タグ:イスラボニータ

(C)MAZIMICKEY

11月19日、京都競馬場で秋のマイル王者を決めるマイルチャンピオンシップ(GI/1600m)が行われ、ペルシアンナイト(牡3)が優勝した。優駿牝馬からエリザベス女王杯までGI9連続馬券内のミルコ・ デムーロが大外枠の3歳馬という厳しい条件を跳ね退けて勝利した。

決して好条件が揃っていたとは言えない同馬が勝てた要因はどこにあったのか、トップジョッキーの騎乗に着目して振り返っていきたい。

結果・着順

2017年11月19日(日) 5回京都6日 天候 : 晴  馬場状態 : 稍重
【11R】 第34回マイルチャンピオンシップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・外 1600m 18頭立

馬名性齢
18ペルシアンナイト牡34
11エアスピネル牡42
4サングレーザー牡37
9レーヌミノル牝310
12イスラボニータ牡61
1ブラックムーン牡517
10クルーガー牡58
7レッドファルクス牡63
13グランシルク牡59
1015ムーンクレスト牡518
1114ガリバルディ牡615
125サトノアラジン牡65
136ダノンメジャー牡516
143ヤングマンパワー牡512
158マルターズアポジー牡56
162アメリカズカップ牡313
1716ウインガニオン牡511
1817ジョーストリクトリ牡314

LAP 12.2-10.8-11.6-12.1-11.9-11.5-11.6-12.1
通過 34.6-46.7-58.6-70.1  上り 70.8-59.2-47.1-35.2  平均 1F:11.72 / 3F:35.17

払い戻し

単勝  18 \880
複勝  18 \290 / 11 \180 / 4 \430
枠連  6-8 \820 (3)
馬連  11-18 \2480 (8)
ワイド 11-18 \1000 (8)/ 04-18 \2100 (23)/ 04-11 \1240 (14)
馬単  18-11 \5520 (22)
3連複 04-11-18 \9300 (24/816)
3連単 18-11-04 \55890 (165/4896)

レース分析

まずはレースラップをチェックしていきたい。

12.2-10.8-11.6-12.1-11.9-11.5-11.6-12.1(34.6-35.2)

ポイントは3つ。

・逃げ馬が序盤に脚を使ったことでペースが上がったこと
・中盤で若干ペースが緩んだこと
・下り坂での加速が顕著ではなかったこと

全馬ほぼ揃ったスタートで始まったが、予想通り逃げる形となったマルターズアポジーに好ダッシュがつかなかった。押して押してハナを取りはしたが、序盤に脚を使ったことから、自分のペースを作ることができず、前残りの展開に持ち込めなかった。

中盤では若干ではあるが11.6-12.1とペースが緩み、さらに下り坂での加速が小さく、後ろから行く馬にとっては比較的楽な形となった。

では後ろから進出する馬の中で、馬券内に来ることができた馬とできなかった馬、その違いはどこにあったのだろうか。その答えは4コーナー内で脚を溜められたか、これによって勝敗が別れたと言える。4コーナー途中の映像を確認すると、レーヌミノル(4着)、エアスピネル(2着)、サングレーザー(3着)、ペルシアンナイト(1着)が内目で綺麗に縦に並んでいたことが分かる。マイルCSは4コーナーで脚を使うことなく内目で溜めていた馬が勝つことが多い。今年もその傾向が強く現れる形となった。

外を回してきた馬は届かず、結局は大外枠から内に潜って脚を溜め、馬群を縫ってその末脚を炸裂させたM. デムーロ騎手の技術、そして狭いところを怖がらずに進出したペルシアンナイトの勝利となった。

馬券になった馬とは違って外を回り、直線を向いたところでウインガニオンに当てられながらも5着に来たイスラボニータも力があるのは確かだ。枠がペルシアンナイトと逆だったらまた違った結果になったかもしれない。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ペルシアンナイト

大外枠の3歳馬と割引要因となり得る条件で、M. デムーロ騎手の手綱に導かれ見事優勝した。勝因はやはり騎手の手腕が最も大きいだろう。大外枠については不利に働く可能性もあったが、勝負所で内に潜れるM. デムーロ騎手にとってはむしろ好条件だったかもしれない。

4角内で脚を溜めて直線に向いた。1度はレッドファルクスの進む内に傾くが、外目を伸びるエアスピネルの進路に切り替えて進出。そこからイスラボニータの前を塞ぎ一直線、エアスピネルを鼻差で交わす見事な競馬だった。

2着 エアスピネル

GIを取れる馬であることは確か、だが寸前で届かず。

前述した4角を縦に並んで進んだ4頭のうち2番手で直線を向いた。外に出してレーヌミノルを交わして先頭に立ったものの、ゴール寸前でペルシアンナイトに交わされて2着。ベストな競馬だったと言える内容だが、これで差されるなら仕方ない。勝ち馬が強かった。

今後もGIを狙える馬であることは間違いない。

3着 サングレーザー

3歳ながら古馬相手にも通用する、調子の良さだけではない。


目下3連勝中で注目された3歳馬。同じく4角でいいところを進んで直線に入った。エアスピネルと同じく直線は外に出して一直線。ペルシアンナイトとの併せ馬でエアスピネルを追うが届かず3着。福永騎手もうまく乗ったと言えるが、一瞬内を目指して外に戻ってきた勝ち馬、エアスピネルとの間にフタをすることができたらまた結果は変わったかもしれない。

枠や展開には恵まれたものの、古馬相手に通用することは明らかである。

4着 レーヌミノル

やはり3歳牝馬は強く、今までは距離が長かった。

重賞で穴を開けてきた和田騎手、今回はギリギリ及ばず4着。3歳牝馬で古馬相手に掲示板を確保できたのは大健闘。4角から直線をいい位置で迎えた1頭。最後は交わされるが、やはり和田騎手の騎乗は上手い、大崩れしないと言える。

今後は距離短縮で積極的に狙いたい1頭である。長くて1600m、それ以下がベストではないか。

5着 イスラボニータ

4角で馬券内の馬より1列外を回ってきた。直線を向いたところでウインガニオンに当てられたことによってワンテンポ遅れ、追い込んで来るものの前はペルシアンナイトとサングレーザーによって塞がれていた。

6着 ブラックムーン

最後方追走から6着。最後方で直線を向き、大外を回して上がり最速で0.7秒差という結果だった。この馬らしい競馬であり、力があることは証明できた。

7着 クルーガー

後方から大外を回して追い込んで7着。後方で脚を溜めても大外回して一気では馬券内は難しい。展開もあるがこの競馬でこの着順なら悲観しなくてもいいのでは。

8着 レッドファルクス

兄弟で別れた進路取り、勝敗も分ける結果に。

4角で最内進み、直線でも選んだ進路は内、しかしその後進路を変えるなど馬をふらふらさせてしまった。結局脚は残っておらず8着。進路を迷ったことが負けた要因か。


兄に戻れば期待大。

9着 グランシルク

最後方からの追い込み。いい脚で追込んできているだけあって直線を向いた時の位置取りが残念。格負けもあるが外国人騎手とのレベルも言及せざるを得ない。

10着 ムーンクレスト

先行して直線外に出すも力負け10着。差し追込み展開だったのもあるが、やはりここでは力が足りなかった。

11着 ガリバルディ

4角から直線を向いたところでは勝ち馬の内に付けていたものの、追い出してからは反応が異なり、こちらは見せ場なく11着、明らかな力負け。

12着 サトノアラジン

揉まれる競馬が苦手であることから、スタート後位置を下げざるを得なかった。後方追走からの追い込みと、ブラックムーンと同じような競馬になったが、やはり馬場が合わず満足できる結果とはならなかった。実力通りならここまで差が生じるとは考えられない。もう一度良馬場で見てみたい馬だ。

13着 ダノンメジャー

マルターズアポジーに続いて先行して直線へ。先行勢は展開に恵まれなかったこともあるが、ここでは力が足りていない。

14着 ヤングマンパワー

4角から直線内の良いで迎えるもテンで脚を使ってしまったか、最後は伸びを欠いた。

15着 マルターズアポジー

出負けしたことがここまで着順を落とした要因か。ハナに立つまでに時間を要し、少し脚を使ってしまった。それによって得意の競馬に持ち込むことができなかった。

16着 アメリカズカップ

直線で内を進み、伸びず16着。OPからGI挑戦は流石に厳しかったか。

17着 ウインガニオン

現状典型的な夏馬。見せ場なく17着。サングレーザーの斜行の影響でイスラボニータに接触。このレースの展開を左右する要因になった可能性がある。

冬の凡走で人気を落としたところを狙いたい。暖かくなるまで待つ。

18着 ジョーストリクトリ

武豊騎手の怪我の影響も考えられるが、18着では力不足と言わざるを得ない。


(C)Ko-Mei

2歳から期待されていた素質馬が、ついに悲願のGI制覇を成し遂げた。

6月4日に東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(GI/芝1600m)で、7番人気のディープインパクト産駒サトノアラジン(牡6)が、8番人気のロゴタイプを押さえて勝利した。1番人気のイスラボニータは8着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年 6月 4日(日) 3回東京2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第67回安田記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 1600m 18頭立

馬名S性齢
14サトノアラジン牡67
16ロゴタイプ牡78
6レッドファルクス牡63
7グレーターロンドン牡56
8エアスピネル牡42
12ビューティーオンリーセ69
18ステファノス牡64
15イスラボニータ牡61
10クラレント牡814
105コンテントメントセ712
119ロンギングダンサー牡818
123サンライズメジャー牡817
132ディサイファ牡815
1413ロジチャリス牡513
154アンビシャス牡55
1617ヤングマンパワー牡511
171トーキングドラム牡716
1811ブラックスピネル牡410

LAP 12.2-10.6-11.1-11.6-11.6-11.0-11.3-12.1
通過 33.9-45.5-57.1-68.1  上り 68.7-57.6-46.0-34.4  平均 1F:11.44 / 3F:34.31

払い戻し

単勝  14 \1240
複勝  14 \380 / 16 \440 / 6 \340
枠連  7-8 \590 (2)
馬連  14-16 \10480 (40)
ワイド 14-16 \2870 (33)/ 06-14 \2730 (30)/ 06-16 \2720 (29)
馬単  14-16 \20410 (75)
3連複 06-14-16 \43500 (128/816)
3連単 14-16-06 \283000 (797/4896)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.2-10.6-11.1-11.6-11.6-11.0-11.3-12.1

昨年は12頭立てと少頭数だったため、スローペースになった。

しかし、今年は安田記念らしいラップが刻まれた。最初の一ハロンを除き、すべて11秒6以下という厳しい展開となったのだ。最後の一ハロンで1秒近く減速した点が、我慢比べのレースになったことを示している。

かなり厳しいレースとなったため、マイペースで逃げられたロゴタイプを除き、先行勢は総崩れとなった。厳しい展開を差してこられる力のある馬が上位に来るようなレースだったと言っていいだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 サトノアラジン

悲願のGI初制覇をようやく成し遂げられた。

道中は後方待機となったが、結果としてペースが流れたことが幸いする形となった。直線では大外に出したが、追える川田将雅騎手に導かれて直線で弾けた。

もともとディープインパクト産駒ながら1400mが得意な馬で、ペースが流れた中で驚異的な末脚を使って追い上げる……という競馬を得意としている。今回の安田記念はペースが全く緩まず、かつ差し馬が台頭できる流れになった。(ペースが“適度に”流れるだけでは、前に行ったスタミナのある馬に粘り込まれてしまう。)スローペースを圧倒的な末脚で差し切るタイプではないことは、前走の京王杯スプリングカップや昨年の安田記念を見ても明らか。展開が味方したことは大きかった。

もっとも、流れが向いただけではない。この馬には2歳から期待されるだけのポテンシャルがあった。

ディープインパクト×ストームキャットの組み合わせは、GI馬を何頭も輩出している“黄金配合”だ。しかも全姉のラキシスはエリザベス女王杯の覇者。姉が遅咲きだったように、サトノアラジンもようやく本格化し、順番が回ってきたということだ。

GI級のポテンシャルを秘めた馬に、流れが向いた。それが勝因だったと考えられる。

2着 ロゴタイプ

あと一歩のところで連覇の夢が消えた。しかし、この展開で粘るのだから改めて力があることを証明したと言っていい。

ロゴタイプ以外の先行勢は全滅だった。かつ、昨年はスローペースの中で、今年はペースが流れた中で上位に来てみせた。


これからも、まだまだ活躍してくれそうだ。

3着 レッドファルクス

実力に加え、差し馬が台頭できる1400m的な流れになったことが大きかった。

それだけに、直線で前が壁になり、追い出しが遅れたことが痛かった。もし仮にスムーズな競馬ができていたとしたら、上位2頭との差はもっと詰まったかもしれない。

なお、スウェプトオーヴァーボード産駒がマイル以上のGIで馬券に絡んだのは初めてのこととなった。

距離着別度数
1200m1- 1- 1- 4/ 7
1600m0- 0- 0-12/12
2000m0- 0- 0- 1/ 1
2400m0- 0- 0- 1/ 1

4着 グレーターロンドン

やや前が壁になっていたが、400mを過ぎたあたりで前が開けた。追い出すと、一時は先頭に立つかという勢いだったが、最後の一ハロンで伸び切らず、サトノアラジンらの後塵を拝す格好になった。

厳しい流れの中、重賞の経験がない中では立派な結果だったといえる。ただし、最後の一ハロンで踏ん張りきれなかったあたりを見ると、休み明けや臨戦過程に順調さを欠いた影響があったのかもしれない。

もっとも、GIでもやれる力があると証明しただけに、今後が期待されるところだ。5歳馬だが、まだキャリアわずか7戦。まだまだ成長の余地はあるだろう。

5着 エアスピネル

非常にもったいない競馬となってしまった。

厳しい流れを後方から追走するという完璧なレース運びだったが、最後の直線で前が開かなかった。内に進路を取ったものの、前が塞がり、追い出せたのは残り200mを過ぎてから。そこからは全頭の中でも一番の伸びをみせ、猛烈に追い込んできただけに、悔やまれる敗戦となった。

デビュー以来、コンビを組んでいる武豊騎手にとって、悔やんでも悔やみきれないレースとなったのではないか。


6着 ビューティーオンリー

位置取り、直線での追い出しのタイミングも含めてスムーズな競馬だった。力は出し切った上での6着だったと考えられる。

7着 ステファノス

一時は突き抜けるかという手応えで上がっていたが、最後の200mで我慢しきれなかった。

大外枠から終始外外を回る展開、久々のマイル戦が究極のスピード勝負になった点に対応しきれなかったのかもしれない。

8着 イスラボニータ

直線で前を塞がれて完全に行き場を失ってしまった。

残り300mを切ってから追い出されたときには末脚の鋭さもなく、沈むことに。今回は不利があったことに尽きる。

9着 クラレント

位置取りはやや前だったが、不利もなく、力を出し切った。

10着 コンテントメント

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

11着 ロンギングダンサー

展開は向いただけに、力負け。

12着 サンライズメジャー

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

13着 ディサイファ

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

14着 ロジチャリス

力負け。

15着 アンビシャス

この馬も直線で前がふさがり、行き場を失って外へ外へ流れる形になってしまった。

こういう展開になると横山典弘騎手は馬の消耗を考えて本気で追うことはない。

全く競馬をしないまま、この順位に収まったというわけだ。次走を見据える意味で、今回はノーカウントでOKだろう。

16着 ヤングマンパワー

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

17着 トーキングドラム

力負け。

18着 ブラックスピネル

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。


安田記念2017の予想データ分析…人気馬イスラボニータの優勝が困難な3つの理由

(C)はねひろ

今週は東京競馬場で春のマイル王決定戦の安田記念(GI/芝1600m)が行われる。

上位人気に支持されることが確実なのが、前哨戦のマイラーズカップを制した皐月賞馬イスラボニータ(牡6)だ。トライアルレースを圧勝したことで、本番での飛躍も期待されている。

しかし、イスラボニータが安田記念を制するためには、いくつかの障害をクリアしなければならない。しかも、そのハードルは決して低くない。

今回はイスラボニータが安田記念を制する上でパスしなければならない理由に迫っていこう。


プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

フジキセキ
イスラコジーン
母の父Cozzene
母の母IslaMujeres
性別
馬齢6 歳
生年月日2011年5月21日
毛色黒鹿毛
馬主(有)社台レースホース
調教師栗田博憲(美浦)
生産牧場(有)社台コーポレーション白老ファーム
産地浦河町
馬名意味美しい島(西)

競走成績

レース名距離S着順人気
マイラーG2芝16002
阪神カッG2芝14002
マイルチG1芝16002
富士SG3芝16004
安田記念G1芝16004
産経大阪G2芝20007
中山記念G2芝18003
マイルチG1芝16001
天皇賞秋G1芝20006
毎日王冠G2芝18007
中山記念G2芝18001
JCG1芝24005
天皇賞秋G1芝20001
セントラG2芝22001
東京優駿G1芝24001
皐月賞G1芝20002
共同通信G3芝18001
東京スポG3芝18002
いちょう芝18003
新潟2歳G3芝16004
新馬芝16002

困難な理由その1 安田記念の傾向

まずは安田記念が非常に特殊なレースだということが挙げられる。

このサンデーサイレンス系全盛の時代にあって、安田記念は「父非サンデーサイレンス系が走るレース」なのだ。

実際、良馬場で行われた過去4年の勝ち馬はすべて父非サンデーサイレンス系だった。

ロゴタイプ 父ローエングリン
モーリス 父スクリーンヒーロー
ロードカナロア 父キングカメハメハ
ストロングリターン 父シンボリクリスエス

イスラボニータは父フジキセキ。サンデーサイレンス系である。

イスラボニータやサンデーサイレンス系にとって得意ではないであろう条件で勝ち切るのは困難だと考えられるわけだ。

困難な理由その2 血統の壁①

次にフジキセキ産駒に関して探っていくと、いくつか気になるマイナス要素が浮上してくる。

例えば馬齢を見てみよう。イスラボニータは6歳になったが、実はフジキセキ産駒の牡馬は6歳以上になってからGIで好走した実績がない。

年齢着別度数
2歳0- 0- 0- 6/ 6
3歳2- 8- 2-32/44
4歳1- 0- 2- 9/12
5歳1- 1- 1-16/19
6歳0- 0- 0- 8/ 8
7歳0- 0- 0- 8/ 8
8歳0- 0- 0- 1/ 1

集計期間:1999.12. 5 ~ 2017. 4.30
限定条件:牡・セン馬のみ
※キンシャサノキセキは外国産で育った環境が普通と異なるため、対象外

ご覧の通り、6歳以上は(0−0−0−17)となっている。

なお、フジキセキ産駒でGIを勝ったのは最年長なのはファイングレイン。しかし、5歳春の高松宮記念で、まだ「高齢」とくくれる馬齢ではなかった。

牝馬ではストレイトガールが7歳でGIを勝っているが、牡馬では例がない。6歳のイスラボニータにとって、大きな“血統の壁”が立ちはだかることになる。

困難な理由その3 血統の壁②

もう一つフジキセキ産駒の難点を挙げるとするなら、

東京のマイル戦を得意としていない

という点だろう。フジキセキ産駒は東京だと1400mにめっぽう強いが、距離が一ハロン伸びると成績も一気に落ちてしまう。


例えば過去10年における東京マイル重賞の戦績を見てみよう。

種牡馬着別度数
フジキセキ1- 1- 2-21/25
勝率複勝率単回値複回値
4.0%16.0%1072

集計期間:2007. 2.17 ~ 2016.10.22
限定条件:牡・セン馬のみ

全く芳しくない成績となっている。かろうじてダノンシャンティが勝っているものの、同馬は1番人気だった。回収率を見ても、穴馬がほとんど走っていないことが分かるだろう。

フジキセキ産駒の牡馬は東京のマイル戦、とりわけ重賞レベルではなかなかいい成績が残せていないのだ。

まとめ

いかがだっただろうか? イスラボニータが有力馬の1頭であることは間違いないが、勝ち切るためにクリアしなければならないハードルは決して低くないのだ。

果たしてイスラボニータは今までの傾向を打ち破れるのか? そういった観点から安田記念の出走のときを待つのも面白いだろう。


イスラボニータの血統や次走、将来性は?マイラーズC制覇と安田記念

(C)はねひろ

4月23日に京都競馬場で行われたマイラーズカップ(GII/芝外回り1600m)は、2番人気のフジキセキ産駒イスラボニータ(牡6)が直線で抜け出して1番人気のエアスピネル(牡4)らをおさえて勝利を収めた。

イスラボニータの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。


プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

フジキセキ
イスラコジーン
母の父Cozzene
母の母IslaMujeres
性別
馬齢6 歳
生年月日2011年5月21日
毛色黒鹿毛
馬主(有)社台レースホース
調教師栗田博憲(美浦)
生産牧場(有)社台コーポレーション白老ファーム
産地浦河町
馬名意味美しい島(西)

血統評価は?

フジキセキ産駒は京都の重賞でいい成績を残している。

イスラボニータ自身、マイルチャンピオンシップで2、3着の実績がある。同じ舞台でサダムパテックがマイルチャンピオンシップをGIを勝っているし、イスラボニータにとって、まずまず合った舞台だったと言える。

フジキセキ産駒の京都重賞における成績を見てみると……

種牡馬勝率複勝率単回値複回値
フジキセキ11.8%32.4%87103

集計期間:2010. 1. 5 ~ 2016.11.20

こういった具合に。

もっとも、今回は血統に加えてクリストフ・ルメール騎手のアシストが大きかった。

マイラーズC2017結果・動画│イスラボニータが優勝!勝因、敗因は?

ここで触れたように、今回のマイラーズカップはかなりのスローペースだった。開幕週だったこともあり、馬場は内が有利。加えてスローペースとなると、内、先行馬が圧倒的に有利なレースだったといえる。

イスラボニータは大外11番枠だった。普通なら外外を回してしまい、直線で内の馬に足元をすくわれているところだった。

しかし、ルメール騎手は向こう正面でうまいポジション取りをすると、コーナーではラチ沿いから1、2頭目の位置を確保した。全くロスすることなく、競馬を進めることができたわけだ。

なかなか勝ちきれない馬だったが、血統があったことに加えて騎手のアシストもあったことで、久々の勝利を勝ち取ることができたのだ。

次走は?

次の目標は、当然のことながら安田記念になるだろう。

絶対王者のモーリスが引退した今、十分にチャンスがあると考えられる。

ただし、安田記念はもともとサンデーサイレンス系の馬が苦手としているレースだ。例えば過去の実績を見てみると……

馬名性齢着順人気
イスラボニータ牡54
ロサギガンティア牡55
サダムパテック牡617
サダムパテック牡5138
サダムパテック牡41
クレバートウショウ牡58
フジサイレンス牡61616
フジサイレンス牡51618
オースミコスモ牝41517
ダイタクリーヴァ牡5178

集計期間:2002. 6. 2 ~ 2016. 6. 5

ご覧の通り、勝ち星どころか、3着以内に入ることすらできていない。そもそもフジキセキ産駒の出走が10頭しかない、というのも驚くべきことだろう。あまりこの舞台に向いていない、というのが容易に想像できる。

果たしてイスラボニータは安田記念を勝ち取ることができるのか? 現時点では簡単な戦いにはならなさそうだ。



(C)はねひろ

4月23日に京都競馬場で行われたマイラーズカップ(GII/芝外回り1600m)は、2番人気のフジキセキ産駒イスラボニータ(牡6)が直線で抜け出して1番人気のエアスピネル(牡4)らをおさえて勝利を収めた。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

マイラーズカップ映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果→重賞レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

成績・2017年3京2/11R 読売マイラーズカップ
2017年 4月23日(日) 3回京都2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第48回読売マイラーズカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝・外 1600m 11頭立

馬名S性齢
11イスラボニータ牡62
4エアスピネル牡41
6ヤングマンパワー牡57
8ブラックスピネル牡43
1サンライズメジャー牡89
3フィエロ牡85
7プロディガルサン牡44
5ダッシングブレイズ牡56
2アクションスター牡710
109クルーガー牡58
1110シェルビー牡811

LAP 12.4-11.2-11.7-12.1-11.4-11.3-10.8-11.3
通過 35.3-47.4-58.8-70.1
上り 68.6-56.9-44.8-33.4
平均 1F:11.53 / 3F:34.58

レース分析

前後半800mのペースを見てみると……

47.4−44.8

ペースの違いは明らかだ。上がり1位は32.8秒。もうこれ以上の上がりは使えないだけに、ほとんど位置取りの勝負になった+その中で強かったり、経済コースを通って器用に立ち回った馬が上位に来た、という解釈でいい。

例えばイスラボニータのルメール騎手は最高にうまかった。大外の11番枠に入りながら、コーナーではラチ沿いを走って直線でも内々をつけた。

ポジションや位置取りの勝負になった競馬において、このレース運びは理想的意外の何ものでもない。ルメール騎手の腕が光ったレースだったと言える。

開幕週の京都はこういうレースになりがちではあるものの、それをわかった上でそういう騎乗をしたルメール騎手はさすがだった。例えば別に田辺裕信騎手を落とすわけではないが、フローラステークスにおけるホウオウパフュームの乗り方をしていたら、少なくとも1着にはなれなかっただろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 イスラボニータ

前述の通り、ルメール騎手の騎乗は素晴らしかった。大外枠ながら経済コースを通って、馬に負担のないレース運びをした。もともとマイルチャンピオンシップで2、3着の実績がある舞台で、条件としては悪くなかったし、力はある馬だけにうまいレース運びができればこういう結果になる。

次走は安田記念になるはず。ただ、安田記念につながるレースになったかどうかはかなり微妙。詳細は、個別回顧で。

2着 エアスピネル

ラチ沿いから3頭目を走るという、このレースにおいてある意味最も厳しい競馬をした。武豊騎手は自身を持ったからこそ、そういう騎乗をしたのだろうが、ルメール騎手に完璧に乗られてしまったため、通ったコースがそのまま着順に表れた。

それでも勝ちきれなかったのは、今後の課題になりそう。

もともと善戦しながらも勝ちきれない馬で、3歳以降に勝ったのは1回のみ。それにしても着差なし。

血統的にもそう。近親のエアシェイディは1着が7回に対し、2着が10回もあった。エアシャカールも(4−6−1−9)と2着が多かった。(エアソミュールこそ勝ちきっていたが)

ちなみに母のエアメサイアもオークス、ヴィクトリアマイルでともに2着。京都以外ではなかなか勝ちきれない馬だった。安田記念に向けて、課題となるところと言っていい。

3着 ヤングマンパワー

ペースメーカーを前において2番手につける最高の競馬となった。結果として切れ負けしてしまったのは、逆にペースがおそすぎて末脚比べになったから。この馬にとってはもう少し流れてもらって、タフな展開になったほうがよかった。


もっとも、こういうレースになっても器用に立ち回って上位に来られるのが強みでもある。

安田記念はサンデーサイレンス系が苦手なレース。この馬にとっても、ペースが厳しくなるであろうことは、いいはず。期待を持てる3着なったのではないか。

4着 ブラックスピネル

上がり32秒8で届かないのだから、今回は展開が悪かったと言わざるを得なかった。

もっとも、タニノギムレット産駒はもともと重賞における期待値が低く、人気より1つ低い順位でフィニッシュしたというのはある意味で血統に従順だった、という見方もできる。

前述の通り、安田記念はもう少し非サンデー系の馬たちに向く展開になるため、バカにされたような人気になるようであれば、見直しの必要がありそう。

5着 サンライズメジャー

もともと得意な舞台、そして絶好の展開だったのだから、もう少し上位に来たかった。もう8歳馬で、これ以上を望むのは酷か。

6着 フィエロ

悪くないレース運びだったが、直線に向いたところでイスラボニータが外に出てきた煽りをうけて進路が塞がってしまった。完全に加速のタイミングを逸したため、あとはズルズル後退というか、惰性で走ってしまった感じ。

力は出し切れていないため、ノーカウントと考えてよさそうだ。

7着 プロディガルサン

物足りない競馬だったが、上がり32秒9でこの順位なのであれば、致し方ない。展開の面が大きく、見直し可能。ただし、そこまで成長力があるかというと、やや微妙な面も。

8着 ダッシングブレイズ
9着 アクションスター
10着 クルーガー
11着 シェルビー



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