カテゴリー:回顧

ジュールポレールの勝因、リスグラシューの敗因は?ヴィクトリアマイル2018回顧

(C)MAZIMICKEY

今年もまたまたリピーター。

5月13日に東京競馬場で行われたヴィクトリアマイル(G1/芝1600)はジュールポレールの優勝に終わった。

昨年の3着の雪辱を果たしたジュールポレールがリスグラシューの悲願を阻んでの戴冠となった。このレースを分析していきながら、同馬がレースを制したポイントやリスグラシュー、アドマイヤリードなど他馬の敗因を探っていこう。


結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
ジュールポレール幸騎手8
牝555(栗東)西園19.4
2
リスグラシュー武豊騎手1
牝455(栗東)矢作4.3
3
レッドアヴァンセ北村友騎手7
牝555(栗東)音無12.1
4
アエロリット戸崎圭騎手3
牝455(美浦)菊沢5.3
5
ミスパンテール横山典騎手4
牝455(栗東)昆7.9
6
レッツゴードンキ岩田騎手6
牝655(栗東)梅田11.7
7
ソウルスターリングルメール騎手5
牝455(美浦)藤沢和11.4
8
アドマイヤリードMデムーロ騎手2
牝555(栗東)須貝5
9
ワントゥワン藤岡佑騎手14
牝555(栗東)藤岡68.4
10
レーヌミノル和田騎手9
牝455(栗東)本田22.7
11
メイズオブオナー福永騎手15
牝455(栗東)藤原英106.3
12
デンコウアンジュ蛯名騎手11
牝555(栗東)荒川33
13
○外ラビットラン川田騎手12
牝455(栗東)角居34.3
14
カワキタエンカ大野騎手10
牝455(栗東)浜田29.3
15
○外リエノテソーロ吉田隼騎手17
牝455(美浦)武井180.8
16
デアレガーロ池添騎手13
牝455(美浦)大竹40.9
17
エテルナミノル四位騎手16
牝555(栗東)本田123.9
18
クインズミラーグロ藤岡康騎手18
牝655(栗東)野中258.2

払い戻し

単勝41,940円8人気
複勝04
16
06
400円
170円
350円
7人気
1人気
5人気
枠連02 – 082,780円12人気
馬連04 – 164,090円17人気
ワイド04 – 16
04 – 06
06 – 16
1,320円
1,330円
870円
14人気
15人気
5人気
馬単04 → 1611,730円41人気
三連複04 – 06 – 168,850円23人気
三連単04 → 16 → 0663,640円193人気

レース分析

レースのラップを見ていこう。前半が46秒8、後半が45秒5という推移だったのではっきりとスローペースだったと言える。

そんな中先に抜け出したグループに急追した1、2着馬の決め手は特筆すべきものであった。では、この2頭を中心に勝負の分岐点を見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ジュールポレール

道中は中団を進んだ。外に馬がおらず気分よく運べたこともプラスに作用しただろう。

直線は外目に出されそこから3、4着馬をめがけて追撃を開始。抜け出したゴール前でリスグラシューに詰め寄られたが、回った位置の差もあったかギリギリ凌いで見せた。2走目での上積みも大きかった。

2着 リスグラシュー

中団やや後方を追走。枠的に馬なりで進めるならこれより前の位置を取ることは難しかっただろう。

直線はしばらく待ってジュールポレールとソウルスターリングの間から追撃。最後も急追したがわずかに届かず4度目の銀メダル。力は出し切ったが枠に泣いた。

3着 レッドアヴァンセ

先週に続き母エリモピクシーこの勝負服が健闘を見せた。先団から進め残り300で先頭に立ったがそこからが長かったが内容は濃く、地力強化が顕著。

4着 アエロリット

スタートでやや外に流れたが、3番手を積極的に追走。残り400から先頭を窺うが外のレッドアヴァンセに脚色で劣った。展開を考えればやや物足りない。

5着 ミスパンテール

勝ち馬の内目から進めたがかかり加減。前走逃げたことが仇になったか。悲観するような差ではないが前走で負かした面々に先着に許したのは悔しい。

7着 ソウルスターリング

中団でアドマイヤリードと並ぶような位置からの競馬。直線はさほど脚を使えず。直前に強まった雨もマイナスだった。

8着 アドマイヤリード

スタート後アエロリットに接触されたが大きくは遅れることなく中団の内を追走した。直線は割ってくる雰囲気もあったが昨年の再現とは成らず。高速馬場よりはスタートの不利が響いように思える。

まとめ

勝ったジュールポレールは兄にマイルチャンピオンシップ勝ちのサダムパテックを持つ、きゅう舎ゆかりの名マイラー血統。絶好の舞台で見事に大輪を咲かせてみせた。

ギリギリの賞金で最後に出走ゲートに滑り込んだジュールポレールは強運だけでなく実力も兼ね備えていた。また西園きゅう舎はこれが4つ目のビッグタイトル。そのすべてがマイル戦穴馬なのも興味深い。きゅう舎のノウハウが大舞台で結実した瞬間である。

文=櫻井秀幸


スズカデヴィアスの勝因、トリオンフの敗因は?新潟大賞典2018の回顧


実力馬に待望の初タイトル。

5月6日に新潟競馬場で行われた新潟大賞典(G3/芝2000 外回り)はスズカデヴィアスの優勝に終わった。骨っぽいメンバーがそろった難解なハンデ戦に爆発的な末脚で決着をつけた。

レースを分析していきながらスズカデヴィアスがレースを制したポイントやトリオンフなど他馬の敗因を探っていこう。


結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
スズカデヴィアス三浦騎手5
牡756.5(栗東)橋田8.2
2
ステイインシアトル秋山騎手9
牡757(栗東)池江26.7
3
ナスノセイカン丸山騎手11
牡655(美浦)矢野43.2
4
トリオンフ松田騎手1
セ457(栗東)須貝3
5
トーセンマタコイヤ柴田善騎手8
牡754(美浦)加藤征18.4
6
マイスタイル田中勝騎手2
牡455(栗東)昆5.3
7
ケントオー石川騎手15
牡656(栗東)西橋80.9
8
ハクサンルドルフ丸田騎手4
牡555(栗東)西園8.1
9
アウトライアーズ横山武騎手13
牡454(美浦)小島65
10
シャイニープリンス勝浦騎手16
牡856(美浦)栗田博180.3
11
ステファノス和田騎手3
牡758(栗東)藤原英5.9
12
カレンラストショー荻野極騎手6
牡654(栗東)橋口15.9
13
ハッピーユニバンス藤懸騎手10
牝651(栗東)平田37.4
14
ロッカフラベイビー杉原騎手12
牝651(美浦)鹿戸59.7
15
ナイトオブナイツ津村騎手7
牡554(栗東)池添兼18.2
16
ラインルーフ森一騎手14
牡654(栗東)松永昌80.4

払い戻し

単勝1820円5人気
複勝01
14
02
280円
940円
1,020円
4人気
10人気
11人気
枠連01 – 071,710円10人気
馬連01 – 1410,890円36人気
ワイド01 – 14
01 – 02
02 – 14
3,080円
3,370円
14,750円
34人気
39人気
94人気
馬単01 → 1420,690円70人気
三連複01 – 02 – 14106,860円248人気
三連単01 → 14 → 02581,000円1,284人気

レース分析

ラップを見てみると前半が62秒3に対して後半は57秒7。前後半で5秒近くも差がある完全な上がりの競馬となった。

各馬が脚を残した状況で馬群は大きく横に広がる差の付きにくいレースとなったが、勝負の分岐点はどこにあったのだろうか?勝因・敗因について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 スズカデヴィアス

枠なりに進み道中は中団の内。直線も比較的内を突く形で開いた進路をぐいぐい伸びてきた。

重賞でも何度も上位に食い込みながら、勝ち運に恵まれなかった実力派が遂に重賞制覇を果たした。

2着 ステイインシアトル

2番手を進み直線は外を選択し良く粘りこんだ。逃げない形で好走出来たことも収穫。

3着 ナスノセイカン

先団を進み直線はステイインシアトルの内を突きこちらもしぶとい粘り腰。叩き2走目で前進。成長力のあるハーツクライ産駒で今後も楽しみ。左回りも強い。

4着 トリオンフ

中団を進み、直線では外から追い上げを図ったがここまで。決めて勝負はあまり向かないタイプか。

6着 マイスタイル

中団の外目に位置し、直線は大外へ。止まってはいないがロスの多い競馬でやや消化不良。

11着 ステファノス

後方から進めたが直線も伸びるシーンはなかった。直線は前に壁がある形だった上に元来休み明けも苦手。しかし負け過ぎた感は大きい。

まとめ

今期好調の三浦騎手の手綱も軽やかに何度も何度も差し損ねて来た重賞の舞台でスズカデヴィアスがあっさりと突き抜けてみせた。

妹のレイホーロマンスも好走が見られるように特にローカル重賞では頼りになる血統。この日の直線で見せた脚のように息の長い活躍をまだまだ見せてくれそうだ。

文=櫻井秀幸


ステイフーリッシュの勝因、フランツの敗因は?京都新聞杯2018回顧

(C)n.hiroto

愚直さを武器に大一番へ殴り込む。

5月5日に京都競馬場で行われた京都新聞杯(G2/芝2200 外回り)はステイフーリッシュの優勝に終わった。これまでとは打って変わっての先行策から鮮やかな変わり身を見せた。

レースを分析していきながらステイフーリッシュがレースを制したポイントやフランツなど他馬の敗因を探っていこう。


結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
ステイフーリッシュ藤岡佑騎手7
牡356(栗東)矢作12.8
2
アドマイヤアルバ岩田騎手11
牡356(栗東)須貝26.3
3
シャルドネゴールドボウマン騎手4
牡356(栗東)池江10.2
4
グローリーヴェイズ浜中騎手2
牡356(美浦)尾関6.5
5
メイショウテッコン松山騎手12
牡356(栗東)高橋忠30.4
6
ユーキャンスマイル荻野琢騎手13
牡356(栗東)友道34.8
7
アルムフォルツァ池添騎手8
牡356(栗東)五十嵐14.2
8
インターセクション荻野極騎手17
牡356(栗東)大久保290.1
9
ケイティクレバー四位騎手5
牡356(栗東)安田翔11.3
10
フランツMデムーロ騎手1
牡356(栗東)音無3.3
11
レイエスプランドル藤岡康騎手6
牡356(栗東)吉田12.7
12
リシュブール福永騎手10
牡356(栗東)藤原英23.2
13
アールスター松若騎手15
牡356(栗東)杉山72.6
14
レノヴァール北村友騎手9
牡356(栗東)高野15.8
15
○地ダブルシャープ和田騎手14
牡356(栗東)渡辺65
16
ロードアクシス酒井騎手16
牡356(栗東)奥村豊121.3
17
○外タニノフランケル幸騎手3
牡356(栗東)角居7

払い戻し

単勝131,280円7人気
複勝13
08
15
390円
670円
370円
6人気
11人気
4人気
枠連04 – 073,910円17人気
馬連08 – 1315,710円58人気
ワイド08 – 13
13 – 15
08 – 15
4,410円
2,050円
3,780円
61人気
25人気
54人気
馬単13 → 0826,970円105人気
三連複08 – 13 – 1542,640円161人気
三連単13 → 08 → 15269,100円942人気

レース分析

レースのラップを見ていこう。最初の1000メートルが58秒5、そして最後の1000メートルが59秒3となっており、やや前掲ラップであったことを加味しつつもそれ以上に全体的に時計の出る馬場だったことが読み取れる。

タフなレースにはなった部分もあるが低レベルとは思えず、皐月賞で人気馬たちは崩れたことも踏まえれば、このレースの上位馬たちにもダービーで出番があるのではないか?では各馬の勝因・敗因について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ステイフーリッシュ

2番手を単騎で追走し、最終コーナーではもう先頭というかなり積極的な競馬。そのまましっかり押し切り本番の切符を手に入れた。リフレッシュ効果抜群で見せた快走に期待は高まる。

2着 アドマイヤアルバ

中団を進んでいたが、勝負所で早めに動き直線は早々に2番手まで浮上。しかしそこからは連を死守するのが精一杯。相変わらずの安定感と距離克服は見事だったが、勝ち馬との差は決して小さくない。

3着 シャルドネゴールド

後方を進み徐々に押し上げ中団の外目で直線へ。そこから目立つ脚を見せたが連争いまでがやっと。中距離なら崩れず走ってくる安定株。

4着 グローリーヴェイズ

中団の内目を進みそのまま直線へ。中を捌きながら前を追ったがここまで。枠が仇となった面はあるが抜けた力まではなかった。

10着 フランツ

アオって後方から。直線は大外へ回ったが伸びず。馬体減りも留まることを知らず立て直しが必要だろう。アンライバルドやヴィクトリーがそうであったように、この一族は一度崩れると立て直しが難しい。

17着 タニノフランケル

先団を進んでいたが直線は下がる一方。現状軽い馬場では厳しいと言わざるを得ない。

まとめ

強気なレース運びで背水の陣を制したステイフーリッシュ。休み明け2走目となる次ではさらに上昇する可能性も十分だ。

ステイゴールドの勝負強さは混戦、大一番でこそ生きてくる。つい先週レインボーラインが命懸けで示したその事実を東京優駿で再び目の当たりするのかもしれない。

文=櫻井秀幸


ケイアイノーテックの勝因、タワーオブロンドンの敗因は?NHKマイルカップ2018回顧

(C)MAZIMICKEY

ケイアイノーテックの勝因、タワーオブロンドンの敗因は?NHKマイルカップ2018の回顧

ねじ伏せた渾身のゴール前。

5月6日に東京競馬場で行われたNHKマイルカップ(G1/芝1600)はケイアイノーテックの優勝に終わった。

ケイアイノーテックが鮮やかすぎる大外一気で世代最強マイラーをアピール。レースを分析していきながら同馬がレースを制したポイントやタワーオブロンドン、ギベオンなど他馬の敗因を探っていこう。


結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
ケイアイノーテック藤岡佑騎手6
牡357(栗東)平田12.8
2
ギベオンMデムーロ騎手2
牡357(栗東)藤原英5.2
3
レッドヴェイロン岩田騎手9
牡357(栗東)石坂正25
4
○外ミスターメロディ福永騎手7
牡357(栗東)藤原英14.7
5
プリモシーン戸崎圭騎手5
牝355(美浦)木村10.8
6
パクスアメリカーナ川田騎手4
牡357(栗東)中内田9.6
7
ダノンスマッシュ北村友騎手13
牡357(栗東)安田隆75
8
カツジ松山騎手8
牡357(栗東)池添兼15.6
9
○外デルタバローズ石橋脩騎手16
牡357(美浦)堀113.2
10
カシアス浜中騎手17
牡357(栗東)清水久137.1
11
○外リョーノテソーロ吉田隼騎手15
牡357(美浦)武井112.1
12
タワーオブロンドンルメール騎手1
牡357(美浦)藤沢和2.6
13
フロンティア内田博騎手12
牡357(栗東)中内田66.8
14
テトラドラクマ田辺騎手3
牝355(美浦)小西7.5
15
ファストアプローチ蛯名騎手14
牡357(美浦)藤沢和90.5
16
ルーカスボウマン騎手10
牡357(美浦)堀42.3
17
アンコールプリュ藤岡康騎手18
牝355(栗東)友道141.4
18
ロックディスタウン池添騎手11
牝355(美浦)藤沢和66.1

払い戻し

単勝111,280円6人気
複勝11
09
17
370円
230円
520円
6人気
2人気
9人気
枠連05 – 061,890円9人気
馬連09 – 113,140円10人気
ワイド09 – 11
11 – 17
09 – 17
1,230円
3,360円
2,180円
13人気
36人気
21人気
馬単11 → 097,470円26人気
三連複09 – 11 – 1721,840円58人気
三連単11 → 09 → 17129,560円368人気

レース分析

レースのラップを見ていこう。前半が46秒3、後半が46秒5というほぼイーヴンな流れとなっていた。

早めに抜け出しを図ったギベオン、ミスターメロディが勝ち負けに加わる中、ケイアイノーテック、レッドヴェイロンという差し勢もゴール前で急追と展開の有利不利は少ない実力勝負だったと言えるだろう。。では、各馬の勝因・敗因について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ケイアイノーテック

ゆっくりとしたスタートで後方に置かれ道中はブービーの位置を追走。

そこから鞍上も「踏み遅れたくなかった」と語る通り仕掛けられながら大外の回って直線へ。鋭い決め手を見せ見事にゴール寸前で全馬を呑みこんだ。ここまで溜めたレースは初めてだったが大一番で戦法も鮮やかに噛み合い大きなタイトルを手に入れた。

2着 ギベオン

5番手あたりを追走。直線は残り400、前開いたところで一気に先頭を奪った。なんとかしのぎたかったがやや内にササった場面もあり若干スムースさを欠いた。

能力でカバーしたがマイルはやや短い印象も残った。出てくるならダービーでも面白い。

3着 レッドヴェイロン

スタートはもっさりとしており中団やや後ろ目の位置取りに。直線は外から伸びたがこの馬もやや内に食い込むシーンがあったのは残念。しかし初勝利までに手間取ったとは思えないここ2走の内容は実に濃く先々が楽しみ。

4着 ミスターメロディ

きれいなスタートから先団に構えた。手ごたえ良く直線も正攻法の競馬で食い下がったがわずかに足りず。マイルはギリギリだろう。1400以下、ダートも含めは今後大活躍の可能性は非常に高い。

5着 プリモシーン

出遅れて後方から。内を進んだが直線は外に切り替える形に。その判断も遅く非常にロスの多い競馬となってしまった。まともなら勝ち負けに加わっていただろう。次走以降注目。

12着 タワーオブロンドン

スタートで躓き接触。直線も進路を失うシーンがあったが、それ以上にスタートで流れに乗れなかったのが大きい。不完全燃焼。

14着 テトラドラクマ

一目散にハナへ。平均ペースで逃げ残り200までは踏ん張ったがそこで力尽きた。結果的にはキレるディープ産駒の餌食になる形となってしまっており、肉を切らせて骨を断つの気概で飛ばしたほうがチャンスはあっただろう。

まとめ

思えばケイアイノーテックは暮の朝日杯でタワーーオブロンドンとハナ差の好走を見せている。

その後は道悪をパクスアメリカーナに上手く立ち回られたこぶし賞、圧巻の走りを見せた自己条件、中山マイル外枠から勝ちに等しい走りを見せたニュージーランドトロフィーを経てここに挑んでいる。

完全に力負けと言い切れるレースは見当たらず、本来であれば朝日杯で見せたタワーオブロンドンとの接戦をもっと高く評価されて人気の一角となって然るべき存在だったとも言える。しかしそう高く評価されることはなく、それも一つの要因となりこの色気の薄い大外一気が成功した側面もあるので競馬は面白いが難しい。

強引さはあれども大レースで騎乗馬を上位に食い込ませるミルコデムーロと岩田康誠両騎手。そして一番外を真一文字に飛んできた絶好調男藤岡祐介、それはそれは胸のすく逆転劇だった。

文=櫻井秀幸



レインボーラインの勝因、シュヴァルグランの敗因は?天皇賞春2018回顧

(C)Arappa

悲願成る。

4月29日に京都競馬場で行われた天皇賞春(G1/芝3200 外回り)はレインボーラインの優勝に終わった。

出入りの激しい展開を尻目に自分のレースに徹した岩田康誠鞍上のレインボーラインが遂に待望の初戴冠。レースを分析していきながら同馬がレースを制したポイントやシュヴァルグランなど他馬の敗因を探っていこう。


結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
レインボーライン岩田騎手2
牡558(栗東)浅見6
2
シュヴァルグランボウマン騎手1
牡658(栗東)友道3
3
クリンチャー三浦騎手4
牡458(栗東)宮本8
4
ミッキーロケット和田騎手9
牡558(栗東)音無38.5
5
チェスナットコート蛯名騎手7
牡458(栗東)矢作11.4
6
トーセンバジルMデムーロ騎手8
牡658(栗東)藤原英11.6
7
スマートレイアー四位騎手12
牝856(栗東)大久保73.3
8
アルバートルメール騎手6
牡758(美浦)堀10.1
9
シホウ浜中騎手14
牡758(栗東)笹田241.1
10
ヤマカツライデン松山騎手11
牡658(栗東)池添兼71.6
11
トウシンモンステラ国分恭騎手17
牡858(栗東)村山371.5
12
サトノクロニクル川田騎手5
牡458(栗東)池江9.8
13
ソールインパクト福永騎手13
牡658(美浦)戸田74.3
14
ガンコ藤岡佑騎手3
牡558(栗東)松元6.6
15
ピンポン宮崎騎手16
牡858(美浦)粕谷250.8
16
カレンミロティック池添騎手10
セ1058(栗東)平田39.3
17
トミケンスラーヴァ秋山騎手15
牡858(美浦)竹内248.4

払い戻し

単勝12600円2人気
複勝12
11
08
190円
140円
240円
2人気
1人気
4人気
枠連06 – 061,020円5人気
馬連11 – 121,030円1人気
ワイド11 – 12
08 – 12
08 – 11
400円
810円
530円
1人気
9人気
3人気
馬単12 → 112,510円6人気
三連複08 – 11 – 122,060円1人気
三連単12 → 11 → 0811,650円8人気

レース分析

レースのラップを見ていこう。前半が97秒6、後半が98秒6となっておりペース自体は淡々としたものだった。

サトノクロニクルが残り1000の手前で動いたあたりから隊列は乱れる激しい展開だったが、流れ自体は落ち着いていた。残り400からの1ハロンがずば抜けて速く、瞬間的なギアチェンジの能力が問われたと言えるだろう。では、各馬の勝因・敗因について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 レインボーライン

中団の後ろ目を進みじっと脚を溜めた。直線を向いたところでもまだ中団。

そこから進路を探りつつ前に迫り最後はシュヴァルグランを内から差し切った。狙い澄ました最内一気ではなく、運が味方した部分もあるが阪神大賞典に続いての勝利は現役最強ステイヤーの証と言える。

2着 シュヴァルグラン

促して前を取りに行き道中は4番手を追走。そのまま直線入り口では早々に先頭を窺う勢いだった。

手ごたえにも余裕はあったが、最後は末脚の差で惜敗。目標にされる展開の中横綱相撲で地力は十二分に見せつけた。

3着 クリンチャー

中団を進み勝負どころでシュヴァルグランの後ろまで進出した。そこからもスムースに外に持ち出し前を追ったが突き抜けるまでには至らず。行きたがる面も我慢が利き能力は出し切った。

4着 ミッキーロケット

中団の内目を進み、そのまま直線も内を強襲。枠を生かした良い競馬だったがやはりワンパンチ足りない。

5着 チェスナットコート

こちらも白帽だったが道中は外を進んだ。中団から進出し正攻法の競馬で掲示板まで届いた。明け4歳のハーツクライ産駒が力を付けてきている。

12着 サトノクロニクル

中団の後方に位置していたが真っ先に仕掛けレースを動かした。しかし直線手前でもうガス欠気味。距離と言うよりは力負けだろう、現状強引な競馬で勝ちきるまでの器ではなかった。

14着 ガンコ

3番手を進み直線を向いたところではシュヴァルグランと雁行状態。そこからも粘っていたが最後は力尽きた。大敗に違いはないが内容は濃く、着順ほど悲観しなくてもよいかもしれない。

まとめ

手が届きそうな頂点までのあと少しの道のりが実に長かったレインボーラインがようやく大輪を咲かせた。

しかし好事魔多し、ゴール前のつんのめったところでか脚に故障を発症してしまった。現状では右前肢跛行との情報が届いているがもちろん油断はできない。

これからのレインボーラインにどんな未来が待っているのかわからない以上、この回顧録をどのように終わらせるかも非常に難しい。元気にターフに戻って来てほしいと思うが、無事に牧場に戻ってステイゴールドの血を残せさえすれば十分とも思ってしまうのが正直なところだ。ただ、刹那の切れ味だったとしても、振り返れば長期政権の幕開けだったとしても、多くの競馬ファンは今日見た乾坤一擲の直線一気を忘れることはないだろう。

きっと19年前の覇者スペシャルウィークも天国で見ていたはずだ。

文=櫻井秀幸


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