カテゴリー:競走馬コラム

ヌーヴォレコルトがヴィクトリアマイルで危険視される理由とは?

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抜群の安定感、断然の実績、4歳の成長力――。

何をとってもヌーヴォレコルトに死角はないように見える。5月17日に行われるヴィクトリアマイル(GI/芝1600m)の話だ。当サイト独自の人気予想でも断然の1番人気となっている。

しかし、何も不安がないわけではない。例えばヌーヴォレコルトの場合、他ならぬ父がタイトル獲得の妨げになる可能性がある。

父のキャラクター

ハーツクライは実に興味深い競走馬だった。最大のハイライトはなんといっても4歳時にディープインパクトを破った有馬記念だろう。

当時、ディープインパクトはシンボリルドルフ以来、史上2頭目の3冠馬として断然の人気を集めていた。単勝は1.3倍。誰もが“天才”の勝利を疑わなかった。その前に立ちはだかった馬こそ、ハーツクライだった。直線で早めに抜け出すと、ディープインパクトの追撃をおさえてGI初制覇を達成したのだ。

ハーツクライはキャリアを通じて“伏兵”という立場だった。1番人気になったのはデビュー戦と菊花賞のみ。デビュー戦は才能だけで突破できたが、菊花賞は7着に敗れている。

人気に支持された時より伏兵として強敵に臨む時のほうが力を発揮する――。

現役時代から、ハーツクライはそういう競走馬だった。

ハーツクライ産駒の特徴

種牡馬となってからもこの傾向は続いていく。産駒は断然の人気を裏切り、思わぬところで激走する。

ヌーヴォレコルトはまさに絵に描いたようなハーツクライ産駒だ。ハーツクライ産駒の特徴が詰まっている。それは戦績を見れば明らかだ。

桜花賞 5番人気3着
オークス 2番人気1着
ローズステークス 2番人気1着
秋華賞 1番人気2着
エリザベス女王杯 1番人気2着
中山記念 3番人気1着

ご覧のとおり、人気に支持された秋華賞とエリザベス女王杯で取りこぼし、伏兵だったレースはすべて人気以上に走っている。特にオークスでは断然の1番人気ハープスターを破って初の栄冠を勝ち取っている。ハープスターの父はディープインパクト。そう、“父の再現”をしてみせたわけだ。

【次のページ】ヴィクトリアマイルにおけるヌーヴォレコルトの不安要素とは?

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ディアデラマドレとディアデラノビア、悲願のGI制覇を目指す親子の物語

(C)arima0208

母が成し遂げられなかった夢の続き――。

5月17日に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(GI/芝1600m)にディアデラマドレが出走する。初のGI制覇をかけるレースは、GI未勝利に終わった母の無念を晴らす舞台でもある。

ディアデラマドレは母ディアデラノビアにビッグタイトルを捧げられるのか? 今回はそんな親子の物語に迫っていく。

手が届かなかった頂

母ディアデラノビアは父サンデーサイレンス、母ポトリザリスという血統。人気一口馬主クラブ、キャロットクラブで総額は3400万円400口、一口8万5千円で募集された良血馬だ。牝馬の中では高額の部類に入り、期待の高さが伺える。

その想いに応えるように、ディアデラノビアは新馬、2戦目と連勝を飾る。チューリップ賞、フィリーズレビューと惜敗が続き桜花賞に駒を進められなかったものの、オークストライアルのフローラステークスに武豊騎手とのコンビで挑み、上がり最速33秒8の末脚を繰り出して見事勝利を収めた。

初めてのGI挑戦となったオークスでは同じキャロットクラブのシーザリオが断然の人気を集めていた。ディアデラノビアは単勝9倍の3番人気。レースでは鋭い末脚を見せたものの、ライバルの豪脚に屈して3着となった。その後、秋を全休すると古馬になってからもGIでは善戦止まり。結局、引退するまでGIは3着が3回。ビッグタイトルを獲得することなく、現役生活を終え、夢は産駒に託されることになった。

【次のページ】娘に託された夢は実現するのか?

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クラリティスカイの血統・将来性は?NHKマイルカップの覇者を徹底分析

(C)slime

5月10日(日)に東京競馬場で行われたNHKマイルカップは、道中先団の内で脚を溜めた3番人気のクラリティスカイが、逃げるアルビアーノを交わして勝利。未勝利、いちょうSで2戦連続レコード勝ちを収め、稍重の朝日杯FSでも3着、皐月賞でも逃げて5着と好走した実力馬が、念願のGⅠタイトルを手にした。

クラリティスカイの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。

マイル重賞血統

クラリティスカイは父クロフネ、母タイキクライティ、その父スペシャルウィークという血統。クロフネ産駒の平地GⅠ勝利は、12年ヴィクトリアマイルのホエールキャプチャ以来5頭目で、牡馬に限ると05年朝日杯FSのフサイチリシャール以来2頭目となった。

クラリティスカイは母タイキクラリティの3番仔で、半兄クラリティシチー(父キングカメハメハ)が昨年のラジオNIKKEI賞を制している。祖母タイキダイヤは1200mのGⅢクリスタルカップを制し、京都牝馬ステークスや当時1600mの阪神牝馬ステークスで2着した快速牝馬。その半兄は第1回NHKマイルカップを制したタイキフォーチュンであり、奇しくも第20回の節目を迎えた今年、その近親馬であるクラリティスカイが勝利を飾ることとなった。02年ニュージーランドトロフィー勝ち馬タイキリアンもその弟で、マイル重賞に対して高水準の適性を持つ母系であると言える。

クロフネ産駒の牡馬はこれまで芝の重賞を6勝しているが、全て1000mから1800m。父、母系、兄の戦績からこの馬自身も今後はマイル路線を歩む可能性が高い。戦歴で示しているように、高速決着に強いタイプながら、タフな馬場にも対応できることは大きな強みだ。

課題は成長力

不安要素は、ここからの成長曲線に疑問符がつく血統であることで、先に挙げた近親タイキフォーチュン、タイキリアンはともに3歳時に重賞を勝ちながらその後重賞タイトルに手が届かなかった。前者はNHKマイルカップ勝利後一度も馬券に絡めず、後者は入障した後地方に転出している。サイヤーラインをつなぐことが出来るかが怪しくなってきていたクロフネの産駒だけに、今後の無事と更なる活躍に期待したい。

【文】=競馬TIMES編集部血統分析班

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サトノラーゼンの血統・将来性は?京都新聞杯の覇者を徹底分析

(C)Y.Noda

9日に京都競馬場で行われた京都新聞杯(GII/芝2200m)は、好位から先に抜け出したサトノラーゼンが、ポルトドートウィユなどの猛追を抑え勝利。前走はなみずき賞に続く連勝で重賞タイトルを手にし、ダービーへの切符を手にした。

サトノラーゼンの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。

ディープ×ロベルト初の重賞制覇

サトノラーゼンは父ディープインパクト、母トゥーピー、その父インティカブという血統。ディープインパクト産駒による京都新聞杯制覇は、13年のキズナ以来2年ぶりで、12年のトーセンホマレボシと合わせて3勝目となった。前述の2頭はそれぞれ、ダービーで1着、3着と結果を残しており、本馬にも期待がかかる。

英国産の母トゥーピーは、1100mで争われる仏2歳GⅢアランベール賞を制し、仏1000ギニー(日本の桜花賞に相当)で2着した馬だ。その父インティカブは米国産馬で、GⅠ勝ちこそないもののエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーなどを輩出した。インティカブの祖父はロベルトであり、母父ロベルト系あるいは母母父ロベルト系のディープインパクト産駒による重賞勝ちは初となった。

母父ロベルト系のディープインパクト産駒は出世馬が少なく、主な産駒としては昨年の七夕賞2着馬のニューダイナスティが挙げられる。サトノラーゼンと共通するのが、キレないディープであるということ。消耗戦となった七夕賞で2着したように、一般的なディープ産駒とは適性の異なるニューダイナスティだが、ラーゼンもここまでのキャリア9戦で1度も上がり最速を記録したことがない馬。ダービーではキレ負けしてしまう可能性が高く、前半で前目のポジションを取らなければ厳しい戦いになるだろう。

将来的にはローカルで?

総合的に判断すると、3歳クラシック戦以降、将来的にはサマー2000シリーズなど、ローカル重賞での活躍が中心になるのではないか。母母父が福島芝に好相性のニジンスキー系カーリアンということを鑑みても、持続力寄りにシフトした血統であり、福島記念や七夕賞に出ることがあれば要注目だ。

【文】=競馬TIMES編集部血統分析班

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ダコールの血統・今後の展望は?新潟大賞典の覇者を徹底分析

(C)slime

10日に新潟競馬場で行われた新潟大賞典(GIII/芝2000m)は、5番人気のダコールが残り200m過ぎで馬群から抜け出し快勝した。15度目の重賞挑戦にして、念願の初タイトルとなった。

ダコールの血統背景はどんなものなのだろうか? 今後の展望を含めて徹底分析を行っていこう。

血統背景

ダコールは父ディープインパクト、母アジアンミーティア、その父アンブライドルドという血統。ディープインパクト産駒による新潟大賞典制覇は、13年パッションダンス以来で2頭目だ。

母のアジアンミーティアは、米国で種牡馬として成功を収めたアンブライドルズソングの全妹という良血である。日本では父として11年エンプレス杯勝ちや同年ジャパンカップダート4着のラヴェリータや、02年NHKマイルカップ2着のアグネスソニックなどを輩出している。日本では母父として優秀で、昨年の菊花賞馬トーホウジャッカル、朝日杯フューチュリティステークス馬ダノンプラチナが同母父である。

また、父ディープインパクト、母父アンブライドという配合からはダノンバラードが出ており、今後も父ディープインパクト、母父アンブライドルド系という配合には注目したいところだ。

一皮むけた?本格化の気配も

ダコール自身は、道悪が苦手と言われながら出走数に雨が降ることの多かった不運な馬だが、このところは重馬場の小倉大賞典3着など、力の要る馬場でも我慢して走れるようになってきた。今回は待望の良馬場で、2年前に3着した新潟大賞典出走。鞍上の好騎乗もあり重賞タイトルを手にすることができた。

今後は、ハンデ戦の重賞だと斤量を背負うことになるが、57.5キロを背負って準オープンを圧勝していることから、いきなり斤量する負けすることはなさそう。また、先述したように重い馬場でも力を発揮できるようになってきているので、道悪でも軽視はできない。ここまで勝ちきれなった馬が、今回強い勝ち方を見せただけに馬が一皮むけた可能性もある。今後のレース振りには注目していきたいところだ。

【文】=競馬TIMES編集部血統分析班

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