カテゴリー:回顧

大健闘ではなく残念な5着!白毛馬ブチコに期待したからこそ残念がるワケ

(C)Mina Mina

一瞬、夢を見た――。

そんな競馬ファン、ブチコファンは多かったのではないだろうか?

6月21日に東京競馬場で開催されたユニコーンステークス(GIII/ダート1600m)で5着となった。直線半ばまでは重賞初制覇の夢を見られるようなレース運びだっただけに、レース後はブチコを称える声が相次いでいる。

とはいえ、ブチコファンではなく、1人の競馬ファンとして普通にブチコを本命にしていた身からすると、「大健闘」ではなく、「とてももったいない5着」と言いたくなってしまう。

ブチコはただのアイドルホースではない

まずブチコをただのアイドルホースと思っていた方々は認識を改めた方がいい。ブチコはフラットな1頭の競走馬として見ても、普通に強い。「GI級」とは言わないが、3歳限定の重賞で掲示板くらいなら普通に載れるだけの力はある。

例えば2走前(ユニコーンSの前走)を見てほしい。伏竜ステークスで上位に来た馬たちの“その後”が以下だ。

1着 クロスクリーガー 兵庫CS1着
2着 リアファル 兵庫CS2着
3着 アンヴァリッド 未出走
4着 タンジブル 好走歴なし
5着 ノンコノユメ 青竜S1着→ユニコーンS1着
7着 ホワイトフーガ 端午S、関東オークス1着
8着 カナパラビーチ 1000万条件1着

ご覧のとおり、タンジブル以外はその後のレースで大活躍している。ハイレベルなメンバーの集まりだったといっていい。そんな中に入り、ブチコは3着に0.1秒差の6着に入っていた。しかもスタートを失敗してやや後手を踏んだ中で6着に踏ん張ってみせた。

実力があったからこそ、上位と差がない競馬ができたのだ。

もう一度言う、ブチコをただのアイドルホースだと思っていた方は認識を改めた方がいい。

【次のページヘ】ブチコに波が来ていた?その理由とは……

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マイネルバサラがブロードアピール級に見えたカラクリを解き明かす


6月21日に東京競馬場で行われた新馬戦(ダート1400m)でシニスターミニスター産駒のマイネルバサラ(牡2)がデビュー勝ちを飾った。

道中、後方から競馬を進めたマイネルバサラは絶望的と思われた位置からぐんぐん加速し、先行馬を捉えきった。豪快な差し脚だったため、「ブロードアピール級」と話題となっている。

●JRA公式レース動画→東京6R

ただし、レースのラップを見てみると、その“カラクリ”が一目瞭然で分かることをお伝えしておきたい。

“ブロードアピール級”のカラクリ

まずはラップを見ていただこう。

12.7-10.9-11.6-12.0-12.4-12.9-14.1

逃げて3着に粘ったクリムゾンバローズは残り200m地点まで先頭だった。よって、ラスト1ハロンまでは「レースラップ=クリムゾンバローズのラップ」ということになる。数字の推移を見ると、前半から速い脚を使っていたことが分かる。そして4ハロン目からどんどん減速し、ラスト2ハロン目にはほぼ13秒台まで落ちた。

そこから1ハロンはほぼノーフォロワー(2着)のものであるが、バテた逃げ馬を差した馬のラップがなんと14秒台だった。つまり、先行勢はバテバテだったのだ。

だからこそ、マイネルバサラが伸ばした末脚が届いたといえる。

事実、マイネルバサラはこれだけ豪快に差したように見えて上がり1位ではない。上がり1位は37.1秒を使ったナンヨーファミユ(5着)。マイネルバサラの上がり3ハロンが37.9秒だから、0.8秒も速い末脚を使ったことになる。

“ブロードアピール級”に見えた脚より0.8秒も速いなら、その馬が勝ち馬になっているはず。しかし、現実には5着に甘んじている。

つまり、このブロードアピール級の末脚は「先行勢の失速が招いた目の錯覚」のようなものだったのである。

血統評価は?

マイネルバサラは父シニスターミニスター、母サザンレイスター、その父サザンヘイローという血統をしている。

シニスターミニスターはインカンテーションやダブルスターといったダートの重賞ウィナーを輩出している。ただし、母は中央未出走、母母のレディプロフィールも中央で未勝利と、母系にスケール感は感じられない。

競走内容と血統を見ると、過度な期待を寄せるのは酷というものだ。次走、仮に人気になるようなら「嫌って妙味あり」ということができそうだ。

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ゴールデンバローズがユニコーンSでまさかの惨敗!海外競馬後の厳しい現実とは?

(C) Yusuke Tsutaya

単勝1.5倍の断然の人気馬が馬券圏外に沈んだ。

6月22日に行われたユニコーンステークス(GIII/東京ダート1800m)で1番人気に支持されたゴールデンバローズ(牡3)は、直線で伸び切れずに4着に終わった。

日本で敵なしといえるパフォーマンスを披露し、UAEダービーで4着に食い込んだダート界の新星はなぜ凡走したのか? その原因を探っていこう。

海外帰り馬の厳しい現実

大きな原因の一つとして考えられるのが海外遠征帰りという点だろう。

・日本で断然の実績(ダート3戦3勝、ヒヤシンスS圧勝)
・乗りに乗っている堀厩舎
・リーディング上位の戸崎圭太騎手
(騎手に関してはいろいろ言いたい方もいるだろうが、それでも変なジョッキーが乗るより数段マシ)

このように走る理由はいくらでもあったのだから、海外遠征後の調整の難しさに敗戦の理由を求めるのが自然だ。

実際、帰国初戦というのはとてもむずかしい。

2010年以降、海外遠征を追えて帰国初戦となった馬たちの成績を見てみよう。

(14−10−8−79)
勝率13%
複勝率29%

この数字を見ると決して低くくないし、むしろ勝率は標準以上といえる。

ただし、ここにはブエナビスタやオルフェーヴルといった稀代の名馬が含まれている。例えばここからGI馬をすべて取り除くと、面白い結果が見えてくる。

(1−3−3−15)
勝率4%
複勝率33%

ご覧のとおり、20頭以上走って帰国初戦で勝った馬は1頭しかいないのだ。

日本でGIを勝つレベルの馬であれば海外遠征も苦にしないが、GIで掲示板やGIIクラスの馬になってくると、安定した成績を残せていないということだ。

ゴールデンバローズはGI級の力を持っている。でなければUAEダービーで3着に入れない。

そんな馬であっても力を発揮できないのだから、帰国初戦というのは難しいのだ。

将来への不安、海外遠征の反動は?

今後、しっかりと調整して状態を取り戻せばダート界の主役になれる力を持っていることは間違いない。

ただし、3歳で海外遠征を行った馬はその後、大成しない傾向にある。あるいは故障したり、謎の不振に陥るケースも多々ある。

参考→ドゥラメンテの凱旋門賞遠征に「NO」!2冠馬のベストローテとは?

最近でいえばハープスターが引退に追い込まれ、キズナは故障が続いている。ディープブリランテにしても、引退レースが海外という自体になってしまった。

ゴールデンバローズも“海外遠征の余波”に見舞われる可能性はある。

とはいえ、彼の周りにはリーディングトレーナーと優秀なスタッフがいる。立て直しに期待したいところだ。

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メドウラークがタニノギムレットの牡馬代表産駒へ?成長力秘めた血統に集まる期待

(C)kenji

タニノギムレットから久々に牡馬の大物が生まれるかもしれない。

6月20日に東京競馬場で行われたジューンステークス(1600万下/芝2000m)でタニノギムレット産駒のメドウラーク(牡4)が差しきり勝ちを収めた。6月に賞金が半減されたことで再び準オープンを戦うことになったが、難なく勝って重賞戦線へ乗り込む。

タニノギムレットといえばウオッカを輩出した種牡馬として有名だ。しかし、牡馬となるとスマイルジャックやセイクリッドバレー、アブソリュートといった重賞ウィナーは出ているものの、GIを勝つような大物は不在。メドウラークは父の後を継ぐ存在となれるのだろうか?

血統評価は?

結論から言えばメドウラークはかなり楽しみな存在だ。というのも、タニノギムレット産駒の中ではかなりの良血馬といえる。

近年、タニノギムレットは種牡馬としてなかなか評価が得られていないため、良血な牝馬がつけられるケースが少なくなっている。

そんな中、メドウラークの母母はトゥザヴィクトリー。エリザベス女王杯を制した名牝の血が流れているのだ。母アケヒバリは競走馬として大成できなかったが、トゥザグローリーやトゥザワールドの兄弟に当たる良血馬。近親にはデニムアンドルビーなど、GI戦線で活躍する重賞ウィナーがいる。

つまり、母系の血統レベルは重賞級、GI級ということができる。

【次のページヘ】ジューンS勝ち馬の“その後”って?あのGI馬もここから……

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スマートノエル&武豊騎手が2.6秒差で圧勝!生粋のダート血統も過信は禁物…?

(C)musou

6月20日に行われた函館1レースの未勝利戦(ダート1700m)でヴァーミリアン産駒のスマートノエル(牝3)が初勝利を挙げた。

武豊騎手を鞍上に迎えたスマートノエルはスタートから先頭に経つと、直線でみるみるうちに後続を突き放してゴールイン。掲示板に挙がった2着との差は「大差」。2着に2.6秒差をつける圧勝劇に会場からは歓声が上がった。

スマートノエルは父ヴァーミリアン、母スマートパルス、母父クロフネという血統。ヴァーミリアンは言わずと知れたダート王。また、クロフネはジャパンカップダートで7馬身差の圧勝劇を演じた実績を持つ。

ダート王×ダート王という生粋のダート馬というわけだ。

勝ち時計1分44秒9は同日の未勝利より2秒以上早く、500万条件より0.1秒だけ遅い好タイム。上のクラスに行っても勝負できるレベルといえる。

メンバーレベルに疑問も

ただし、過信は禁物だ。

レースのメンバーを見ると、2番人気2着のルノンキュールは昨年10月以来の休み明けで、ダートは初めてだった。3番人気のエヴリホープは7戦連続馬券圏外で5走連続1秒以上の差をつけられている。また、3着のアサバスカはデビュー戦(ダート1800m)で2.9秒差の10着、2戦目(ダート1800m)で2.4秒差の13着と大敗続きの馬だった。

つまり、メンバーレベルが極めて低かったのだ。

時計こそ同日の500万条件と遜色ないレベルではあったが「次も確実に勝てる」と断言できるほどのパフォーマンスだったかというと、疑問符がつく。

近親を見てみても、大舞台で活躍した馬はほとんどいない。馬体重も460キロ程度と、ダート馬としては小柄な方に分類される。

スマートの勝負服に武豊騎手、そしてダートで圧勝とくればスマートファルコンを彷彿とさせるわけだが、こういう派手な勝ち方+エピソードを持っている馬は次走人気になりやすいという意味でも、過度な期待をするのは禁物と言えそうだ。

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