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須貝尚介厩舎所属馬に激走注意報発令中!夏競馬で注目必至なワケとは?

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先日の宝塚記念、ゴールドシップの大出遅れに「やられてしまった…」と肩を落とした人も多いだろう。天皇賞・春ではゲート入りを拒んで他馬を待たせてしまったが、今回は自分が待たされ、それに我慢ができなかった。

思えば昨秋の京阪杯におけるローブティサージュ、今年のオークスにおけるクルミナルと、須貝厩舎の馬はなにかとゲートでお騒がせな馬が多い。つまり、須貝厩舎には気性の難しい馬や、神経質な馬が多く預けられている、または調教方法の関係でそうなっているのだ。

しかし、馬券を買う側がそのマイナスポイントを逆手にとり、お金にできるチャンスが夏競馬にはある。

気性難、神経質という馬に効果てき面なのは、滞在競馬である。夏競馬といえば北海道シリーズ。多くの厩舎が函館、札幌に馬を滞在させるが、須貝厩舎は最もその恩恵を受けている厩舎といってもいい。

滞在のメリット

まず、滞在することのメリットを挙げておこう。滞在すれば輸送がなくなる。カリカリしてしまう馬にとって、輸送は大きなストレスになり、時には馬体重を大きく減らしてしまう。当然厩舎もそれを見越した調整になるため、調教で強い負荷をかけられなくなる。滞在することでその不安がなくなり、強い追い切りができるようになるのだ。

当然レース後の輸送もないので、疲れたまま馬運車に揺られるということなく、レースが終わればそのまま馬房で休むことができる。輸送があるのに比べて疲労の蓄積が少ないため、レース間隔を詰めて使うことができるというメリットもある。

実際に須貝厩舎の競馬場別成績を見ると……(2012年1/1~15年6/28まで)

場所(成績)勝率│連対率│複勝率

札幌(6-6-5-20)16.2%│32.4%│45.9%
函館(18-22-14-53)16.8%│37.4%│50.5%
福島(3-5-3-30)7.3%│19.5%│28.6%
新潟(5-8-6-33)9.6%│25.0%│36.5%
中山(4-1-5-22)12.5%│15.6%│31.3%
東京(14—9—9—63)14.7%│24.2%│33.7%
中京(14-6-10-70)14.0%│20.0%│30.0%
京都(27-25-18-190)10.4%│20.0%│26.9%
阪神(34-20-15-158)15.0%│23.8%│30.4%
小倉(5-7-9-40)8.2%│19.7%│34.4%

と、明らかに北海道の成績が良い。

さらに気性が繊細な面のある牝馬に限定すると……

札幌(5-3-4-10)22.7%│36.4%│54.5%
函館(14-12-10-29)21.5%│40.0%│55.4%

中山、東京、中京、阪神が複勝率20%台に落ち込むのに対し、北海道では牝馬が安定して走っている。2場とも、単勝、複勝回収率全て110~130%と高水準。逆に、栗東からの輸送距離が最も長い福島では牝馬が(0-3-0-18)と、大苦戦を強いられている。

【次のページヘ】単複回収率170%を超える条件って?

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矢作厩舎の流儀と狙い目は?開成調教師・リーディングトレーナーを切る

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5月31日に東京競馬場で行われる第82回東京優勝・日本ダービー(GI/芝2400m)に、皐月賞2着のリベンジを期してリアルスティールを送り込む矢作芳人調教師。

12年ディープブリランテ以来のダービー制覇に向け、厩舎全体の意気も上がっている。

今回はそんな矢作厩舎にスポットを当て、データ面からその特徴を探っていく。

圧倒的な出走数の多さ

まず矢作厩舎の特徴といえば、圧倒的な出走回数の多さだ。過去1年(14年5月31日~15年5月24日)の矢作厩舎の出走数は513回。2位の山内厩舎が390で、10位の牧厩舎が350回であることからも、矢作厩舎の出走数が他厩舎よりもずば抜けて多いことがわかる。

より多くの賞金を稼ぎ、効率よく馬房を回転させようという中ででも、リーディングを獲得するほどの成績を残せるのは、調教師、厩舎スタッフが一体となった努力の賜物だろう。

ただ、ファンからすると出走回数が非常に多いため、勝負気配を読み取りにくいことは確か。そこで今回は、これからの夏競馬シーズンを中心に、ファンの参考にできそうなデータをご紹介したい。

ある騎手とのコンビで儲けろ!?

矢作厩舎の騎手起用で注目したいのは、先日美浦から栗東所属に変更となった中谷雄太騎手。実質的には昨年も栗東中心に騎乗しており、特に調教を手伝っている矢作厩舎の馬に騎乗する機会は多い。

しかし原則的には能力の低い馬を依頼することが多く、中でも中央場所には有力騎手がいるため、馬券に絡む機会はほとんどないと言っていい。

その代わりに狙い目となるのがローカル開催だ。ローカル開催は騎手が手薄になる。中谷騎手に有力馬の依頼が来ることも少なくない。ローカル開催において中谷騎手が騎乗した1~6人気の馬の成績は【7-3-2-7】(12年以降)。過去の中谷騎手の成績を鑑みると、この勝率は驚異的であり、夏の北海道シリーズで注目しておきたい。

盤石仕上げのデビュー戦

もう1つ、これからの季節に注目したいデータがある。ダービーが終われば、翌週から始まるのが新馬戦だ。

矢作厩舎は新馬戦の成績が非常に良く、12年以降(13-17-10-59)で勝率13.1%、複勝率40.4%。単勝・複勝回収率ともに100%を超えている。昨年の6月以降で見ても勝率18.8%、複勝率は40%で同じく好成績だ。

効率よく馬房を回転させる、ということは無駄な出走はさせないということ。勝ち上がりが早ければそれだけローテーションにも幅が広がるため、新馬戦からしっかりと仕上げ勝利を狙う。もちろん上位厩舎であれば、素質馬を新馬戦からきっちりと勝利に導くのだが、矢作厩舎は中穴人気の好走も多いため、こうした回収率をはじき出している。

最多勝から、更なる高みへ

昨年、リーディングトレーナーとなった矢作調教師だが、意外にも重賞勝利はゼロ。本人にも悔しい思いはあるだろう。ただ、管理馬を見ると層が薄かったことは否めない。代わりにここまで現3歳世代の勝ち上がり数(地方交流戦除く)は、全調教師中トップの23頭だ。

2月には素質馬リアルスティールが共同通信杯を勝ち、さっそく重賞タイトルを手にした。昨年の最多勝を受けて、今年の2歳馬の馬質がさらに向上することも大いに考えられる。

さらにダービーで好走馬を出せば……評価は揺るぎないものとなるはずだ。

皐月賞のリベンジを果たす意味でも必勝体制で臨むはず。いざ、ダービーへ。矢作厩舎から目が離せない。

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角居勝彦厩舎の苦戦…“世界のSUMII”に何が起こったのか?

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毎年50勝前後の勝ち星を叩き出し、JRA調教師部門で表彰されるのが当たり前だった角居勝彦調教師。通常の年ならもう5月の半ばまでに20勝以上の勝ち星を叩き出している。

しかし5月20日現在、JRAの勝ち鞍はわずか「11」にとどまっている。昨年3位だったリーディング争いで33位と低迷している現状は「思わぬ大苦戦」と言っていいだろう。

ウォッカやヴィクトワールピサ、エピファネイアらを輩出した名門厩舎に何が起こっているのだろか?

現3歳世代の預託辞退

低迷の発端は2013年にさかのぼる。角居調教師は「1歳馬(現3歳世代)の預託を辞退する」と発表したのだ。

JRAが2013年3月までに馬房数を2.5倍まで削減すると発表したことに対する抗議の意味が込められていた。角居調教師の言葉を借りれば「ひとつでも多くの勝利をあげようと取り組んできた積み重ねを否定されるような預託頭数削減に対して何らかの対応を取らざるをえなくなりました」という。

当時、波紋を呼ぶニュースだった。1歳馬の受け入れを辞退するということは何年にもおよび、影響が出る。世代限定のレースに使えないとなると、勝ち鞍の減少が予想される。勝ち鞍が減れば委託される競走馬のレベルは下る。競走馬のレベルが下がればまた勝ち鞍が減る……。そういった負のスパイラルの門をたたくような決断だったわけだ。

宣言を撤回したものの……

その後、角居調教師は考えを改めて数頭の受け入れを行う意向を示した。しかし、受け入れを表明した時点で多くの馬の預託先が決定していた。特に有力馬はほとんど他の強豪厩舎に預けられることになっていた。

結局、交友のあるオーナーらから計12頭を託された。しかし、例年の15〜20頭に比べると少なく、馬質も高くなかった。中にはトーセンビクトリー(母トゥザヴィクトリー)のような良血馬もいたが、全体のレベルは微妙。実際、現3歳世代で2勝以上を挙げている馬は1頭もいない。当然、クラシック路線に乗ることはできなかった。

現3歳世代に“エース”となれる馬がいないというのは、これからの数年にわたり、低迷する可能性があるということだ。角居厩舎の苦悩は、続いていくかもしれない。

現2歳世代には良血馬が多数

ただし、現2歳世代の受け入れは例年通り行っている。そして“エース”となれる可能性がある良血馬も多数預かっている。例えば……

エルプシャフト(牡2)
父ディープインパクト
母ビワハイジ
※半姉ブエナビスタ、半兄アドマイヤジャパンら。全姉ジョワドヴィーヴル

ヴァンキッシュラン(牡2)
父ディープインパクト
母リリーオブザヴァレー
※母は仏GIオペラ賞の勝ち馬

カイザーバル(牝2)
父エンパイアメーカー
母ダンスインザムード
※半兄シャドウダンサー、半姉ダンスファンタジアら

期待せずにはいられない血統の馬たちだ。

果たして“世界のSUMII”は苦境を乗り越えて再びリーディング争いのトップに返り咲けるのか。その命運は現2歳世代が握っていると言っても過言ではない。

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堀厩舎旋風!ドゥラメンテやカフェブリリアントを管理する敏腕調教師の“狙い目”とは?

(C)minafl

堀宣行厩舎の勢いが止まらない。4月に入ると、モーリスが圧倒的な力差でダービー卿チャレンジトロフィーを制し、翌週にはカフェブリリアントで阪神牝馬ステークスに勝利。そしてドゥラメンテが衝撃的な末脚で皐月賞を制したのは記憶に新しい。

4月だけで3つのタイトルを取り、関東リーディング1位、全国リーディングでも2位につける堀厩舎。今回はその成績から読み取れる、厩舎の特徴を探っていく。

狙いは外さない徹底した仕上げ

開業以来重賞35勝。優秀調教師賞を受賞するなど、今や関東をけん引するトレーナーとなっている。そんな堀厩舎の成績を見てまず目につくのが、出走数の少なさだ。

以下は2010年以降の通算勝利数トップ10調教師の出走数である。※5月7日現在

矢作芳人調教師 2497回 231勝(5位)
音無秀孝調教師 1919回 215勝(8位)
角居勝彦調教師 1858回 282勝(1位)
松田博資調教師 1763回 214勝(9位)
池江泰寿調教師 1745回 264勝(2位)
安田隆行調教師 1691回 223勝(6位)
藤沢和雄調教師 1688回 247勝(3位)
国枝栄調教師 1687回 194勝(10位)
藤原英昭調教師 1459回 237勝(4位)
堀宣行調教師 1282回 217勝(7位)

数を使うことで有名な矢作厩舎は例外として、他のトップトレーナーに比べても堀厩舎の出走数は明らかに少ない。

2011年には年間の複勝率5割という驚異的な数字を残した。馬の適性を見極め、無駄なレース選択をせず狙ったレースに向けてきっちり仕上げることが出来るからこその数字だろう。

象徴的だったのは5月3日に行われた東京メイン、オアシスステークスに出走したサトノプライマシーだった。約5カ月の休み明けだったが、5戦3勝と相性の良い東京ダート1600mを使い、6番人気ながら2着ときっちり走らせてきた。

勝率の高さに見る、勝負強さ

リーディング上位に名を連ねながら、出走回数が少ないということは、自ずと勝率の高さも浮かび上がってくる。

今年の勝率は22%で、2位の昆調教師(19%)、3位の木村調教師(19%)に大きな差をつけ全国トップ。

2010年以降の堀厩舎の勝率は……

10年 15%(5位)
11年 20%(1位)
12年 16%(4位)
13年 16%(2位)
14年 16%(2位)

と、抜群の安定感を見せている。カフェブリリアントが象徴的だが、昇級戦や重賞初挑戦、関西への遠征という、なかなか勝ちきることが難しい条件で勝ちきるのはさすがといったところだ。

脅威の複勝率、福永騎手とのコンビ

起用する騎手に偏りがあるのも堀厩舎の特徴で、普段は戸崎圭太騎手、石橋脩騎手の起用が多い。(ただ最近は戸崎騎手への騎乗依頼が減少気味。もっとも、モーリスとのコンビでダービー卿CTを制したように、疎遠となっているわけではない)

重賞において堀厩舎とのコンビ成績が目立つのが福永騎手で、10年以降92回騎乗し(23-12-15-42)と、複勝率は50%超え。サトノクラウンで制した弥生賞、阪神牝馬Sのカフェブリリアントも福永騎手騎乗だった。関西所属の騎手だけに、騎乗するのは限られた機会しかないが、福永騎手に騎乗以来してきたときの堀厩舎の馬には要注意だ。

忘れてはいけないのが外国人騎手とのコンビ。ミルコ・デムーロ騎手とのコンビで皐月賞を制したように、勝負を懸けたレースでは外国人騎手を起用してくる。10年以降、堀厩舎と外国人騎手のコンビは(41-35-15-121)で勝率は19%、複勝率も43%と好成績(M・デムーロ騎手、ルメール騎手の成績も含む)。

今年からJRA所属となったM・デムーロ騎手、ルメール騎手。ともに栗東所属ではあるが、今後堀厩舎との関係がどう変化していくのか注目していきたい。

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