サトノダイヤモンド、天皇賞春の4つの敗因は?血統から導く理由と今後への不安

(C)はねひろ

ライバルにはあと一歩、届かなかった。

現役最強馬決定戦となった天皇賞春でサトノダイヤモンド(牡4)はキタサンブラック(牡5)に敗れた。人気を分け合う実力馬たちの明暗を分けたものは何だったのだろうか?

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

ディープインパクト
マルペンサ
母の父 Orpen
母の母 Marsella
性別
馬齢 4歳
生年月日 2013年1月30日
毛色 鹿毛
馬主 里見治
調教師 池江泰寿(栗東)
生産牧場 ノーザンファーム
産地 安平町
馬名意味 冠名+宝石名。流星の形から連想

血統評価は?

サトノダイヤモンドは菊花賞を勝っているが、根本的に3000m以上の長距離戦が得意なわけではない。(菊花賞は同世代のレースに加え、長距離戦を嫌ったり、天皇賞秋を目指す馬がいたりしてレベルの高いレースになりにくく、絶対能力が違えば勝ててしまうケースがある、というのが実情だ)

今まで、数多くのディープインパクト産駒が長距離GIに挑んできたが、その多くは人気を裏切る形に終わっている。

例えば、ディープインパクト産駒のGIにおける距離別の成績を見てみよう。

距離 勝率 複勝率 単回値 複回値
1200m 0.0% 25.0% 0 65
1300m
1400m
1500m
1600m 12.3% 30.3% 126 91
1700m
1800m
1900m
2000m 9.3% 28.0% 113 74
2100m
2200m 8.3% 36.1% 130 161
2300m
2400m 13.8% 33.8% 73 80
2500m 12.5% 12.5% 70 25
2600m
2800m
3000m 4.2% 16.7% 9 34
3200m 0.0% 15.4% 0 58

 

距離 着別度数
1200m 0- 2- 2- 12/ 16
1300m 0- 0- 0- 0/ 0
1400m 0- 0- 0- 0/ 0
1500m 0- 0- 0- 0/ 0
1600m 15- 12- 10- 85/122
1700m 0- 0- 0- 0/ 0
1800m 0- 0- 0- 0/ 0
1900m 0- 0- 0- 0/ 0
2000m 7- 10- 4- 54/ 75
2100m 0- 0- 0- 0/ 0
2200m 3- 4- 6- 23/ 36
2300m 0- 0- 0- 0/ 0
2400m 9- 7- 6- 43/ 65
2500m 2- 0- 0- 14/ 16
2600m 0- 0- 0- 0/ 0
2800m 0- 0- 0- 0/ 0
3000m 1- 2- 1- 20/ 24
3200m 0- 1- 1- 11/ 13

集計期間:2010.12.12 ~ 2017. 4.30

サトノダイヤモンドが菊花賞を勝った以外、勝ち馬はゼロだ。

マイル〜2400mまでであればどんな人気薄のディープインパクト産駒がGIを勝っても驚きはないし、「さすがディープインパクト」と多くの競馬ファンが思うことだろう。

しかし、3000m以上のGIではそういうことが起こらない。これは、ディープインパクト産駒にとって3000m以上のレースが適正外であることを示している。

しかもサトノダイヤモンドの場合、今回は外枠を引いてしまった。勝ったキタサンブラックや2着のシュヴァルグランに比べてコーナーで外を回った分、ロスが大きかったのは事実だろう。

生まれた時期が悪かった?

もう一つ挙げるとするなら、サトノダイヤモンドの生まれた時期も気になるところだ。

GI2勝馬、しかも有馬記念を勝っている馬にこんなデータを当てることが適切かどうかは微妙なところだが、それでも事実として横たわる数字と向き合うことは悪くないだろう。

サトノダイヤモンドは1月生まれだが、何を隠そう1月生まれの馬たちは長距離GIにおいて芳しい結果が残せていない。

生月 着別度数
3月生 19- 15- 5-134/173
5月生 7- 6- 4-106/123
4月生 4- 10- 17-141/172
2月生 4- 4- 7- 83/ 98
1月生 1- 0- 1- 21/ 23
9月生 0- 0- 1- 1/ 2
6月生 0- 0- 0- 6/ 6

 

生月 勝率 複勝率 単回値 複回値
3月生 11.0% 22.5% 115 74
5月生 5.7% 13.8% 260 120
4月生 2.3% 18.0% 41 82
2月生 4.1% 15.3% 53 89
1月生 4.3% 8.7% 10 10
9月生 0.0% 50.0% 0 85
6月生 0.0% 0.0% 0 0

集計期間:2000. 4.30 ~ 2017. 4.30

ご覧の通りだ。特に3〜5月に比べて極端に成績が良くない。

これは生まれた環境が大きく影響していると考えられる。

ほとんどの競走馬は1月から5月の間に産まれる。中でも3~5月が最盛期で、競走馬にとって最適な誕生時期だと言える

春が訪れる3月、雪はほとんどなくなり、草木は青々と茂り始める。過ごしやすい気候となり、とねっ娘たちは外を元気よく駆けまわり、草を食べ歩く。

競走馬がしっかりと育っていくために最適な環境が整っているわけだ。

一方、1、2月に誕生した馬はどうかというと、あまり恵まれた環境とは言えない。

1、2月といえば、北海道はまだ雪の季節だ。草達はまだ芽生えず、雪に隠れている。極寒という日も少なくない。

そういった季節に生まれた競走馬は、自ずと行動が制限される。最も大きいのは食事だ。人間でも同じだが、自然の食料を体に入れることができないというのは成長していく上で大きなマイナスになる。

そうなると、「底力」のある競走馬が生まれにくくなってしまうのではないかと考えられるのだ。

これは単なる仮説ではなく、上記のデータやクラシックにおける1、2月生まれの馬の苦戦具合を見ても、一定の信用性があるのではないかと考えられる。

繰り返しになるが、サトノダイヤモンドはGI2勝馬だ。これからも勝利を積み上げていくことだろう。よって、この仮説には必ずしも当てはまらないかもしれない。ただ、天皇賞春が底力の問われるレースになったことを考えると、競走馬が秘めた底力に敗因の理由があるのではないかと考えるのも、決して的外れではないはずだ。

よって、敗因を挙げるとすれば、

・血統的に長距離が得意ではない
・1、2着馬に比べてロスが大きい競馬だった
・底力が問われるレースになったため
・そもそも勝ち馬が強すぎた

この4つになるのではないだろうか。



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