長距離戦が増えない理由と見直すべき根拠とは?日本競馬が抱える“ジレンマ”に迫る

長距離レースの今後

ただし、繰り返しになるが長距離戦は魅力的なコンテンツだ。競馬の魅力が詰まっている。ハラハラ・ドキドキの連続というのは、新たなファンの獲得にもってこいだ。

そういう意味では見直す声が挙がったり、(2歳戦の命をかけるマイネル軍団のように)強い長距離馬を育てる戦略を取る牧場・調教師が現れたりしてもいいのではないだろうか。

思えばゴールドシップやオルフェーヴルの母父は天皇賞春を連覇したメジロマックイーンだ。さらにどちらも長距離GIを勝っている。彼らが種牡馬入りすることによって、少なからず現状の“スピード至上主義”が変わっていくかもしれない。

血統的な見地からも長距離レースを増やすメリットはある

スピードが優先されすぎると、スタミナのない淡泊な馬が増えてしまう。スタミナのない馬というのは底力が不足し、大舞台で勝てないことが多い。言い換えると淡泊な馬は弱いのだ。弱い馬が増えてしまうと、競馬のレベルの低下につながりかねない。すると競馬というコンテンツの魅力は落ちていく。

今は欧州から繁殖牝馬を購入して、瞬発力に特化したサンデーサイレンスの血を薄めてなんとかごまかしている。しかし、これからの時代はサンデーサイレンスの3×3や3×4といったクロスを持つ馬が増える。一昔前のセントサイモンやノーザンダンサーのように、すべての馬がサンデーサイレンスの血を持っている、という時代がやってくる。

そうなると、淡泊な馬が増えてしまうのではないかと懸念される。あくまでも仮説であるが、“セントサイモンの悲劇”が繰り返させる可能性はゼロではない。そう仮定すると、長距離レースの価値を見直し、長距離GIウィナーの扱いについて考え直す時期が来ているといえる。

長距離戦には競馬の魅力が詰まっている。競馬の今後を考えても、長距離レースの価値を見直すのは決して悪いことではない。魅力あるコンテンツを増やしていくことは競馬にとって、いいことだ。

今一度立ち止まり、日本競馬が抱える“ジレンマ”について考えてみるのも、悪くないのではないだろうか。

●前編→長距離レースはなぜ面白いのか?天皇賞春に見た競馬の魅力と醍醐味

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