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遂に本格化!良血馬サトノアラジンの未来に期待する4つの理由

(C)arima0208

将来、GIを制すかもしれない素質馬を取り上げる“未来予想図”。第1回で取り上げたモーリスはダービー卿チャレンジトロフィー(GIII/芝1600m)を衝撃的な強さで制しました。

ああいう馬を取り上げていけると、コラムニスト冥利に尽きるというものです。

第2回となる今回は、衝撃的な強さを見せた素質馬を紹介しましょう。

その名は、サトノアラジンです。

サトノアラジンを推す理由① 衝撃的勝利

4月19日に行われた春興ステークス(1600万下/芝1600m)でのパフォーマンスは圧巻でした。

レースは4角1、2番手が残る流れ。そんな中、サトノアラジンは後方に位置取ります。最後の直線、誰もが前残りの結果を予想した時、ただ1頭、後方から猛然と追い込んでくる馬がいました。それが、サトノアラジンだったのです。

記録した上がりは32.7秒。4コーナーで後方にいた人気馬オメガキングティーやサトノネプチューンは下位に沈みました。

13.1-11.8-11.6-11.5-11.4-11.6-11.5-11.7

この一貫したラップを差し切るというのは並大抵のことではありません。

才能がついに開花した。

そう感じられる、圧巻のパフォーマンスでした。

サトノアラジンを推す理由② 注目の素質馬

そもそもサトノアラジンは2歳時から注目されていました。関係者の評価が高く、出走前から「重賞級」ともてはやされていたほどです。

いよいよ迎えた新馬戦では2着に0.6秒差をつける圧勝劇を演じ、東京スポーツ杯2歳ステークスでは1番人気に支持されました。

その頃は大きすぎる期待に実力が追いつかない“過剰人気馬”でしたが、夏辺りから徐々に力をつけだすと、菊花賞で6着に。そして今回の衝撃的な走りへとつながったわけです。

サトノアラジンを推す理由③ GI級の血統背景

では、なぜ2、3歳時は人気に応えられなかったのでしょうか? これは血統を見れば説明がつきます。

全姉のラキシスを見てみましょう。3歳クラシックとは縁がありませんでした。しかし、徐々に力をつけてエリザベス女王杯を制すまでに成長しました。今年の大阪杯では同じディープインパクト産駒のキズナに完勝しています。

つまり、晩成型の一族なのです。

力をつけてしまえば、こっちのもの。全姉がGI馬、母は米GIIの勝ち馬と、重賞戦線で活躍するにふさわしい背景があります。さらにストームキャット系牝馬との配合はディープインパクトの“成功配合”です。キズナやアユサン(桜花賞馬)、ヒラボクディープ(青葉賞馬)といった重賞ウィナーを複数頭出しているんです。

この背景を知ると、期待せずにはいられないのではないでしょうか?

サトノアラジンを推す理由④ 超一流の人間たち

最後に周囲の環境も推奨できる理由です。

・ノーザンファーム生産馬
・池江泰寿厩舎所属

「超エリート」としての待遇が保証されていることが分かります。

変な厩舎に入ってしまい、素質を開花させられない馬も多いです。しかし、サトノアラジンにその心配はいりません。

モーリスとともに新時代のマイル戦線を担え!

先日取り上げたモーリスはGI級の力があると書きました。

サトノアラジンも、同様の素質があると言っても過言ではありません。

近年、マイル戦線は混沌としています。抜けた馬がいないため、いまいち盛り上がりに欠ける印象を受けます。そんなマイル路線に風穴を開けられる存在……。それが、モーリスであり、サトノアラジンではないでしょうか?

準オープンを突破しただけなので大きなことは言えません。安田記念にも出られないでしょう。ですが、秋に行われるマイルGIマイルチャンピオンシップはディープインパクト産駒が得意とするレースです。

秋までに力をつけて、マイル戦線を盛り上げてほしい。

そんな期待をしてしまう、圧巻のパフォーマンスでした。

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ドゥラメンテの血統表=日本競馬の歴史!名牝エアグルーヴやダイナカールの血

(C)Yusuke Tsutaya

超良血馬が衝撃的な勝ち星を挙げた。

牡馬クラシック初戦の皐月賞をキングカメハメハ産駒のドゥラメンテ(牡3)が制した。道中後方から競馬を進めたドゥラメンテは4コーナーで外に膨れるアクシデントがありながら、最後の直線で前の馬たちを一蹴。驚異的な瞬発力で駆け抜け、2着に1馬身半差をつけて優勝した。

なぜ、ドゥラメンテは圧巻のパフォーマンスを披露できたのか? その背景には、“日本近代の結晶”と表現できる“血の歴史”があった。

親子4世代に渡るGI制覇

ドゥラメンテの血統表を見ると、ワクワクする。競馬ファンとして、血統ファンとして、ゾクゾクせずにいられない。

まずは母系を見てみよう。

母アドマイヤグルーヴは牝馬3冠レースですべて1番人気に支持され、エリザベス女王杯を制した。残念ながら2012年10月15日、北海道勇払郡安平町のノーザンファームで死亡したが、ドゥラメンテという“最後の夢”を残してくれたことが日本競馬の財産になったことは間違いない。

母母エアグルーヴは牝馬クラシックでオークスを制すと、古馬となってからは一流の牡馬たちと死闘を繰り広げた。中でもバブルガムフェローを破って優勝した1997年の天皇賞秋は、競馬ファンの心に残るレースの一つだ。

当時は今より牝馬のレベルが低かった。そんな中で17年ぶりに天皇賞秋を制し、トウメイ以来26年ぶりとなるJRAの年度代表馬に輝いたのだから恐れ入る。“歴代最強牝馬”の1頭に数えられる“名牝の域を超えた名馬”だ。

母母母のダイナカールもオークス馬。何より繁殖牝馬として大成功し、日本有数のファミリーラインを築いた。一族からはルーラーシップ(母エアグルーヴ)やオレハマッテルゼ(母カーリーエンジェル)といったGI馬が出ている。

ドゥラメンテのGI制覇の背景には、母アドマイヤグルーヴ、母母エアグルーヴ、母母母ダイナカールという“女傑一家”の名血があったわけだ。

偉大な父たち

母系だけではない。血統表に名前がある父たちも、そうそうたるメンバーだ。

父キングカメハメハは非サンデー系ながら日本ダービーを制し、リーディングサイアーに輝いた。現在も現役屈指の種牡馬として活躍している。

母父サンデーサイレンス(アドマイヤグルーヴの父)はディープインパクトやハーツクライを輩出し、日本競馬に革命を起こした異端児だ。母母父トニービン(エアグルーヴの父)はジャングルポケットらを輩出。サンデーサイレンス、ブライアンズタイムとともに“種牡馬御三家”と呼ばれたほど、現代の競馬に影響を残した種牡馬の1頭だ。

さらに母母母父ノーザンテースト(ダイナカールの父)はサンデーサイレンス登場以前の種牡馬界の主役だった。社台グループの礎を築いた大種牡馬でもある。

この4頭はいずれもリーディングサイアーに輝いた名種牡馬。

つまり、ドゥラメンテは名血中の名血を詰め合わせた超良血馬で、その血統表に“日本競馬の歴史”を見ることができるのだ。

“日本近代競馬の結晶”

良血馬が必ず走るわけでないのが競馬の難しさといえる。事実、アドマイヤグルーヴが残した他の仔たちは重賞を勝つことができなかった。

しかし、良血というのは才能である。

父や母たちの偉大な能力を、血の中に宿している。だからこそ、開花した良血馬は手がつけられないほど走る。

ドゥラメンテは疑いの余地なく才能を開花させた。今後は大目標の日本ダービーが控え、凱旋門賞への挑戦というニュースも飛び込んでいる。“日本近代競馬の結晶”といえるこの馬が、どこまで駆け上がっていくのか。どんな未来を見せてくれるのか。夢は広がっていくばかりだ。

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武豊騎手とエイシンヒカリに“欅の向こう側に置き忘れた夢の続き”を見よう

(C)arima0208

ディープインパクト産駒のエイシンヒカリ(牡4)が、武豊騎手と新コンビを組むことになった。同馬はデビューから5連勝でオープンを突破。アイルランドトロフィーで見せた大逃げは、競馬の枠を超えて世間の注目を集めた。

そんな話題馬と武豊騎手の“出会い”は胸が踊る要素でいっぱいだ。

相性は良さそう

今までエイシンヒカリは岩田康誠騎手、和田竜二騎手、横山典弘騎手とコンビを組んできた。

どの騎手もトップジョッキーのため、パートナーとして悪くはない。ただ、岩田騎手や和田騎手は豪腕が持ち味だ。特に岩田騎手は天性の勝負勘と抜群の判断力で力の劣る馬を何頭も勝たせてきた。昨年のマイルチャンピオンシップ、今年の日経新春杯における“神騎乗”は記憶に新しい。

ただし、豪腕であるがゆえに繊細な逃げ馬に乗った時の成績はあまり芳しくない。(といってもフラットに見れば十分優秀な成績なのだが。“神騎乗”のイメージが強すぎて、逃げ馬に乗った時の印象が薄れているのかもしれない)

一方、武豊騎手は逃げ馬の乗り方を熟知している。今年のフェブラリーステークスではコパノリッキーで逃げ切り勝ちを収めたし、トウケイヘイローとの快進撃も記憶に新しい。体内時計が極めて正確で、武豊騎手が逃げるレースは一貫としたペースになりやすい。

当たりが柔らかくて馬を気持ちよく走らせるタイプの騎手のため、相性は良さそう。うまく行けば、新たな名コンビとしてファンが記憶することになるかもしれない。

欅の先にある夢

何よりこのコンビを見ていると、“ある馬”を思い出してしまう。

競馬ファンなら「武豊騎手+逃げ馬=サイレンススズカ」という図式が頭をよぎるのではないだろうか?

天皇賞秋で散った悲運の名馬は、今なお多くのファンの心に刻まれている。「あのまま走り続けていたらどうなったんだろう?」、「種牡馬になっていたらどんな仔を出したんだろう?」 いまだにそう思わずにはいられない。

エイシンヒカリがサイレンススズカ級だとは言わない。まだまだ一流の逃げ馬とはいえず、人気先行の感が否めない。

ただ、サイレンススズカも最初から強かったわけではない。徐々に力をつけ、初めて重賞を勝ったのは4歳になってからだった。

エイシンヒカリの父は、サイレンススズカの父サンデーサイレンスが生んだ最高傑作ディープインパクト。ファンを魅了する個性的な逃げに鞍上武豊……。

これだけ揃えば、夢を見るには十分ではないだろうか。

1998年11月1日、東京競馬場の欅の向こう側に置き忘れた夢が動き出そうとしている。そんな未来が見られたら、競馬ファンとしてこれ以上、胸躍ることはない。


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