日本ダービー2017の予想考察…過去に外枠から激走した10頭の5つの共通点は?

今週は東京競馬場で牡馬クラシック第2戦の東京優駿・日本ダービー(GI/芝2400m)が行われる。

日本ダービーは内枠が有利なレースとして知られているが、上位人気が予想されるアドミラブルが外枠に入った。好走は厳しくなってしまったのか? 他の外枠の馬たちにチャンスはあるのか?

ということで今回は、過去10年で外枠から好走した馬たちを振り返り、共通点を探っていく。


目次

共通点1 人気馬(7/10頭)

まずは単純に強い馬だった、ということが言える。歴代好走馬たちの人気を振り返ってくと……

着順馬名性齢斤量人気
ドゥラメンテ牡3571
サトノクラウン牡3573
イスラボニータ牡3571
ディープブリランテ牡3573
フェノーメノ牡3575
トーセンホマレボシ牡3577
リーチザクラウン牡3575
アントニオバローズ牡3578
アサクサキングス牡35714
アドマイヤオーラ牡3574

集計期間:2007. 5.27 ~ 2015. 5.31

10頭中7頭が5番人気以内に支持されていた。他の3頭にしても2頭は一桁人気。そして残りの1頭は、超スローペースを逃げて2着に粘った馬(アサクサキングス)だった。

基本的に外枠は不利なため、能力の高い馬でないと厳しい。大前提として能力が高い馬が、様々なハンデを克服して好走を果たしているわけだ。

ちなみに唯一、二桁人気から好走したアサクサキングスは、後の菊花賞馬である。要するに、決して弱い馬ではなかったわけだ。

共通点2 1800mで好タイム(7/10頭)

特に2、3歳戦では1800mが最も総合力が問われるレースといえる。

マイル以下はスピードが求められるケースが多いため、スタミナを計ることができない。

反対に2000mを超えてくると、スタミナが求められる割合が多くなりすぎてスピードがあるかどうか分からない。

1800mはスピードとスタミナの両方を備えているか、計るのに適切な距離なのだ。そして、総合力を求められる条件で強い競馬をした馬は「才能を秘めている」と結論付けることができる。

ダービーでは才能を秘めているかどうかがとても重要になってくる。実際、過去の好走馬を見てみると、多くの馬が1800mで好タイムを叩き出していた。

ボーダーラインは1分48秒を切れるかどうか。歴代好走馬たちがどうだったかというと……

ドゥラメンテ
未勝利 1分47秒5
セントポーリア賞 1分46秒9
共同通信杯 1分47秒2

サトノクラウン
東京スポーツ杯2歳S 1分47秒9

イスラボニータ
東京スポーツ杯2歳S 1分45秒9

ディープブリランテ
なし

フェノーメノ
※出走経験なし

トーセンホマレボシ
未勝利 1分47秒9

リーチザクラウン
未勝利 1分47秒4

アントニオバローズ
なし

アサクサキングス
百日草特別 1分47秒5

アドマイヤオーラ
中京2歳S 1分47秒9

ご覧の通り、10頭中7頭に好タイムで好走した実績があった。才能を秘めているかどうかが、ダービーで最も重要な要素である。やはり才能を秘めた馬を狙うのが、最も有効的ということだ。

共通点3 先行策(6/10頭)

では、日本ダービーで走れる素質がある馬たちは、どのようなレースを展開していたのか?

見ていくと、多くの馬が先行策を取っていたことが分かる。

着順馬名通過順
ドゥラメンテ 08-08-07
サトノクラウン 14-14-13
イスラボニータ 03-03-02
ディープブリランテ 04-04-03
フェノーメノ 07-06-07
トーセンホマレボシ 02-02-02
リーチザクラウン 02-02-02
アントニオバローズ 05-05-05
アサクサキングス 01-01-01
アドマイヤオーラ 06-07-09

集計期間:2007. 5.27 ~ 2015. 5.31

実に10頭のうち、6頭が先行(5番手以内)していた。18頭立てだと、特に中団は馬が密集し、外枠の馬は外々を回ることになる。そうなると距離をロスし、直線で競える体力が失われてしまう。

先行策を取れば、中団に比べて馬が殺到するわけではないため、ある程度内に入ることができる。結果、距離ロスを防ぎ、外枠の不利を緩和できる、というわけだ。

先行するために余計な力を使ってしまう……というリスクもあるものの、コーナーで外を回るより影響は小さい。また、直線で前が詰まったり、外に持ち出す必要がないため、後ろから競馬するよりリスクは小さいのだ。

共通点4 馬格が大きい(7/10頭)

これも全体的な傾向であるが、やはり480キロ以上の馬格のある馬が大半を占めている。馬格があったほうがポジション争いをする上で有利だからだ。

馬体重着別度数
440~459kg0- 0- 1- 0/ 1
460~479kg0- 1- 1- 0/ 2
480~499kg2- 2- 0- 0/ 4
500~519kg0- 1- 2- 0/ 3

集計期間:2007. 5.27 ~ 2015. 5.31

外枠から内に潜り込もうとしたとき、小さく非力な馬だと押し負けてしまう。ある程度の馬格は必要、ということだ。

共通点5 社台系生産馬(8/10頭)

そして意外な共通点もある。歴代好走馬のほとんどが社台系の生産馬だった、という点だ。

生産者着別度数
ノーザンファーム1- 0- 3- 0/ 4
パカパカファーム1- 0- 0- 0/ 1
社台ファーム0- 2- 0- 0/ 2
追分ファーム0- 1- 0- 0/ 1
社台コーポレーション白老ファーム0- 1- 0- 0/ 1
前川隆範0- 0- 1- 0/ 1

集計期間:2007. 5.27 ~ 2015. 5.31

単純に社台系の生産馬が多く出走している、という点もある。だが、社台系の生産馬はダービーを目標に調教が行われているため、ダービーで好走するための素質を備えた馬が多い、という見方もできる。

また、ややオカルト的な話になるが、社台系の馬の中で“序列”があるとすれば、外枠に入った有力馬を内に潜り込ませるために内枠の社台系馬が走路を確保する……というケースが考えられないこともない。

まとめ

整理すると……

・人気馬
・1800mで好タイムの実績
・先行馬
・馬体重480キロ以上
・社台系生産馬

以上の項目に該当している馬がいれば、「好走するポテンシャルを持っている」ということができるだろう。果たして該当する馬はいるのか? 出馬表と照らして考えてみよう。

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