カテゴリー:コラム

【桜花賞2015有力馬診断】ココロノアイ…実績はメンバー中トップクラス


2015年のクラシックが開幕します。第1弾は牝馬クラシック初戦の桜花賞。タレント揃いのレースで、各馬にどんな強調材料と不安要素があるのでしょうか?

『競馬TIMES』では、編集長であり競馬ライターのJINによる有力馬診断を掲載します。2回目となる今回はココロノアイを取り上げます。

ココロノアイ

ココロノアイの強みは確かな実績だろう。

特にアルテミスステークスは秀逸な内容だった。外枠が圧倒的に不利なレースで大外から先行し、距離を大幅にロスしながらレッツゴードンキらを振りきって勝利した。道中、1ハロン12秒台が1回(しかも12.2)しかないよどみないレースだっただけに、圧巻の内容だったと言っていい。

さらに阪神ジュベナイルフィリーズでは栗東滞在することなく、輸送を克服して不利な内枠から3着に粘り込んだ。力がなければできない芸当である。

前走のチューリップ賞は盤石の競馬。自信の本命を打ったように、戦績を考えれば5番人気明らかに不当な低評価だった。

阪神芝外回りの1600mはごまかしのきかないコースのため、そこで強いレースをしたのなら基本的に信頼してOKだ。

もっとも、不安要素がないわけではない。例えばステイゴールド産駒の牝馬は大成功を収めたことがない。GIを制したのはレッドリヴェールのみ。そのレッドリヴェールにしても、桜花賞で2着になったあとは不振に陥っている。

その辺りをどう評価すればいいのか? 各々、じっくり考えていくべきだろう。

文=JIN(競馬ライター)


広がる“社台グループ内格差”!桜花賞&皐月賞登録馬はノーザンF13頭、社台F4頭

(C) Yusuke Tsutaya

日本競馬界の“帝王”社台グループの内部で“格差化”が進んでいる。

社台グループといえば1955年の設立(当時千葉社台牧場)以降、ノーザンテーストやトニービン、サンデーサイレンスといった種牡馬を輸入し、日本競馬のレベルを飛躍的に向上させた日本を代表する生産グループだ。

その地位はいまや揺るぎないものとなっている。有力馬を何頭も所有し、GIになると“社台の運動会”と言われるほど、多くの出走馬を送り出す。いわば、日本の競馬は社台を中心に回っている。

そんな社台グループの中で今、“格差化”が進んでいる。社台グループの2大勢力、ノーザンファームと社台ファームのパワーバランスが崩れかけているのだ。

勢いを増すノーザンファーム

一昔前まで、社台ファームが社台グループの中心にいた。

しかし近年は完全にノーザンファームが“主役”の座を奪っている。例えば2010年以降の中央GI勝利数は社台ファームが19勝に対し、ノーザンファームは31勝を挙げている。1年単位で区切ってみても、5年中4年でノーザンファームのほうが多くGIを勝っている。

いまや「ノーザンファーム>社台ファーム」という図式が明確にできつつあるわけだ。

2015年のクラシックを見ても……

今年のクラシックを見てると、この傾向が強まっていることが分かる。

すでに発表されている桜花賞と皐月賞における登録馬の比較を見てみよう。

桜花賞
社台ファーム生産馬:3頭
ノーザンファーム生産馬:5頭

皐月賞
社台ファーム生産馬:1頭
ノーザンファーム生産馬:8頭

ご覧のとおり、圧倒的な差がついている。特に牡馬クラシックはノーザンファームがリアルスティールやサトノクラウン、ドゥラメンテといった有力馬を送り出している一方、社台ファームはミュゼエイリアンの1頭しか登録していない。

有力馬のキロハナが骨折するなどアクシデントがあったのは確かだ。とはいえ、社台の二大巨塔に力差が生まれていることを示すには十分な材料といえる。

“社台の運動会”ではなく……

社台は言ってみればグループ企業。情報共有や生産面での協力は行うし、掲げる理念は共通だ。しかし、育成方針はそれぞれの牧場によって違う。だからこそ、こういった違いが生まれてくる。

競争の結果、ノーザンファームは社台ファームをおさえて同グループの“エース”となっている。事実、皐月賞は“社台の運動会”というより、“ノーザンファームの運動会”と、個別にくくれるくらいの差ができている。

今後もこの傾向が続くのか? それとも社台ファームらの巻き返しがあるのか? 日本の生産界の中心にある者たちの競争だけに、注目していきたい。


【桜花賞2015有力馬診断】ルージュバック…不安視される経験不足と血統

(C)Minafl

2015年のクラシックが開幕します。第1弾は牝馬クラシック初戦の桜花賞。タレント揃いのレースで、各馬にどんな強調材料と不安要素があるのでしょうか?

『競馬TIMES』では、編集長であり競馬ライターのJINによる有力馬診断を掲載します。初回となる今回はルージュバックを取り上げます。

ルージュバック

素質の高さに疑いの余地はない。特に巷で言われている百日草特別は秀逸だった。

後に京成杯を制したベルーフと、毎日杯を勝ったミュゼエイリアンに0.4秒差以上をつける圧勝劇を演じた。楽な手応えで33.3秒の上がりを使った姿に、翌年のオークス馬の姿を見たと思った方も多かったはずだ。

続くきさらぎ賞でもポルトドートウィユやアッシュゴールドを寄せ付けずに完勝している。牡馬相手にこれだけの実績を残してきたわけだから、桜花賞で1番人気に支持されるのも納得だ。

では、そんなルージュバックに不安はないのか?

いや、そんなことはない。

例えば“経験不足”ではないだろうか?

キャリアを振り返ると、すべてのレースで中盤が緩んでいる。デビュー戦は残り4ハロンまで13秒台という超絶スローペース。百日草特別は4ハロン目から7ハロン目まで12秒台中盤の時計を刻み、きさらぎ賞でも三分割した中盤の3ハロンはすべて12秒台だ。

つまり、今までのキャリアでスローの瞬発力勝負しか経験していないことになる。

一方、桜花賞はよどみない流れになることが多い。中盤で脚を溜められないとなると、爆発的な末脚が発揮できない可能性は十分にありえる。

またマンハッタンカフェ産駒ということも気になる。マンハッタンカフェ産駒は総合力が高い一方で突出した能力を持つ馬が出にくい。事実、種牡馬リーディングの上位にいながら今まで輩出したGI馬は4頭のみ。その4頭にしても、中央GIを複数回勝った馬はいない。

特に牝馬で大成したのはレッドディザイアのみだ。

そう考えるとルージュバックを絶対的な存在と考えていいのか、疑問が生まれてくる。

最終的にどんな判断をするかは複数の検証項目から総合的に判断するが、少なくとも現段階では「絶対の存在ではない」と書いておきたい。

文=JIN(競馬ライター)


成功もありえる?ザサンデーフサイチが優駿スタリオンで種牡馬入り

(C) lunapark0531

ザサンデーフサイチが優駿スタリオンステーションで種牡馬入りすることが分かった。

エアグルーヴの5番目の仔として誕生したザサンデーフサイチは、2004年のセレクトセールで当時の国内史上最高額となる5億1450万円で落札された。競走成績は41戦3勝と振るわなかったが、血統背景が評価されて種牡馬する運びとなった。

超良血馬

前述のとおり、ザサンデーフサイチは超良血馬だ。父は菊花賞馬のダンスインザダーク、母は牝馬ながら天皇賞秋を制して1997年の年度代表馬となったエアグルーヴだ。エアグルーヴは繁殖牝馬としても優秀で、アドマイヤグルーヴやルーラーシップ、フォゲッタブル、グルヴェイグといった重賞ウィナーを輩出している。

また、すでに繁殖入りしたアドマイヤグルーヴは今年のクラシック戦線にドゥラメンテを送り出している。血統レベルの高さは折り紙つきだ。ザサンデーフサイチが種牡馬入りするのは、ある種当然の流れといってもいい。

競走成績と種牡馬成績は必ずしも比例しない

41戦3勝というキャリアは平凡だ。普通は種牡馬入りなどできない。しかし、これだけの血統だと、可能性にかけたくもなる。

なぜなら、競走馬として優秀だからといって、種牡馬として成功できるとは限らない。言い方を変えると、競走馬として大成できなかったとしても、種牡馬として成功するケースは稀にある。

例えばディープインパクトの全兄ブラックタイドは競走馬時代にGIを勝てなかった。しかし、種牡馬としてキタサンブラックやタガノエスプレッソといった重賞ウィナーを輩出している。また、ザサンデーフサイチの半兄サムライハートは現役時代、1000万条件しか勝てなかった。だが、種牡馬としてはローレルブレットやプレミアムブルーといった馬を輩出。一定の評価を得ている。

さらに海外ではフェアリーキングが有名だ。同馬は現役時代、1勝もできなかったが、大種牡馬サドラーズウェルズの全弟ということで種牡馬入り。すると、凱旋門賞馬エリシオやジャパンカップ馬ファルブラヴらを出して大成功を収めている。

反対にGIを何勝もして種牡馬入りした馬が全くダメだったという話は珍しくない。

通常、この戦績の馬が種牡馬として成功するのはかなり難しい。しかし、血統が恵まれているザサンデーフサイチなら、その可能性もあるのではないか。

鍵は繁殖牝馬

成功へのカギを握るのは、どの程度牝馬が集まるのかということだ。いくら良血といっても、現役時代の成績がひどすぎるため、なかなかいい牝馬は集まらないだろう。その中で結果を出し、地道に牝馬が集めていくのは大変なことだ。

もっとも、返す返す、血は超一流である。その可能性に期待し、今後を見守っていきたい。


キズナと武豊騎手に待ち受ける試練…天皇賞春と宝塚記念制覇は困難?

(C) pippin neat

キズナ(牡5)と武豊騎手に試練が訪れている。

4月5日に阪神競馬場で行われた産経大阪杯(GII/芝200m)に出走した彼らは、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持された。秋に凱旋門賞への再挑戦を明言している日本のエースは、多くの期待を集めていた。

しかし、結果は連対を確保したものの、同じディープインパクト産駒のラキシス(牝5)に完敗。期待値が高かった分、落胆も大きく、武豊騎手は何度も首をひねった。すでに回顧で書いたように、この敗戦は期待値が高すぎただけであまり悲観視する内容ではなかった。

キズナと武豊騎手の敗北を悲観すべきではない理由とは?

もっとも、だからといって天皇賞春や宝塚記念で巻き返せるとは限らない。なぜなら、この2つのレースはキズナにとって、あまり条件のいいレースではないからだ。

ディープ産駒鬼門の長距離重賞

ディープインパクト産駒はマイルから2400mまで、幅広い距離で活躍している。しかし、天皇賞春のような長距離重賞はディープインパクト産駒にとって鬼門だ。

初年度産駒から数えて33頭が3000m以上の重賞に挑戦している。しかし、成績は(0−7−3−23)で勝ち馬はゼロだ。事実、キズナは昨年の天皇賞春で1番人気に支持されながら、4着に敗れている。

2着馬が7頭出ているため、“鬼門”を突破するのも時間の問題ではあるが、他の距離に比べて適正は低いのは確かだ。

荒れた阪神の馬場

宝塚記念は6月の下旬に行われる。梅雨の時期の阪神は馬場が荒れて重くなりがちだ。良馬場が得意なディープインパクト産駒にとって、歓迎できる馬場状態ではない。

実際、宝塚記念には7頭のディープインパクト産駒が挑戦したが、勝ち馬は1頭も出ていない。

真のスーパースターになれるか?

もっとも苦手な条件だからといって勝つ可能性がないわけではない。

少年ジャンプの世界では主人公が必ず逆境に直面する。そして試練を乗り越える姿に人々は心を揺さぶられる。多少適正がズレていたとしても、揺るぎない実力で他を圧倒する。それが、“真のスーパースター”だ。

キズナと武豊騎手は逆境に直面している。これからの2走は、キズナが真のスターホースか、並のスターホースなのかを測る、文字通りの“試金石”となる。


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