カテゴリー:血統・種牡馬コラム

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2014年に史上3頭目の天皇賞春連覇を達成したフェノーメノ。今年は史上初となる3連覇に向けて期待が高まったが、追い切りの際に繋靭帯炎を発症して出走を断念。そのまま引退することになった。

GI2勝の実績が評価されて社台スタリオンステーションで種牡馬入りが決まり、新たな馬生を歩むことになる。

では、フェノーメノは種牡馬として成功できるのだろうか? 種馬としての可能性を検証していこう。

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

ステイゴールド
ディラローシェ
母の父Danehill
母の母SeaPort
性別
馬齢6歳
生年月日2009年4月20日
毛色青鹿毛
馬主(有)サンデーレーシング
調教師戸田博文(美浦)
生産牧場追分ファーム
産地平取町
馬名意味超常現象、怪物(ポルトガル語)

賞金

総賞金629,108,000
内付加賞22,908,000
収得賞金(平地)172,750,000
収得賞金(障害)0

種牡馬フェノーメノ徹底分析

熾烈を極めるステイゴールド産駒の種牡馬事情

実はステイゴールド産駒はディープインパクト産駒に勝るとも劣らない競争率となっている。

まず3冠馬でGI6勝のオルフェーヴルが思い出される。凱旋門賞で2年連続2着となったり、阪神大賞典で暴走したりと、人気と実力を兼ね揃えた最強後継種牡馬であることは間違いない。

ただし、彼だけではない。その全兄で2009年の春秋グランプリを連覇したドリームジャーニー、2010年に宝塚記念を制して凱旋門賞で2着となったナカヤマフェスタなどが既に種牡馬入りを果たしている。

さらに現役にはGI6勝のゴールドシップがいて、引退後は種牡馬入りが確実視されている。

まさにステイゴールド産駒の“大渋滞”が巻き起こっているわけだ。

長距離GI2勝というパンチ力不足

オルフェーヴルやゴールドシップに比べてキャリアのパンチ力に欠けていることも、フェノーメノにとってネガティブなポイントだ。

現代の馬作りでは「クラシックディスタンスで結果を出せるかどうか」が重視されている。すべてのホースマンが目指す日本ダービーや、日本における最高賞金レースであるジャパンカップはどちらも芝2400mだ。

年間で4レースしか行われない3000m以上の重賞ウィナーより、2000〜2400mで勝った馬が重視されるのは当然の流れといえる。実際、長距離GIは軽視されがちで、デルタブルース(菊花賞馬)やマイネルキッツ(天皇賞春馬)らは種牡馬入りすらできなかった。

フェノーメノのGI勝ち鞍は天皇賞春の連覇のみ。どうしても見劣ってしまうのだ。

天下の社台スタリオンステーションで種牡馬入りという光脈

もっとも、ポジティブな要素もある。種牡馬入りするスタッドが社台スタリオンステーションという点だ。

社台スタリオンステーションといえば競馬界の誇る最高の種牡馬が管理される施設である。ディープインパクトやキングカメハメハ、ハーツクライといった名だたる種牡馬がズラリ。

となれば、良質の繁殖牝馬が種付けに訪れることは言うまでもない。ライバルが多いとはいえ、社台スタリオンステーションに種牡馬入りしたということは「大きな期待の表れ」といっていい。

フェノーメノのGI勝利は天皇賞春の2回のみと書いたが、天皇賞秋やダービーで2着になるなど、中距離でも結果を残していた。その点が評価されて種牡馬入りしたのだとしたら、社台グループが保有する良血牝馬と交配する可能性も十分にある。そうなれば、成功への道を歩むこともできるはずだ。

差別化できる血統

血統面も他のステイゴールド産駒たちと大きな違いがある。オルフェーヴルやゴールドシップ、ドリームジャーニーはいずれも母父がメジロマックイーンだ。この配合はいわゆるステイゴールド産駒の黄金配合である。ただ言い換えると、同じような配合の馬が“飽和状態”とも表現できる。

極端な話、ステイゴールド×メジロマックイーンの配合馬が種牡馬として成功できないとわかった場合、他の配合馬にチャンスが巡ってくる可能性はある。

フェノーメノは母父デインヒルと、上記の3頭とは一線を介している。母の半兄がジャパンカップ2着のIndigenousというのも血統レベルの高さを感じさせる。

血統が良いというのは才能だ。良血馬でなければ大レースで勝てる可能性は格段に低くなる。そういう意味でフェノーメノは種牡馬として活躍できるだけのポテンシャルを秘めた血統といえる。

輝き続けるフェノーメノから受け継がれる血

今は亡きステイゴールドの血が産駒たちによって未来に繋がれているという状況は大変喜ばしいことだ。

ただし、フェノーメノが種牡馬として成功するためには強力なライバルたちに勝たなければならない。決して簡単なミッションではないだろう。

もっとも、成功できる可能性が限りなくゼロに近い、というわけではない。彼は父が果たせなかった社台スタリオンステーションでの種牡馬入りという難しいミッションをクリアした。チャンスを得たわけだから、成功の可能性は高まったといえる。

“怪物”として親しまれた天皇賞馬は種牡馬としても称賛を勝ち取れるのか。注目してみていきたい。

全競走成績・結果

日付レース名着順人気
150328日経賞G22
141228有馬記念G1106
141130JCG19
141102天皇賞秋G1143
140504天皇賞春G14
140329日経賞G22
130623宝塚記念G13
130428天皇賞春G12
130323日経賞G21
121125JCG14
121028天皇賞秋G11
120917セントラG21
120527東京優駿G15
120428青葉賞G21
120304弥生賞G22
120129500万下*2
111225ホープフ1
111030新馬4

集計期間:2011.10.30 ~ 2015. 3.28

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“隠れダート馬”ハーツクライ産駒が熱い!芝種牡馬なのに砂が得意!?


ハーツクライといえばディープインパクトを破った芝の名馬だ。種牡馬となってからジャスタウェイやワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルトといった芝のGI馬を輩出している。

しかし最近、ダートで激走する産駒が増えている。

今回は“隠れダート種牡馬”ハーツクライに迫っていこう。

ダートランキングにおける異色の存在

まずは2015年の種牡馬別ダート勝ち鞍ランキングを見てみることにしよう。(※5月22日現在)

1位 キングカメハメハ(54勝)
2位 クロフネ(33勝)
3位 ゴールドアリュール(32勝)
4位 ハーツクライ(27勝)
5位 サウスヴィグラス(23勝)

上位の種牡馬を見ると、ハーツクライが異色の存在だということが分かる。

まずキングカメハメハはダービー馬とはいえ、もともとダートが得意なミスプロの系統だ。

クロフネやゴールドアリュールはご存知の通り、現役時代にダートGIを勝った“ダート王”。サウスヴィグラスにしてもダートで活躍し、産駒はほとんどがダートを主戦場としている。

一方、ハーツクライは芝血統のサンデーサイレンス系だ。現役時代は芝のGI有馬記念とドバイシーマクラシックを勝った。種牡馬としてはヌーヴォレコルト(オークス馬)やワンアンドオンリー(ダービー馬)を輩出。なんといっても代表産駒は世界ナンバーワンの芝馬ジャスタウェイだ。

明らかに芝馬の背景を持っている。にもかかわらず、ダートでこれだけの白星を挙げているのだから驚きだ。

ズブ目のサンデー系はダートで走る!?

ハーツクライ産駒はディープインパクト産駒らに比べてややズブい面を持っている。言い換えるとスパッとした切れ味より、長くいい脚を使う能力を持っている。持続力が優れているわけだ。

そういうサンデー系はダートで走る傾向にある。例えば思い浮かぶのがスペシャルウィークだ。

スペシャルウィークは長くいい脚を使うタイプだった。特に産駒はズブい面を持っているため、なかなか重賞を勝ち切ることができない。

芝の大物はブエナビスタやシーザリオのように、瞬発力に秀でた牝馬がほとんど。牡馬で芝のGI馬を勝ったのはトーホウジャッカルのみ。そのトーホウジャッカルにしても勝ったGIは3000mの菊花賞だ。瞬発力よりスタミナや持続力を要求されるレースで勝っていることになる。

一方でダートではこのズブさが生きる。牡馬の芝馬が苦戦する中、ゴルトブリッツが帝王賞を制すと、ローマンレジェンドが東京大賞典を勝ち、GI戦線で活躍し続けている。

スペシャルウィークとの共通点

さらにスペシャルウィークと似ている点がある。両産駒ともに芝で勝ち切れないシーンが目立つこと、そして打開策としてダートに転向する馬が増えていることだ。

芝で稼ぐことができないのであればダートに転向するのは普通のこと。たとえ芝種牡馬のハーツクライであっても例外ではない。

実際、ハーツクライ産駒の2014年開催は134勝のうち、芝で86勝を、ダートで48勝を挙げている。一方、2015年は5月22日現在の段階で53勝のうち、芝で26勝、ダートで27勝と逆転現象が起きている。

そう考えると“ある仮説”を立てたくなる。スペシャルウィークはローマンレジェンドらを輩出した。となるとハーツクライからもダートの大物が出る可能性があるのではないか。

なかなか芝種牡馬からダートの大物は出ないが、「ハーツクライなら」と思わせてくれる戦績を残している。また、生産者や調教師の間でもハーツクライ産駒に対する理解が進んでいる。ダート適性の高いハーツクライ産駒を早い段階で見極めることができれば、近い将来、“大物”が誕生する可能性は十分にありそうだ。

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ハービンジャーは失敗種牡馬なのか?伸び悩む産駒たちと今後への期待


競馬界に衝撃が走ったのは2010年9月のことだった。

キングジョージ(英GI/芝2400m)を勝ったハービンジャーが日本で種牡馬入りする――。

胸が踊るようなニュースだった。しかも名牝たちを所有する社台グループの社台スタリオンステーションに入るというのだから、期待が大きかった。

しかし、そんなハービンジャーが今、苦境に立たされている。満を持してデビューした初年度産駒たちが、苦戦を強いられているのだ。

“嫁”は日本屈指の名牝たち

サンデーサイレンスの血を持たないハービンジャーは重宝された。初年度は211頭の種付頭数を記録し、うち146頭が血統登録している。

繁殖相手は1997年の年度代表馬エアグルーヴ、牝馬として37年ぶりに有馬記念を制したダイワスカーレット、桜花賞を含むマイルGI2勝のダンスインザムード、さらに05年日米でオークスを勝ったシーザリオなど、日本屈指の良血牝馬が揃えられた。

一般的に種牡馬入り初年度は期待値が高く、いい牝馬が揃えられることが多い。とはいえ、社台グループといえばキングカメハメハやシンボリクリスエスといった非サンデー系の一流種牡馬を保有している。その中でここまで一流の繁殖牝馬がずらり揃うというのは、ハービンジャーに対する期待の高さ以外にほかならない。

期待を背負った産駒たち、しかし……

もっとも、残念なことに今のところハービンジャーは種牡馬として結果を出せていない。

質のいい牝馬が集められた中、5月20日の時点で重賞を勝っているのはベルーフ(京成杯)のみ。いわば3歳馬の品評会といえるクラシックに出走したのもベルーフだけ。桜花賞に出走した産駒はいない。そしてオークス、日本ダービーともに登録馬はゼロだ。

新馬、未勝利を勝ち上がったのが36頭に対し、2勝以上挙げているのはたった3頭しかいない。重賞戦線で活躍しながら春のクラシックに届かなかったロカを筆頭に、勝ち切れない産駒が目立っている。

当初の期待を踏まえると、現時点ではお世辞にも「成功」といえる結果を残せていないのだ。

ファーストクロップで見限るのは早い?

ただし、この評価はあくまでも「現時点」でのものだ。初年度産駒の3歳春シーズンが終わった時点ですべてを判断するのは時期尚早といえる。

なぜなら、古馬になってから飛躍的に成長を遂げる可能性はあるし、第2世代がいい成績を残すケースは多い。

ハービンジャーは古馬になってから力をつけた馬で、血統的にはまだまだこれから。また、生産を行う牧場や競走馬を管理する厩舎にとっても初年度産駒の扱いは手探り。1年目で育成方法をつかみ、2年目から成績を伸ばすケースは少なくない。

例えば最多勝利時は120勝を挙げたシンボリクリスエス産駒も、ファーストクロップは18勝と泣かず飛ばずだった。(2年目は102勝と躍進。)また、ディープインパクトにしても1年目はなかなかうまく行かず、2年目から勝利数や大舞台での勝ち鞍が増えていった。

そう考えると、ハービンジャーを見限るのはまだ早い。夏を越え大きく成長したハービンジャー産駒が秋開催を盛り上げる可能性は十分に考えられる。2年目からもいい馬が出るはずだ。

現時点で成功といえる成果を挙げられていないハービンジャーであるが、今後の巻き返しに期待したい。

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24日に東京競馬場で行われるオークスに、4頭の精鋭を送り出す種牡馬がいる。マンハッタンカフェだ。

牝馬ながらきさらぎ賞を勝ったルージュバック、トライアルのフローラSを制したシングウィズジョイ、フィリーズレビューを勝ち、桜花賞でも4着に健闘したクイーンズリング、12番人気ながらフラワーカップで2着に食い込んだアースライズ。

前哨戦から存在感を示してきたマンハッタンカフェの愛娘が、産駒初となる樫の女王を狙う。

史上最大勢力

これまでオークスに出走したマンハッタンカフェ産駒は3頭のみで、最も惜しかったのは09年のレッドディザイアの2着。相手はあのブエナビスタなのだから、仕方のないといったところだった。他の2頭は、同年16人気11着のフミノイマージンと、08年2人気6着のレッドアゲートでいずれも掲示板にのれていない。しかし、今回は09年以来の産駒出走かつ最多となる4頭出し。ブエナビスタのような絶対的存在も不在で、期待は高まる。

マンハッタンカフェ牝馬の出世はまれ?

そもそも、なぜマンハッタンカフェ産駒はこれまでオークスに3頭しか出走できていないのだろうか。マンハッタンカフェ産駒はデビュー以来、産駒全体の芝での複勝率が24.5%なのに対し牝馬に限定すると19.9%にまで落ちる。JRAの重賞を制した牝馬もこれまで9頭のみで、牡馬に比べるとかなり少ない。また、4歳以降に本格化したケースが多かった。

ただし今年はまったく情勢が違う。昨年デビューした現3歳世代のマンハッタンカフェ牝馬の芝レースにおける複勝率は30.2%で、牡馬の複勝率20.4%を大きく上回る。2014年まで6頭だけだった重賞勝ちのマンハッタンカフェ産駒も、今年だけで3頭誕生した。まさに、マンハッタンカフェ牝馬の当たり年なのだ。これまでの傾向はあてにできない。

【次のページヘ】芝GI馬3頭に共通する“成功配合”って?

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大種牡馬ブライアンズタイムの偉大さ!カフェブリリアントがGI戴冠へ

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大種牡馬ブライアンズタイムの仔、カフェブリリアントが3連勝の勢いに乗り、GI戴冠へ名乗りを挙げた。

5月17日に行われるヴィクトリアマイルで初のビッグタイトル獲得を目指す。勝利すれば、ブライアンズタイム産駒として17頭目のGIウィナーとなる。

今回はそんなカフェブリリアントの父ブライアンズタイムにスポットを当ててみたい。

死亡してなお影響力のある種牡馬

ブライアンズタイムは、2013年4月4日午前、アロースタッドの放牧地で大腿骨を骨折して安楽死となった。28歳だった。健康に問題はなく、種付けを行った直後の放牧で転んでしまったことによる骨折であったのは惜しまれる。

彼は現在、JRA産駒勝利数第3位の種牡馬であり、彼の仔たち無くして、数々の名場面は生まれなかったといって過言ではない。種牡馬の中の種牡馬である。

死亡してなお、産駒が活躍しているのだから恐れ入る。しかも種牡馬としては超高齢といえる20代半ばに種付けした産駒たちなのだから、遺伝力の強さに感嘆する他ない。

“御三家”と呼ばれた90年代

種牡馬としての代表産駒はなんといっても20世紀最後のクラシック三冠馬となったナリタブライアンだ。ほかにもマヤノトップガン、タニノギムレットなど多くのGⅠ馬を輩出している。90年代には、サンデーサイレンス(16歳没、産駒勝利数1位)、トニービン(17歳没、同13位)とともに”御三家”と呼ばれるほど、影響力のある種牡馬だった。

タニノギムレット、マヤノトップガンは種牡馬としても活躍し、“女傑”ウオッカを筆頭に秀逸な馬たちを世に送り出している。なお、残念ながらナリタブライアンは種牡馬入り2年後、胃破裂を起こし亡くなってしまったが、存命ならば、活躍馬を輩出したに違いない。

07年以来のGI制覇へ

1991年から99年まで、毎年産駒GⅠ戴冠を果たしていた偉大な種牡馬はさすがに2000年代に入ってからペースダウンした。それでも2007年にヴィクトリーが皐月賞を制し、フリオーソがダート界で輝くなど、要所要所で存在感を示している。

当然のことながら“御三家”の産駒で残っているのはブライアンズタイムのみ。サンデーサイレンス系の勢いに押されてしまっているものの、偉大な大種牡馬の直仔が90年代に争ったサンデーの仔の産駒たちと走るというのも、またひとつ、血のドラマとして感慨深いものがあるのではないだろうか。

ヴィクトリアマイルでカフェブリリアントが勝利を飾れば、2012年のエリザベス女王杯におけるレインボーダリア以来の戴冠となる。果たして愛娘は父に久々のGIタイトルを届けられるのか? 興味深い着眼点の一つになるはずだ。

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