カテゴリー:回顧

ジューヌエコールの勝因、シュウジの敗因は?函館スプリントS2017結果

(C)@nachi0048

6月18日に函館競馬場で行われた函館スプリントステークス(GIII/芝1200m)で、3番人気のクロフネ産駒ジューヌエコール(牝3)が、4番人気のキングハートを押さえて勝利した。1番人気のセイウンコウセイは4着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月18日(日) 1回函館2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第24回函館スプリントS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1200m 13頭立

馬名S 性齢
8 ジューヌエコール 牝3 3
3 キングハート 牡4 4
4 エポワス セ9 7
12 セイウンコウセイ 牡4 1
5 イッテツ 牡5 11
7 エイシンブルズアイ 牡6 8
2 ノボバカラ 牡5 10
9 レヴァンテライオン 牡3 9
13 ブランボヌール 牝4 5
10 10 シュウジ 牡4 2
11 11 ホッコーサラスター 牝6 12
12 1 ラインハート 牝6 13
13 6 クリスマス 牝6 6

LAP 11.7-10.1-10.4-11.0-11.4-12.2
通過 32.2-43.2-54.6-66.8  上り 66.8-55.1-45.0-34.6  平均 1F:11.13 / 3F:33.40

払い戻し

単勝  8 \720
複勝  8 \270 / 3 \320 / 4 \490
枠連  3-6 \2800 (11)
馬連  03-08 \3090 (11)
ワイド 03-08 \1060 (11)/ 04-08 \1760 (21)/ 03-04 \1580 (19)
馬単  08-03 \6000 (21)
3連複 03-04-08 \13120 (43/286)
3連単 08-03-04 \55520 (177/1716)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

11.7-10.1-10.4-11.0-11.4-12.2

前後半600mのタイムを比較してみると、レースの本質が見えてくる。

32.2−34.6

テンの3ハロンは32.2秒。スプリント戦よりさらに短い直千競馬のようなタイムだ。この時計はやや重開催だった今年の高松宮記念はもちろん、良馬場開催だった昨年の高松宮記念やスプリンターズステークスを上回る。

要するに、極端なハイペースとなり、前が潰れて差し馬が台頭した、ということだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ジューヌエコール

さすが短距離種牡馬クロフネの産駒といったところ。初のスプリント戦でしっかりと真価を発揮してみせた。

今回は血統に加え、前述の展開や50キロの斤量、そして距離短縮のローテーションなど、様々な要素が“ハマった”。

よって、次回は条件が悪化する可能性が高い。もし今回より条件が良くないレースに使われた場合、馬券的な観点からすると、気をつけたほうがいいだろう。

2着 キングハート

内枠からロスのない競馬をして2着に台頭してきた。この馬も距離ロスの少ない内枠や、展開がハマった。条件は悪くなかったが、1着馬がハマりにハマったこと、さらに1着馬より決めて勝負に向いていなかったことで2着となった。

3着 エポワス

9歳ながら驚異的な追い込みで3着を確保。もともと洋芝が得意なスプリンターだったことに加え、展開がハマった。引き続き洋芝などの重たい馬場では注意が必要だろう。反対に軽い馬場になると力を発揮できない傾向にあるため、注意したい。

4着 セイウンコウセイ

唯一のGI馬は4着まで。もっとも、鬼のようなハイペースを2番手で追走していたのだから無理もない。むしろ先行勢が全滅する中、よく4着に粘った、と評価した方がいいだろう。

今回はその他にも向かない条件が多数あった。叩かれて向上してくるはずのため、評価を落とす必要はないだろう。

5着 イッテツ

追い込んだが馬券には絡めず。展開が向いた中でこの順位では力負けと判断されても仕方ない。

6着 エイシンブルズアイ

追い込んだが馬券には絡めず。展開が向いた中でこの順位では力負けと判断されても仕方ない。

7着 ノボバカラ

初芝に挑戦したが、流れが向いた中で7着。上がり最速を使っているように全くダメなわけではないが、ダートのほうが合っている。

8着 レヴァンテライオン

展開△。見直し可。

9着 ブランボヌール

展開×。見直し可。

10着 シュウジ

自分が作ってしまったペースではあるが、それにしても速すぎた。近走あまり結果が出ていない中で2番人気は支持を集めすぎた印象も。次走、人気落ちした中でどれだけ立ち直れるか。

11着 ホッコーサラスター

力負け。

12着 ラインハート

力負け。

13着 クリスマス

展開×。見直し可。


なぜセイウンコウセイは惨敗したのか?函館スプリントSの3つ敗因

(C) Meteorshoweryn

GI馬がまさかの敗戦を喫した。

6月18日に函館競馬場で行われた函館スプリントステークス(GIII/芝1200m)で1番人気のセイウンコウセイ(牡4)が4着に敗れた。勝ったのは3番人気のジューヌエコールだった。

なぜ、高松宮記念の覇者はGIIIで敗れることになったのか? その理由を探っていこう。

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

アドマイヤムーン
オブザーヴァント
母の父 Capote
母の母 PatentlyClear
性別
馬齢 4 歳
生年月日 2013年3月8日
毛色 栗毛
馬主 西山茂行
調教師 上原博之(美浦)
生産牧場 桜井牧場
産地 新ひだか町
馬名意味 冠名+恒星

圧倒的な人気を集めた背景

セイウンコウセイは2.1倍の圧倒的な人気を集めていた。

それもそのはず。彼は春のスプリントGI高松宮記念を制していた。上り調子の上がり馬、しかも4歳馬の賞金が夏に半減したことで、函館スプリントSには斤量56キロで出走がかなった。

GI馬が56キロで出走してくる。しかも2番人気に支持されているのは2戦連続で1秒以上の大敗を喫しているシュウジ、そして同じく3走連続で馬券に絡めていないジューヌエコールだったのだから、セイウンコウセイが人気に支持されたのも当然だろう。

しかし、結果として、セイウンコウセイは馬券に絡むことができなかった。一体なぜ、GI馬は凡走するに至ったのか?

凡走の理由① 血統の壁

もっとも大きな理由の一つが血統だと考えられる。レース前、競馬TIMES編集部では「人気馬セイウンコウセイの優勝が困難な3つの理由」と題し、検証記事を掲載していた。そちらから、引用していこう。

―――

まずはアドマイヤムーン産駒という点が引っかかる。

というのも、アドマイヤムーン産駒は今まで、一度も休み明けで重賞を勝ったことがないのだ。

間隔 着別度数
連闘 0- 0- 0- 1/ 1
2週 3- 1- 0- 14/ 18
3週 1- 3- 3- 24/ 31
4週 1- 0- 2- 22/ 25
5~ 9週 3- 1- 2- 38/ 44
10~25週 0- 6- 4- 20/ 30
半年以上 0- 0- 0- 0/ 0
間隔 勝率 複勝率 単回値 複回値
連闘 0.0% 0.0% 0 0
2週 16.7% 22.2% 133 144
3週 3.2% 22.6% 110 128
4週 4.0% 12.0% 8 20
5~ 9週 6.8% 13.6% 38 38
10~25週 0.0% 33.3% 0 90
半年以上

重賞勝ちは間隔が2〜9週に集中している。2カ月半以上、間隔が空いた中で挑んだ重賞では(0−6−4−20)。複勝率は高いものの、勝ち切るまでには至っていない。

―――

セイウンコウセイは今回、約4カ月の休み明けだった。久々だったことがマイナスに働いた可能性は、十分に考えられる。

凡走の理由② 続・血統の壁

さらに血統的な面を掘り下げるなら、アドマイヤムーン産駒は函館芝1200mで散々な成績しか残せていない。

種牡馬 着別度数
アドマイヤムーン 3- 3- 1-42/49
勝率 複勝率 単回値 複回値
6.1% 14.3% 27 31

こちらは2014年以降に出走したアドマイヤムーン産駒全馬の成績だが、50頭近く走って勝ったのは3頭のみ。回収率を見ると、穴馬は全く走っていないことが分かる。

セイウンコウセイにとって、コースも決して合う条件ではなかったわけだ。

凡走の理由③ 厳しかった展開

そして何といっても展開が厳しすぎた。前後半600mのタイムを比較してみると……

32.2−34.6

なんと最初の3ハロンは32.2秒。いくら函館が高速馬場だったとはいえ、いかにハイペースだったかが分かる。

なお、テンの3ハロンのタイムは、やや重開催だった今年の高松宮記念はもちろん、良馬場開催だった昨年の高松宮記念やスプリンターズステークスを上回るペースだ。

このペースを2番手で追走したら、いくらなんでももたない。逃げたシュウジを筆頭に先行馬が全滅だったことが、展開の厳しさを示している。

むしろこのペースで4着に粘ったセイウンコウセイを称えるべき、とすら言えるレースだったわけだ。

まとめ

以上のように、セイウンコウセイにとって厳しい条件が揃ったレースだった。

しかし、逆に考えれば今後出走するレースは今回より条件が好転するはず。状態も上がっていくことだろう。

この敗戦を糧に、さらなる栄冠を勝ち取れるのか、注目されるところだ。


(C) Arappa

6月11日に阪神競馬場で行われたマーメイドステークス(GIII/芝内回り2000m)で、3番人気のキングカメハメハ産駒マキシマムドパリ(牝5)が、2番人気のクインズミラーグロを押さえて勝利した。1番人気のトーセンビクトリーは9着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月11日(日) 3回阪神4日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第22回マーメイドS
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際)(特指) 芝・内 2000m 12頭立

馬名 性齢
10 マキシマムドパリ 牝5 3
4 クインズミラーグロ 牝5 2
1 アースライズ 牝5 6
6 キンショーユキヒメ 牝4 9
11 ビッシュ 牝4 4
9 ハツガツオ 牝6 12
2 バンゴール 牝5 5
3 プリメラアスール 牝5 7
5 トーセンビクトリー 牝5 1
10 7 リーサルウェポン 牝6 10
11 8 ローズウィスパー 牝4 8
12 12 ショウナンバーキン 牝7 11

LAP 12.7-11.2-12.1-12.4-12.2-12.2-11.7-11.2-11.3-12.5
通過 36.0-48.4-60.6-72.8  上り 71.1-58.9-46.7-35.0  平均 1F:11.95 / 3F:35.85

払い戻し

単勝  10 \570
複勝  10 \190 / 4 \160 / 1 \250
枠連  4-7 \1200 (3)
馬連  04-10 \1270 (2)
ワイド 04-10 \450 (1)/ 01-10 \790 (9)/ 01-04 \600 (5)
馬単  10-04 \2600 (5)
3連複 01-04-10 \2870 (3/220)
3連単 10-04-01 \14720 (15/1320)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.7-11.2-12.1-12.4-12.2-12.2-11.7-11.2-11.3-12.5

プリメラアスールがハナを切り、ショウナンバーキンやトーセンビクトリーが追走する展開に。牝馬限定戦らしい超スローペースにこそならなかったが、高速だった阪神の馬場状態を考えると、1000m通過60秒6は遅い部類に入る。

実際、残り4ハロンからペースがどんどん上がっていき、4コーナーではほとんどの騎手が手を動かしていた。仕掛ける位置が速かった分、最後の一ハロンでは失速。持続的に脚を使え、最後の200mで我慢できる底力のある馬が上位に来たわけだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 マキシマムドパリ

4番手で競馬を進めたが、3、4コーナーで仕掛けると、直線の入り口で先頭に。そのままクインズミラーグロやアースライズの追走を押さえて押し切ってみせた。まさに完勝といった内容。重い斤量を背負いながらこれだけのパフォーマンスを披露したのは、素直に実力と判断していいだろう。

2着 クインズミラーグロ

マキシマムドパリの直後を追走していたが、勝負どころで離されてしまった。最後までその差は詰まらず。やや窮屈な競馬になったとはいえ、そこまで大きな不利があったわけではないため、完敗といった内容だ。

もともと競馬がうまいタイプではないため、人気になったときは常に取りこぼしに注意したいところ。

3着 アースライズ

最内枠を生かして3着を確保した。フラワーカップ、愛知杯で馬券に絡み、秋華賞で5着になっているように、コーナー4回の中距離がベスト。今後も同じような条件で。

4着 キンショーユキヒメ

この馬もコーナー4回の条件が合う。メイショウサムソン産駒らしく、タフな条件が得意。

5着 ビッシュ

理想的なレース展開だったが、伸びきれず。馬体重420キロ程度と、かなり馬体が小さい中で55キロを背負ったことは厳しかった。ただし、馬体重が小さい場合、色々な不利を受けたり、成長力に欠けたりすることがある。

人気ほどの信頼性はないタイプ。

6着 ハツガツオ

低斤量を生かしてここまできたが……。

7着 バンゴール

絶好の展開だったが、力負け。

8着 プリメラアスール

このペースであればもう少し粘りたかった。

9着 トーセンビクトリー

勝負どころで前が開かず。前が開けたときには大勢が決していたため、武豊騎手も本気で追っていなかった。なお、それでも伸びが鈍かったのは56キロの影響があったのかもしれない。

10着 リーサルウェポン

力負け。

11着 ローズウィスパー

直線で不利。見直し可能。

12着 ショウナンバーキン

力負け。


(C) MAZIMICKEY

6月11日に東京競馬場で行われたエプソムカップ(GIII/芝1800m)で、5番人気のKitten’s Joy産駒ダッシングブレイズ(牡5)が、1番人気のアストラエンブレムを押さえて勝利した。2番人気のタイセイサミットは6着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月11日(日) 3回東京4日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第34回エプソムカップ
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1800m 18頭立

馬名S 性齢
12 ダッシングブレイズ 牡5 5
10 アストラエンブレム 牡4 1
7 マイネルハニー 牡4 6
13 クラリティシチー 牡6 12
3 バーディーイーグル 牡7 17
14 タイセイサミット 牡4 2
1 マイネルミラノ 牡7 8
6 デンコウアンジュ 牝4 3
2 フルーキー 牡7 9
10 18 ナスノセイカン 牡5 11
11 11 ベルーフ 牡5 10
12 4 ヒストリカル 牡8 7
13 5 カムフィー 牡8 18
14 16 メドウラーク 牡6 15
15 9 クラリティスカイ 牡5 4
16 17 レッドレイヴン 牡7 13
17 8 トーセンレーヴ 牡9 16
18 15 パドルウィール 牡6 14

LAP 12.8-11.4-11.9-12.1-11.5-11.7-10.8-11.6-12.1
通過 36.1-48.2-59.7-71.4  上り 69.8-57.7-46.2-34.5  平均 1F:11.77 / 3F:35.30

払い戻し

単勝  12 \1140
複勝  12 \300 / 10 \130 / 7 \320
枠連  5-6 \1070 (3)
馬連  10-12 \1640 (5)
ワイド 10-12 \710 (6)/ 07-12 \2420 (30)/ 07-10 \630 (4)
馬単  12-10 \4450 (12)
3連複 07-10-12 \6890 (17/816)
3連単 12-10-07 \47120 (121/4896)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.8-11.4-11.9-12.1-11.5-11.7-10.8-11.6-12.1

ハナを切ったのはマイネルハニーだったが、ペースはそこまで上がらず、800mの通過は48秒2に。残り800mが46秒2と、約2秒の後傾ラップとなった。

上位5頭のコーナーにおける位置取りを見てみると……

馬名 通過順位
ダッシングブレイズ  05-02-03
アストラエンブレム  02-02-03
マイネルハニー  01-01-01
クラリティシチー  02-05-05
バーディーイーグル  14-12-12

上位4頭までが4角5番手以内という結果となった。実力のある馬たちが前につけていた、という解釈もできるが、展開的にも恵まれた部分があったと判断していいだろう。

もっとも、単なる前残りの競馬だったわけでもない。というのも、ロングスパート合戦になり、最後はタフさが求められる結果になったからだ。1ハロンごとの最速タイムは残り3ハロン目、最後の1ハロン大きく失速している。

ロングスパート合戦になった分、各馬のバテる地点が早くなり、最後は我慢比べになったというわけだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ダッシングブレイズ

好スタートから好位置をキープ。展開のあやも後押しし、最後はアストラエンブレムを押さえて重賞初制覇を果たした。

もともと父ノーザンダンサー系は東京の重賞で期待値が高い。

今年の春のGIだけ見ても、安田記念ではロゴタイプが、オークスではモズカッチャンが、そしてヴィクトリアマイルではデンコウアンジュが激走した。いずれも6番人気より下の穴馬、デンコウアンジュに至っては11番人気だった。

実力があったこと、展開がハマったこと(浜中俊騎手の好騎乗)、そして血統があっていたことが好走を後押ししたと考えられる。

2着 アストラエンブレム

こちらはダッシングブレイズと違い、血統面に恵まれなかった。

ダイワメジャー産駒の東京芝重賞における距離別の成績を見てみると……

距離 着別度数
1400m 2- 2- 2-10/16
1500m 0- 0- 0- 0/ 0
1600m 4- 2- 6-36/48
1700m 0- 0- 0- 0/ 0
1800m 1- 0- 0- 8/ 9
1900m 0- 0- 0- 0/ 0
2000m 0- 0- 1- 4/ 5
2100m 0- 0- 0- 0/ 0
2200m 0- 0- 0- 0/ 0
2300m 0- 0- 0- 0/ 0
2400m 0- 0- 0-12/12
2500m 0- 1- 0- 3/ 4
2600m 0- 0- 0- 0/ 0
2800m 0- 0- 0- 0/ 0
3000m 0- 0- 0- 0/ 0
3200m 0- 0- 0- 0/ 0
3400m 0- 0- 1- 2/ 3

マイル以下で好成績を残しているのに対し、1800m以上ではわずか1勝という成績になっている。勝ったのはカレンブラックヒル(毎日王冠)のみ。古馬になってから勝った馬は1頭もいないことになる。

自力でなんとか2着に来られたものの、最後の最後で勝ちきれなかったのは、ダイワメジャー産駒の性だった、と言えるかもしれない。ロングスパート合戦になり、最後タフさが求められた点も、スタミナ勝負では勝てない血統の馬にとってマイナスに働いた。

3着 マイネルハニー

マイペースの逃げをうち、絶好の展開に持ち込んだように見えたが、最後は捉えられてしまった。

敗因は、セーフティリードを作ることができなかったことが挙げられる。スローペースに落とせば前にいる馬は有利になる。しかし、ペースを落としすぎると「よーい、どん!」の末脚比べになる。

マイネルハニーは4コーナーを先頭でまわり、位置取り的なアドバンテージを持っていた。しかし、末脚に関しては他馬を凌駕するほどのものを持っていなかったわけだ。キャリアで上がり上位を記録したのは3歳の春まで。ここ8走は好走したレースを含めて7走で上がり二桁順位を記録している。

末脚で違いを作れない分、最後にかわされてしまったというわけだ。

4着 クラリティシチー

先行策を取ったことが幸いした。勝負どころで置かれていってしまったが、最後の一ハロンでジリジリ伸びて挽回。もともと力のある馬だけに、ようやく復調してきたか。

5着 バーディーイーグル

数字上の位置取りはかなり後ろだが、ラチ沿いを走ったことで400m地点では外の馬より前に来ていた。そこからはロングスパート合戦の我慢比べになったため、ブライアンズタイムの血が騒いだのだろう。

6着 タイセイサミット

この馬もダイワメジャー産駒。位置取りに加え、血統的な面でも厳しいシチュエーションだった。今回は向かなかったため、次走がより良い条件であれば、巻き返しに期待してもいいのではないか。

7着 マイネルミラノ

位置取りは最高だったが、末脚比べでは分が悪い。キャリアで上がり33秒台を記録したのは一度のみ(しかもその1回でも上がり順位は5位)。よりタフな条件で真価を発揮するタイプだ。

8着 デンコウアンジュ

ヴィクトリアマイルでは2着に激走して周囲を驚かせたが、今回は馬群に沈んだ。

ヴィクトリアマイルとの最大の違いは、展開だろう。ヴィクトリアマイルは上がり3ハロンの切れ味が要求されたのに対し、今回は4ハロン、5ハロンに渡って末脚を持続する能力が求められた。

よって、ヴィクトリアマイルで上がり最速となる33秒2を叩き出しながら、エプソムカップでは34秒3止まりだったわけだ。

9着 フルーキー

ピークを超えてしまったことに加え、背負った斤量は58キロ。条件的に厳しすぎた。

10着 ナスノセイカン

重賞では頭打ち状態が続いている。今回は位置取りも厳しかった。ただし、上がり1位を記録しているようにロングスパート合戦は合う可能性がある。条件が揃うレースで見直し。

11着 ベルーフ

条件は悪くなかったものの、位置取りが悪すぎた。

12着 ヒストリカル

バーディーイーグルと同じような位置取りで競馬をしたが、伸び切らず。バーディーイーグルのほうがタフな血統をしているため、その差が出たか。

13着 カムフィー

重賞では頭打ち。

14着 メドウラーク

重賞では頭打ち。

15着 クラリティスカイ

タフさが求められる中距離重賞では、クロフネ産駒に出番はなし。

16着 レッドレイヴン

力負け。

17着 トーセンレーヴ

力負け。

18着 パドルウィール

タフさが求められる中距離重賞では、クロフネ産駒に出番はなし。


(C)@dawasaphoto

名手に導かれ、初の重賞制覇を果たした。

6月3日に阪神競馬場で行われた鳴尾記念(GIII/芝内回り2000m)で、3番人気のステイゴールド産駒ステイインシアトル(牡6)が、1番人気のスマートレイアーを押さえて勝利した。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月 3日(土) 3回阪神1日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第70回鳴尾記念
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝・内 2000m 10頭立

馬名S 性齢
9 ステイインシアトル 牡6 3
8 スマートレイアー 牝7 1
3 マイネルフロスト 牡6 7
4 スズカデヴィアス 牡6 5
2 スピリッツミノル 牡5 10
6 デニムアンドルビー 牝7 4
5 バンドワゴン 牡6 2
1 ラストインパクト 牡7 6
10 ミュゼエイリアン セ5 9
7 レッドソロモン 牡5 8

LAP 12.6-11.6-12.7-12.5-12.2-12.0-11.7-11.5-11.0-11.6
通過 36.9-49.4-61.6-73.6  上り 70.0-57.8-45.8-34.1  平均 1F:11.94 / 3F:35.82

払い戻し

単勝  9 \790
複勝  9 \200 / 8 \120 / 3 \250
枠連  7-8 \600 (2)
馬連  08-09 \850 (2)
ワイド 08-09 \360 (2)/ 03-09 \1120 (15)/ 03-08 \500 (5)
馬単  09-08 \2220 (7)
3連複 03-08-09 \2570 (8/120)
3連単 09-08-03 \14460 (44/720)

レース分析

まずはレースラップを振り返ってみよう。

12.6-11.6-12.7-12.5-12.2-12.0-11.7-11.5-11.0-11.6

今開催の阪神の芝コースは、2歳戦でも速い時計が出ていたり、他のレースでもレースレコードを大幅に更新したりと“高速馬場仕様”に造られていた。そのことを踏まえるとかなり遅いペースだったと言える。

武豊騎手騎乗のステイインシアトルが、スタートからハナを切ると、絶妙な手綱さばきでスローペースに落とし込んでの逃げ切り勝ち。

どの馬が勝ったというよりは『武豊騎手が勝った』という印象を受けるレースとなった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ステイインシアトル

2014年の4月の未勝利戦で、概走馬を相手に1番人気に支持されて圧勝するという鮮烈なデビューを飾った同馬。

デビュー2戦目でGⅡ京都新聞杯(14着)に格上挑戦して、ダービー出走を狙ったように、陣営の期待はかねてより大きいものがあった。

その後は成長を促しつつ、着実に自己条件での勝利を重ねて、自身2度目の重賞挑戦で重賞初制覇。秋のG1戦線に、上り馬として殴り込むための価値ある1勝なった。

ただし、今回は鞍上の絶妙なリードによる部分と、開幕週の馬場の恩恵も大きかった。今後に向けての過剰評価は禁物だ。

今回も、あれだけ展開に恵まれた中、上がり順位はメンバー中で5番手。これからもっと強い相手と戦うには少々物足りない内容といえる。今後出番がありそうなのは、前残りのバイアスがかかっている状態で、同型不在のシチュエーションか。

2着 スマートレイアー

行こうと思えば行けるスピードを持っているはずだが、今回は5番手に控える形をとった。

近走では先行策を取ることが多かっただけに、その調教内容も末脚を重視したものではなく、持続力をつけるようなトレーニングがメインとなっていた。それだけに、ここでいきなり差す競馬というのは、鞍上の判断に疑問が残る。

元々、差す競馬では勝ち切れないレースが続いていたことから前に行くスタイルへと脚質転換を果たしただけに、今回はやや消化不良の内容となった。

次走以降、スムーズに先行する競馬ができれば、勝ち切るシーンも見えてくる。ただ、今後も控える競馬が続くようなら、今回のように取りこぼすことが多くなりそうだ。

3着 マイネルフロスト

2走前にブリンカーを装着してから競馬ぶりが一変した同馬。

今回はメンバーやシチュエーションを考えると絶好の勝機だったが、逃げた馬に迫るどころか突き放されての3着。

最大のパフォーマンスは発揮できればG3クラスなら馬券圏内に入る力は備えていることは改めて証明できた、という程度の評価が妥当だろうか。

4着 スズカデヴィアス

このスローペースを道中8番手からでは物理的に考えて不可能だ。

それでも4着にまでは詰めてきているように地力は証明したと評価すべきか。

派手な脚は使えず、相手なりに走るタイプであるため、好走しても人気になりにくく、馬券圏内を逃した途端に人気が急落するタイプのため、次走以降注目の存在だ。少頭数の競馬も合わなかったか。

5着 スピリッツミノル

高速馬場は向かないタイプで、一発あるとすれば、スタミナを活かした大逃げか、捲る競馬だったが、今回は“普通の競馬”をしてしまった。

このタイプは、適性の合わない場所で惨敗、合う場所でガラリ一変するため、このレースは単純に適性外と考えたほうが良さそうだ。

6着 デニムアンドルビー

絶好の手ごたえも伸びきれず。上がりの脚も3番手と冴えず。

ここで上がり最速を出せれば今後への期待が膨らんだが、この内容となると「衰え」の二文字がよぎってしまうところだ。

7着 バンドワゴン

元々体質に問題があるように、激走後に疲れが出やすいタイプ。

前走勝利直後にいきなりの重賞挑戦。前走の疲労に加えて、相手強化と、走れるタイミングではなかったと言えそうだ。

次走以降、レース間隔を開けるか、疲労が取れているようなら。次走以降で再評価する必要がありそうだ。

8着 ラストインパクト

往年の勢いが感じられない。オープンクラスでも厳しそうだ。

9着 ミュゼエイリアン

この展開でこの着順ということを踏まえると、重賞では厳しいか。

10着 レッドソロモン

重賞では足りない。力負けという判断でいいだろう。


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