カテゴリー:回顧

(C) Arappa

6月11日に阪神競馬場で行われたマーメイドステークス(GIII/芝内回り2000m)で、3番人気のキングカメハメハ産駒マキシマムドパリ(牝5)が、2番人気のクインズミラーグロを押さえて勝利した。1番人気のトーセンビクトリーは9着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月11日(日) 3回阪神4日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第22回マーメイドS
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際)(特指) 芝・内 2000m 12頭立

馬名 性齢
10 マキシマムドパリ 牝5 3
4 クインズミラーグロ 牝5 2
1 アースライズ 牝5 6
6 キンショーユキヒメ 牝4 9
11 ビッシュ 牝4 4
9 ハツガツオ 牝6 12
2 バンゴール 牝5 5
3 プリメラアスール 牝5 7
5 トーセンビクトリー 牝5 1
10 7 リーサルウェポン 牝6 10
11 8 ローズウィスパー 牝4 8
12 12 ショウナンバーキン 牝7 11

LAP 12.7-11.2-12.1-12.4-12.2-12.2-11.7-11.2-11.3-12.5
通過 36.0-48.4-60.6-72.8  上り 71.1-58.9-46.7-35.0  平均 1F:11.95 / 3F:35.85

払い戻し

単勝  10 \570
複勝  10 \190 / 4 \160 / 1 \250
枠連  4-7 \1200 (3)
馬連  04-10 \1270 (2)
ワイド 04-10 \450 (1)/ 01-10 \790 (9)/ 01-04 \600 (5)
馬単  10-04 \2600 (5)
3連複 01-04-10 \2870 (3/220)
3連単 10-04-01 \14720 (15/1320)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.7-11.2-12.1-12.4-12.2-12.2-11.7-11.2-11.3-12.5

プリメラアスールがハナを切り、ショウナンバーキンやトーセンビクトリーが追走する展開に。牝馬限定戦らしい超スローペースにこそならなかったが、高速だった阪神の馬場状態を考えると、1000m通過60秒6は遅い部類に入る。

実際、残り4ハロンからペースがどんどん上がっていき、4コーナーではほとんどの騎手が手を動かしていた。仕掛ける位置が速かった分、最後の一ハロンでは失速。持続的に脚を使え、最後の200mで我慢できる底力のある馬が上位に来たわけだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 マキシマムドパリ

4番手で競馬を進めたが、3、4コーナーで仕掛けると、直線の入り口で先頭に。そのままクインズミラーグロやアースライズの追走を押さえて押し切ってみせた。まさに完勝といった内容。重い斤量を背負いながらこれだけのパフォーマンスを披露したのは、素直に実力と判断していいだろう。

2着 クインズミラーグロ

マキシマムドパリの直後を追走していたが、勝負どころで離されてしまった。最後までその差は詰まらず。やや窮屈な競馬になったとはいえ、そこまで大きな不利があったわけではないため、完敗といった内容だ。

もともと競馬がうまいタイプではないため、人気になったときは常に取りこぼしに注意したいところ。

3着 アースライズ

最内枠を生かして3着を確保した。フラワーカップ、愛知杯で馬券に絡み、秋華賞で5着になっているように、コーナー4回の中距離がベスト。今後も同じような条件で。

4着 キンショーユキヒメ

この馬もコーナー4回の条件が合う。メイショウサムソン産駒らしく、タフな条件が得意。

5着 ビッシュ

理想的なレース展開だったが、伸びきれず。馬体重420キロ程度と、かなり馬体が小さい中で55キロを背負ったことは厳しかった。ただし、馬体重が小さい場合、色々な不利を受けたり、成長力に欠けたりすることがある。

人気ほどの信頼性はないタイプ。

6着 ハツガツオ

低斤量を生かしてここまできたが……。

7着 バンゴール

絶好の展開だったが、力負け。

8着 プリメラアスール

このペースであればもう少し粘りたかった。

9着 トーセンビクトリー

勝負どころで前が開かず。前が開けたときには大勢が決していたため、武豊騎手も本気で追っていなかった。なお、それでも伸びが鈍かったのは56キロの影響があったのかもしれない。

10着 リーサルウェポン

力負け。

11着 ローズウィスパー

直線で不利。見直し可能。

12着 ショウナンバーキン

力負け。


(C) MAZIMICKEY

6月11日に東京競馬場で行われたエプソムカップ(GIII/芝1800m)で、5番人気のKitten’s Joy産駒ダッシングブレイズ(牡5)が、1番人気のアストラエンブレムを押さえて勝利した。2番人気のタイセイサミットは6着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月11日(日) 3回東京4日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第34回エプソムカップ
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1800m 18頭立

馬名S 性齢
12 ダッシングブレイズ 牡5 5
10 アストラエンブレム 牡4 1
7 マイネルハニー 牡4 6
13 クラリティシチー 牡6 12
3 バーディーイーグル 牡7 17
14 タイセイサミット 牡4 2
1 マイネルミラノ 牡7 8
6 デンコウアンジュ 牝4 3
2 フルーキー 牡7 9
10 18 ナスノセイカン 牡5 11
11 11 ベルーフ 牡5 10
12 4 ヒストリカル 牡8 7
13 5 カムフィー 牡8 18
14 16 メドウラーク 牡6 15
15 9 クラリティスカイ 牡5 4
16 17 レッドレイヴン 牡7 13
17 8 トーセンレーヴ 牡9 16
18 15 パドルウィール 牡6 14

LAP 12.8-11.4-11.9-12.1-11.5-11.7-10.8-11.6-12.1
通過 36.1-48.2-59.7-71.4  上り 69.8-57.7-46.2-34.5  平均 1F:11.77 / 3F:35.30

払い戻し

単勝  12 \1140
複勝  12 \300 / 10 \130 / 7 \320
枠連  5-6 \1070 (3)
馬連  10-12 \1640 (5)
ワイド 10-12 \710 (6)/ 07-12 \2420 (30)/ 07-10 \630 (4)
馬単  12-10 \4450 (12)
3連複 07-10-12 \6890 (17/816)
3連単 12-10-07 \47120 (121/4896)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.8-11.4-11.9-12.1-11.5-11.7-10.8-11.6-12.1

ハナを切ったのはマイネルハニーだったが、ペースはそこまで上がらず、800mの通過は48秒2に。残り800mが46秒2と、約2秒の後傾ラップとなった。

上位5頭のコーナーにおける位置取りを見てみると……

馬名 通過順位
ダッシングブレイズ  05-02-03
アストラエンブレム  02-02-03
マイネルハニー  01-01-01
クラリティシチー  02-05-05
バーディーイーグル  14-12-12

上位4頭までが4角5番手以内という結果となった。実力のある馬たちが前につけていた、という解釈もできるが、展開的にも恵まれた部分があったと判断していいだろう。

もっとも、単なる前残りの競馬だったわけでもない。というのも、ロングスパート合戦になり、最後はタフさが求められる結果になったからだ。1ハロンごとの最速タイムは残り3ハロン目、最後の1ハロン大きく失速している。

ロングスパート合戦になった分、各馬のバテる地点が早くなり、最後は我慢比べになったというわけだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ダッシングブレイズ

好スタートから好位置をキープ。展開のあやも後押しし、最後はアストラエンブレムを押さえて重賞初制覇を果たした。

もともと父ノーザンダンサー系は東京の重賞で期待値が高い。

今年の春のGIだけ見ても、安田記念ではロゴタイプが、オークスではモズカッチャンが、そしてヴィクトリアマイルではデンコウアンジュが激走した。いずれも6番人気より下の穴馬、デンコウアンジュに至っては11番人気だった。

実力があったこと、展開がハマったこと(浜中俊騎手の好騎乗)、そして血統があっていたことが好走を後押ししたと考えられる。

2着 アストラエンブレム

こちらはダッシングブレイズと違い、血統面に恵まれなかった。

ダイワメジャー産駒の東京芝重賞における距離別の成績を見てみると……

距離 着別度数
1400m 2- 2- 2-10/16
1500m 0- 0- 0- 0/ 0
1600m 4- 2- 6-36/48
1700m 0- 0- 0- 0/ 0
1800m 1- 0- 0- 8/ 9
1900m 0- 0- 0- 0/ 0
2000m 0- 0- 1- 4/ 5
2100m 0- 0- 0- 0/ 0
2200m 0- 0- 0- 0/ 0
2300m 0- 0- 0- 0/ 0
2400m 0- 0- 0-12/12
2500m 0- 1- 0- 3/ 4
2600m 0- 0- 0- 0/ 0
2800m 0- 0- 0- 0/ 0
3000m 0- 0- 0- 0/ 0
3200m 0- 0- 0- 0/ 0
3400m 0- 0- 1- 2/ 3

マイル以下で好成績を残しているのに対し、1800m以上ではわずか1勝という成績になっている。勝ったのはカレンブラックヒル(毎日王冠)のみ。古馬になってから勝った馬は1頭もいないことになる。

自力でなんとか2着に来られたものの、最後の最後で勝ちきれなかったのは、ダイワメジャー産駒の性だった、と言えるかもしれない。ロングスパート合戦になり、最後タフさが求められた点も、スタミナ勝負では勝てない血統の馬にとってマイナスに働いた。

3着 マイネルハニー

マイペースの逃げをうち、絶好の展開に持ち込んだように見えたが、最後は捉えられてしまった。

敗因は、セーフティリードを作ることができなかったことが挙げられる。スローペースに落とせば前にいる馬は有利になる。しかし、ペースを落としすぎると「よーい、どん!」の末脚比べになる。

マイネルハニーは4コーナーを先頭でまわり、位置取り的なアドバンテージを持っていた。しかし、末脚に関しては他馬を凌駕するほどのものを持っていなかったわけだ。キャリアで上がり上位を記録したのは3歳の春まで。ここ8走は好走したレースを含めて7走で上がり二桁順位を記録している。

末脚で違いを作れない分、最後にかわされてしまったというわけだ。

4着 クラリティシチー

先行策を取ったことが幸いした。勝負どころで置かれていってしまったが、最後の一ハロンでジリジリ伸びて挽回。もともと力のある馬だけに、ようやく復調してきたか。

5着 バーディーイーグル

数字上の位置取りはかなり後ろだが、ラチ沿いを走ったことで400m地点では外の馬より前に来ていた。そこからはロングスパート合戦の我慢比べになったため、ブライアンズタイムの血が騒いだのだろう。

6着 タイセイサミット

この馬もダイワメジャー産駒。位置取りに加え、血統的な面でも厳しいシチュエーションだった。今回は向かなかったため、次走がより良い条件であれば、巻き返しに期待してもいいのではないか。

7着 マイネルミラノ

位置取りは最高だったが、末脚比べでは分が悪い。キャリアで上がり33秒台を記録したのは一度のみ(しかもその1回でも上がり順位は5位)。よりタフな条件で真価を発揮するタイプだ。

8着 デンコウアンジュ

ヴィクトリアマイルでは2着に激走して周囲を驚かせたが、今回は馬群に沈んだ。

ヴィクトリアマイルとの最大の違いは、展開だろう。ヴィクトリアマイルは上がり3ハロンの切れ味が要求されたのに対し、今回は4ハロン、5ハロンに渡って末脚を持続する能力が求められた。

よって、ヴィクトリアマイルで上がり最速となる33秒2を叩き出しながら、エプソムカップでは34秒3止まりだったわけだ。

9着 フルーキー

ピークを超えてしまったことに加え、背負った斤量は58キロ。条件的に厳しすぎた。

10着 ナスノセイカン

重賞では頭打ち状態が続いている。今回は位置取りも厳しかった。ただし、上がり1位を記録しているようにロングスパート合戦は合う可能性がある。条件が揃うレースで見直し。

11着 ベルーフ

条件は悪くなかったものの、位置取りが悪すぎた。

12着 ヒストリカル

バーディーイーグルと同じような位置取りで競馬をしたが、伸び切らず。バーディーイーグルのほうがタフな血統をしているため、その差が出たか。

13着 カムフィー

重賞では頭打ち。

14着 メドウラーク

重賞では頭打ち。

15着 クラリティスカイ

タフさが求められる中距離重賞では、クロフネ産駒に出番はなし。

16着 レッドレイヴン

力負け。

17着 トーセンレーヴ

力負け。

18着 パドルウィール

タフさが求められる中距離重賞では、クロフネ産駒に出番はなし。


(C)@dawasaphoto

名手に導かれ、初の重賞制覇を果たした。

6月3日に阪神競馬場で行われた鳴尾記念(GIII/芝内回り2000m)で、3番人気のステイゴールド産駒ステイインシアトル(牡6)が、1番人気のスマートレイアーを押さえて勝利した。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月 3日(土) 3回阪神1日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第70回鳴尾記念
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝・内 2000m 10頭立

馬名S 性齢
9 ステイインシアトル 牡6 3
8 スマートレイアー 牝7 1
3 マイネルフロスト 牡6 7
4 スズカデヴィアス 牡6 5
2 スピリッツミノル 牡5 10
6 デニムアンドルビー 牝7 4
5 バンドワゴン 牡6 2
1 ラストインパクト 牡7 6
10 ミュゼエイリアン セ5 9
7 レッドソロモン 牡5 8

LAP 12.6-11.6-12.7-12.5-12.2-12.0-11.7-11.5-11.0-11.6
通過 36.9-49.4-61.6-73.6  上り 70.0-57.8-45.8-34.1  平均 1F:11.94 / 3F:35.82

払い戻し

単勝  9 \790
複勝  9 \200 / 8 \120 / 3 \250
枠連  7-8 \600 (2)
馬連  08-09 \850 (2)
ワイド 08-09 \360 (2)/ 03-09 \1120 (15)/ 03-08 \500 (5)
馬単  09-08 \2220 (7)
3連複 03-08-09 \2570 (8/120)
3連単 09-08-03 \14460 (44/720)

レース分析

まずはレースラップを振り返ってみよう。

12.6-11.6-12.7-12.5-12.2-12.0-11.7-11.5-11.0-11.6

今開催の阪神の芝コースは、2歳戦でも速い時計が出ていたり、他のレースでもレースレコードを大幅に更新したりと“高速馬場仕様”に造られていた。そのことを踏まえるとかなり遅いペースだったと言える。

武豊騎手騎乗のステイインシアトルが、スタートからハナを切ると、絶妙な手綱さばきでスローペースに落とし込んでの逃げ切り勝ち。

どの馬が勝ったというよりは『武豊騎手が勝った』という印象を受けるレースとなった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ステイインシアトル

2014年の4月の未勝利戦で、概走馬を相手に1番人気に支持されて圧勝するという鮮烈なデビューを飾った同馬。

デビュー2戦目でGⅡ京都新聞杯(14着)に格上挑戦して、ダービー出走を狙ったように、陣営の期待はかねてより大きいものがあった。

その後は成長を促しつつ、着実に自己条件での勝利を重ねて、自身2度目の重賞挑戦で重賞初制覇。秋のG1戦線に、上り馬として殴り込むための価値ある1勝なった。

ただし、今回は鞍上の絶妙なリードによる部分と、開幕週の馬場の恩恵も大きかった。今後に向けての過剰評価は禁物だ。

今回も、あれだけ展開に恵まれた中、上がり順位はメンバー中で5番手。これからもっと強い相手と戦うには少々物足りない内容といえる。今後出番がありそうなのは、前残りのバイアスがかかっている状態で、同型不在のシチュエーションか。

2着 スマートレイアー

行こうと思えば行けるスピードを持っているはずだが、今回は5番手に控える形をとった。

近走では先行策を取ることが多かっただけに、その調教内容も末脚を重視したものではなく、持続力をつけるようなトレーニングがメインとなっていた。それだけに、ここでいきなり差す競馬というのは、鞍上の判断に疑問が残る。

元々、差す競馬では勝ち切れないレースが続いていたことから前に行くスタイルへと脚質転換を果たしただけに、今回はやや消化不良の内容となった。

次走以降、スムーズに先行する競馬ができれば、勝ち切るシーンも見えてくる。ただ、今後も控える競馬が続くようなら、今回のように取りこぼすことが多くなりそうだ。

3着 マイネルフロスト

2走前にブリンカーを装着してから競馬ぶりが一変した同馬。

今回はメンバーやシチュエーションを考えると絶好の勝機だったが、逃げた馬に迫るどころか突き放されての3着。

最大のパフォーマンスは発揮できればG3クラスなら馬券圏内に入る力は備えていることは改めて証明できた、という程度の評価が妥当だろうか。

4着 スズカデヴィアス

このスローペースを道中8番手からでは物理的に考えて不可能だ。

それでも4着にまでは詰めてきているように地力は証明したと評価すべきか。

派手な脚は使えず、相手なりに走るタイプであるため、好走しても人気になりにくく、馬券圏内を逃した途端に人気が急落するタイプのため、次走以降注目の存在だ。少頭数の競馬も合わなかったか。

5着 スピリッツミノル

高速馬場は向かないタイプで、一発あるとすれば、スタミナを活かした大逃げか、捲る競馬だったが、今回は“普通の競馬”をしてしまった。

このタイプは、適性の合わない場所で惨敗、合う場所でガラリ一変するため、このレースは単純に適性外と考えたほうが良さそうだ。

6着 デニムアンドルビー

絶好の手ごたえも伸びきれず。上がりの脚も3番手と冴えず。

ここで上がり最速を出せれば今後への期待が膨らんだが、この内容となると「衰え」の二文字がよぎってしまうところだ。

7着 バンドワゴン

元々体質に問題があるように、激走後に疲れが出やすいタイプ。

前走勝利直後にいきなりの重賞挑戦。前走の疲労に加えて、相手強化と、走れるタイミングではなかったと言えそうだ。

次走以降、レース間隔を開けるか、疲労が取れているようなら。次走以降で再評価する必要がありそうだ。

8着 ラストインパクト

往年の勢いが感じられない。オープンクラスでも厳しそうだ。

9着 ミュゼエイリアン

この展開でこの着順ということを踏まえると、重賞では厳しいか。

10着 レッドソロモン

重賞では足りない。力負けという判断でいいだろう。


(C)Ko-Mei

2歳から期待されていた素質馬が、ついに悲願のGI制覇を成し遂げた。

6月4日に東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(GI/芝1600m)で、7番人気のディープインパクト産駒サトノアラジン(牡6)が、8番人気のロゴタイプを押さえて勝利した。1番人気のイスラボニータは8着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月 4日(日) 3回東京2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第67回安田記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 1600m 18頭立

馬名S 性齢
14 サトノアラジン 牡6 7
16 ロゴタイプ 牡7 8
6 レッドファルクス 牡6 3
7 グレーターロンドン 牡5 6
8 エアスピネル 牡4 2
12 ビューティーオンリー セ6 9
18 ステファノス 牡6 4
15 イスラボニータ 牡6 1
10 クラレント 牡8 14
10 5 コンテントメント セ7 12
11 9 ロンギングダンサー 牡8 18
12 3 サンライズメジャー 牡8 17
13 2 ディサイファ 牡8 15
14 13 ロジチャリス 牡5 13
15 4 アンビシャス 牡5 5
16 17 ヤングマンパワー 牡5 11
17 1 トーキングドラム 牡7 16
18 11 ブラックスピネル 牡4 10

LAP 12.2-10.6-11.1-11.6-11.6-11.0-11.3-12.1
通過 33.9-45.5-57.1-68.1  上り 68.7-57.6-46.0-34.4  平均 1F:11.44 / 3F:34.31

払い戻し

単勝  14 \1240
複勝  14 \380 / 16 \440 / 6 \340
枠連  7-8 \590 (2)
馬連  14-16 \10480 (40)
ワイド 14-16 \2870 (33)/ 06-14 \2730 (30)/ 06-16 \2720 (29)
馬単  14-16 \20410 (75)
3連複 06-14-16 \43500 (128/816)
3連単 14-16-06 \283000 (797/4896)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.2-10.6-11.1-11.6-11.6-11.0-11.3-12.1

昨年は12頭立てと少頭数だったため、スローペースになった。

しかし、今年は安田記念らしいラップが刻まれた。最初の一ハロンを除き、すべて11秒6以下という厳しい展開となったのだ。最後の一ハロンで1秒近く減速した点が、我慢比べのレースになったことを示している。

かなり厳しいレースとなったため、マイペースで逃げられたロゴタイプを除き、先行勢は総崩れとなった。厳しい展開を差してこられる力のある馬が上位に来るようなレースだったと言っていいだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 サトノアラジン

悲願のGI初制覇をようやく成し遂げられた。

道中は後方待機となったが、結果としてペースが流れたことが幸いする形となった。直線では大外に出したが、追える川田将雅騎手に導かれて直線で弾けた。

もともとディープインパクト産駒ながら1400mが得意な馬で、ペースが流れた中で驚異的な末脚を使って追い上げる……という競馬を得意としている。今回の安田記念はペースが全く緩まず、かつ差し馬が台頭できる流れになった。(ペースが“適度に”流れるだけでは、前に行ったスタミナのある馬に粘り込まれてしまう。)スローペースを圧倒的な末脚で差し切るタイプではないことは、前走の京王杯スプリングカップや昨年の安田記念を見ても明らか。展開が味方したことは大きかった。

もっとも、流れが向いただけではない。この馬には2歳から期待されるだけのポテンシャルがあった。

ディープインパクト×ストームキャットの組み合わせは、GI馬を何頭も輩出している“黄金配合”だ。しかも全姉のラキシスはエリザベス女王杯の覇者。姉が遅咲きだったように、サトノアラジンもようやく本格化し、順番が回ってきたということだ。

GI級のポテンシャルを秘めた馬に、流れが向いた。それが勝因だったと考えられる。

2着 ロゴタイプ

あと一歩のところで連覇の夢が消えた。しかし、この展開で粘るのだから改めて力があることを証明したと言っていい。

ロゴタイプ以外の先行勢は全滅だった。かつ、昨年はスローペースの中で、今年はペースが流れた中で上位に来てみせた。

これからも、まだまだ活躍してくれそうだ。

3着 レッドファルクス

実力に加え、差し馬が台頭できる1400m的な流れになったことが大きかった。

それだけに、直線で前が壁になり、追い出しが遅れたことが痛かった。もし仮にスムーズな競馬ができていたとしたら、上位2頭との差はもっと詰まったかもしれない。

なお、スウェプトオーヴァーボード産駒がマイル以上のGIで馬券に絡んだのは初めてのこととなった。

距離 着別度数
1200m 1- 1- 1- 4/ 7
1600m 0- 0- 0-12/12
2000m 0- 0- 0- 1/ 1
2400m 0- 0- 0- 1/ 1

4着 グレーターロンドン

やや前が壁になっていたが、400mを過ぎたあたりで前が開けた。追い出すと、一時は先頭に立つかという勢いだったが、最後の一ハロンで伸び切らず、サトノアラジンらの後塵を拝す格好になった。

厳しい流れの中、重賞の経験がない中では立派な結果だったといえる。ただし、最後の一ハロンで踏ん張りきれなかったあたりを見ると、休み明けや臨戦過程に順調さを欠いた影響があったのかもしれない。

もっとも、GIでもやれる力があると証明しただけに、今後が期待されるところだ。5歳馬だが、まだキャリアわずか7戦。まだまだ成長の余地はあるだろう。

5着 エアスピネル

非常にもったいない競馬となってしまった。

厳しい流れを後方から追走するという完璧なレース運びだったが、最後の直線で前が開かなかった。内に進路を取ったものの、前が塞がり、追い出せたのは残り200mを過ぎてから。そこからは全頭の中でも一番の伸びをみせ、猛烈に追い込んできただけに、悔やまれる敗戦となった。

デビュー以来、コンビを組んでいる武豊騎手にとって、悔やんでも悔やみきれないレースとなったのではないか。

6着 ビューティーオンリー

位置取り、直線での追い出しのタイミングも含めてスムーズな競馬だった。力は出し切った上での6着だったと考えられる。

7着 ステファノス

一時は突き抜けるかという手応えで上がっていたが、最後の200mで我慢しきれなかった。

大外枠から終始外外を回る展開、久々のマイル戦が究極のスピード勝負になった点に対応しきれなかったのかもしれない。

8着 イスラボニータ

直線で前を塞がれて完全に行き場を失ってしまった。

残り300mを切ってから追い出されたときには末脚の鋭さもなく、沈むことに。今回は不利があったことに尽きる。

9着 クラレント

位置取りはやや前だったが、不利もなく、力を出し切った。

10着 コンテントメント

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

11着 ロンギングダンサー

展開は向いただけに、力負け。

12着 サンライズメジャー

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

13着 ディサイファ

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

14着 ロジチャリス

力負け。

15着 アンビシャス

この馬も直線で前がふさがり、行き場を失って外へ外へ流れる形になってしまった。

こういう展開になると横山典弘騎手は馬の消耗を考えて本気で追うことはない。

全く競馬をしないまま、この順位に収まったというわけだ。次走を見据える意味で、今回はノーカウントでOKだろう。

16着 ヤングマンパワー

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。

17着 トーキングドラム

力負け。

18着 ブラックスピネル

厳しいペースを先行して潰れる形に。展開的に厳しかった。


(C)Yushi Machida

悲願のダービー制覇を成し遂げたのは、名伯楽の夢を背負った馬だった。

5月28日に東京競馬場で行われた東京優駿・日本ダービー(GI/芝2400m)で、2番人気のキングカメハメハ産駒レイデオロ(牡3)が、3番人気のスワーヴリチャードを押さえて勝利した。1番人気のアドミラブルは3着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 5月28日(日) 2回東京12日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【10R】 第84回東京優駿
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 2400m 18頭立

馬名 性齢
12 レイデオロ 牡3 2
4 スワーヴリチャード 牡3 3
18 アドミラブル 牡3 1
3 マイスタイル 牡3 14
7 アルアイン 牡3 4
1 ダンビュライト 牡3 7
11 ペルシアンナイト 牡3 6
8 トラスト 牡3 16
10 ベストアプローチ 牡3 11
10 6 サトノアーサー 牡3 5
11 13 カデナ 牡3 8
12 16 キョウヘイ 牡3 15
13 5 クリンチャー 牡3 9
14 15 ダイワキャグニー 牡3 10
15 17 ウインブライト 牡3 12
16 9 マイネルスフェーン 牡3 17
17 2 アメリカズカップ 牡3 13
18 14 ジョーストリクトリ 牡3 18

LAP 13.0-11.2-12.9-12.8-13.3-12.5-12.1-12.6-12.7-11.5-10.9-11.4
通過 37.1-49.9-63.2-75.7
上り 71.2-59.1-46.5-33.8
平均 1F:12.24 / 3F:36.73

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

13.0-11.2-12.9-12.8-13.3-12.5-12.1-12.6-12.7-11.5-10.9-11.4

見ての通りの超スローペースとなった。1000mの通過はなんと1分3秒台。上がり33秒8という究極の瞬発力勝負になった。

こうなると、本当に瞬発力が優れた馬(アドミラブル)か、ある程度の位置取りで競馬をして上がりをまとめられた馬(レイデオロ、スワーヴリチャード、マイスタイル)しか上位には来られない。

なお、2分26秒9は良馬場で行われたダービーとしては2010年に並ぶ最も遅いタイムだった。この世代はエイシンフラッシュ、ヴィクトワールピサ、ローズキングダム、ルーラーシップなど粒ぞろいだったため、「タイムが遅かったから弱い世代」ということは一概に言えない。

ただし、エイシンフラッシュの年はクラシックが始まる段階で粒ぞろいで「最強世代」と言われていた。しかもエイシンフラッシュとローズキングダムがダービーで記録した上がりタイムは、それぞれ32秒7、32秒9だった。32秒台の上がりを2400mのレースで使えるというのは、ある種最大の才能の証明だった。

それに比べると今回のダービーは物足りない感が否めないだろう。上がり最速は33秒3。馬場の違いがあるため一概に比較はできないものの、前半が63秒ならより速いタイムを叩き出す必要があったのではないか。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 レイデオロ

藤沢和雄調教師の悲願を叶えた、という意味で偉大なダービー馬になった。

前半は後方に位置していたが、ペースが遅すぎると判断したクリストフ・ルメール騎手がポジションを上げていき、3、4コーナーでは2番手という絶好のポジションにつけた。結果的にこの判断が勝利に繋がったと言っていいだろう。

2着 スワーヴリチャード

最高の競馬だったが、わずかに、わずかに及ばなかった。

スタートから絶好のポジションにつけ、4コーナーで外に出して直線では末脚に懸けた。ちょうど、四位洋文騎手がウオッカでダービーを制したときと同じような競馬だったが、ほんのわずかに届かなかった。

最高のレース内容だっただけに、敗因らしい敗因は挙げられないだろう。できることがあるとすれば、究極の仕上げで臨んだため、マイナス12キロという馬体重になっていたことで何かしらの影響があった……という憶測を立てることくらいだろうか。もっとも、ここまで仕上げたからこそ好走できたという見方もあるだけに、判断が難しいところだ。

今回は最高の条件、最高の内容のレースだっただけに、次走で人気しすぎるようなら多少割り引いたほうがいいかもしれない。

ただし、ハーツクライ産駒は夏を越えて成長してくる。より強くなった形で秋を迎えることを期待したい。

3着 アドミラブル

このペースではどうしようもなかった。

ルメール騎手のように向こう正面から上がっていければよかったが、ミルコ・デムーロ騎手はそう判断しなかった。今回はその差が出た結果だ。

もっとも、向こう正面で動けば……というのはある種結果論のようなもの。アドミラブルは自分の競馬をして3着になった。今回は展開が、ペースが向かなかった、としか言えないだろう。

なお、またしても青葉賞馬のダービー制覇はならなかった。少なくとも青葉賞組の単勝馬券を買うことに大きなリスクがあるということは、覚えておいたほうが良さそうだ。

4着 マイスタイル

超スローペースを作り出した張本人。横山典弘騎手らしい天才の感性が光った逃げだった。

ハーツクライ産駒ということで東京芝2400mは合っている。その点も「驚きの4着」に繋がったと判断していいだろう。

5着 アルアイン

切れ味が持ち味ではないアルアインにとって、このペースはいくらなんでも厳しすぎた。上がり33秒7は、それでもキャリア最速の数字。この末脚を使って届かなかったのだから、瞬発力勝負に適性がなかったと判断していい。

もっとも、そんな中でしっかりと5着に食い込んだことは評価できる点だろう。皐月賞がフロックではなかったことを証明してみせた。

上がりのかかるレースで、再び真価を発揮したいところだ。

6着 ダンビュライト

絶好枠を引いたが、この馬も瞬発力勝負には全く向かなかったため、切れ負けしてしまった。絶好の枠から絶好の位置にいたが、逆に回りを囲まれて動きにくくなったことが痛かった。通常のダービーであれば絶好の位置取りだったのだが、ペースが遅くなりすぎたことでポジションの優位性を生かせなかった格好だ。

7着 ペルシアンナイト

レイデオロに続いて上がっていったが、最後伸びなかった。上がりを叩き出せない馬ではないだけに意外な結果だったが、戸崎圭太騎手いわく「ついて行った時に脚を使った分かな」とのこと。

ハービンジャー産駒は夏を越えて成長してくるだけに、今後が期待される。

8着 トラスト

先行した分、粘ることができた。

9着 ベストアプローチ

最初のコーナーでは悪くない位置取りにいたが、3、4コーナーでポジションを悪くした。結果として位置取りの時点で上位に来ることは難しかった。

10着 サトノアーサー

瞬発力勝負は得意なタイプだが、それにしても位置取りが後ろ過ぎた。4角16番手ではどうしようもない。

11着 カデナ

瞬発力勝負は得意なタイプだが、それにしても位置取りが後ろ過ぎた。4角16番手ではどうしようもない。

12着 キョウヘイ

力負け。

13着 クリンチャー

力負け。

14着 ダイワキャグニー

力負け。

15着 ウインブライト

力負け。

16着 マイネルスフェーン

力負け。

17着 アメリカズカップ

力負け。

18着 ジョーストリクトリ

力負け。


競馬TIMESについて

keiba_times_atoz1

投稿・執筆者募集

093524

公式Twitter&FB

Twitter_logo_blue FB-f-Logo__blue_72

カテゴリー

アーカイブ

写真提供

競馬TIMESでは以下の写真家の方々にご協力いただいております

写真家一覧

※写真提供は随時募集しております。お問い合わせフォームからご連絡いただければ幸いです

ページ上部へ戻る