カテゴリー:回顧

(C)Ko-Mei

2歳から期待されていた素質馬が、ついに悲願のGI制覇を成し遂げた。

6月4日に東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(GI/芝1600m)で、7番人気のディープインパクト産駒サトノアラジン(牡6)が、8番人気のロゴタイプを押さえて勝利した。1番人気のイスラボニータは8着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年 6月 4日(日) 3回東京2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第67回安田記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 1600m 18頭立

馬名S性齢
14サトノアラジン牡67
16ロゴタイプ牡78
6レッドファルクス牡63
7グレーターロンドン牡56
8エアスピネル牡42
12ビューティーオンリーセ69
18ステファノス牡64
15イスラボニータ牡61
10クラレント牡814
105コンテントメントセ712
119ロンギングダンサー牡818
123サンライズメジャー牡817
132ディサイファ牡815
1413ロジチャリス牡513
154アンビシャス牡55
1617ヤングマンパワー牡511
171トーキングドラム牡716
1811ブラックスピネル牡410

LAP 12.2-10.6-11.1-11.6-11.6-11.0-11.3-12.1
通過 33.9-45.5-57.1-68.1  上り 68.7-57.6-46.0-34.4  平均 1F:11.44 / 3F:34.31

払い戻し

単勝  14 \1240
複勝  14 \380 / 16 \440 / 6 \340
枠連  7-8 \590 (2)
馬連  14-16 \10480 (40)
ワイド 14-16 \2870 (33)/ 06-14 \2730 (30)/ 06-16 \2720 (29)
馬単  14-16 \20410 (75)
3連複 06-14-16 \43500 (128/816)
3連単 14-16-06 \283000 (797/4896)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.2-10.6-11.1-11.6-11.6-11.0-11.3-12.1

昨年は12頭立てと少頭数だったため、スローペースになった。


しかし、今年は安田記念らしいラップが刻まれた。最初の一ハロンを除き、すべて11秒6以下という厳しい展開となったのだ。最後の一ハロンで1秒近く減速した点が、我慢比べのレースになったことを示している。

かなり厳しいレースとなったため、マイペースで逃げられたロゴタイプを除き、先行勢は総崩れとなった。厳しい展開を差してこられる力のある馬が上位に来るようなレースだったと言っていいだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 サトノアラジン

悲願のGI初制覇をようやく成し遂げられた。

道中は後方待機となったが、結果としてペースが流れたことが幸いする形となった。直線では大外に出したが、追える川田将雅騎手に導かれて直線で弾けた。

もともとディープインパクト産駒ながら1400mが得意な馬で、ペースが流れた中で驚異的な末脚を使って追い上げる……という競馬を得意としている。今回の安田記念はペースが全く緩まず、かつ差し馬が台頭できる流れになった。(ペースが“適度に”流れるだけでは、前に行ったスタミナのある馬に粘り込まれてしまう。)スローペースを圧倒的な末脚で差し切るタイプではないことは、前走の京王杯スプリングカップや昨年の安田記念を見ても明らか。展開が味方したことは大きかった。

もっとも、流れが向いただけではない。この馬には2歳から期待されるだけのポテンシャルがあった。

ディープインパクト×ストームキャットの組み合わせは、GI馬を何頭も輩出している“黄金配合”だ。しかも全姉のラキシスはエリザベス女王杯の覇者。姉が遅咲きだったように、サトノアラジンもようやく本格化し、順番が回ってきたということだ。

GI級のポテンシャルを秘めた馬に、流れが向いた。それが勝因だったと考えられる。

2着 ロゴタイプ

あと一歩のところで連覇の夢が消えた。しかし、この展開で粘るのだから改めて力があることを証明したと言っていい。

ロゴタイプ以外の先行勢は全滅だった。かつ、昨年はスローペースの中で、今年はペースが流れた中で上位に来てみせた。


これからも、まだまだ活躍してくれそうだ。

3着 レッドファルクス

実力に加え、差し馬が台頭できる1400m的な流れになったことが大きかった。

それだけに、直線で前が壁になり、追い出しが遅れたことが痛かった。もし仮にスムーズな競馬ができていたとしたら、上位2頭との差はもっと詰まったかもしれない。

なお、スウェプトオーヴァーボード産駒がマイル以上のGIで馬券に絡んだのは初めてのこととなった。

距離着別度数
1200m1- 1- 1- 4/ 7
1600m0- 0- 0-12/12
2000m0- 0- 0- 1/ 1
2400m0- 0- 0- 1/ 1

4着 グレーターロンドン

やや前が壁になっていたが、400mを過ぎたあたりで前が開けた。追い出すと、一時は先頭に立つかという勢いだったが、最後の一ハロンで伸び切らず、サトノアラジンらの後塵を拝す格好になった。

厳しい流れの中、重賞の経験がない中では立派な結果だったといえる。ただし、最後の一ハロンで踏ん張りきれなかったあたりを見ると、休み明けや臨戦過程に順調さを欠いた影響があったのかもしれない。

もっとも、GIでもやれる力があると証明しただけに、今後が期待されるところだ。5歳馬だが、まだキャリアわずか7戦。まだまだ成長の余地はあるだろう。

5着 エアスピネル

非常にもったいない競馬となってしまった。

厳しい流れを後方から追走するという完璧なレース運びだったが、最後の直線で前が開かなかった。内に進路を取ったものの、前が塞がり、追い出せたのは残り200mを過ぎてから。そこからは全頭の中でも一番の伸びをみせ、猛烈に追い込んできただけに、悔やまれる敗戦となった。

デビュー以来、コンビを組んでいる武豊騎手にとって、悔やんでも悔やみきれないレースとなったのではないか。


6着 ビューティーオンリー

位置取り、直線での追い出しのタイミングも含めてスムーズな競馬だった。力は出し切った上での6着だったと考えられる。

7着 ステファノス

一時は突き抜けるかという手応えで上がっていたが、最後の200mで我慢しきれなかった。

大外枠から終始外外を回る展開、久々のマイル戦が究極のスピード勝負になった点に対応しきれなかったのかもしれない。

8着 イスラボニータ

直線で前を塞がれて完全に行き場を失ってしまった。

残り300mを切ってから追い出されたときには末脚の鋭さもなく、沈むことに。今回は不利があったことに尽きる。

9着 クラレント

位置取りはやや前だったが、不利もなく、力を出し切った。

10着 コンテントメント

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

11着 ロンギングダンサー

展開は向いただけに、力負け。

12着 サンライズメジャー

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

13着 ディサイファ

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

14着 ロジチャリス

力負け。

15着 アンビシャス

この馬も直線で前がふさがり、行き場を失って外へ外へ流れる形になってしまった。

こういう展開になると横山典弘騎手は馬の消耗を考えて本気で追うことはない。

全く競馬をしないまま、この順位に収まったというわけだ。次走を見据える意味で、今回はノーカウントでOKだろう。

16着 ヤングマンパワー

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

17着 トーキングドラム

力負け。

18着 ブラックスピネル

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。


(C)Yushi Machida

悲願のダービー制覇を成し遂げたのは、名伯楽の夢を背負った馬だった。

5月28日に東京競馬場で行われた東京優駿・日本ダービー(GI/芝2400m)で、2番人気のキングカメハメハ産駒レイデオロ(牡3)が、3番人気のスワーヴリチャードを押さえて勝利した。1番人気のアドミラブルは3着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年 5月28日(日) 2回東京12日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【10R】 第84回東京優駿
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 2400m 18頭立

馬名性齢
12レイデオロ牡32
4スワーヴリチャード牡33
18アドミラブル牡31
3マイスタイル牡314
7アルアイン牡34
1ダンビュライト牡37
11ペルシアンナイト牡36
8トラスト牡316
10ベストアプローチ牡311
106サトノアーサー牡35
1113カデナ牡38
1216キョウヘイ牡315
135クリンチャー牡39
1415ダイワキャグニー牡310
1517ウインブライト牡312
169マイネルスフェーン牡317
172アメリカズカップ牡313
1814ジョーストリクトリ牡318

LAP 13.0-11.2-12.9-12.8-13.3-12.5-12.1-12.6-12.7-11.5-10.9-11.4
通過 37.1-49.9-63.2-75.7
上り 71.2-59.1-46.5-33.8
平均 1F:12.24 / 3F:36.73

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

13.0-11.2-12.9-12.8-13.3-12.5-12.1-12.6-12.7-11.5-10.9-11.4

見ての通りの超スローペースとなった。1000mの通過はなんと1分3秒台。上がり33秒8という究極の瞬発力勝負になった。

こうなると、本当に瞬発力が優れた馬(アドミラブル)か、ある程度の位置取りで競馬をして上がりをまとめられた馬(レイデオロ、スワーヴリチャード、マイスタイル)しか上位には来られない。


なお、2分26秒9は良馬場で行われたダービーとしては2010年に並ぶ最も遅いタイムだった。この世代はエイシンフラッシュ、ヴィクトワールピサ、ローズキングダム、ルーラーシップなど粒ぞろいだったため、「タイムが遅かったから弱い世代」ということは一概に言えない。

ただし、エイシンフラッシュの年はクラシックが始まる段階で粒ぞろいで「最強世代」と言われていた。しかもエイシンフラッシュとローズキングダムがダービーで記録した上がりタイムは、それぞれ32秒7、32秒9だった。32秒台の上がりを2400mのレースで使えるというのは、ある種最大の才能の証明だった。

それに比べると今回のダービーは物足りない感が否めないだろう。上がり最速は33秒3。馬場の違いがあるため一概に比較はできないものの、前半が63秒ならより速いタイムを叩き出す必要があったのではないか。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 レイデオロ

藤沢和雄調教師の悲願を叶えた、という意味で偉大なダービー馬になった。

前半は後方に位置していたが、ペースが遅すぎると判断したクリストフ・ルメール騎手がポジションを上げていき、3、4コーナーでは2番手という絶好のポジションにつけた。結果的にこの判断が勝利に繋がったと言っていいだろう。

2着 スワーヴリチャード

最高の競馬だったが、わずかに、わずかに及ばなかった。

スタートから絶好のポジションにつけ、4コーナーで外に出して直線では末脚に懸けた。ちょうど、四位洋文騎手がウオッカでダービーを制したときと同じような競馬だったが、ほんのわずかに届かなかった。

最高のレース内容だっただけに、敗因らしい敗因は挙げられないだろう。できることがあるとすれば、究極の仕上げで臨んだため、マイナス12キロという馬体重になっていたことで何かしらの影響があった……という憶測を立てることくらいだろうか。もっとも、ここまで仕上げたからこそ好走できたという見方もあるだけに、判断が難しいところだ。

今回は最高の条件、最高の内容のレースだっただけに、次走で人気しすぎるようなら多少割り引いたほうがいいかもしれない。

ただし、ハーツクライ産駒は夏を越えて成長してくる。より強くなった形で秋を迎えることを期待したい。


3着 アドミラブル

このペースではどうしようもなかった。

ルメール騎手のように向こう正面から上がっていければよかったが、ミルコ・デムーロ騎手はそう判断しなかった。今回はその差が出た結果だ。

もっとも、向こう正面で動けば……というのはある種結果論のようなもの。アドミラブルは自分の競馬をして3着になった。今回は展開が、ペースが向かなかった、としか言えないだろう。

なお、またしても青葉賞馬のダービー制覇はならなかった。少なくとも青葉賞組の単勝馬券を買うことに大きなリスクがあるということは、覚えておいたほうが良さそうだ。

4着 マイスタイル

超スローペースを作り出した張本人。横山典弘騎手らしい天才の感性が光った逃げだった。

ハーツクライ産駒ということで東京芝2400mは合っている。その点も「驚きの4着」に繋がったと判断していいだろう。

5着 アルアイン

切れ味が持ち味ではないアルアインにとって、このペースはいくらなんでも厳しすぎた。上がり33秒7は、それでもキャリア最速の数字。この末脚を使って届かなかったのだから、瞬発力勝負に適性がなかったと判断していい。

もっとも、そんな中でしっかりと5着に食い込んだことは評価できる点だろう。皐月賞がフロックではなかったことを証明してみせた。

上がりのかかるレースで、再び真価を発揮したいところだ。

6着 ダンビュライト

絶好枠を引いたが、この馬も瞬発力勝負には全く向かなかったため、切れ負けしてしまった。絶好の枠から絶好の位置にいたが、逆に回りを囲まれて動きにくくなったことが痛かった。通常のダービーであれば絶好の位置取りだったのだが、ペースが遅くなりすぎたことでポジションの優位性を生かせなかった格好だ。


7着 ペルシアンナイト

レイデオロに続いて上がっていったが、最後伸びなかった。上がりを叩き出せない馬ではないだけに意外な結果だったが、戸崎圭太騎手いわく「ついて行った時に脚を使った分かな」とのこと。

ハービンジャー産駒は夏を越えて成長してくるだけに、今後が期待される。

8着 トラスト

先行した分、粘ることができた。

9着 ベストアプローチ

最初のコーナーでは悪くない位置取りにいたが、3、4コーナーでポジションを悪くした。結果として位置取りの時点で上位に来ることは難しかった。

10着 サトノアーサー

瞬発力勝負は得意なタイプだが、それにしても位置取りが後ろ過ぎた。4角16番手ではどうしようもない。

11着 カデナ

瞬発力勝負は得意なタイプだが、それにしても位置取りが後ろ過ぎた。4角16番手ではどうしようもない。

12着 キョウヘイ

力負け。

13着 クリンチャー

力負け。

14着 ダイワキャグニー

力負け。

15着 ウインブライト

力負け。

16着 マイネルスフェーン

力負け。

17着 アメリカズカップ

力負け。

18着 ジョーストリクトリ

力負け。


(C)Ko-Mei

桜花賞で苦杯をなめた怪物牝馬が、復活を果たした。

5月21日に東京競馬場で行われた優駿牝馬オークス(GI/芝2400m)で、1番人気のフランケル産駒ソウルスターリング(牝3)が、6番人気のモズカッチャンを押さえて勝利した。2番人気のアドマイヤミヤビは3着、3番人気のリスグラシューは5着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年 5月21日(日) 2回東京10日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第78回優駿牝馬
3歳・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝 2400m 18頭立

馬名S性齢
2ソウルスターリング牝31
1モズカッチャン牝36
16アドマイヤミヤビ牝32
7ディアドラ牝39
14リスグラシュー牝33
3フローレスマジック牝35
12ブラックオニキス牝317
18マナローラ牝316
10ブラックスビーチ牝38
104ミスパンテール牝311
1117カリビアンゴールド牝314
125モーヴサファイア牝313
1313レーヌミノル牝34
146ハローユニコーン牝312
1511レッドコルディス牝315
168ホウオウパフューム牝37
179ディーパワンサ牝318
1815ヤマカツグレース牝310

LAP 12.7-11.6-12.8-12.6-12.0-12.3-12.3-12.1-11.6-11.3-11.2-11.6
通過 37.1-49.7-61.7-74.0
上り 70.1-57.8-45.7-34.1
平均 1F:12.01 / 3F:36.02

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.7-11.6-12.8-12.6-12.0-12.3-12.3-12.1-11.6-11.3-11.2-11.6

大方の予想を覆してハナを切ったのはフローレスマジックだった。ソウルスターリングやモズカッチャンといった1、2枠の馬たちがそれに続く。アドマイヤミヤビとリスグラシューは後方からの競馬となった。

逃げ馬ではないフローレスマジックがハナを切ったのだから、ペースが遅くなるのは必然だった。1000mの通過は61.7秒。実に残り800mまでほとんどが12秒台のラップを刻む超スローペースとなった。


・直線までに、ある程度前のポジションにいること
・32秒台の末脚を使うこと

このどちらかができなければ、上位に来るのは難しいレースとなったわけだ。

(C)Ko-Mei

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ソウルスターリング

まさに盤石の競馬だった。スローペースを内枠から先行して押し切るという、これ以上ない理想的なレースだった。

・スローペースを先行=差し遅れる心配がない
・内枠から内々を回る=距離ロスほぼなし
・有力馬が後ろから競馬をしていた

もともと実力があって、これだけ要素が揃えば、勝ち切るのは納得だろう。

2着 モズカッチャン

フローラステークスの勝ち馬は低評価を覆して2着に入った。好走できた理由はソウルスターリングと同じだ。

あとは位置取りや実力など、少しの違いで差ができたということ。理想的な競馬だった。

3着 アドマイヤミヤビ

この展開になれば後ろからでは届かない。

・外枠だったこと
・やや出負けしてしまったこと


とにかくスタートが良くなかったため、いいポジションを取ることができなかった。上がり1位の末脚を使っているだけに、敗因はスタートだったといってもいいだろう。もちろん、ペースが落ち着いてしまったなど、外部的な要因もあったが。

4着 ディアドラ

内々を回って距離ロスを防ぎ、直線でもインをついて4着まで上ってきた。岩田康誠騎手らしいイン付きで、いい騎乗だったと振り返ることができる。

ただし、インにこだわったことでポジションが後ろになり、なかなかポジションを上げていくことができなかった点が痛かった。この視点から見れば騎手の判断が間違っていたと解釈することもできないこともないが、「9番人気の馬で上位を狙う」という観点から考えればこの選択は妥当だったように感じられる。

5着 リスグラシュー

先行馬ではないためポジションが後ろになることは仕方がないが、体内に時計を持っている武豊騎手であるならばもう少し前々のポジションを取りたかったところだっただろう。

直線の入り口でもややスムーズさを欠き、ポジションを落としてしまった。最後は伸びてきているが、上位を飲み込むまでには至らず。この展開では厳しかった。

6着 フローレスマジック

驚きの逃げを打った。このペースなら粘り込みたいところだったし、数字上は可能だっだように感じられる。

だが、オークスという2400mの長丁場で初めて逃げを打ったというシチュエーションは厳しいものだった。戸崎圭太騎手はとしては他の馬をいかせてソウルスターリングのような競馬をしたかったのだろうが、自分が逃げる展開になっては厳しかった。

同じ東京競馬場の2400mのGIという意味では、キングヘイローのダービーが思い出されるようなレースだった。

7着 ブラックオニキス

この馬が7着に粘れたという点が、このレースの本質を示している。実力が劣る馬でも、このペースである程度のポジションにいれば残れてしまうわけだ。

8着 マナローラ

9着 ブラックスビーチ

10着 ミスパンテール

11着 カリビアンゴールド

12着 モーヴサファイア

13着 レーヌミノル

やはりダイワメジャー産駒に2400mは長かった、というような結果だ。


位置取りは悪くなかったものの、コーナーで終始外を回す競馬になってしまった。そういう意味では外枠が響いたと判断していいだろう。

・中長距離が苦手なダイワメジャーの血
・距離ロスをしやすい外枠
・実際にコーナーで距離を大幅にロス

これらの要素が重なり、直線で弾けることはできなかった。コーナー4回の秋華賞であれば今回より適性がありそうだが、ダイワメジャー産駒という点を考慮すると、マイル路線を歩んでいったほうが無難だと考えられる。

14着 ハローユニコーン

15着 レッドコルディス

16着 ホウオウパフューム

17着 ディーパワンサ

18着 ヤマカツグレース



上がり馬が勢いのままに重賞初制覇を果たした。

5月20日に京都競馬場で行われた平安ステークス(GIII/ダート1900m)で、1番人気のキングカメハメハ産駒グレイトパール(牡4)が、6番人気のクリソライト(牡7)を押さえて勝利した。2番人気のグレンツェント(牡4)、アスカノロマン(牡6)は下位に沈んだ。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年 5月20日(土) 3回京都9日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第24回平安S
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1900m 16頭立

馬名性齢
9グレイトパール牡41
4クリソライト牡76
1マイネルバイカ牡815
5ピオネロ牡69
16ケイティブレイブ牡44
2タガノエスプレッソ牡58
8リーゼントロック牡611
13ラストインパクト牡713
7アスカノロマン牡63
1015グレンツェント牡42
1112マイネルクロップ牡716
1211ロンドンタウン牡45
1310ロワジャルダン牡67
146クリノスターオー牡710
1514ドリームキラリ牡514
163コパノチャーリー牡512

LAP  6.9-10.6-11.1-12.5-12.1-12.1-12.4-12.5-12.6-12.9
通過 28.6-41.1-53.2-65.3
上り 74.6-62.5-50.4-38.0
平均 1F:12.18 / 3F:36.54

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

6.9-10.6-11.1-12.5-12.1-12.1-12.4-12.5-12.6-12.9

各場揃ったキレイなスタートからハナを切ったのはコパノチャーリーだった。淡々とした流れとなり、中盤でペースが緩むこともなかった。前に行った馬にとって、厳しい展開だったことが分かる。

3、4コーナーではケイティブレイブが前を捉えて後ろを引き離しにかかったが、楽な手応えで上がっていったのがグレイトパールだった。直線では後続を寄せ付けず、鋭い末脚で伸びてきたクリソライトに4馬身差をつける圧勝劇だった。


まさに「ダート界に新星現る」といった見出しをつけたくなるような結果となった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 グレイトパール

長期休養明けでダートを使って以来、これで5連勝となった。最後はほとんど持ったまま、川田将雅騎手は手綱を緩めてゴール板を通過した。本当ならもっともっと差がついていたと考えていいだろう。

勝因としては実力が抜けていたことに加え、流れに上手く乗ったことが挙げられる。ほとんどの先行勢が崩れたように、ダート戦にしては先行馬に厳しい展開となった。この馬はペースの速いところで中団につけ、徐々に徐々にポジションをお仕上げていった。

結果、周りにつられて無理するようなことはなく、自然に順位を上げていけたわけだ。もっとも、実力が抜けていなければこれほどの差はつかなかったはず。

これからのダート路線で主役になれる可能性を秘めた一頭として、今後が注目されるところだ。

2着 クリソライト

ダイオライト記念を3連覇しているように、この馬の適正距離はもっと長い。だから2000m未満になると、ペースについていけない。実際、今回も終始最後方に位置していた。

それでも上位に来られたのは、差し馬が台頭できる流れになったから。いわゆる“漁夫の利”のような形だった。

今後に関しても、基本的には最低でも2000m以上ほしいところ。それ以下になると、今回のようにハイペースになるなど、何かしらの後押しが必要になる。

3着 マイネルバイカ

最内からジリジリ伸びてきた。単勝150倍から3着に来たのだから、驚きといったところ。

4着 ピオネロ

この馬もクリソライトと同じようにポジションは後ろだった中で展開が向き、最後に差してこられた。ネオユニヴァースからダートの超大物が出ていないのは、コテコテのダート血統に比べてタフな展開に対応できる力がないから。そういう意味で、今回はこの馬向きの流れになった。


ある程度展開が流れて差しの決まる展開になったからこそ、芝でも活躍したこの馬にチャンスが回ってきたわけだ。

5着 ケイティブレイブ

先行馬に厳しい展開になった中、終始先行して最後は5着に粘り込んだ。素直に評価していいだろう。

6着 タガノエスプレッソ

前述の通り、芝の差し馬が来られるような展開になったことが幸いした。馬体重が軽い馬だけに、ダート路線では厳しく、この展開で6着までであれば相当の助けがない限り、馬券圏内に浮上することは難しいと考えられる。

7着 リーゼントロック

8着 ラストインパクト

ダートでは厳しいだろう。

9着 アスカノロマン

3コーナーの時点で手応えが怪しくなり、気づけば惨敗となってしまった。舞台適性は高く、明らかに不利な展開になったというわけでもなかっただけに、不可解な敗戦だ。状態や年齢的な問題があったのかもしれない。

10着 グレンツェント

直線の入り口でいい形で外に持ち出せたが、全く伸びずに惨敗となった。前走に続く敗戦ということで、やや心配なところ。

ダートで超一流馬が出ていないネオユニヴァースの産駒、ダート馬としてはかなり馬格が小さい(470キロ前後)という点も含め、成長力が課題となりそうだ。

11着 マイネルクロップ

12着 ロンドンタウン

展開△。見直し可。

13着 ロワジャルダン

展開△。見直し可。

14着 クリノスターオー

15着 ドリームキラリ

16着 コパノチャーリー


(C)Yusuke Tsutaya

直線で抜群の末脚を披露し、他馬を圧倒した。

5月13日に東京競馬場で行われた京王杯スプリングカップ(GII/芝1400m)で、2番人気のスウェプトオーヴァーボード産駒レッドファルクス(牡6)が、11番人気のクラレント(牡8)を押さえて勝利した。一方、サトノアラジン(牡6)やキャンベルジュニア(牡5)といった人気馬は馬群に沈んだ。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

映像はJRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます

結果・着順

2017年 5月13日(土) 2回東京7日 天候 : 雨  馬場状態 : 重
【11R】 第62回京王杯スプリングカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1400m 13頭立

馬名S性齢
10レッドファルクス牡62
12クラレント牡811
9グランシルク牡54
1ヒルノデイバロー牡613
8トウショウドラフタ牡46
11トーキングドラム牡78
13ダッシングブレイズ牡55
5トーセンデューク牡610
4サトノアラジン牡61
102ロサギガンティア牡69
113キャンベルジュニア牡53
127ブラヴィッシモ牡57
136ダンツプリウス牡412

LAP 12.8-11.3-12.3-12.6-11.6-11.1-11.5
通過 36.4-49.0-60.6-71.7  上り 70.4-59.1-46.8-34.2  平均 1F:11.89 / 3F:35.66

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.8-11.3-12.3-12.6-11.6-11.1-11.5

雨が降りしきる中で行われた。通常、降雨中に行われるレース(しかもかなりの雨量がある場合)はミドル〜ハイペースになりがちだ。良馬場時に引っ張られてペースは上がるが、実際には馬場が悪いため、実質的にはハイペース……といった構図になる。


しかし、京王杯に限っては完全なスローペースとなった。12秒台のラップを連発し、最後の直線では横に広がって「ヨーイドン!」の様相となった。

その中で速い上がりを使えた馬、あるいはギリギリ、コーナーでリードを保った馬が粘って上位に来た、というレースだった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 レッドファルクス

GI馬が実力を発揮した格好となった。位置取りは後方だったが、抜群の末脚で他馬を置き去った格好だ。

スプリントGI馬というだけあって、スピード比べになったことが幸いした。また、道中緩いペースで流れてスタミナを問われなかったため、距離を克服できたと考えられる。

2着 クラレント

瞬発力勝負では分が悪かったが、それでも粘りきって2着を確保した。何といっても道悪の鬼ダンシングブレーヴの血が騒いだのだろう。今までも重馬場の東京新聞杯で3着に激走したり、やや重の関屋記念を勝った実績を持っている。

なお、京王杯スプリングカップでは2014年に2着になった実績がある。

・馬場
・舞台設定

この2つが整ったからこそ、実現した激走だったというわけだ。

3着 グランシルク

ステイゴールド×ロベルト系といういかにも道悪巧者な血統が生きた。しかも末脚は確実な馬であるため、瞬発力勝負になったことも幸いした。

結果として瞬発力では補えないほどのポジションにいたため、3着に甘んじたが、ポジション一つで上位に来る可能性はあったと言えるだろう。


4着 ヒルノデイバロー

久々に逃げを打ったことが幸いした。マンハッタンカフェ×セントサイモン系という組み合わせで、こちらも道悪で台頭しそうなタフな血統だが、大穴を開けることに成功した。

5着 トウショウドラフタ

勝ったレッドファルクスと同じくで、どちらかといえば短距離のタフなレースで台頭してくるタイプの馬だ。不良馬場のファルコンステークスを勝っているように、舞台設定は合った。展開も相まって末脚を発揮できたが、こちらも位置取りの差で掲示板止まりに。

6着 トーキングドラム

7着 ダッシングブレイズ

2走前に道悪の落葉ステークスを勝っているように、馬場は問題ではなかった。

敗因はおそらく距離だろう。

直線の入り口の時点で6番手にいたが、スピードアップするタイミングで完全に置かれてしまった。最後は伸びて盛り返したが、上位を差しまでには至らず。

キャリアを振り返ると33秒台の末脚を連発していることから、瞬発力勝負に全く対応できないというわけではない。それでも置いていかれてしまったのは、1400mという距離に対応できなかったからだろう。

距離を伸ばしたところで見直したいところだ。

8着 トーセンデューク

9着 サトノアラジン

好スタートを切りながらズルズルと後ろに下がり、直線ではほとんど最後方となっていた。これではいくら瞬発力を発揮したとしても届かない。

通った位置取りが微妙で終始前が壁になるようなレースだったため、この順位も致し方なしといったところだ。川田将雅騎手の騎乗ぶりに疑問符がつく、といったところ。

それでも上がり2位の脚を使っているのだから、道悪がダメだったというわけでも、距離がダメだったというわけでもない。次のレースで見直し可能だろう。


10着 ロサギガンティア

11着 キャンベルジュニア

直線まで持ったまま、残り400mを越えてようやく追い出されたが、全く切れることなく、下位に沈んでしまった。もっとも、もともと瞬発力勝負は得意ではないため、致し方ないといったところだ。追い出した時点で周囲を囲まれて窮屈になった面もあった。また、距離も微妙だったのだろう。

先行して持ち前のスタミナをいかし、どれだけ粘り込めるか……というスタイルだけに、今回のレースは厳しかった。見直し可。

12着 ブラヴィッシモ

13着 ダンツプリウス


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