なぜメイショウマンボの引退は長引いたのか?理由と血統や産駒へ託す夢

よく頑張った。もう、誰も何も言わないだろう。

ただただ、ゆっくり休んで、子どもたちに夢を託してほしい。

メイショウマンボは8日に行われた阪神牝馬ステークスを最後に引退する。苦しい時期が続いたが、ついにターフから去るときが来たのだ。

しかし、なぜここまで引退が長引いたのか? 厩舎や馬主は何を考えていたのか? 誰もが疑問に思うことだろう。今回は、その謎に迫っていくことにしよう。


目次

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

スズカマンボ
メイショウモモカ
母の父グラスワンダー
母の母メイショウアヤメ
性別
馬齢7 歳
生年月日2010年2月25日
毛色鹿毛
馬主松本好雄
調教師飯田祐史(栗東)
生産牧場高昭牧場
産地浦河町
馬名意味冠名+父名の一部

賞金

総賞金435,195,000
内付加賞41,595,000
収得賞金(平地)95,000,000
収得賞金(障害)0

今や昔、という感じだが、メイショウマンボはれっきとしたGI3勝馬だ。オークス、秋華賞、そしてエリザベス女王杯を制した頃は、ダイワスカーレットやウオッカ、ブエナビスタに続く女傑の誕生かと期待された。

しかし、その後の戦績は御存知の通り。3歳時の強さを全く発揮することができず、再び輝きを放てないまま、ターフを去ることになった。

血統評価は?

メイショウマンボは父スズカマンボ、母メイショウモモカ、母父グラスワンダーという血統だ。

この血統にこそ、ここまで引退が長引いてしまった原因があると考えられる。

もちろん、GI3勝馬というメンツや馬主の思い入れもあったのだろうが、どう考えてもそれ以外の要因があったとしか思えないほどの長引かせぶりだった。

というのも、メイショウマンボは極めて“お相手”を見つけるのが難しい繁殖牝馬なのだ。

例えば、今日本で最も勢いのある血は言うまでもなくサンデーサイレンス系だが、父スズカマンボのメイショウマンボは当然のことながらこれらの種牡馬と交配ができない。

次なる候補はキングカメハメハやルーラーシップ、ロードカナロア、キングズベストのキングマンボ系になるが、父スズカマンボの母父がキングマンボであり、これもつけにくい。

そうなるとスクリーンヒーローやシンボリクリスエスのロベルト系が有力になるが、何を隠そう、母父ロベルト系であり、これもかなりつけにくい。

サンデーサイレンスやキングマンボの孫、ひ孫とならまだいいが、要するに日本で中心的な勢力となっている種牡馬、系統と交配ができない血統構成をしているわけだ。この点が、関係者たちに引退を躊躇させた要因の一つになったと考えられる。

現実的にはサンデー系、キングマンボ系、ロベルト系以外の種牡馬と交配するのが無難といえるだろう。となると、リーディング上位でいくならメイショウサムソン、クロフネ、ハービンジャー、エンパイアメーカー、あるいはストリートセンスやアイルハヴアナザーらが無難な選択肢となるだろうか。

ドラマがたくさんあった馬

すでに書いたように、繁殖牝馬としてはかなり限られた選択肢しか与えられない馬になるかもしれない。

ただし、それでも仔どもたちの活躍に期待してしまう。なぜなら、この馬をめぐり、たくさんのストーリーがあったからだ。

なんといっても武幸四郎(元)騎手とともに歩んだ日々は、競馬ファンの心にいつまでも残り続けるはず。特にオークスを復活Vで制した際、幸四郎騎手と松本オーナーが涙を見せたシーンは競馬史に残る名シーンだった。

もしかすると繁殖牝馬としては厳しい存在になるかもしれない。しかし、それでも夢を産駒に託し、長生きしていってほしいというのが、多くの競馬ファンの願いではないだろうか?

全競争成績・結果

レース名日付馬場状態着順
阪神牝馬G217040814
中山牝馬HG317031214
エリザベG116111312
府中牝馬G216101513
マーメイHG316061211
ヴィクトG116051512
阪神牝馬G216040913
京都金杯HG316010514
金鯱賞G215120512
エリザベG115111517
府中牝馬G215101714
安田記念G115060714
ヴィクトG115051717
阪神牝馬G215041113
有馬記念G114122815
エリザベG114111612
京都大賞G214101410
宝塚記念G114062911
ヴィクトG1140518
産経大阪G2140406
エリザベG1131110
秋華賞G1131013
ローズSG2130915
優駿牝馬G1130519
桜花賞G113040710
フィリーG2130310
こぶし賞500*130216
紅梅S130114
阪神ジュG112120910
新馬121125

集計期間:2012.11.25 ~ 2017. 4. 8

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