カテゴリー:血統・種牡馬コラム

牝系で見る天皇賞春!キズナやゴールドシップとつながっている馬とは?

(C) Ogiyoshisan

今年で第151回となる伝統の天皇賞春。歴史あるレースということで、今回は3つの「牝系(繁殖牝馬の家系)」にスポットを当て、出走馬を見ていくことにしよう。

近年は外国のセリで繁殖牝馬を購入し、その仔が活躍するケースが目立つ。しかし、昔から日本にある血統の活躍も見逃せない。外国から買ってきた繁殖牝馬が生んだ仔も、日本的な血を持つ繁殖牝馬が生んだ仔も同じ「日本産馬」となるが、後者がビッグレースを勝つ方と競馬ファンとして感慨深い思いになるし、“ドラマ”を感じる。

そんな日本的な血統を持つ馬たちとは?

パシフィックプリンセス(ラストインパクトの3代母、キズナの2代母)

1990年に早田牧場がパシフィックプリンセスの仔、パシフィカスという繁殖牝馬を輸入すると、その産駒たち(ナリタブライアン、ビワハヤヒデ等)が大活躍し、パシフィックプリンセスの仔が繁殖牝馬として多く輸入されるようになった。

ラストインパクトはパシフィカスの仔、スペリオルパールの仔である。また、同じくパシフィックプリンセスの仔であるキャットクイルの仔がキズナだ(キャットクイルは牝馬2冠馬ファレノプシスを産んだ15年後にキズナを産んでいるのだから、素晴らしい繁殖牝馬だ)。

つまり、今回有力視されているラストインパクトとキズナは同じパシフィックプリンセスという馬を近い祖先に持っているのだ。

星旗(ゴールドシップ、ホッコーブレーヴの8代母)

1926年から32年にかけて日本で軍馬生産を目指し、宮内庁の下総御料牧場が繁殖牝馬を輸入した。その繁殖牝馬には「星」という漢字が入れられて名付けられた。その1頭が星旗だ。星旗が輸入されたのは今から84年前の1931年。ダービー馬クモハタやハクチカラを輩出している牝系で、近年の代表的な活躍馬がゴールドシップだ。今年の天皇賞にはホッコーブレーヴも出走し、星旗系からは2頭出しとなる。84年間、日本で大事につないできた血統が天皇賞の舞台を駆け抜けるというのは感慨深い。

ロイヤルサッシュ(フェイムゲームの4代母、タマモベストプレイの3代母)

そして日本の血統の話をするからにはロイヤルサッシュに触れないわけにはいかない。社台ファームに輸入されたロイヤルサッシュは、ディクタスという種牡馬と相性が良く、天皇賞とつながりの深いサッカーボーイやステイゴールドといった名馬を輩出している。最近はこの血を持つスノードラゴンやショウナンパンドラが昨年G1を制した。今年の京成杯を制したベルーフもこの一族だ。今、最も勢いのある牝系の一つといって良いだろう。天皇賞にはフェイムゲームとタマモベストプレイの2頭が出走する。牝系の勢いに乗って好走する可能性も十分にあるはずだ。

今回は3つの牝系を紹介したが、競馬はブラッドスポーツと呼ばれるようにどの馬にもそれぞれの血統がある。天皇賞は血脈に思いを馳せてレースを観てみてはいかがだろうか。

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悲運の名馬アグネスタキオンが産駒全世代で重賞制覇を達成!活躍を振り返る

代表産駒の1頭ディープスカイ (C)Yusuke Tsutaya

アグネスタキオンが快挙を成し遂げた。

26日に行われたマイラーズカップ(GII/京都芝外回り1600m)をレッドアリオン(牡5)が制した。これで2003年の初年度産駒から数えて6世代連続で重賞を制覇。アグネスタキオンは2009年に死去し、レッドアリオンの世代がラストクロップになることから、すべての世代から重賞ウィナーが出たことになる。

今回は“悲運の名馬”アグネスタキオンの残した足跡を振り返ってみよう。

幻の3冠馬

アグネスタキオンの“悲運の歴史”は現役時代から始まった。

兄にダービー馬アグネスフライトを持つ良血馬はデビュー戦を快勝すると、迎えたラジオたんぱ杯3歳ステークスでジャングルポケットやクロフネといった後のGI馬を完封。“事実上の世代最強馬”となった。3歳になってからも勢いは衰えず、弥生賞を勝って迎えた皐月賞でダンツフレームらを抑えてGI制覇を達成。「3冠濃厚」、「サンデーサイレンスの最高傑作」といった賛辞が紙面を飾った。

しかし、大一番を控えた5月2日に左前浅屈腱炎を発症。引退を余儀なくされた。後のダービー馬ジャングルポケットやNHKマイルカップの覇者クロフネに完勝していたことから「幻の3冠馬」と呼ばれることになった。

種牡馬としての成功

惜しまれつつ引退したアグネスタキオンは種牡馬として大成功を収める。初年度産駒のロジックがNHKマイルカップを制してGI種牡馬の仲間入りを果たすと、2年目には“女傑”ダイワスカーレットを輩出。そして3世代目からダービー馬のディープスカイが出た。

産駒たちは“超高速の粒子”と呼ばれるほどの類まれなスピードを父から受け継ぎ、次々にビッグタイトルを獲得した。結局、4月28日現在までにGI馬は6頭、GI勝利数は10勝、重賞馬は29頭、重賞タイトルは52に上っている。

ネックとなった体質の弱さ

ただし、残念ながら父と同じで体質が弱い産駒が多かった。ダイワスカーレットやディープスカイといった代表産駒をはじめ、故障により引退を余儀なくされた馬は多かった。GI級のポテンシャルを持ちながら、その才能を発揮せずにターフを去った馬もいたはずだ。

誰が言い出したか、“ポキオン”(すぐに「ポキッ」と骨折するため)という不名誉なあだ名がついてしまったほど。体質の弱さが産駒の活躍の幅を狭めてしまった。自身が早すぎる死をとげた背景にも、体質的な問題があったと推測される。

「故障による引退」、「産駒のケガの多さ」、「自信の急死」と度重なる突然の不幸に見舞われることで“悲運の名馬”という印象が強くなっていったわけだ。

産駒の活躍を振り返ろう

ただ、だからといってアグネスタキオンが残した功績が色褪せることはない。

競馬界に数々の足跡を残したし、間違いなく一時代を築いた。ディープスカイやキャプテントゥーレが種牡馬となり、牝系ではダイワスカーレットやレーヴディソールらが大物を出してくれるはずだ。アグネスタキオンのスピードを存分に受け継いだ快速馬が出ることを祈りたい。

最後にアグネスタキオンが残した代表産駒たちを記し、コラムの締めとさせていただく。

GI馬

2003年産(初年度産駒) ※馬名(主な勝ち鞍)
ロジック(NHKマイルカップ)

2004年産
ダイワスカーレット(有馬記念、桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、大阪杯、ローズステークス)

2005年産
ディープスカイ(東京優駿、NHKマイルカップ、神戸新聞杯、毎日杯)
キャプテントゥーレ(皐月賞、朝日チャレンジカップ 2回、デイリー杯2歳ステークス)
リトルアマポーラ(エリザベス女王杯、愛知杯、クイーンカップ)

2008年産
レーヴディソール(阪神ジュベナイルフィリーズ、チューリップ賞、デイリー杯2歳ステークス)

重賞馬

2003年産
ランザローテ(プロキオンステークス)
ショウナンタキオン(新潟2歳ステークス)

2004年産
アドマイヤオーラ(京都記念、弥生賞、シンザン記念)
ショウナンタレント(フラワーカップ)
マイネカンナ(福島牝馬ステークス)

2005年産
アドマイヤコマンド(青葉賞)
ダイワワイルドボア(セントライト記念)
コパノジングー(目黒記念)
レインボーペガサス(関屋記念、きさらぎ賞)

2006年産
ブロードストリート(ローズステークス)
アイアムカミノマゴ(阪神牝馬ステークス)
ジェルミナル(フェアリーステークス)
ヒカルアマランサス(京都牝馬ステークス)

2007年産
リディル(スワンステークス、デイリー杯2歳ステークス)
サンライズプリンス(ニュージーランドトロフィー)
クォークスター(セントライト記念)

2008年産
レッドデイヴィス(シンザン記念、毎日杯、鳴尾記念)
ノーザンリバー(アーリントンカップ、カペラステークス、東京スプリント、さきたま杯、東京盃)
アイアムアクトレス(ユニコーンステークス)

2009年産
グランデッツァ(スプリングステークス、札幌2歳ステークス)
オメガハートランド(フラワーカップ)
オースミイチバン(兵庫チャンピオンシップ、ダイオライト記念)
レッドクラウディア(クイーン賞)
サウンドオブハート(阪神牝馬ステークス)

2010年産
レッドアリオン(マイラーズカップ)

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影の最強種牡馬ブラックタイド!ディープインパクトの兄は脇役じゃない

(C)Minafl

どの世界でも“天才”を兄弟に持った者は苦労する。

浅田真央さんを妹に持った浅田舞さんは「グレてしまった」(本人談。詳しくは『しくじり先生』をご覧あれ)ようだし、後藤真希さんを姉に持った祐樹さんもまぁすごいグレようだ。

今の種牡馬界における“兄弟格差”といえばディープインパクトとブラックタイドを思い浮かべるのではないだろうか? ディープインパクトは無敗の3冠馬であり、GI7勝馬だ。対するブラックタイドは地味な現役生活を送り、弟の活躍によって種牡馬としてそこそこやっていけている、といった印象が一般的かと思う。

しかし、浅田舞さんがグラビアで取り上げられて写真集がバカ売れするほどの美貌の持ち主であるように、ブラックタイドもまた兄の影に隠れて異彩を放っている。今回はそんな偉大な弟を持つ兄にスポットを当ててみたい。

現役屈指の実力種牡馬

まずはブラックタイドの成績を見てほしい。

種牡馬の成績を見る上で有効な方法は以下のとおりだ。

・前走5位以内
・今走5番人気以内

この条件に合致する馬を集計する。前走で5着以内に入っているということは一定以上の実力があるということだ。かつ、今走でもある程度人気に支持されているなら、前走がフロックでない可能性が高い。(前走5着以内なのに二桁人気というのは、フロックの可能性大のため、集計に入れない)

この基準で2015年のブラックタイド産駒の成績(芝レース)を集計してみると……

全成績(7―6―5―9)
勝率26%(3位)
複勝率67%(1位)
単勝回収値164(1位)
複勝回収値146(1位)
※()内は20頭以上出走している種牡馬と比較した順位

いかがだろうか? 驚異的な成績であることが分かる。これは下級条件ばかりの成績ではない。ここ1年くらいを振り返ってみると、オープンや重賞でも活躍馬を出している。

キタサンブラック
皐月賞3着、スプリングS1着

マイネルフロスト
福島民報杯1着、中山記念、AJCC4着

タガノエスプレッソ
デイリー杯2歳S1着、弥生賞3着

コメート
ホープフルS2着

ディープインパクトの産駒より地味で人気にならない。しかし、種牡馬としては弟に勝るとも劣らない能力を持っている。この成績を見れば、この事実に疑いの余地はないのではないだろうか?

競走馬の成績=種牡馬の能力ではない

ではなぜ、ブラックタイドは種牡馬として成功できたのか?

ここで強調したいのは、競馬が「ブラッド・スポーツ」だということだ。血統が良ければ、どんな馬も成功する可能性を秘めている。ブラックタイドの場合……

父サンデーサイレンス
米2冠馬。種牡馬として大成功

母ウインドインハーヘア
独GI馬。近親にGI馬が多数

全弟ディープインパクト
無敗の3冠馬。GI7勝

こういった血統背景を持っている。種牡馬として成功するポテンシャルはあったわけだ。

たとえ競走成績が振るわなかったとしても種牡馬として成功した例は数多くある。例えば大種牡馬ミスタープロスペクターは競走馬時代、重賞をひとつも勝てなかった。しかし、今や世界中にその血を広げて系統を確立するほどの活躍を見せている。

反対に(あえて名前は出さないが)競走馬として大成功しても種牡馬として活躍できなかった馬はたくさんいる。「名選手、名監督にあらず」ではないが、「名馬、名種牡馬にあらず」といえるのだ。

ブラックタイドは競走馬として成功できなかった。しかし、良血を伝える遺伝力は、誰よりも優れていたということだ。

ブラックタイド産駒は買い!

馬主の方や馬券を買うファンの方はブラックタイド産駒に注目してみてほしい。

父がクラシックホースというのは値段が上がりやすい。ディープインパクトやキングカメハメハの産駒は億単位になることも珍しくない。しかし、ブラックタイドはリーディング上位の種牡馬に勝るとも劣らない力を持っている。安く買えるが強い。そんな“お買い得な馬”がブラックタイド産駒には多い。

馬券的な観点から見ても、「実力はあるのに人気にならない馬」というのは実においしい。

重要なのは競走馬時代の成績ではない。種牡馬としての成績をしっかりと評価してほしい。

偉大な弟に隠れた“最強種牡馬”ブラックタイドの今後に期待だ。

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苦境に立つダンスインザダーク…2015年は芝でわずか1勝

(C)Slime

ダンスインザダークが苦境に立たされている。

サンデーサイレンスの後継種牡馬として、長年に渡り活躍し、かつて種牡馬リーディングで2位を獲得した。しかし、近年はディープインパクトやハーツクライの登場、自身の高齢化に伴う産駒の減少があって勝ち鞍は激減。2013年はリーディング22位、2014年は26位、そして2015年は4月19日終了時点で47位、芝ではわずか1勝と苦戦している。

なぜ、ダンスインザダークは“落丁”してしまったのか? 今回は改めてダンスインザダークの栄光と現状を見ていきたい。

輝かしい実績

日本ダービー2着、菊花賞制覇という実績を残したダンスインザダークは、屈腱炎を発症して引退。全姉ダンスパートナーがオークスを制し、半兄エアダブリンもダービー2着、菊花賞や宝塚記念で3着と活躍していたことから、種牡馬として期待された。

当初は期待通り、産駒たちが勝ち星を積み上げた。種牡馬入り3シーズン目にしてリーディングトップ10入りを果たし、2004年には自身最高となる2位にまで上り詰めた。2003年から2009年まで常に4位以内をキープし、種牡馬としての地位を確立した。

この間、ツルマルボーイが安田記念を制し、ザッツザプレンティ、デルタブルース、スリーロールスが菊花賞で優勝。4頭のGI馬を出している。

しかし、徐々に雲行きが怪しくなった。2010年に11位に陥落すると、以降は順位を下げ続けている。

軽視される長距離馬

ダンスインザダークの評価が下がってきた背景には「長距離馬の軽視」がある。

自身が菊花賞馬のダンスインザダークは、種牡馬としても長距離馬を出した。菊花賞では3勝していて、デルタブルースに至っては豪GIメルボルンカップを勝っている。

しかし、近年は長距離レースが軽視され、中距離やマイルに比重が置かれている。そうなると、ダンスインザダークの価値は上がらない。ダークシャドウ(天皇賞秋2着)やダノンヨーヨー(マイルチャンピオンシップ2着)を出しているとはいえ、1600〜2400mのGIウィナーはツルマルボーイのみ。皐月賞と日本ダービー、古馬の中距離GIとは全く縁がない。

そうなると、“淘汰”されていくのも自然の成り行きと言わざるを得ない。

2015年の芝勝ち鞍は1つだけ

ディープインパクトやハーツクライ、アグネスタキオンといった“クラシック血統”の種牡馬たちが登場するごとにダンスインザダークは苦しい立場に追いやられてきた。そして遂に2015年の芝の勝ち鞍は1つだけという状況になっている。

今年で22歳。高齢になり、繁殖牝馬の質が落ちている現状では巻き返すのはなかなか難しい。

ただ、個人的にはこういう個性的な種牡馬がいるのはいいと思う。

勝ちきれなかったとしても馬券を買う上でポイントとなる種牡馬だし、ダイワダーウィンのような将来を期待できる馬もいる。現状、芝で1勝、ダートで2勝と苦しい成績だが、巻き返しを期待したいところだ。

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ドゥラメンテの血統表=日本競馬の歴史!名牝エアグルーヴやダイナカールの血

(C)Yusuke Tsutaya

超良血馬が衝撃的な勝ち星を挙げた。

牡馬クラシック初戦の皐月賞をキングカメハメハ産駒のドゥラメンテ(牡3)が制した。道中後方から競馬を進めたドゥラメンテは4コーナーで外に膨れるアクシデントがありながら、最後の直線で前の馬たちを一蹴。驚異的な瞬発力で駆け抜け、2着に1馬身半差をつけて優勝した。

なぜ、ドゥラメンテは圧巻のパフォーマンスを披露できたのか? その背景には、“日本近代の結晶”と表現できる“血の歴史”があった。

親子4世代に渡るGI制覇

ドゥラメンテの血統表を見ると、ワクワクする。競馬ファンとして、血統ファンとして、ゾクゾクせずにいられない。

まずは母系を見てみよう。

母アドマイヤグルーヴは牝馬3冠レースですべて1番人気に支持され、エリザベス女王杯を制した。残念ながら2012年10月15日、北海道勇払郡安平町のノーザンファームで死亡したが、ドゥラメンテという“最後の夢”を残してくれたことが日本競馬の財産になったことは間違いない。

母母エアグルーヴは牝馬クラシックでオークスを制すと、古馬となってからは一流の牡馬たちと死闘を繰り広げた。中でもバブルガムフェローを破って優勝した1997年の天皇賞秋は、競馬ファンの心に残るレースの一つだ。

当時は今より牝馬のレベルが低かった。そんな中で17年ぶりに天皇賞秋を制し、トウメイ以来26年ぶりとなるJRAの年度代表馬に輝いたのだから恐れ入る。“歴代最強牝馬”の1頭に数えられる“名牝の域を超えた名馬”だ。

母母母のダイナカールもオークス馬。何より繁殖牝馬として大成功し、日本有数のファミリーラインを築いた。一族からはルーラーシップ(母エアグルーヴ)やオレハマッテルゼ(母カーリーエンジェル)といったGI馬が出ている。

ドゥラメンテのGI制覇の背景には、母アドマイヤグルーヴ、母母エアグルーヴ、母母母ダイナカールという“女傑一家”の名血があったわけだ。

偉大な父たち

母系だけではない。血統表に名前がある父たちも、そうそうたるメンバーだ。

父キングカメハメハは非サンデー系ながら日本ダービーを制し、リーディングサイアーに輝いた。現在も現役屈指の種牡馬として活躍している。

母父サンデーサイレンス(アドマイヤグルーヴの父)はディープインパクトやハーツクライを輩出し、日本競馬に革命を起こした異端児だ。母母父トニービン(エアグルーヴの父)はジャングルポケットらを輩出。サンデーサイレンス、ブライアンズタイムとともに“種牡馬御三家”と呼ばれたほど、現代の競馬に影響を残した種牡馬の1頭だ。

さらに母母母父ノーザンテースト(ダイナカールの父)はサンデーサイレンス登場以前の種牡馬界の主役だった。社台グループの礎を築いた大種牡馬でもある。

この4頭はいずれもリーディングサイアーに輝いた名種牡馬。

つまり、ドゥラメンテは名血中の名血を詰め合わせた超良血馬で、その血統表に“日本競馬の歴史”を見ることができるのだ。

“日本近代競馬の結晶”

良血馬が必ず走るわけでないのが競馬の難しさといえる。事実、アドマイヤグルーヴが残した他の仔たちは重賞を勝つことができなかった。

しかし、良血というのは才能である。

父や母たちの偉大な能力を、血の中に宿している。だからこそ、開花した良血馬は手がつけられないほど走る。

ドゥラメンテは疑いの余地なく才能を開花させた。今後は大目標の日本ダービーが控え、凱旋門賞への挑戦というニュースも飛び込んでいる。“日本近代競馬の結晶”といえるこの馬が、どこまで駆け上がっていくのか。どんな未来を見せてくれるのか。夢は広がっていくばかりだ。

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