞2着のローズキングダム以外は全て圏外に沈んでいる。

トゥザグローリー、トゥザワールドの兄弟も3000mでは距離の壁にぶち当たり、母系にダンスインザダークとトニービンとリアルシャダイという長距離に強い血を持つラブリーデイでさえ、距離の限界を露呈してきた。

このあたりはキングカメハメハの父であるキングマンボの血が遺伝しているのかもしれない。キングマンボは現役時代3つのGIを勝っているが、距離は全てマイルだった。そうなると、仮に菊花賞に進む場合は大きな鬼門を突破しなければ3冠を達成できないことになる。

ともかく現代日本競馬の結晶といっても差し支えのない超良血馬だ。今後の更なる成長と、レース振りから目が離せない。

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“武豊血統”ポルトドートウィユに凝縮された競馬の魅力

(C)sleep

競馬は人と馬が織りなす筋書きのないドラマだ。

名騎手と天才のコンビに人々は胸を躍らせ、名伯楽と個性派のタッグにファンは夢を見る。競馬の最大の魅力と言っても過言ではない。

今、またひとつ筋書きのないドラマが生まれようとしている。ポルトドートウィユ(牡3)が、武豊騎手とともに世代の頂点を目指して日本ダービー(GI/東京芝2400m)へ出走するのだ。

体内に流れる武豊との記憶

ポルトドートウィユは武豊騎手とコンビを組むために生まれてきた――。

そう言ってもおかしくないほど、武豊騎手に縁のある馬たちの血が流れている。

ディープインパクト武豊騎手とコンビを組み、無敗の3冠を達成した“英雄”だ。最終的にGI7勝を挙げ、競馬史に燦然と輝く名コンビとなった。

これだけではない。

母のポルトフィーノはデビューから「鞍上武豊」でキャリアを重ね、3勝を挙げた。取り消しになった桜花賞、スタート直後に落馬となったエリザベス女王杯なども武豊騎手を鞍上に招いていた。

母の父、クロフネは武豊騎手とともにNHKマイルカップを制覇。ジャパンカップダートや武蔵野ステークスでの圧勝劇は、今なお競馬ファンの脳裏に焼き付いて離れない。

さらに母母のエアグルーヴは武豊騎手が主戦を務め、オークスと天皇賞秋を制した。牝馬として26年ぶりに年度代表馬(1997年)に輝いた背景には、常に武豊騎手がいたのだ。

父、母、母父、母母と、すべて馬たちに武豊騎手との“キズナ”があった。

ポルトドートウィユはデビュー当初こそ、他の騎手とコンビを組んでいたが、武豊騎手に依頼が回ってきたのはもはや必然だったわけだ。

武豊騎手とともに……

ポルトドートウィユと武豊騎手は3走していまだ勝ち星を挙げられていない。しかし、重賞で2度の2着と、力があるところを示している。

そして今回、満を持して日本ダービーへ挑む。天才ジョッキーの言葉を借りればポルトドートウィユは「ダービーに出なければいけない馬」だ。活躍が約束された血、活躍しなければならない血。名門一家に生まれた宿命を背負い、大レースに臨んでくる。

思えばポルトフィーノを除く3頭は東京競馬場のGIで勝っている。勝ち鞍は計6つ。日本ダービー、オークス、NHKマイルカップ、天皇賞秋、ジャパンカップ、ジャパンカップダート。もちろん鞍上はすべて武豊だ。

ポルトドートウィユの体内に流れる“武豊血統”がダービーという大舞台で騒げば、競馬史に新たな1ページを刻むことになるだろう。

繰り返すが、競馬は人と馬が織りなす筋書きのないドラマだ。

武豊血統”の良血馬が天才とともに世代の頂点を目指す。舞台は父たちが栄光を勝ち取ってきた東京競馬場だ。舞台設定はこれ以上ない。むしろ誰がこんな出来過ぎた脚本を書けただろうか。競馬ファンなら誰もが夢を見たくなる挑戦が、始まろうとしている。

筋書きのないドラマの結末がどんなものになるかは分からない。ただし、競馬ファンが心からワクワクし、胸を躍らせて「一年で、いちばん幸せな2分半」を迎えることだけは間違いないだろう。

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武豊のオークス全成績…ダンスパートナーとエアグルーヴで連覇達成を含め計3勝

(C)arima0208

3歳牝馬の頂点を決める優駿牝馬オークス。府中の2400mという過酷な舞台に18頭の牝馬たちが挑む。

武豊騎手は前走のフローラステークスで手綱をとり優先出走権を獲得したマキシマムドパリに騎乗する。

そんな武豊騎手と優駿牝馬の歴史を振り返ってみよう。

初制覇は“名牝”ベガ

武豊騎手は22回騎乗して3勝を挙げている。

武騎手が初めてオークスを制したのは1993年のことだ。この年、武騎手は桜花賞馬のベガに騎乗した。レースでは先行策から残り200mで先頭に立つと、2着に1馬身3/4差をつける快勝。見事1番人気の支持に応えて2冠へと導いた。

ダンスパートナーとの出会い

2回目の勝利はその2年後。この年は3番人気のダンスパートナーに騎乗。スタートが苦手な同馬できれいなスタートを決めると、直線で鋭く伸びて差し切り勝ちを収めた。この年の優駿牝馬のタイムが同年の日本ダービーのタイムより速かったことが高い評価を得た。

 

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ドゥラメンテの血統表=日本競馬の歴史!名牝エアグルーヴやダイナカールの血

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超良血馬が衝撃的な勝ち星を挙げた。

牡馬クラシック初戦の皐月賞をキングカメハメハ産駒のドゥラメンテ(牡3)が制した。道中後方から競馬を進めたドゥラメンテは4コーナーで外に膨れるアクシデントがありながら、最後の直線で前の馬たちを一蹴。驚異的な瞬発力で駆け抜け、2着に1馬身半差をつけて優勝した。

なぜ、ドゥラメンテは圧巻のパフォーマンスを披露できたのか? その背景には、“日本近代の結晶”と表現できる“血の歴史”があった。

親子4世代に渡るGI制覇

ドゥラメンテの血統表を見ると、ワクワクする。競馬ファンとして、血統ファンとして、ゾクゾクせずにいられない。

まずは母系を見てみよう。

母アドマイヤグルーヴは牝馬3冠レースですべて1番人気に支持され、エリザベス女王杯を制した。残念ながら2012年10月15日、北海道勇払郡安平町のノーザンファームで死亡したが、ドゥラメンテという“最後の夢”を残してくれたことが日本競馬の財産になったことは間違いない。

母母エアグルーヴは牝馬クラシックでオークスを制すと、古馬となってからは一流の牡馬たちと死闘を繰り広げた。中でもバブルガムフェローを破って優勝した1997年の天皇賞秋は、競馬ファンの心に残るレースの一つだ。

当時は今より牝馬のレベルが低かった。そんな中で17年ぶりに天皇賞秋を制し、トウメイ以来26年ぶりとなるJRAの年度代表馬に輝いたのだから恐れ入る。“歴代最強牝馬”の1頭に数えられる“名牝の域を超えた名馬”だ。

母母母のダイナカールもオークス馬。何より繁殖牝馬として大成功し、日本有数のファミリーラインを築いた。一族からはルーラーシップ(母エアグルーヴ)やオレハマッテルゼ(母カーリーエンジェル)といったGI馬が出ている。

ドゥラメンテのGI制覇の背景には、母アドマイヤグルーヴ、母母エアグルーヴ、母母母ダイナカールという“女傑一家”の名血があったわけだ。

偉大な父たち

母系だけではない。血統表に名前がある父たちも、そうそうたるメンバーだ。

キングカメハメハは非サンデー系ながら日本ダービーを制し、リーディングサイアーに輝いた。現在も現役屈指の種牡馬として活躍している。

母父サンデーサイレンス(アドマイヤグルーヴの父)はディープインパクトハーツクライを輩出し、日本競馬に革命を起こした異端児だ。母母父トニービン(エアグルーヴの父)はジャングルポケットらを輩出。サンデーサイレンス、ブライアンズタイムとともに“種牡馬御三家”と呼ばれたほど、現代の競馬に影響を残した種牡馬の1頭だ。

さらに母母母父ノーザンテースト(ダイナカールの父)はサンデーサイレンス登場以前の種牡馬界の主役だった。社台グループの礎を築いた大種牡馬でもある。

この4頭はいずれもリーディングサイアーに輝いた名種牡馬。

つまり、ドゥラメンテは名血中の名血を詰め合わせた超良血馬で、その血統表に“日本競馬の歴史”を見ることができるのだ。

“日本近代競馬の結晶”

良血馬が必ず走るわけでないのが競馬の難しさといえる。事実、アドマイヤグルーヴが残した他の仔たちは重賞を勝つことができなかった。

しかし、良血というのは才能である。

父や母たちの偉大な能力を、血の中に宿している。だからこそ、開花した良血馬は手がつけられないほど走る。

ドゥラメンテは疑いの余地なく才能を開花させた。今後は大目標の日本ダービーが控え、凱旋門賞への挑戦というニュースも飛び込んでいる。“日本近代競馬の結晶”といえるこの馬が、どこまで駆け上がっていくのか。どんな未来を見せてくれるのか。夢は広がっていくばかりだ。

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成功もありえる?ザサンデーフサイチが優駿スタリオンで種牡馬入り

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ザサンデーフサイチが優駿スタリオンステーションで種牡馬入りすることが分かった。

エアグルーヴの5番目の仔として誕生したザサンデーフサイチは、2004年のセレクトセールで当時の国内史上最高額となる5億1450万円で落札された。競走成績は41戦3勝と振るわなかったが、血統背景が評価されて種牡馬する運びとなった。

超良血馬

前述のとおり、ザサンデーフサイチは超良血馬だ。父は菊花賞馬のダンスインザダーク、母は牝馬ながら天皇賞秋を制して1997年の年度代表馬となったエアグルーヴだ。エアグルーヴは繁殖牝馬としても優秀で、アドマイヤグルーヴやルーラーシップ、フォゲッタブル、グルヴェイグといった重賞ウィナーを輩出している。

また、すでに繁殖入りしたアドマイヤグルーヴは今年のクラシック戦線にドゥラメンテを送り出している。血統レベルの高さは折り紙つきだ。ザサンデーフサイチが種牡馬入りするのは、ある種当然の流れといってもいい。

競走成績と種牡馬成績は必ずしも比例しない

41戦3勝というキャリアは平凡だ。普通は種牡馬入りなどできない。しかし、これだけの血統だと、可能性にかけたくもなる。

なぜなら、競走馬として優秀だからといって、種牡馬として成功できるとは限らない。言い方を変えると、競走馬として大成できなかったとしても、種牡馬として成功するケースは稀にある。

例えばディープインパクトの全兄ブラックタイドは競走馬時代にGIを勝てなかった。しかし、種牡馬としてキタサンブラックやタガノエスプレッソといった重賞ウィナーを輩出している。また、ザサンデーフサイチの半兄サムライハートは現役時代、1000万条件しか勝てなかった。だが、種牡馬としてはローレルブレットやプレミアムブルーといった馬を輩出。一定の評価を得ている。

さらに海外ではフェアリーキングが有名だ。同馬は現役時代、1勝もできなかったが、大種牡馬サドラーズウェルズの全弟ということで種牡馬入り。すると、凱旋門賞馬エリシオやジャパンカップ馬ファルブラヴらを出して大成功を収めている。

反対にGIを何勝もして種牡馬入りした馬が全くダメだったという話は珍しくない。

通常、この戦績の馬が種牡馬として成功するのはかなり難しい。しかし、血統が恵まれているザサンデーフサイチなら、その可能性もあるのではないか。

鍵は繁殖牝馬

成功へのカギを握るのは、どの程度牝馬が集まるのかということだ。いくら良血といっても、現役時代の成績がひどすぎるため、なかなかいい牝馬は集まらないだろう。その中で結果を出し、地道に牝馬が集めていくのは大変なことだ。

もっとも、返す返す、血は超一流である。その可能性に期待し、今後を見守っていきたい。


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