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宝塚記念2017の予想データ分析…シュヴァルグランが危険な人気馬な3つの根拠

(C)masakin0712‏

今週は阪神競馬場で春競馬の総決算・宝塚記念(GI/芝内回り2200m)が行われる。

“春3冠”がかかるキタサンブラック(牡5)が圧倒的な人気を集めるのが確実な中、対抗馬の一番手になるのがシュヴァルグラン(牡5)だ。天皇賞春では“2強”の一角サトノダイヤモンドを抑えて2着に食い込み、今回も躍進が期待されている。

だが、天皇賞春ほど大きな期待をかけるのは少々酷かもしれない。

というのも、シュヴァルグランにとって宝塚記念は必ずしも向いた条件だと言えないからだ。

距離への懸念

まず最初に浮かんでくる懸念点は距離だ。

シュヴァルグランは現役屈指のステイヤーで、長距離戦やスタミナの問われる条件にめっぽう強い。だからこそ、2年連続して天皇賞春で馬券に絡めたのだ。

実際、戦績を振り返っても、長距離戦における活躍が目立つ。

レース名 距離S 着順 人気
天皇賞春G1 芝3200 4
阪神大賞G2 芝3000 2
有馬記念G1 芝2500 5
JCG1 芝2400 6
アルゼンHG2 芝2500 2
宝塚記念G1 芝2200 5
天皇賞春G1 芝3200 3
阪神大賞G2 芝3000 1
日経新春HG2 芝2400 1
オリオH1600 芝2400 1
1000万下 芝2400 1
500万下 芝2400 1
500万下 芝2000 1

本格化した3歳夏以降の成績だが、まず2000mでは1番人気に支持されながら惜敗を喫している。さらに阪神大賞典や天皇賞春といった3000m以上のレースでは堅実なのに対し、天皇賞春→宝塚記念という今年と同じローテで臨んだ昨年は9着と惨敗してしまった。

そもそも長距離戦のほうが向くことに加え、距離短縮でパフォーマンスを上げるタイプではないのだ。

宝塚記念の条件は合わない?

血統的な見地から見ると、さらに不安は増していく。

例えば宝塚記念において、ハーツクライはほとんど馬券に絡めていない。

日付 馬名
2016.6.26 シュヴァルグラン 5
2016.6.26 カレンミロティック 14 11
2016.6.26 ワンアンドオンリー 13 14
2016.6.26 フェイムゲーム 12 17
2015.6.28 ヌーヴォレコルト 3
2015.6.28 ワンアンドオンリー 4 11
2015.6.28 カレンミロティック 5 13
2014.6.29 カレンミロティック 9
2014.6.29 フェイムゲーム 7
2014.6.29 ウインバリアシオン 2
2012.6.24 ウインバリアシオン 3

かろうじてカレンミロティックが好走しているものの、6頭が5番人気以内に支持された中、馬券に絡んだのが1頭というのは物足りない。

さらにハーツクライ産駒のコース成績を見てみると……

種牡馬 着別度数
ハーツクライ 0- 3- 3-25/31
勝率 複勝率 単回値 複回値
0.0% 19.4% 0 48

※3番人気〜単勝100倍未満が対象
※良馬場開催が対象
※長期休み明けなど、明らかなマイナス要素を持つ馬は除外

ご覧のような低調な成績しか残せていない。宝塚記念というレースが得意でも、阪神芝内回り2200mというコースが得意でもないというわけだ。

道悪は?

なお、先ほどのデータは良馬場を対照したものだった。幸か不幸か、今週は道悪開催が濃厚となっている。

しかし、道悪になったからといって確実にパフォーマンスを上げるとは限らない。

例えば重馬場以上で行われた阪神のレースにおいて、ハーツクライ産駒は(1−0−0−17)という成績しか残せていない(※馬場の対象が重、不良以外は上記の条件と同様で集計)。

ハーツクライ産駒は道悪でダメというわけではないが、“道悪の鬼”というほどでもない。よって、馬場が確実に味方するとは言い切れないのだ。

まとめ

キタサンブラックの対抗馬一番手として見られているシュヴァルグランだが、意外と好材料は多くない。果たして強敵を倒し、悲願のGI初制覇を成し遂げることができるのか? 少なくとも、勝つためのハードルは決して低くないということは間違いないだろう。


ジューヌエコールの勝因、シュウジの敗因は?函館スプリントS2017結果

(C)@nachi0048

6月18日に函館競馬場で行われた函館スプリントステークス(GIII/芝1200m)で、3番人気のクロフネ産駒ジューヌエコール(牝3)が、4番人気のキングハートを押さえて勝利した。1番人気のセイウンコウセイは4着だった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。

結果・着順

2017年 6月18日(日) 1回函館2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第24回函館スプリントS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1200m 13頭立

馬名S 性齢
8 ジューヌエコール 牝3 3
3 キングハート 牡4 4
4 エポワス セ9 7
12 セイウンコウセイ 牡4 1
5 イッテツ 牡5 11
7 エイシンブルズアイ 牡6 8
2 ノボバカラ 牡5 10
9 レヴァンテライオン 牡3 9
13 ブランボヌール 牝4 5
10 10 シュウジ 牡4 2
11 11 ホッコーサラスター 牝6 12
12 1 ラインハート 牝6 13
13 6 クリスマス 牝6 6

LAP 11.7-10.1-10.4-11.0-11.4-12.2
通過 32.2-43.2-54.6-66.8  上り 66.8-55.1-45.0-34.6  平均 1F:11.13 / 3F:33.40

払い戻し

単勝  8 \720
複勝  8 \270 / 3 \320 / 4 \490
枠連  3-6 \2800 (11)
馬連  03-08 \3090 (11)
ワイド 03-08 \1060 (11)/ 04-08 \1760 (21)/ 03-04 \1580 (19)
馬単  08-03 \6000 (21)
3連複 03-04-08 \13120 (43/286)
3連単 08-03-04 \55520 (177/1716)

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

11.7-10.1-10.4-11.0-11.4-12.2

前後半600mのタイムを比較してみると、レースの本質が見えてくる。

32.2−34.6

テンの3ハロンは32.2秒。スプリント戦よりさらに短い直千競馬のようなタイムだ。この時計はやや重開催だった今年の高松宮記念はもちろん、良馬場開催だった昨年の高松宮記念やスプリンターズステークスを上回る。

要するに、極端なハイペースとなり、前が潰れて差し馬が台頭した、ということだ。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ジューヌエコール

さすが短距離種牡馬クロフネの産駒といったところ。初のスプリント戦でしっかりと真価を発揮してみせた。

今回は血統に加え、前述の展開や50キロの斤量、そして距離短縮のローテーションなど、様々な要素が“ハマった”。

よって、次回は条件が悪化する可能性が高い。もし今回より条件が良くないレースに使われた場合、馬券的な観点からすると、気をつけたほうがいいだろう。

2着 キングハート

内枠からロスのない競馬をして2着に台頭してきた。この馬も距離ロスの少ない内枠や、展開がハマった。条件は悪くなかったが、1着馬がハマりにハマったこと、さらに1着馬より決めて勝負に向いていなかったことで2着となった。

3着 エポワス

9歳ながら驚異的な追い込みで3着を確保。もともと洋芝が得意なスプリンターだったことに加え、展開がハマった。引き続き洋芝などの重たい馬場では注意が必要だろう。反対に軽い馬場になると力を発揮できない傾向にあるため、注意したい。

4着 セイウンコウセイ

唯一のGI馬は4着まで。もっとも、鬼のようなハイペースを2番手で追走していたのだから無理もない。むしろ先行勢が全滅する中、よく4着に粘った、と評価した方がいいだろう。

今回はその他にも向かない条件が多数あった。叩かれて向上してくるはずのため、評価を落とす必要はないだろう。

5着 イッテツ

追い込んだが馬券には絡めず。展開が向いた中でこの順位では力負けと判断されても仕方ない。

6着 エイシンブルズアイ

追い込んだが馬券には絡めず。展開が向いた中でこの順位では力負けと判断されても仕方ない。

7着 ノボバカラ

初芝に挑戦したが、流れが向いた中で7着。上がり最速を使っているように全くダメなわけではないが、ダートのほうが合っている。

8着 レヴァンテライオン

展開△。見直し可。

9着 ブランボヌール

展開×。見直し可。

10着 シュウジ

自分が作ってしまったペースではあるが、それにしても速すぎた。近走あまり結果が出ていない中で2番人気は支持を集めすぎた印象も。次走、人気落ちした中でどれだけ立ち直れるか。

11着 ホッコーサラスター

力負け。

12着 ラインハート

力負け。

13着 クリスマス

展開×。見直し可。


宝塚記念2017の予想データ分析…キタサンブラックと武豊騎手の5つの不安要素とは?

(C)Horse Race Photo Studio

今週は阪神競馬場で春競馬の総決算・宝塚記念(GI/芝内回り2200m)が行われる。

圧倒的な一番人気に支持されることが確実なのが、今春“2冠”を達成しているキタサンブラック(牡5)だ。大阪杯で完勝し、天皇賞春ではサトノダイヤモンドを抑えてGI2連勝を果たした。今回は最大のライバルであるサトノダイヤモンドが不在のため、単勝1倍台の人気を集めることになる見込みだ。

果たして、キタサンブラックに死角はあるのか? 今回は現役最強馬の呼び声高い名馬の不安要素に迫っていこう。

天皇賞春の反動は?

まず真っ先に挙げられるのが天皇賞春の反動だ。

キタサンブラック陣営は天皇賞春後、思ったほどダメージがなく、順調に調整できたと強調している。しかし、天皇賞春は3200mの長丁場だ。馬に負担がかからないケースのほうが稀なくらい、消耗度の激しいレースである。

しかも今年の天皇賞春はレコード決着だった。

レコードの出る馬場、いわゆる高速馬場は反発力がある反面、クッション性が低い。このため、脚にかかる負担が大きく、レース後に異常をきたす馬が後を絶たない。

いくら陣営が「影響はない」と発言したところで、見せない疲労・ダメージが全く無かったと言い切れるようなレース展開ではなかったわけだ。

過去10年で春古馬王道路線連覇は……

ローテーションも不安要素の一つだ。

キタサンブラックは天皇賞春を制した。しかし、過去10年を振り返ってみると、天皇賞春の勝ち馬が宝塚記念を制した例は一つもない。

キタサンブラック 3着
ゴールドシップ 15着
フェノーメノ 出走せず
フェノーメノ 4着
ビートブラック 9着
ヒルノダムール 出走せず
ジャガーメイル 8着
マイネルキッツ 7着
アドマイヤジュピタ 出走せず
メイショウサムソン 2着

ご覧の通り、最高でもメイショウサムソンの2着となっている。決して強調できるローテーションではないわけだ。なお、天皇賞春1着馬は(0−1−1−5)だが、2着馬も(0−1−1−4)と勝てていない。

グランプリの戦績は……

キタサンブラック自身の戦績もやや気になるところ。

というのも、GI5勝の名馬ながらグランプリは3回臨んでいずれも勝ちきれていないからだ。

日付 レース名
2017.4.30 天皇賞春G1 1
2017.4.2 大阪杯G1 1
2016.12.25 有馬記念G1 2
2016.11.27 JCG1 1
2016.10.10 京都大賞G2 1
2016.6.26 宝塚記念G1 2
2016.5.1 天皇賞春G1 2
2016.4.3 産経大阪G2 5
2015.12.27 有馬記念G1 4
2015.10.25 菊花賞G1 5
2015.9.21 セントラG2 6
2015.5.31 東京優駿G1 14 6
2015.4.19 皐月賞G1 4
2015.3.22 スプリンG2 5
2015.2.22 500万下* 9
2015.1.31 新馬 3

本格化前の3歳秋の有馬記念はまだしも、古馬になってからの2回でもあと一歩のところで勝てていない。

グランプリは“グランプリマイスター”と呼ばれる馬が生まれるほどクセのあるレースで、向いている馬は何度も好走する一方、向いていない馬はあと一歩のところで取りこぼす傾向にある。

例えばGI6勝の名牝ブエナビスタは、グランプリに5回挑んだが、結局一度も勝つことができなかった。天皇賞秋を圧勝し、ジャパンカップを勝っているのだから実力が足りなかったわけではない。しかし、それでも勝てないのほど、グランプリは特殊なレースなのだ。

もしキタサンブラックに“グランプリ適性”がないなら、取りこぼしがあっても不思議はない。

叩き3戦目は……

もう一つ、キタサンブラックはこれまで「休み明け→叩き2戦目のGIで勝利→叩き3戦目で勝てず」という流れを繰り返している。

いずれも3戦目が宝塚記念、有馬記念といったグランプリレースであるため、グランプリ適性がないのか、それとも叩き3戦目がダメなのか(2戦目で出し切った反動があるかどうか)は断言できないところだが、事実として勝ちきれていないため、懸念材料としては挙げられる要素だ。

武豊騎手の戦績は……

そして鞍上の武豊騎手の戦績も気になるところ。数々のGIを制してきた名手であるが、特に近年の宝塚記念では目立った成績を残せていない。

日付S 馬名S 性齢 着順
2016.6.26 キタサンブラック 牡4
2015.6.28 トーセンスターダム 牡4 12
2014.6.29 ヒットザターゲット 牡6
2013.6.23 トーセンラー 牡5
2011.6.26 ビートブラック 牡4 11
2009.6.28 スマートギア 牡4
2008.6.29 メイショウサムソン 牡5
2007.6.24 ポップロック 牡6
2006.6.25 ディープインパクト 牡4
2005.6.26 アドマイヤグルーヴ 牝5
2004.6.27 リンカーン 牡4
2003.6.29 ダイタクバートラム 牡5
2000.6.25 ラスカルスズカ 牡4
1999.7.11 スペシャルウィーク 牡4
1998.7.12 エアグルーヴ 牝5
1997.7.6 マーベラスサンデー 牡5
1996.7.7 オースミタイクーン 牡5 10
1994.6.12 ベガ 牝4 13
1993.6.13 メジロマックイーン 牡6
1992.6.14 メイショウビトリア 牡5 12
1991.6.9 メジロマックイーン 牡4
1990.6.10 シンウインド 牝6
1989.6.11 イナリワン 牡5
1988.6.12 フレッシュボイス 牡5

阪神で開催された宝塚記念では1997年のマーベラスサンデー以来、勝利がない。(ディープインパクトとともに制した2006年は京都競馬場開催。)

つまり、改修後の阪神では勝ったことがないわけだ。

まとめ

圧倒的人気に支持されるであろうキタサンブラック。今回紹介した不安要素はいずれも「明確なマイナス要素」とは言えないものの、現役最強馬が仮に敗れることがあるとすれば「あれが原因かもしれない」と考えることはできるのではないだろうか。

果たして、キタサンブラックは初のグランプリ制覇を成し遂げられるのか? その答えが出る瞬間を、見逃すな。


宝塚記念2017の予想データ分析…4つの血統傾向と不振種牡馬とは?

(C)馬空 – 競馬写真館

今週は阪神競馬場で春競馬の総決算・宝塚記念(GI/芝内回り2200m)が行われる。

開催に際し、どのような血統の馬がいい成績を残しているのか、同コースでどのような血統の馬が台頭しているのか、過去のデータをもとに見ていくことにしよう。

なお、好走血統は過去10年、コース種牡馬成績は2014年以降(精度を高めるために1、2番人気の人気馬、および単勝100倍以上の人気薄、新馬戦、長期休み明けなどの不確定要素が多いレース=血統意外の要因で決着した可能性が高いレースは、集計から除外)を参考に考察していく。

過去10年好走馬血統

着順 種牡馬 母父馬
ディープインパクト エルコンドルパサー
キングカメハメハ サンデーサイレンス
ブラックタイド サクラバクシンオー
キングカメハメハ ダンスインザダーク
ディープインパクト キングカメハメハ
ディープインパクト フレンチデピュティ
ステイゴールド メジロマックイーン
ハーツクライ A.P. Indy
ディープインパクト Machiavellian
ステイゴールド メジロマックイーン
ディープインパクト Unbridled
ディープインパクト Bertolini
ステイゴールド メジロマックイーン
キングカメハメハ トニービン
マンハッタンカフェ Storm Cat
グラスワンダー トニービン
スペシャルウィーク Caerleon
King’s Best Platini
ステイゴールド タイトスポット
スペシャルウィーク Caerleon
グラスワンダー トニービン
ステイゴールド メジロマックイーン
グラスワンダー サンデーサイレンス
アグネスタキオン Chief’s Crown
フレンチデピュティ Woodman
オペラハウス ダンシングブレーヴ
スペシャルウィーク ノーザンテースト
エンドスウィープ サンデーサイレンス
オペラハウス ダンシングブレーヴ
エリシオ サンデーサイレンス

解説・分析:注目血統は?

近年の宝塚記念の注目血統を挙げるとするなら……

・ディクタス
・セントサイモン
・ダンジグ
・“ズブい”ディープインパクト産駒

宝塚記念はタフなシチュエーションで行われる。

・JRA中央4場で最もタフな阪神
・開催が進んで馬場が荒れる時期
・雨が多く、馬場の痛みやすい梅雨

など、タフな状況になりやすい要素が揃っている。

よって、好走するためには「いかにタフな競馬に対応できるか」が焦点になってくる。そうなると、血統的な“裏付け”を持っているかがとても重要になってくる。

まずディクタスから見ていこう。

ディクタスは暑い季節にめっぽう強い。現役時代、真夏に行われるフランスGIのジャック・ル・マロワ賞を制覇し、種牡馬としてサッカーボーイを輩出した。

サッカーボーイはマイルチャンピオンシップを勝っている。しかし、この馬が最高のパフォーマンスを発揮したのは夏に行われた2つのレースだった。

1998年7月3日の中日スポーツ賞4歳Sでは皐月賞馬(そして後の天皇賞秋馬)ヤエノムテキに完勝を収めた。

さらに8月下旬の函館記念ではメリーナイス、シリウスシンボリといったダービー馬2頭、そして牝馬クラシック2冠のマックスビューティを相手に5馬身差の圧勝を収めた。

サッカーボーイは種牡馬となり、ヒシミラクル(宝塚記念馬)らを輩出している。

明らかに真夏に強い血統といえるのだ。

さらにディクタスの血を受け継いでいる種牡馬といえば……

ステイゴールド

宝塚記念における“特注種牡馬”は、母父にディクタスの血を持っている。

オルフェーヴルやゴールドシップだけでなく、ナカヤマフェスタやドリームジャーニーも春のグランプリを制している。

その大きな要因となったのがディクタスの血であることは間違いない。

そしてセントサイモンとダンジグもタフな競馬に強い血だ。

セントサイモンは「史上最高のサラブレッド」と評される歴史的な大種牡馬だ。イギリスのリーディングサイアーに9回も輝いた実績があるように、圧倒的なスタミナと底力を持つ。

ダンジグは暑さにめっぽう強い系統で、持続力が持ち味だ。宝塚記念はタフなレースに加え、阪神芝内回り2200mという持続力が問われるコースで行われる。よって、ダンジグの血がカギになってくるわけだ。

なお、このセントサイモンとダンジグを合わせ持ったのがグランプリ親仔制覇を成し遂げたグラスワンダーである。

なお、この3つの血をすべて持っていた馬が、8番人気という低評価の中で宝塚記念を勝ったナカヤマフェスタだった。

父ステイゴールド(その母父ディクタス)
母父タイトスポット(セントサイモン系)
母母父デインヒル(ダンジグ系)

この3つの血に注目しない理由はないだろう。

なお、近年では“ズブいディープインパクト”の台頭も目立っている。例えば、母父にキングマンボの血が入ったディープインパクトは一瞬の切れ味が削がれる反面、タフな競馬に強い傾向にある。

昨年は母父エルコンドルパサーのマリアライトがドゥラメンテとキタサンブラックを下し、一昨年はデニムアンドルビーが大穴を開けた。

こちらにも注目していくべきだろう。

コース種牡馬別集計

種牡馬 着別度数
キングカメハメハ 3- 0- 4-20/27
マンハッタンカフェ 2- 2- 3- 8/15
ディープインパクト 1- 3- 3-28/35
ディープスカイ 1- 0- 0- 0/ 1
ハーツクライ 0- 2- 3-25/30
ブラックタイド 0- 0- 2- 1/ 3
ステイゴールド 0- 0- 1-15/16
種牡馬 勝率 複勝率 単回値 複回値
キングカメハメハ 11.1% 25.9% 200 88
マンハッタンカフェ 13.3% 46.7% 408 203
ディープインパクト 2.9% 20.0% 38 118
ディープスカイ 100.0% 100.0% 1200 530
ハーツクライ 0.0% 16.7% 0 43
ブラックタイド 0.0% 66.7% 0 193
ステイゴールド 0.0% 6.3% 0 23

※3番人気〜単勝100倍未満が対象
※良馬場開催が対象
※長期休み明けなど、明らかなマイナス要素を持つ馬は除外

解説・分析:注目種牡馬は?

まずマンハッタンカフェ産駒の台頭が目立つ。また、1頭しか該当馬がいないものの、ディープスカイ産駒も単勝12倍ながら勝っている。

マンハッタンカフェは母父セントサイモン系、ディープスカイは母父ダンジグ系、母母父がセントサイモン系と、宝塚記念の注目血統を色濃く持っている。このあたりも好調の要因となっているのだろう。

一方でハーツクライ産駒は不振。またディープインパクト産駒は回収率こそいいものの、勝ちきれていない。このあたりも普通のコースとはやや違う部分だけに、注意したいところだ。

出走馬血統

キタサンブラック
ブラックタイド
系統 サンデー系
シュガーハート
母父 サクラバクシンオー
系統 Pギフト系
クラリティシチー
キングカメハメハ
系統 キングM系
タイキクラリティ
母父 スペシャルウィーク
系統 サンデー系
ゴールドアクター
スクリーンヒーロー
系統 ロベルト系
ヘイロンシン
母父 キョウワアリシバ
系統 アリダー系
サトノクラウン
Marju
系統 その他ND系
ジョコンダ2
母父 Rossini
系統 ミスプロ系
シャケトラ
マンハッタンカフェ
系統 サンデー系
サマーハ
母父 Singspiel
系統 サドラーズ系
シュヴァルグラン
ハーツクライ
系統 サンデー系
ハルーワスウィート
母父 Machiavellian
系統 ミスプロ系
スピリッツミノル
ディープスカイ
系統 サンデー系
バアゼルクローバー
母父 ラムタラ
系統 ニジンスキー系
ヒットザターゲット
キングカメハメハ
系統 キングM系
ラティール
母父 タマモクロス
系統 グレイS系
ミッキークイーン
ディープインパクト
系統 ディープ系
ミュージカルウェイ
母父 Gold Away
系統 ヌレイエフ系
ミッキーロケット
キングカメハメハ
系統 キングM系
マネーキャントバイミーラヴ
母父 Pivotal
系統 ヌレイエフ系
レインボーライン
ステイゴールド
系統 サンデー系
レーゲンボーゲン
母父 フレンチデピュティ
系統 ヴァイス系

なぜセイウンコウセイは惨敗したのか?函館スプリントSの3つ敗因

(C) Meteorshoweryn

GI馬がまさかの敗戦を喫した。

6月18日に函館競馬場で行われた函館スプリントステークス(GIII/芝1200m)で1番人気のセイウンコウセイ(牡4)が4着に敗れた。勝ったのは3番人気のジューヌエコールだった。

なぜ、高松宮記念の覇者はGIIIで敗れることになったのか? その理由を探っていこう。

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

アドマイヤムーン
オブザーヴァント
母の父 Capote
母の母 PatentlyClear
性別
馬齢 4 歳
生年月日 2013年3月8日
毛色 栗毛
馬主 西山茂行
調教師 上原博之(美浦)
生産牧場 桜井牧場
産地 新ひだか町
馬名意味 冠名+恒星

圧倒的な人気を集めた背景

セイウンコウセイは2.1倍の圧倒的な人気を集めていた。

それもそのはず。彼は春のスプリントGI高松宮記念を制していた。上り調子の上がり馬、しかも4歳馬の賞金が夏に半減したことで、函館スプリントSには斤量56キロで出走がかなった。

GI馬が56キロで出走してくる。しかも2番人気に支持されているのは2戦連続で1秒以上の大敗を喫しているシュウジ、そして同じく3走連続で馬券に絡めていないジューヌエコールだったのだから、セイウンコウセイが人気に支持されたのも当然だろう。

しかし、結果として、セイウンコウセイは馬券に絡むことができなかった。一体なぜ、GI馬は凡走するに至ったのか?

凡走の理由① 血統の壁

もっとも大きな理由の一つが血統だと考えられる。レース前、競馬TIMES編集部では「人気馬セイウンコウセイの優勝が困難な3つの理由」と題し、検証記事を掲載していた。そちらから、引用していこう。

―――

まずはアドマイヤムーン産駒という点が引っかかる。

というのも、アドマイヤムーン産駒は今まで、一度も休み明けで重賞を勝ったことがないのだ。

間隔 着別度数
連闘 0- 0- 0- 1/ 1
2週 3- 1- 0- 14/ 18
3週 1- 3- 3- 24/ 31
4週 1- 0- 2- 22/ 25
5~ 9週 3- 1- 2- 38/ 44
10~25週 0- 6- 4- 20/ 30
半年以上 0- 0- 0- 0/ 0
間隔 勝率 複勝率 単回値 複回値
連闘 0.0% 0.0% 0 0
2週 16.7% 22.2% 133 144
3週 3.2% 22.6% 110 128
4週 4.0% 12.0% 8 20
5~ 9週 6.8% 13.6% 38 38
10~25週 0.0% 33.3% 0 90
半年以上

重賞勝ちは間隔が2〜9週に集中している。2カ月半以上、間隔が空いた中で挑んだ重賞では(0−6−4−20)。複勝率は高いものの、勝ち切るまでには至っていない。

―――

セイウンコウセイは今回、約4カ月の休み明けだった。久々だったことがマイナスに働いた可能性は、十分に考えられる。

凡走の理由② 続・血統の壁

さらに血統的な面を掘り下げるなら、アドマイヤムーン産駒は函館芝1200mで散々な成績しか残せていない。

種牡馬 着別度数
アドマイヤムーン 3- 3- 1-42/49
勝率 複勝率 単回値 複回値
6.1% 14.3% 27 31

こちらは2014年以降に出走したアドマイヤムーン産駒全馬の成績だが、50頭近く走って勝ったのは3頭のみ。回収率を見ると、穴馬は全く走っていないことが分かる。

セイウンコウセイにとって、コースも決して合う条件ではなかったわけだ。

凡走の理由③ 厳しかった展開

そして何といっても展開が厳しすぎた。前後半600mのタイムを比較してみると……

32.2−34.6

なんと最初の3ハロンは32.2秒。いくら函館が高速馬場だったとはいえ、いかにハイペースだったかが分かる。

なお、テンの3ハロンのタイムは、やや重開催だった今年の高松宮記念はもちろん、良馬場開催だった昨年の高松宮記念やスプリンターズステークスを上回るペースだ。

このペースを2番手で追走したら、いくらなんでももたない。逃げたシュウジを筆頭に先行馬が全滅だったことが、展開の厳しさを示している。

むしろこのペースで4着に粘ったセイウンコウセイを称えるべき、とすら言えるレースだったわけだ。

まとめ

以上のように、セイウンコウセイにとって厳しい条件が揃ったレースだった。

しかし、逆に考えれば今後出走するレースは今回より条件が好転するはず。状態も上がっていくことだろう。

この敗戦を糧に、さらなる栄冠を勝ち取れるのか、注目されるところだ。


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