カテゴリー:回顧

天皇賞馬スピルバーグの敗因は?6着に敗れた英GIプリンスオブウェールズSを検証

(C)arima0208

天皇賞馬スピルバーグの挑戦は6着という結果に終わった。

イギリスのアスコット競馬場で行われたプリンスオブウェールズステークス(GI/芝2000m)に出走したが、直線で伸び切れずに馬群に沈んだのだ。勝ったのは1番人気のフリーイーグルだった。

なぜ、スピルバーグはアスコットで躍動できなかったか? 敗因を探っていこう。

日本馬の“鬼門”アスコット

レースはスピルバーグにとって、悪くない展開となった。それほど速いペースにならなかったため、究極の消耗戦(=日本馬にとって不利な展開)というより、決め手が重要なレースになったように見える。しかし、伸びきることができなかった。

となると最大の敗因は適正の違いにあるのではないだろうか。

ヨーロッパと日本では馬場の質が違う。特にイギリスのアスコット競馬場の芝質はタフなことで有名だ。日本馬にとって、かなりハードルの高い競馬場といえる。

例えば日本馬はアスコットで惨敗続きだ。

2006年、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに挑戦したハーツクライは3着に健闘したが、2012年に同レースに出走したディープブリランテは10頭立ての8着に、セントジェームズパレスステークスへ挑んだグランプリボスは9頭立ての8着に終わっている。

馬場の質が違えば、好走する馬のタイプが違ってくる。それは日本の馬が凱旋門賞を勝てないこと、そして凱旋門賞馬がジャパンカップで掲示板にすら載れないことを見れば分かるはずだ。

【次のページヘ】スピルバーグの血統とアスコットへの適正評価は?

ページ:

1

2

メジャーエンブレムやリリカルホワイトが新馬戦勝ち!血統と将来性を探る

(C) Yusuke Tsutaya

新馬戦がスタートして2週目となり、先週も2日間で5つの新馬戦が行われた。

現3歳世代のGI勝ち馬を見ると阪神ジュベナイルフィリーズ馬のショウナンアデラ、朝日杯フューチュリティステークス馬のダノンプラチナ、桜花賞馬のレッツゴードンキ、NHKマイルカップの覇者クラリティスカイと、夏競馬期間中にデビューした馬が多く勝利している。近年は夏の2歳戦の重要度が増しているわけだ。

そこで今回は先週行われた新馬戦の中から4レース勝ち馬をピックアップしてみた。

新種牡馬アンライバルド産駒が勝利!

【土曜日】

東京5R(芝1400m)

1着 トウショウドラフタ

好スタートから2番手を追走し、直線では楽に抜け出して2馬身半差の快勝だった。父アンライバルドはネオユニヴァースの初年度産駒で09年のGI皐月賞を制した。母ウイッチトウショウは1戦して未勝利だったが、その母サマンサトウショウはGIIIエプソムカップを制し、GIマイルチャンピオンシップでも3着となった実績馬。その仔のタバサトウショウは、ハーツクライなど強力牡馬相手に宝塚記念などGI3勝の名牝スイープトウショウを産んでいる、トウショウ牧場の牝系だ。

また、本馬の父母父サドラーズウェルズと母父母ナンバーは4分3同血であり、3×3のニアリークロスが成立している。どちらかというとスタミナ型の父アンライバルドから1400mで先行できるスピードを持つ本馬が誕生したことは、牝系と、このニアリークロスの影響が強いのではないか。地味ながら良血で、配合も面白く将来が楽しみな1頭だ。

世界的な明血が母系に流れる

【日曜日】

東京5R(芝1800m)

1着 メジャーエンブレム(父ダイワメジャー)

早め抜け出しで2着プランスシャルマンの追撃を凌ぎ切った。父はサンデーサイレンス産駒でノド鳴りの手術を乗り越え、2000m以下のGIを5勝したダイワメジャー。母キャッチータイトルはオペラハウス×レインボークストという血統の通り2000m以上で5勝し、オープンまで出世した。産駒には本馬と同じダイワメジャー産駒の2頭が勝利を挙げているが、どちらも1800m以上のみの勝利でありスタミナに優れた母といえるだろう。

芝に対応できるスピードや軽さを兼ね揃えているのは父の他に父父父ヘイローと母系にあるレッドゴッドやポリッシュプレジデントの影響が強いように思える。本馬も兄同様に堅実な競走生活が送れそうだ。

東京6R(芝1600m)

1着 リリカルホワイト(父ダイワメジャー)

中団の内目を追走し、直線前が開くとアッサリ抜け出して快勝。母リリウムは未出走、その母ベゴニアもアメリカで未勝利だったが、その母が牡馬相手の英GIキングジョージを6馬身差で制し2年連続で英年度代表馬となった世界的な名牝ダリアだ。

姉アイスフォーリスは今年3月のGIII中山牝馬S2着で引退したがGIオークスで3着がある実績馬だった。父ダイワメジャー、母父クロフネとパワーのある血統だけに牝馬ながら500キロを超える雄大な馬体の持ち主だ。今回は中団から差す競馬で勝利したが、本来は先行して粘り込む形がベストのように思う。秋の中山開催にあるOP芙蓉ステークスに出てきたら狙ってみたい、そんなタイプの馬だ。

クラシック路線において、特に牝馬は馬体維持に苦しむ馬が多い中、この馬格は有利に働くだろう。世界的名牝の血筋から楽しみな馬が出てきた。

阪神5R(芝1200m)

1着 ダガノヴィアーレ(父ダイワメジャー)

やや出遅れて道中は後方2番手を追走、直線追い出してからはジワジワと差を詰め1馬身4分の3差で1番人気のルミナスエレメントを差し切った。母ビーグレイシャスは1戦未勝利だったが、柔らかい体質を伝えるミスターグリーリー産駒で同じく柔らかい体質を伝えるサーゲイロードのクロスを持つ馬で、このようなタイプの母にパワー型のダイワメジャーと配合すると、特に牝馬の場合、アミカブルナンバーやゴールデンナンバーのような差し馬になることが多いように思える。

本馬も同様のタイプだろう。追走も一杯一杯だったので距離はマイルまでなら持ちそうだし、リリカルホワイト同様500キロを超える大型馬で馬格にも恵まれた。直線の長いコースで見てみたい1頭だ。

【関連記事】
マリアライトの血統や将来性は?マーメイドS2着馬を徹底分析
シャトーブランシュの血統や将来性は?マーメイドSの覇者を徹底分析
ポトマックリバーが菊花賞路線に殴りこみ!圧巻の強さと成長力ある血統が魅力
「競馬?興味ねぇし」なんてサッカーオタクが競馬バカになる5つの理由
「昔の競馬は熱かった」なんていう老害にならないために僕らがすべきこと


レアリスタが2戦2勝!兄リアルインパクトの血統馬は“呪縛”に打ち勝てるのか?

(C) Yusuke Tsutaya

注目の良血馬がデビュー2連勝を飾った。

6月14日に東京競馬場で行われた500万条件で、ステイゴールド産駒のレアリスタ(牡3)が1番人気に応えたのだ。

兄に安田記念馬リアルインパクトやNHKマイルカップ3着の実績を持つアイルラヴァゲインを持つ良血馬。どの程度出世するか、という点も気になるところだが、どのような路線を歩んでいくのか、という興味の尽きない馬である。

どんな種牡馬をつけても……

というのも、レアリスタの母トキオリアリティーの仔たちはどんな種牡馬をつけても短距離馬になる傾向にある。

特に重賞クラスで戦う馬になると、リアルインパクトやアイルラヴァゲインのように、1200〜1600mを主戦場とするケースがほとんどなのだ。

アイルラヴァゲイン(父エルコンドルパサー)
NHKマイルカップ3着。7勝はすべて1400m以下

アドマイヤフッキー(父フジキセキ)
3勝はすべて1200m以下

フサイチリニモ(父ジャングルポケット)
1勝は1300m

ウィルパワー(父キングカメハメハ)
4勝はすべて1400m以下

リアルインパクト(父ディープインパクト)
安田記念1着。5勝はすべて1600m以下

ディープインパクトやキングカメハメハ、ジャングルポケットはダービー馬、そしてエルコンドルパサーはジャパンカップを勝って凱旋門賞で2着になった中距離馬だ。しかし、兄弟はほとんどがスプリンターやマイラーになっている。唯一、1歳上のネオリアリズム(父ネオユニヴァース)は2000mで2勝を挙げているが、かなり稀な例といっていい。

レアリスタはデビュー戦が2000m、2戦目が1800mと、いずれも中距離で勝っている。果たしてトキオリアリティーの仔たちの“呪縛”を打ち破り、中距離以上で活躍できるようになるのか、興味は尽きない。

【次のページヘ】デビュー2連勝だが内容は……?

ページ:

1

2

エイシンヒカリが秋のGI戦線へ!路線は天皇賞秋やマイルチャンピオンシップか

(C)Y.Noda

勝つのは逃げのディープか、差しのディープか。

いずれも飛躍が期待される4歳馬。どちらもディープインパクト産駒。注目の対決を制したのは、逃げのエイシンヒカリだった。6月14日に行われたエプソムカップ(GIII/東京芝1800m)でサトノアラジンを下し、重賞制覇を成し遂げた。

偉大な種牡馬産駒、個性的な逃げ馬、鞍上武豊騎手――。

将来を楽しみにするなというほうが無理な注文だ。

内容の濃い重賞初制覇

5枠6番からスタートしたエイシンヒカリと武豊騎手はゲシュタルトとの先行争いを制してハナを切る。いつものような大逃げではなく、後続を惹きつけた逃げとなった。

直線では満を持して追い出されると、追いすがる後続を突き放していく。最大のライバルとされたサトノアラジンには詰め寄られたものの、クビ差制して重賞初制覇を達成した。

レースラップを振り返ってみると、価値の高い勝利だったことが分かる。

12.9-11.3-11.4-11.9-11.7-11.6-11.2-11.2-12.2

最初の一ハロンこそ12秒台を記録したが、あとは一貫して11秒台で推移している。息つく隙がない、よどみのないレースになったわけだ。弱い逃げ馬なら、あっという間に失速していただろう。厳しいペースを自ら作り出し、押し切ってみせたのだから価値が高い。武豊騎手と、よほど手が合うのだろう。ほとんど完璧なレース運びだったと言っていい。

何より重賞級のサトノアラジンとの攻防戦を制したのだから、単なる重賞制覇以上の評価を与えていいはずだ。

秋の飛躍に期待

もっとも、課題がないわけではない。もっと道中突っつかれていたら結果は変わっていただろうし、上位5頭中4頭がディープインパクト産駒という“ディープ馬場”の恩恵を受けていた。

ただ、フロックでキャリア8戦7勝、重賞制覇というのはできない芸当だ。サイレンススズカ級かはさておき、久々に実力とスター性を兼ね揃えた逃げ馬が誕生したことを素直に喜びたい。

距離適性などを考慮すると、秋の最大目標は天皇賞秋になるだろう。あるいはマイルチャンピオンシップということもあるのだろうか。キャリア8戦すべてで1800〜2000mの中距離を使っている点を見ると、有力なのは前者と言えそうだ。もちろん、どちらも使う可能性もある。

天皇賞秋と魅力的な逃げ馬……。これ以上書かずとも、夢を見たくなるのが競馬ファンの性というものだ。

まずはレース後、なにもないことを祈りつつ、実りの秋を期待したい。

【関連記事】
武豊騎手とエイシンヒカリに“欅の向こう側に置き忘れた夢の続き”を見よう
エイシンヒカリの血統・将来性は?都大路ステークスの覇者を徹底分析
エイシンヒカリと武豊騎手が刻んだ芸術的なラップとは?動き出した“夢の続き”
サトノアラジンの血統や将来性は?エプソムカップでエイシンヒカリと対戦へ
遂に本格化!良血馬サトノアラジンの未来に期待する4つの理由


新種牡馬アンライバルド産駒トウショウドラフタが新馬勝ち!地味に良い血統で将来性は…

(C)阪神サラブレッドクラブ

新種牡馬のアンライバルド産駒、トウショウドラフタがいきなり仕事をやってのけた。

6月13日に東京競馬場で行われた新馬戦(芝1400m)で終始2番手から押し切り勝ちを収めたのだ。

単なる前残りではなく、上がり3位以内の末脚を使った。それなりに評価していい内容だった。それに、調べてみると、なかなか面白い血統をしていて将来が楽しみになった。

父の可能性

まず新種牡馬のアンライバルドについて書いておきたい。

新種牡馬としてはどちらかといえば地味な存在だ。それもそのはず。皐月賞を勝って以降は惨敗続きで、晩年の印象はかなり悪い。だから種牡馬としての人気もイマイチなのだろう。

ただし、道悪のダービーでおかしくなってしまっただけで、競走馬としての能力はかなり高かった。しかも血統は良血。母バレークイーンはオークス、ヨークシャーオークス、セントレジャーを制した名牝サンプリンセスを母に持つ良血馬。アンライバルドの他にダービー馬フサイチコンコルドを輩出している。

これだけ血統レベルが高ければ、種牡馬として爪痕を残すことも可能なのかもしれない。

【次のページヘ】将来期待できる!?ヒミツは母系の意外な良血さ

ページ:

1

2

Facebookもチェック!

競馬TIMESについて

keiba_times_atoz1

投稿・執筆者募集

093524

公式Twitter&FB

Twitter_logo_blue FB-f-Logo__blue_72

カテゴリー

アーカイブ

写真提供

競馬TIMESでは以下の写真家の方々にご協力いただいております

写真家一覧

※写真提供は随時募集しております。お問い合わせフォームからご連絡いただければ幸いです

ページ上部へ戻る